陣痛促進剤のリスクは?効果や副作用、費用はどれくらい? 【完全版】

正常な分娩では使われることがない「陣痛促進剤」ですが、出産するときに医療機関から使用を提案されることがあります。
また、無痛分娩をおこなうときにも使われるお薬です。
前もって知っておきたい「陣痛促進剤」の効果や副作用などについての内容をまとめました。

陣痛促進剤とは


「陣痛促進剤」はその名のとおり「陣痛」を「促進」する薬です。
「陣痛誘発剤」と呼ばれることもあります。

陣痛とは赤ちゃんが子宮から外へ出る際に起こる子宮収縮やそれにともなう痛みのこと。
陣痛促進剤は、子宮収縮を促して、赤ちゃんを外に出しやすくします。

陣痛促進剤には内服薬と点滴の2種類があります。

内服薬の効き方

点滴と比較すると、内服薬の方が作用が弱く、子宮頚管を柔らかくする作用があります。
内服だけで子宮収縮が強くなりすぎることは、ほとんどありません。

分娩誘発として、まず使われることが多く、ゆっくりと陣痛がくるような効き方をします。
個人差がありますが、内服した日には産まれないことが多いようです。

内服薬は、薬の微量な調節が難しいため、飲み始めや陣痛が強くなったときには注意が必要です。

点滴の効き方

点滴は、内服薬で効果がない場合や、分娩が進行してから使用することが多いようです。
また、無痛分娩をおこなった際に、子宮口が開かないケースでも使用されます。

少ない量から投与を開始し、妊婦の経過に合わせて量を調節することが可能です。
少ない量の投与では効果が見られないケースが多く、量を増やすに従って効果が出やすくなるようです。

効果の現れ方は個人差が非常に大きいのが特徴で、数滴で陣痛がくる場合もあれば、30分後にくる場合、量を増やしても陣痛がないケースなどもあるようです。

陣痛促進剤の種類


陣痛促進剤として使われる薬はいくつかの種類があります。

オキシトシン

もっともよく使われている陣痛促進剤で、最近では「幸せホルモン」としてもよくその名前を聞くようになりました。
女性ホルモンのひとつで、母乳を出そうとする作用があるホルモンですが、子宮収縮を促す働きもあるため、陣痛促進剤としても使われています。

プロスタグランジン

プロスタグランジンは体内のさまざまな器官にある、ホルモンに似た働きをする物質です。
プロスタグランジンのなかに、いくつか種類がありますが子宮収縮を促す作用のものを、陣痛促進剤として使用されています。

陣痛促進剤が必要とされるのはどんなとき


では、どのようなときに陣痛促進剤が必要だと判断されるのでしょうか。

ママにとって、陣痛促進剤が必要と判断される場合

  • 微弱陣痛で、陣痛が強くならない
  • お産が長引いて母子ともに体力を消耗している
  • 破水したのに陣痛が始まらない
  • 予定日を大幅に過ぎている
  • バルーン(ミニメトロなど)の処置を行っても、陣痛が強くならない
  • 家庭や上の子の事情により、計画分娩が必要
  • 赤ちゃんにとって、陣痛促進剤が必要と判断される場合
  • 胎盤の状態が悪く、早く娩出したほうがよい
  • 赤ちゃんの状態がよくないと判断される

主に、上記のような状態になったときに、陣痛促進剤が使用されるようです。
妊娠中の経過に問題がない場合でも、必要になることがあります。

陣痛促進剤は、出産時になって突然使うことが決まるケースが多い薬です。

出産のときに焦らないよう、医師や助産師、看護師などに、前もって確認しておくこととよいでしょう。

帝王切開になるケース

陣痛促進剤を使用すると、陣痛がきて子宮口が開き、自然に分娩できるというのが一般的な流れです。
しかし、陣痛促進剤の効果は個人差が非常に大きく、場合によっては帝王切開になるケースがあります。

投与量を増やしたり、何日間かかけて陣痛促進剤を投与をしても、陣痛が強くならなかったり、子宮口が開なかったりすることで、出産が長引くケースがあります。

このようになかなか陣痛促進剤の効果があらわれなかったり、陣痛促進剤を使ってお産が始まったとしても、2時間以上分娩が進まないような場合を、「遷延分娩」や「分娩停止」といい、帝王切開が適応されるケースとなります。

また、出産の時間が長引くことで、ママの体力消耗が激しくなり、赤ちゃんに命の危険があると判断された場合も、帝王切開が適用されます。

このように、出産時に決定される帝王切開は「緊急帝王切開」とよばれます。

陣痛促進剤を使用したからといって、必ず自然分娩になるわけではありません。
出産の状況に応じて、ママと赤ちゃんにとって、もっとも安全な方法が選択されます。

考えられる副作用とリスク

陣痛促進剤には副作用はないのででしょうか。

内服薬の副作用

  • 頭痛
  • めまい
  • 気持ち悪くなる
  • 熱感・発汗
  • 血圧上昇
  • 不整脈
  • 胸が気持ち悪くなる
  • 呼吸異常

点滴の副作用

  • 発汗・発熱
  • 手指のしびれ
  • 頭痛
  • 気持ち悪くなる
  • 血圧低下
  • 不整脈
  • 呼吸困難
  • 微弱陣痛

重篤な副作用

  • アナフィラキシー
  • チアノーゼ
  • 痙攣
  • 心室細動
  • 心停止
  • 呼吸困難
  • 過強陣痛
  • 子宮破裂
  • 胎児仮死

陣痛促進剤は、「陣痛」を「促す」薬だと先ほどご説明しました。
陣痛を強めるときに、子宮収縮が強すぎてしまい、子宮が異常に張ってしまうという、「過強陣痛」のリスクがあるといわれています。

過強陣痛がもとで子宮に傷がつく「子宮破裂」や「子宮頸管裂傷」また、子宮の強い収縮により赤ちゃんが正常な状態ではなくなる「胎児機能不全」がおこる恐れがあるようです。

もしも子宮破裂がおこってしまうと、ママ・赤ちゃんともに危険な状態になってしまいます

とくに子宮筋層、漿膜など子宮壁の全層に裂傷ができる「全子宮破裂」の場合にはママの大量出血と激痛によるショック状態に、そして赤ちゃんは子宮の外(腹腔)に出てしまうことで胎児機能不全になり、最悪の場合はどちらも死亡してしまうことがあります。

万が一子宮破裂が起こった場合は、帝王切開で赤ちゃんをすぐに取り出してからママの緊急手術となります。
この場合、子宮におこる裂傷が、子宮の壁にある筋層までの「不全子宮破裂」なら、裂傷した部分の縫合で済むこともありますが、全子宮破裂の場合には子宮摘出となることも。

しかしながら、いずれも0.1~5%未満でおこる可能性があるきわめて稀な副作用であるようです。

痛みが倍になるというウワサは本当?

過強陣痛のような副作用が起こった場合は、通常より異常に子宮が張るため痛みは増える可能性が高いと考えれます。

また、副作用があらわれなかったとしても、陣痛促進剤には、強制的に子宮口を開く作用があります。
徐々に子宮口が広がるよりは痛みを感じるのかもしれません。

しかしながら、同じ分娩で「使用しない場合」「陣痛促進剤を使用した場合」で比較することができないので、しっかりとしたデータはありません。

また、痛みの感じ方は、個人差が非常に大きいものです。
一概に「自然分娩に比べて痛みが倍になる」とはいえないようです。

発達障害(自閉症)と関係がある?

陣痛促進剤と自閉症の関係について、2013年、2014年にアメリカで報告された臨床論文によると、陣痛促進剤を使用した場合に自閉症のリスクが高くなったという発表がされています。

しかしながら、「陣痛促進剤により自閉症になる」ことは現在の医学では証明されていません。

陣痛促進剤に関する事故

過去に、陣痛促進剤に使用により、過強陣痛となり、子宮破裂を来すという事故がありました。
その結果、赤ちゃんが脳性麻痺を患うという事例がありました。
こうした事例をもとに、1992年・1993年に陣痛促進剤の最大使用限度量が改定され、日本産婦人科学会から、再発防止の報告書が出されています。

日本産婦人科学会の診療ガイドラインが守られている事例では、陣痛促進剤を使ったことで赤ちゃんが脳性麻痺になる事故は、ほとんど起こっていません。

現在は、これらのリスクや事故を回避できるように、設備やモニタリングが整備されてきています。
薬剤の量により、陣痛や陣痛の間隔におこる変化が大きくなります。
その変化を見逃さないために、精密持続点滴装置(輸液ポンプ)を使用し、赤ちゃんの状態を把握するための分娩監視装置の装着などが施されています。

陣痛促進剤から出産までの時間


陣痛促進剤は、効果が出るまでの時間に個人差があります。
そのため、必ず何分以内に陣痛がくる、ということはありません。
実際に投与してみないとわからないということです。

陣痛促進剤を使っても、なかなか陣痛がこないときには、薬を変えたり、投与量を増やしたりします。

それでもお産が進まないときには、一旦帰宅するケースもあれば、数日かけて陣痛促進剤を使うケースもあります。
医者と相談し、どのようにするかを決めていくことが大切です。

無痛分娩は陣痛促進剤を使う


無痛分娩のときに、陣痛促進剤を使うケースがあります。

無痛分娩とは、麻酔を使って陣痛による痛みをなくし、出産を迎えるというものです。

全身麻酔ではなく、部分麻酔によるものなので、寝ている間に出産するわけではなく、赤ちゃんを出産する感覚はあります。
また、「無痛」といいますが、完全に陣痛を感じないわけではありません。

大きなメリットは、陣痛による体力の消耗がないので、出産後、体力の回復が早くスムーズに育児を行えることです。

無痛分娩は、、陣痛がおきて子宮口が開いてから、麻酔をいれていきます。
そのため、子宮口が開くまでに時間がかかる場合や、陣痛が弱い場合には、陣痛促進剤を使用します。

また、麻酔によって陣痛が弱くなった場合にも、陣痛促進剤が追加で投与されるケースがあります。

陣痛促進剤を増やしたことで、痛みが強くなったきには、麻酔の量を調整して、痛みを最低限にすることもあります。

陣痛促進剤にかかる費用は?


陣痛促進剤にはどのくらい費用がかかるのでしょうか。
投与された薬剤の量・種類、また病院によって変わってくるので金額は事前にわかりません。

だいたい1万円以上、場合によっては数万円と考えておくとよいでしょう。
陣痛促進剤の効果がなかなか得られず、何日も使い、費用がかさむケースもあります。

保険が適用されるケース/されないケース

基本的に、出産は健康保険が適用されません。
しかし陣痛促進剤を使用すると、保険が適用されるケースがあります。
保険適応される場合
微弱陣痛などに対する処置として、緊急的に使用する場合

保険適応されない場合
自然分娩を誘発する目的で、計画的に使用する場合

ママと赤ちゃんの安全を守るための、緊急的な処置に必要であった場合には、健康保険が適用されるので「高額療養費制度」の対象になることも。

注意しておきたいのは健康保険が適用されるのは、陣痛促進剤の薬剤代、治療費に対してのみです。
帝王切開による出産は健康保険の対象ですが、自然分娩で出産した、出産費用は保険が適用されません。

また、個人で契約している医療保険によっては、加入内容によって給付金を受け取れることも。
保険の契約内容によってことなるので、詳しくは加入している保険会社に確認するとよいでしょう。


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