妊娠中に食べてはいけないもの

妊娠中に控えた方がいい食べ物

妊娠していなかった頃は、食べたい物であれば何でも食べていたと思います。ですが、妊娠期間中は食べる際に注意すべき食品が存在します。妊娠期間中、どのような料理や素材に気をつけた方がいいのかを知っておく事が大切です。

食べ物編

生の魚介類

生の魚介類で一番心配なのは、生牡蠣などに存在する「ノロウイルス」です。 近年では、耳にする事が増えたのでご存知の方が多いのではないでしょうか。 感染力が強くひどい嘔吐・下痢・腹痛・38℃程度の発熱を引き起こします。 ノロウイルスは、下水が流れ込む河川や海に生息する二枚貝による物が最も多いといわれています。 例えば、牡蠣やアサリ、シジミなどです。

近年では、食用生牡蠣による食中毒は減ってきているという報告がありますが、妊娠期間中は免疫力が低下している為、生ものに付着しているウイルスによって食中毒に陥りやすい状況にあります。ウイルスやバイ菌類は、加熱すると死滅するので妊娠中はしっかりと加熱されているものを口にするようにしましょう。

生肉

生肉やよく火が通っていないお肉を食べる時に注意すべきウイルスは、「O-157」と「トキソプラズマ」です。「O-157」に関しては、毎年といってもいいほどニュースなどで話題になるのでほとんどの方が知っているのではないかと思われます。「O-157」は、家畜の糞便に含まれており、何らかの原因でお肉などの食品に付着し、それを生で食べてしまう事で感染します。症状は、下痢・腹痛・発熱・嘔吐・血便・だるさなどがあり、症状が重い方だと痙攣や脳症を引き起こす事があります。毎年、気温が温かく増殖しやすい初夏から初秋にかけて感染症が起こりやすくなります。冬・春に発症するケースもあるので年中注意しましょう。

「トキソプラズマ」は、豚・羊肉・鹿やネコの糞などにいる寄生虫です。「O-157」と違って、過去にトキソプラズマに感染した事がなく免疫を持っていない妊婦さんが感染すると、胎児に重い障害(先天性トキソプラズマ症)がのこる可能性があると言われています。割合としては、妊娠時期にもよりますが10~70%の割合で胎児に感染し後遺症をのこすと言われています。トキソプラズマは感染者本人には症状がほとんどなく、まれに風邪のような症状がでる方やリンパ節が腫れる方がいます。

「O-157」「トキソプラズマ」ともに、加熱処理をしっかりと行えば死滅するので、妊娠中はしっかりと加熱処理が行われたものを口にするようにしましょう。ネコを飼っている方は、トイレ掃除は出来るだけ他の家族にやってもらうようにしましょう。また、ネコを外に出すことで「トキソプラズマ」に感染するといわれているので、ネコを飼っている方は室内で飼う、感染を防ぐ為に生肉などを与えないなどの予防を心がけましょう。

マグロ

マグロはスーパーなどでも比較的手に入りやすく、よく口にするお魚の一つだと思います。マグロは良質なタンパク質を含むほか、DHA、EPAやカルシウム、ビタミンDなどの栄養素が含まれており、脳の機能や記憶力を高める、血行促進、腰痛、コレステロールの代謝促進、生活習慣病(動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞・糖尿病)の予防効果があると言われています。

そんな栄養満点なマグロには、胎児へ影響を与える可能性があると言われている「メチル水銀」がわずかですが含まれています。私たちはマグロを食べる事で、知らないうちに「メチル水銀」を体内へ取り込んでいるのです。「水銀」を食べているとなると、不安になってしまいますよね。ですが、心配はいりません。「メチル水銀」は、便と一緒に少しずつ体外へ排出される仕組みになっており、普通の食生活の範囲内であれば健康被害が起こることもないと言われています。

しかし、妊娠期間中にメチル水銀を含む魚介類を大量に摂取してしまうと、胎盤を通して胎児へメチル水銀が送られます。胎児は体内に取り込んだ「メチル水銀」を排出する事が出来ない為に「メチル水銀」の影響を受けやいと言われています。メチル水銀の影響を受けた胎児は、神経系の発達に影響が出るとの報告があります。赤ちゃんが生まれた後に、音を聴いた際の反応が1/1000秒以下のレベルで遅れるなどの症状があげられており、将来の社会生活に支障を来すほどの重篤なものではないと言われています。

魚介類の種類と摂取の目安

1回約80グラムとして考えた場合。

1週間に2回まで

  • マカジキ
  • キダイ
  • ユメカサゴ
  • ミナミマグロ
  • ヨシキリザメ
  • イシイルカ
  • クロムツ

1週間に1回まで

  • キンメダイ
  • クロマグロ
  • メカジキ
  • エッチュウバイガイ
  • ツチクジラ
  • メバチマグロ
  • マッコウクジラ
  • アンコウ

2週間に1回まで

  • コビレゴンドウ

2ヶ月に1回まで

  • バンドウイルカ

妊娠中のマグロ摂取は、厚生労働省により「週に一回80グラムまで」が望ましいとされています。マグロ以外にもクジラやイルカなどもメチル水銀を含んでいます。上記の表を目安にして食べるようにしましょう。赤ちゃんにとっても、魚に含まれている栄養は必要不可欠なものばかりです。マグロを全く口にしないようにするという事ではなく、適量をいただくというのが望ましいという事です。また、最近ではオメガ3脂肪酸を含んでいるとして注目されているアンコウもメチル水銀を多く含んでいる為、妊婦の方は注意が必要です。

【※妊娠に気付くのが遅れてしまい、注意をしていなかった】

胎盤を通して赤ちゃんへメチル水銀が送られますが、胎盤は妊娠4ヶ月目頃に作られます。妊娠に気付いた時点でマグロの摂取量を制限すれば、胎盤が出来上がる頃にはママの体内に残っている水銀の量も減少しています。ですから、妊娠に気付いてからでも遅くはないと言われているので問題ありません。

ひじき

2004年に英国食品規格より、ヒジキにはヒ素が含まれているという報告がありました。ですが、日本ではヒジキに含まれているヒ素は微量であり問題はないという見解を出しています。全くヒ素を含んでいないという事でもないので、食べすぎはよくありませんね。 4.7g以上を毎日摂取し続けなければ大丈夫と言われています。

またヒ素や水銀を恐れて、妊娠期間中にひじきやお魚を全く食べないという事のほうが胎児には深刻な問題だとも言われています。沢山の食材を少しずつというのが栄養バランスもよく、理想的といえるのではないでしょうか。

生卵

卵は販売会社によっては綺麗に洗浄されないまま販売されている事があります。その場合、卵の殻には「サルモネラ菌」が付着している事があり、卵を生で食べる(卵かけごはんなど)際、殻に付着した「サルモネラ菌」によって感染してしまう事があります。「サルモネラ菌」に感染してしまうと、悪心・嘔吐・腹痛・下痢・発熱などの症状が現れます。

生卵以外にも、加熱が不十分な肉類や低温殺菌処理が行われていない乳製品、ペットの糞などにも「サルモネラ菌」が存在している事があります。「サルモネラ菌」が直接胎児に影響する事はありませんが、下痢による腹痛などで子宮が収縮し、流産切迫早産につながる可能性もありますので十分に気をつけましょう。

生卵の取り扱い

「サルモネラ菌」も他の菌と同様、加熱する事で死滅するので心配な方はしっかりと加熱をしてから食べるようにしましょう。

【※赤ちゃんがアレルギー体質にならないように卵を食べていない】

中には赤ちゃんのアレルギーを心配して三大アレルゲンである卵・牛乳・大豆の摂取を控えている方がいらっしゃるようです。アレルギーは、ママやパパからの遺伝や後天的(生まれてからのち)に発症するものです。妊娠中にアレルゲンの食品を絶ったからといって防げるものではありません。卵や牛乳は妊婦さんにとって、必要不可欠な栄養源です。ママ自身が栄養不足になってしまう可能性があるので、卵や牛乳を絶つことは絶対に止めましょう。

チーズ

あまり知られてはいませんが、ナチュラルチーズ(非加熱のチーズ)には「リステリア菌」という菌が存在しています。妊娠していない人に比べると妊婦さんは20倍も感染しやすいといわれている細菌で、妊婦さんが感染すると胎盤を通して赤ちゃんに感染し、早産や死産、新生児の髄膜炎・敗血症などの原因になりえると言われています。症状は、インフルエンザの症状と似ており、早めに抗生物質を摂取することで、胎児への感染をふせぐ事が出来ます。ナチュラルチーズ以外にも、ブルーチーズ、カマンベールチーズ、生ハムやスモークサーモン、パテなども注意が必要です。

リステリア菌は、低温と濃度の高い塩分にも強いため、冷蔵庫でしっかり保管していても増殖します。妊娠中はナチュラルチーズやスモークサーモン、パテなどは避けましょう。プロセスチーズは、複数のナチュラルチーズを加熱して溶かし混ぜる事で作られているので食べても問題ありません。※パテ・・・肉や魚などの具材を細かく刻み、ペースト状あるいはムース状に練り上げたフランス料理です。

ヨウ素(ヨード)

ヨウ素(ヨード)は、昆布・海藻類・昆布エキスが入った調味料・昆布茶などの昆布汁が入った飲み物などに多く含まれています。「妊娠初期」のヨウ素(ヨード)の過剰摂取は控えたほうがよいとされています。妊娠初期を過ぎても、念のため過剰摂取は避けたほうがよいでしょう。ヨウ素(ヨード)を多く含む食材や一日の許容量についてはこちら

飲み物編

コーヒー

カフェインは血管を収縮させたり、鉄分やカルシウムの吸収を妨げるなど、妊娠中にはマイナスとなる事がいくつかあげられます。ですが、今まで毎日コーヒーを飲んでいた方が急に飲めなくなるとなると、飲めない事が逆にストレスになってしまいます。1日100mg以内であれば許容範囲内ですので、あまり無理せず許容範囲内でコーヒーや紅茶を楽しみましょう。また、ノンカフェイン(カフェインレス・デカフェ・ディカフェ・カフェインフリー)飲料を上手く取り入れましょう。

カフェインについて詳しく知りたい方はこちらから

栄養ドリンク

あまり知られていないようですが、栄養ドリンクにもカフェインが含まれています。また甘味料も多く使われているため、カロリーも気になるところです。たまに飲むくらいなら問題はありませんが、日常的に飲む事は避けましょう。

お酒

毎日晩酌の習慣があった方にとっては、アルコールを絶つことはとても大変な事だと思います。「一杯くらいなら・・・」という感覚で、妊娠中に毎日の飲酒が習慣化してしまうと、アルコール分が胎盤を通して赤ちゃんへ送られてしまい、「胎児性アルコール症候群(FAS)」という先天性疾患を発症してしまいます。胎児性アルコール症候群(FAS)は、妊娠中の摂取頻度や摂取量によっても症状の重さは変わってくるようです。

また、妊娠中や授乳中に飲酒をしなければ、絶対に発症する事のない疾患とも言えます。妊娠中にどうしてもお酒が飲みたくなった場合は、アルコールフリーの商品で気分転換をしましょう。アルコールフリーの商品は清涼飲料水と同じ扱いになりますので妊娠中に飲んでも問題ありません。

「胎児性アルコール症候群」とは・・・神経系脳障害の一種で精神発達の遅延や行動異常、小頭症などをひき起こします。

食べたい物・飲みたい物が制限されてしまう事は、本当に大変な事だと思います。ですが、妊娠中はママが口にしたものは赤ちゃんへも胎盤を通して送り届けられるという事を頭に入れておき、ママにとっても赤ちゃんにとっても安心で栄養がたっぷりつまった食事を取るよう心がけましょう。

妊娠中の食事と栄養についてはこちらをご覧下さい

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