失業給付(失業保険)受給期間の延長の手続きと金額について(2017年度版)

妊娠、出産をきっかけに退職を選択する方は、多いようです。

通常、退職をすると失業手当の給付を受けられますが、出産をする人はどうなるのでしょうか。

失業保険は「働く意思がある人」のためにある制度なので、すぐに働けない妊婦や産婦はすぐに給付されないのです。

しかし「もらえないのか」と諦めないでください。

失業給付は「延長」という手続きをすることで、受け取れます。

失業給付の受給期間を延長する手続きや、受け取れる金額、手続きの方法などを詳しくお伝えします。

「失業給付受給期間の延長」とはどのような制度なの?

失業給付とは「失業手当」のことをいいます。

失業手当とは、会社の倒産や個人的な都合、定年退職などで職場を退職し、働く意志や能力はあっても再就職できずにいる方への生活の手助けのために行われている支援です。

受給期間は、基本的に退職の翌日から1年以内となっており、それまでにもらい終えなければなりません。

妊娠中や出産後のママは、病気の方と同様で「働く意志があっても身体的に就職することが難しい」とみなされてしまい、失業手当が受け取れないまま受給期間が終わってしまいます。

このような状況を回避するための特別な措置として、妊娠・出産で失業手当を受け取ることができなかったママには、失業手当の受給期間を最長で3年まで延長できるのです。

本来の受給期間は1年ですから、合わせて最長4年以内に受け取ればOKということになります。

退職後すぐに、受給期間延期の手続きを済ませておくと、子育てが一段落し再就職に向けて動き出したときに失業手当を受け取れます。

2017年はなにが改正されたの?

2017年(平成29年)と2018年(平成30年)には、大きく制度の改正があります。
なかでも大きな改正は、受給日数の延長や、もらえるお金の給付率アップなどです。

倒産や解雇などで離職した方は、年齢にもよりますが給付日数が延長されます。
もらえるお金にあたる基本日額は、下限額と上限額の引き上げられるのです。

また、給付とは少し異なりますが、働いている方が支払っている雇用保険料の引き下げが、2017年4月から2020年まで3年間行われます。
これは失業給付を受給する方が減ってきたため、財政的に少し余裕がでたことが理由です。

法改正もふまえ、自分が受け取れる受給日数や、いくらもらえるかをみていきましょう。

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どのような人が対象ですか?

職場で雇用保険に加入しており、妊娠・出産をきっかけに退職し、産後に再就職を目標としているママが対象となります。

条件さえ満たしていれば、雇用形態による違いはありません。

対象とならないのは、雇用保険に加入していない方、専業主婦や自営業・自由業、公務員のママ、仕事を退職しないママなどです。

何日分受け取れるの?

もらえる日数は、会社を辞めた理由や、年齢、会社に勤めていた期間によっても異なります。

自己都合による退職

被保険者の期間

(会社に勤めていた期間)

1~10年 10~20年 20年~
90日 120日 150日

自分都合で離職した場合、もらえる日数は上記のようになっています。

なにも問題なく、妊娠・出産で退職した場合は、自己都合による退職で「特定理由離職者」となるのです。

特定理由離職者とは、やむを得ない事情で離職し、その事情のために再就職ができない方です。

妊娠・出産や、介護・看護、病気・ケガのような理由があれば、特定理由離職者となり失業給付の延長手続きができます。

倒産・解雇など会社都合による離職

被保険者の期間

(会社に勤めていた期間)

1年未満 1年以上

5年未満

5年以上

10年未満

10年以上

20年未満

20年以上
離職時年齢 30歳未満 90日 90日 120日 180日
30歳~

35歳未満

90日 120日 180日 210日 240日
35歳~

45歳未満

90日 150日 180日 240日 270日
45歳~

60歳未満

90日 180日 240日 270日 330日
60歳~

65歳未満

90日 150日 180日 210日 240日

妊娠・出産のような自己都合ではなく、会社から解雇されたり倒産した場合は上記日数になります。

2017年4月から、上記赤字の部分が90日から引き上げられました。

特定受給資格者の範囲
(一部割愛)
上司、 同僚等からの故意の排斥又は著しい冷遇若しくは嫌がらせを受けたことによって離職した者、事業主が職場におけるセクシュアルハラスメントの事実を把握していながら、雇用管理上の必要な措置を講じなかったことにより離職した者及び事業主が職場における妊娠、出産、育児休業、介護休業等に関する言動により労働者の就業環境が害されている事実を把握していながら、雇用管理上の必要な措置を講じなかったことにより離職した者

ただし、上記にあるよう、妊娠・出産にともなうマタハラが原因で退職した場合は「会社都合」の離職になるようです。

上司や同僚の嫌がらせがあって離職を決断した方は、退職理由にしっかり明記することで、受給日数が増えます。

就職困難者の離職

就職困難者の離職 被保険者の期間

(会社に勤めていた期間)

1年未満 1年以上
離職時年齢 45歳未満 150日 300日
45歳以上

65歳未満

150日 360日

就職困難者とは、

  1. 身体障害者、
  2. 知的障害者、
  3. 精神障害者、
  4. 刑法等の規定により保護観察に付された方、
  5. 社会的事情により就職が著しく阻害されている方などが該当します。

上記にあてはまる方も、給付日数は変わります。

自分の退職理由によって期間が異なりますが、一般的に妊娠・出産での退職は「一般離職者(特定理由退職者)」にあたることが多いようです。

金額はいくらもらえるの?

では実際、いくら失業手当をもらえるのでしょうか。

受け取れる金額は、退職する前の6ヶ月間の給料と、退職時の年齢によって決まります。

1日あたりに受給できる金額を「基本手当日額」といいます。
基本手当日額に受給日数をかけたものが、受け取れる金額になるのです。

基本的に、基本手当日額は、賃金日額の50~80%になります。

6ヶ月分の給料 ÷ 180日 = 賃金日額

賃金日額の計算には、ボーナスなどの賞与は含みません
毎月もらっていた給料の半年分を、180日で割って計算します。

先ほど計算した賃金日額に、給付率をかけたものが、基本手当日額になります。

賃金日額 × 給付率※ = 基本手当日額

このときの給付率は、給料の安い人ほど高くなり、高給の方ほど低くなるのです。

自分の給付率を知りたい方は、賃金日額を計算してから下記サイトでご確認ください。

【受け取れる金額】

基本手当日額 × 受給日数

基本手当日額が2017年引き上げ

基本手当日額には、下限と上限の金額があります。

2017年8月1日から、基本手当日額が引き上げられました。

30歳未満 30歳~45歳未満 45歳~60歳未満 60~65歳未満
上限額

(給付率が50%or45%になる点)

12,740円

13,370円

14,150円

14,850円

15,550円

16,340円

14,860円

15,590円

屈折点

(給付率50%or45%になる点)

11,610円 → 12,090円 10,460円

10,880円

屈折点

(給付率が80%になる点)

4,580円 → 4,920円
下限額

(給付率80%)

2,290円 → 2,460円

上記をふまえ計算してみました。
31歳勤務年数6年で、トラブルなく妊娠出産で退職した場合

  • 下限額
  • 2,460円 × 90日 = 221,400円

  • 上限額

14,850円 × 90日 = 1,336,500円

下限額だとしても、総額で約22万円とまとまった金額を受け取れます。
生活の助けにはなる金額といえるでしょう。

手続きはどのようにすればいい?

手続きはハローワークで行います。

受給期間延期の申請手続きは、原則として「退職した翌日から30日目に経過したあとの さらに翌日から1ヶ月以内」となっています。

文章にすると分かりづらいので、下記の表をご参照ください。

失業給付受給延長申請期間

つわりなどがひどく「体調のよい日に手続きを行こう」と、窓口へ行く日を先延ばしにしてしまい、申請期間が過ぎてしまうと失業給付金が受け取れなくなってしまいます。

手続きは、代理の方でも可能ですし、郵送でも行えます。
体調がよくない日が続く場合はハローワークへ問い合わせてみましょう。

いつ受け取れるの?

失業保険の延長を申請してから、出産、育児期間になります。

「そろそろ仕事を始めようかな」と考えたときに、雇用保険被保険者離職票をもってハローワークに行きましょう。

しかしハローワークで手続きをしたからといって、すぐに失業給付金を受け取れるわけではありません。
流れをみていきましょう。

例)自己都合で退職した場合

  1. 2017年8月1日:ハローワークで求職手続きをする(1週間の待期期間)
  2. 2017年8月8日~8月22日:雇用保険受給説明会
  3. 2017年8月29日:失業認定日
  4. 2017年11月21日:失業認定日
  5. 2017年11月25日:振込日
  6. 2017年12月19日:失業認定日
  7. 2017年12月23日:振込日
  8. 2018年1月16日:失業認定日
  9. 2018年1月20日:振込日

このように、手続きをしたからとすぐに給付されるわけではありません。

そもそも失業給付は「働きたいけど働けない(仕事が見つからない)」人へ給付するものなので、「4週間、求職活動をしたけど修飾できなかった」ということをハローワークに伝え(失業認定)、その数日後に振り込まれるという流れになっています。

あくまでも、上記は目安なので、必ずこの日数になるというわけではありません。
自治体によっても、異なりますので、だいたいのスケジュール感としてお考えください。

ハローワークの職員に相談しながら、求職活動をすすめていきましょう。

再就職をしたらお祝い金をもらえることも

ハローワークで求職活動を行っていて、失業給付金の受給期間中に就職できたときに、一定の条件を満たすと、再就職手当や就業手当を受け取れます。

これが「お祝い金」といわれるお金のことです。

ざっくり説明すると、失業給付金の残額が1/3以上残っている間に、再就職がきまったらOKというのが大きな条件です。

自己都合で退職した場合

自己都合で退職した場合は、7日間の待機後、最初の1ヶ月間はハローワークや職業紹介事業者の紹介で就職することが条件です。

それ以降は、新聞広告や知人の紹介など、ハローワーク以外ので就職を決めてもOK。

会社都合で退職した場合

会社都合で退職した場合は、待期期間が終了したあと、どんな経路からであっても就職が決まれば受給対象になります。

再就職手当はいくらもらえるの?

再就職手当は、早く再就職すればするほど、多くもらえます。

    支給日数が2/3以上残っている場合

  • 基本手当 × 70% × 支給残日数
  • 支給日数が1/3以上残っている場合

  • 基本手当 × 60% × 支給残日数

もしも、再就職先で受け取った6ヶ月分の給料が、前職6ヶ月分よりも少なかった場合は、就業促進定着手当を受け取れます。

新しい就職先で給料をもらいつつ、お祝い金を受け取れるのはうれしいですね。

失業給付で注意したい点とは?

通常、お仕事を退職して無職(無収入)になると、パパの扶養に入ります。

しかし、失業給付を受給すると、パパの扶養に入れないことがあるのです。

その期間、ママは一度国民年金に加入、または国民健康保険に加入する必要が出てくる場合がありますので注意しましょう。

マイナンバー制度についての注意点

2016年からマイナンバー制度が導入されました。

失業給付のような社会保障制度を使用するには、必ずマイナンバーが必要です。

そのため、マイナンバーの個人番号を提出しなければいけなくなりました。

なかにはマイナンバーを受け取り拒否をし「通知書が手元にないので自分のマイナンバーが分からない」という方もいるようです。

そのような場合は、住民票がある市区町村役場へ行き、マイナンバーの再発行を依頼してくださいね。

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