不妊治療費は医療費控除の対象!条件と申請方法をわかりやすく解説

不妊治療は、医療費がかさみがちです。

タイミング法であれば1回数千円で済みますが、顕微治療になると1回40~60万円ほどかかります。
1年間に顕微治療を2回すると、80~120万円の医療費がかかるということになるのです。

助成金があるとはいえ、大きな出費には変わりません。

そこで、不妊治療で1年間にかかった医療費は、確定申告をして還付金を受け取りましょう。

医療費控除を行うにあたって、申請方法や時期、還付金の計算方法などを詳しくお伝えします。

医療費控除ってなに?


医療費控除とは、1年間にかかった医療費を、年間の所得から差し引くことです。

医療費控除をすることで、支払う税金が安くなり、支払いすぎた税金から還付金を受け取れます。

感覚的に年末調整で、支払いすぎた税金の還付金を受け取るのと似ていますが、医療費控除は確定申告が必要です。

ちなみに、一緒に暮らしている家族全員の医療費を合算して、申請できます。

不妊治療にかかった医療費は、医療費控除の対象


医療費控除は、基本的に「治療」を行うためにかかった費用が対象です。

不妊治療は、「医師」によって「治療」を行うため、医療費控除の対象になります。

【不妊治療で医療費控除の対象になるもの】

  • 診察代
  • 治療費(保険適用外の体外受精や顕微授精もOK)
  • 病院までの交通費

不妊治療にかかった費用の領収書は、大切に保存しておきましょう。

不妊治療はどんな治療?

不妊治療は、通常ステップアップ治療ともいわれ、徐々に高度な技術が必要になり、医療費もかさんでいきます。

    【保険適用される不妊治療】

  • タイミング法
  • 排卵誘発法
  • 【保険適用されない不妊治療】

  • 人工授精
  • 体外受精
  • 顕微授精

1回にかかる費用は、タイミング法は数千円、人工授精は1万円前後、顕微授精は40~60万円となっていくため、家計への負担は大きい治療といえるでしょう。

体外受精や顕微授精には、助成金もありますが、それでも支払い総額は安くなりません。

また所得制限によって、助成金を受け取れない方でも、医療費控除はできます。

しっかり医療費控除をして、受け取れる還付金は受け取っておきましょう。

医療費控除の条件は?

では、医療費控除を受けるための条件を、くわしくみていきましょう。

医療費控除の対象は?

医療費控除の対象には、ある条件があります。

  • 自分または、家族のために支払った医療費
  • その年の1月1日~12月31日までの医療費

家計(生計)が一緒の配偶者や、親族などのために支払った医療費が対象です。

この「生計が一緒」というのは、同居でなくても問題ありません。
別居していても日常的に生活費や療養費などを送金している場合は、「生計を一にする」として扱われます。

医療費控除の対象になる金額は?

医療費控除の対象になる金額は、どのように計算するのかを、みていきましょう。

医療費控除の対象金額

  • (かかった医療費総額)-(保険金や助成金で受け取った合計額)

基本的にかかった医療費(支出分)から、受け取った給付金(収入分)を引いた金額が対象です。

もしも、顕微授精を2回して100万円かかったとして、助成金を45万円受け取っていた場合は、「100万円-45万円=55万円」となるので、55万円が医療費控除の対象になります。

では差し引いた額が1万円でも、医療費控除の対象になるのでしょうか。

年間の所得によって医療費控除の対象額が変わる?

医療費が10万円以上
その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等5%の金額

年間の所得が200万円以上の方は、10万円以上の医療費、医療費控除の対象です。
この「10万円」というのが、有名すぎて「うちは10万円に満たなかったから諦めよう」と思う方も少なくありません。

ここで注目したいのは、「所得」が「200万円未満」のケースです。

所得は年収ではない

「所得」は、お給料の額面ではありません。

年末調整や確定申告などで、社会保険料のような控除するものを、引いたあとの金額が「所得」です。

会社員の所得は、源泉徴収票にある「給与所得控除後の金額」が所得です。

フリーランスや事業をしている方は、収入から経費を引いた金額が所得になります。

年収300万円は所得が200万円未満になる?

年収が300万円の場合は、所得が200万円未満になるケースがあります。

1年間の年収「300万円」から、基礎控除や社会保険料を引くと、年間の所得は192万円です。

このケースは「所得は200万円未満」にあてはまります。

    その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等5%の金額

  • 192万円(年間所得)×5%=96,000円(医療費控除の額)

このように、年収300万円の方は、医療費控除額が96,000円からになりました。

つまり、家族全員で年間のかかった医療費が、96,000円を超えると医療費控除ができるのです。

「医療費控除は10万円から」というのはひとつの目安になりますが、所得によっても異なるので、自分の所得を確認しましょう。

いくら戻ってくるの?


ところで、医療費控除をしたら、いくら還付金を受け取れるのでしょうか。

還付金を受け取れるのは、基本的に給与を受け取るときに、天引きで納税している会社員です。

医療費控除の対象金額

  • (かかった医療費総額)-(保険金や助成金で受け取った合計額)

まずは、対象の金額を計算しましょう。

1年間の医療費で注意したいのが、クレジットカードで支払いをして、引き落とし日が翌年になったケースです。
この場合は、カードを使用した日が支払日になるので、計算に含めましょう。

つぎに医療費控除の金額をもって、還付金を計算します。

還付金の計算

  • (医療費控除の金額)×(自分の所得税率)=還付金

このとき、みておきたいのは「自分の所得税率」です。

ここでも「所得」であり、年収ではないので注意しましょう。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え 4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

医療費控除の計算式

もし、医療費控除額が100万円で、夫の所得が400万円、妻の所得が190万円のケースだと、どうなるかを計算してみましょう。

    医療費控除額:100万円

  • 夫で医療費控除を申請したケース
  • 年間所得400万円 税率20%
  • 100万円×20%=20万円

  • 妻で医療費控除を申請したケース
  • 年間所得190万円 税率10%
  • 100万円×10%=10万円

夫と妻では所得が違うため、所得税率が異なります。

このケースでは、10万円の差が出ました。

所得差がある夫婦の場合は、所得額の大きい方で医療費控除をすると、還付金を多くもらえます。

還付金以外にもメリットがある


医療費控除を行うことで、支払うべき税額が下がります。

つまり、所得税も住民税も、減額されるということです。

所得税が減税されると、支払い過ぎたものが還付金として戻ってきます。

住民税が減税されると、翌年6月からの住民税が安くなるため、給料から引かれる額が減るのです。

また、住民税が減ると、さまざまな行政サービスでもメリットがあることも。
たとえば不妊治療によって出産した場合、住民税が減ることで、保育園料が安くなることもあります。

医療費控除の申請はどうするの?


医療費控除は、確定申告で行います。
年末調整ではできないので、注意しましょう。

所得の多い方は、支払う税金が多くなるので、夫婦で所得の多い方で申告をするとよいですね。

申請に必要なものは?

医療費控除の申請に必要なものは、次のとおりです。

    【医療費控除に必要なもの】

  • 確定申告書
  • 源泉徴収票(会社員の場合)
  • 医療費のレシート・領収書・交通費などのメモ
  • 医療費控除の内訳
  • マイナンバー
  • 本人確認書類のコピー
  • 口座情報

確定申告書にはAとBがあります。
会社員の方はA、フリーランスや個人事業主はBを使うとよいでしょう。

確定申告は、税務署に持参や郵送で提出できますが、インターネットでも、確定申告書の作成や申請ができます。

医療費控除の内訳は、エクセルなどで自分で作ってもよいですが、最近では家計簿アプリで作成できるものもあるので、自分にとってやりやすい方法で集計しましょう。

下記は、国税庁の医療費集計フォームです。

マイナンバー(個人番号)は2016年(平成28年)から、必須になりました。
確定申告書に記入欄があるので、忘れずに記入しましょう。

どこに提出すればよいの?

確定申告は、住民票のある地域にある管轄税務署になります。

確定申告の時期になると、市町村役場で確定申告の出張相談を行う場合もあるのですが、そのときに提出できるケースもあるようです。

いつまでに申告しないといけないの?

確定申告は、毎年2月16日~3月15日ごろに行われます。

しかし、医療費控除は、1年中いつでも申告できるのです。

確定申告とは、収入を「確定」して、税額を「申告」するために行われるので、フリーランスや個人事業主は、確定申告の受付時期に行いましょう。

会社員の方は、お給料を受け取るときに、すでに税金を納めています。
そのため「還付申告」はいつでもよいのです。

「払いすぎた税金を返してね」と、申告するのは1年中どの時期でも行ってOKといえます。

「しまった!申告を忘れてた!」は5年以内ならOK

医療費控除だけでなく、還付申告は5年間、申告が可能です。

そのため、去年やおととしの申告を忘れていても、問題ありません。

5年後の3月15日が最終期限なので、それまでに申告を済ませましょう。

医療費控除の対象にならないものがある?


医療費控除は、不妊治療だけでなく、歯医者や眼科など、家族全員の治療費を合算して申告できます。

しかし、なかには医療費控除の対象にならないものもあるのです。

通院のタクシー代や自家用車の駐車場代は?

交通費は、電車やバスなどの公共交通機関が対象です。
領収書はないものが多いので、かかった往復の交通費をメモしておきましょう。

交通費で悩むのがタクシー代ですが、足を怪我して動けないなど「タクシーでないといけない理由」があれば、医療費控除の対象になります。
領収書の裏に、理由をメモ書きしておきましょう。

しかし通常、タクシー代や自家用車の駐車場代・ガソリン代などは、医療費控除の対象にはなりません。

妊活サプリやマッサージ代は対象外

妊活が目的であったとしても、サプリは医療費控除の対象ではありません。

また、妊活で食事療法を取り入れた場合でも、食費は医療費控除に含めるのはNGです。

また、血行をよくするためにマッサージに通ったり、医師から温泉をオススメされたとしても、医療費控除の対象にはなりません。

入院中の差額ベッド代は対象外

なんらかの理由で入院したときの、病院から提供される食事代などは医療費控除の対象です。

しかし差額ベッド代や、お見舞いにきた親族の食事代、自分で購入したパジャマのクリーニング代などは、医療費控除の対象にはなりません。

タイミング法で高額になったときは高額療養費制度も使う

タイミング法や排卵誘発剤などの、保険が適用される治療で高額になった場合は、高額療養費制度を使えます。

  • 1日~末日まで、1ヶ月にかかった医療費が高額になった場合

基本的に、年齢や所得によって自己負担額は異なるので、詳しくは下記ページをご覧ください。
詳しくチェック!

12ヶ月以内に3回以上、自己負担額を超えた場合は、さらに自己負担額が下がって負担が軽くなります。

詳しくは、加入している健康保険組合や国民健康保険に、問い合わせるとよいでしょう。

不妊治療の出費を軽減する方法


不妊治療を行った場合、助成金を受け取ることもできます。

助成金の対象は、体外受精や顕微授精です。

体外受精や顕微授精は自費扱いになるので、高額療養費の対象ではありませんが、助成金の対象なので、忘れずに申請しましょう。

詳しくは下記の記事を、ご参照ください。

詳しくチェック!

また、不妊治療で給付金を受け取れる、民間の保険もあります。

2016年に初めて日本で誕生した保険なので、あまり知られていないかもしれませんが、不妊治療を行う方は、知っておいたほうがよいかもしれません。

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不妊治療中は、民間の保険に加入できないケースが多いのですが、探せば例外もあります。

また、保険料を見直して家計負担を減らしたい場合は、無料で相談できるファイナンシャル・プランナーに相談をするとよいでしょう。

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医療費控除はメリットがいっぱい


「確定申告ってよくわからないし、すごく面倒くさそう」
「申告してもたいして戻ってこないんじゃないの」

と考えている方は多いようです。

しかし、最近はやっているふるさと納税よりも、住民税が減る可能性もあり、なおかつ還付金を受け取れるのであれば、やって損はありません。

「確定申告がよくわからない」という方は、税務署で聞けば優しく丁寧に教えてくれます。

確定申告の2月~3月は、税務署が混みますが、それ以外の時期なら大丈夫。

税務署に領収書や医療費をまとめたメモを持っていくだけで、還付金を受け取れるなら、やったほうがお得です。

とくに、高額の不妊治療を受けた方は、大きく戻ってくる可能性もあるので、忘れずに行ってくださいね。

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