不妊治療の費用はいくらかかる?治療別に平均料金をチェック

2010年6月に行われた「第14回出生動向基本調査」によると、不妊検査や不妊治療を受けたことがある、または現在受けている夫婦は16.4%でした。

およそ6組に1組は不妊検査・不妊治療の経験があるようです。

日本は世界平均に比べて、不妊症率が1.8倍にも上るといわれており、不妊治療は日本にいる多くの夫婦が受けているものだといえます。

子どもを授かりたいけれど、なかなかできない夫婦にとって、不妊治療は妊娠する望みをかけるためのものですが、それには大きな金額と労力が必要です。

そこで、今回は不妊治療における平均費用を、治療別にみていきましょう。

1年の間に妊娠しなければ不妊症?


不妊症は、不妊検査で不妊であると診断されて、はじめて決まるものではないようです。

日本産婦人科学会が発表した一般的な定義によると、生殖年齢の男女が避妊をせずに性交を継続して1年が経過しても妊娠が成立しなければ不妊症といえます。

以前は1年という期間が2年でした。

しかし女性の晩婚化にともない、妊娠する年齢が上がってきていることを受けて、定義を1年にしました。

不妊に対する危機感を持たせて、早期に治療を受けさせる目的で変更されたようです。

参照:

不妊治療の費用総額は?

不妊治療によって妊娠した女性に実施したアンケートによると、不妊治療にかかった費用の通算でもっとも多いのが100~199万円で、全体の平均は約140万円となっています。

同調査によると、不妊治療を始めてから妊娠するまでの期間は、平均25ヶ月であるそうです。

治療が長くなればなるほど、費用は高くなっていきます。

不妊治療を行う際には140万円はかかるとみておき、期間によってはさらに多くのお金が必要になると考えておいた方がよいでしょう。

治療別の平均費用

不妊治療は検査から実際の治療まで、さまざまな段階や方法があります。

その多くは保険が適用されないため、ひとつの検査や治療だけでも高くつくでしょう。

検査

検査は、不妊の原因を調べる検査と、排卵時期を特定する検査の2種類があります。

また、女性側の検査と、男性側の検査もそれぞれ行うのです。

女性側の検査

  • 超音波検査(エコー検査)
  • ホルモン検査(血液検査)
  • 子宮卵管造影検査
  • 腹腔鏡検査 など
男性側の検査

  • 精液検査
  • 精巣検査
  • ヒューナーテスト など

検査内容によって金額は変動しますが、大体8,000~20,000円ほどかかります。

検査の多くは一部保険が適用されるようです。

不妊治療

不妊治療は大きく分けて「一般不妊治療」と「高度不妊治療」に分かれます。

一般不妊治療ではタイミング法とや人工授精が行われ、高度不妊治療では体外受精と顕微授精という方法があります。

高度不妊治療では、高度な医療技術を用いて治療するため、一般不妊治療に比べて高額です。

それぞれの治療法でかかる、料金の相場をみていきましょう。

一般不妊治療

一般不妊治療は、卵管を利用した治療法です。

妊娠するまでには排卵、受精、胚発育、着床の4つのステップがあります。

このうち受精から着床までは、卵管内で行われるのですが、不妊検査で卵管になにかしらの問題がある場合は、一般不妊治療は適さないと判断される場合もあるのです。

タイミング法

タイミング法は不妊治療のなかで、もっとも一般的な方法で、不妊治療の第一歩ともいえます。

検査で妊娠しにくくしている大きな要因がない限り、タイミング法が用いられます。

不妊検査の過程で特定された排卵日をもとに、医師が夫婦生活を持つようにアドバイスを行うのです。

タイミング法を用いて、1度の排卵で見事妊娠が成立する確率は、約20%だといわれています。

タイミング法によって1年の間に妊娠する夫婦は約80%で、2年以内にもなると約90%にのぼります。

タイミング法では受診料や排卵誘発剤などの薬代がかかり、1周期の治療費は3,000~20,000円程度かかるでしょう。

人工授精(AIH)

次に、人工授精ではタイミング法と同じく排卵日を特定して、その前後に男性側から採取した精子を洗浄・濃縮し、人工的に子宮の中に注入します。

タイミング法との違いは、タイミング法は性交を行うことで精子が直接膣内に入るのに対し、人工授精では精子をいったん採取して精子を子宮に注入するという点です。

人工授精は、不妊検査で運動精子数が少ないと判断された場合や、タイミング法で妊娠に至らなかった場合などに用いられる治療法です。

活発な精子が子宮内に到達しやすいというのが人工授精のメリットといえます。

人工授精の平均費用は1回あたり約15,000~30,000円です。
タイミング法に比べて割高であり、1回の人工授精で成功するとは限らないため、数回重ねていくと結構な総額になります。

この記事もチェック!

高度不妊治療

一般不妊治療で成功しなかった夫婦や、検査で一般不妊治療では妊娠が難しいと判断された場合は、高度不妊治療が用いられます。

高度不妊治療には体外受精と顕微授精があり、一般不妊治療よりも費用が高くなることが多いのです。

体外受精(IVF)

子宮内から取り出した卵子に精子をふりかけて、体外で受精させ、受精卵の培養後に子宮に戻す方法が体外受精です。

体外受精には胚移植と胚盤胞移植、凍結胚移植の3つがあり、採卵後のプロセスに違いがあります。

自然妊娠の場合は、受精してから細胞分裂のあと、7~10日ほどかけて胚盤胞の状態(着床できる状態)で子宮に到達します。

胚移植では、排卵後2~3日かけて受精卵を培養し、分割が始まったら子宮内に戻します。
胚は子宮内で胚盤胞まで発育されます。

胚盤胞移植は、排卵後5~7日、体外で受精卵が胚盤胞になるまで培養して、子宮内に戻す方法です。
胚盤胞移植は、自然妊娠や通常の胚移植に比べて、着床率が高いとされています。

ほかにも体外受精には、凍結胚移植という一時的に受精卵を凍結させ、ホルモン治療などの末に子宮内膜が整ったあと、受精卵を子宮に戻すというやり方もあります。

体外受精の場合、処置がすべて保険適用外になり、1回あたり約30~60万円ほどかかります。

高度な技術を使用するとはいえ、妊娠率は30~45%とそれほど高いわけではないため、体外受精を躊躇する夫婦も多いようです。

この記事もチェック!

顕微授精(ICSI)

顕微授精は精子と卵子をそれぞれ採取し、人工的に受精させたあとで、子宮に戻すというやり方です。

精子の数が少なかったり運動量が少ないといった場合や、卵子受精力が弱いといった場合などによく用いられる方法で、体外受精に比べて妊娠成功率は高いといわれています。

顕微授精も体外受精と同様に保険が適用されません。

1回の顕微授精で35~60万円ほどかかるといわれており、体外受精よりも多くの費用が必要になると見ておいた方がよいでしょう。

不妊治療の捻出方法

不妊治療は1回の処置で妊娠できるとは限らず、回数を重ねていくごとに出費が重なっていきます。

先に紹介した不妊治療の総額費用では、平均が140万円ほどですが、治療内容によっては数百万円かかることも想定しておくべきでしょう。

貯蓄や生活費の節約

不妊治療中の夫婦からよく上がるお金の捻出方法として、毎月のお給料から決まった額を不妊治療用の貯蓄に回すという方法があります。

ボーナスなど特別な収入の一部またはすべてを、不妊治療用にキープしておく夫婦も多いようです。

食費や光熱費といった生活費も不妊治療のために節約することで、浮いたお金が積りに積もって結構な額になるでしょう。

特定不妊治療助成制度

体外受精や顕微授精などの特定不妊治療に限り、国から助成金を受け取ることができます。

47都道府県のどこでも受けることが可能で、1回の治療につき15万円、初回に限り30万円まで助成される制度です。

凍結胚移植など一部の処置は、1回の治療につき7.5万円のように違いがあります。

助成対象になるには、治療を受ける妻の年齢が43歳以下など、一定の条件があるので、注意しましょう。

また、各自治体によっては、独自の助成金制度を設けているところもあります。

特定不妊治療助成制度の申請方法

助成金は基本的に治療のあとに申請し、会計後に決められた期間内に、自治体の役所に申請書を提出します。

申請期限は自治体によって異なるため、事前にお住まいの自治体へ問い合わせておくことをおすすめします。

詳しくは下記の記事を参照ください。

医療費控除

自分や家族のために支払った医療費をまとめて、確定申告をすることで、控除を受ける場合があります。

医療費控除では、貯蓄のように不妊治療の前から、お金を捻出することはできません。

しかし、年をまたいで不妊治療を受けるときには、前年にかかった不妊治療費の控除額を、翌年の治療費に回すとよいでしょう。

不妊治療において医療費の対象となるのは、検査代や治療費、薬代、不妊治療目的のマッサージなどです。

通院にかかったお金(交通費など)も医療費に含むことができますので、レシートや記録を控えておくことをオススメします。

毎年1月から12月までにかかった医療費の実質負担額が10万円を超えた場合、200万円までの金額が所得から差し引かれます。

所得金額が200万円未満は、所得金額の5%なので、10万円を超えなくても医療費控除を受けられるケースもあるのです。

なお、助成金をもらっている場合でも、1年間の治療費から助成金額を差し引いた後の額が10万円を超えていれば、控除対象になります。

詳しくは下記の記事を参照ください。

不妊治療の専門保険がある

不妊治療には高額な費用がかかるため、2016年に日本ではじめて不妊治療をサポートする保険がでました。

日本生命保険が販売する「ニッセイ 出産サポート給付金付3大疾病保障保険 ChouChou!(シュシュ)」は、不妊治療を行う女性のための保険です。

特定不妊治療だけでなく、出産祝い金があり、がん・心筋梗塞・脳卒中などの三大疾病や死亡保障も付いています。

お得かどうかは、下記の記事で試算しているので、参照ください。

不妊治療は高額だからこそお金のやりくりが大切

不妊治療は、多額のお金がかかるため、家計を圧迫する場合もあるでしょう。

とくに高度不妊治療は、一般不妊治療に比べ平均費用が割高であるため、治療を躊躇してしまうかもしれません。

不妊に悩む夫婦が、治療を成功させて子宝に恵まれるために、医療費控除や助成金といった制度を紹介しました。

不妊治療にかかるお金のことでストレスを抱えないためにも、ぜひそういった制度を最大限に活用してください。

日々、貯蓄や節約をすることも、不妊治療費の捻出につながります。

毎月の貯蓄額や生活費のやりくりは、夫婦できちんと話し合って決めることでスムーズに行くでしょう。

また、こういった家計の相談を、ファイナンシャル・プランナーに聞くのもひとつの方法です。

家計のやりくりや、制度の活用方法などを、わかりやすく教えてくれるプロに聞くと、ストレスが少なく知識を増やせるので、オススメです。

この記事もチェック!

気に入ったらシェア

注目記事

まだ無添加が良いと思ってる?【本当におすすめしたい葉酸サプリベスト3】効果・値段で徹底比較!

葉酸の含有量や一緒にとれる栄養成分など、あらゆる角度から調べ、本当におすすめしたい葉酸サプリメント3つを選びました!

賢いママは知っている? 妊活中から産後までにやっておきたいお金の準備まとめ

妊活・妊娠・出産…いったいお金はいくらかかってどう準備したらいいの?そんなお金の話をチェック!

スポンサーリンク

スポンサーリンク