凍結胚移植はどんな方法?妊娠率や費用は?

「胚移植」とは、体の外で受精卵を培養してから、子宮に戻すことをいいます。

不妊治療である体外受精や顕微授精において、おこなわれるものです。

この胚移植には、新鮮胚移植と凍結胚移植の2種類があり、凍結胚移植の方が妊娠率が高いといわれています。

しかし、胚を凍結しても問題はないのか、費用はどのくらいかかるのか、不安に思われるご夫婦も多くいるようです。

そこで今回は凍結胚移植は、どのようにおこなわれるのか、妊娠率や費用、メリット、デメリットなどをまとめてみました。

凍結胚移植とは


体外受精や顕微授精では、卵子と精子を採取して、体外で受精をさせて育てるのです。

その後、培養した胚を、女性の子宮に移植する胚移植がおこなわれますが、胚移植にはふたつの方法があります。

新鮮胚移植と、凍結胚移植です。

新鮮胚移植とは、採卵した同じ周期に、受精卵の培養から胚移植までをおこなう方法。

いっぽうの凍結胚移植は、培養した受精卵(胚)をいったん凍結して保存し、適切なタイミングで融解して、胚移植するというものです。

凍結保存した胚を移植することから、凍結胚移植と呼ばれます。

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凍結胚移植になるケースとは?

凍結胚移植をおこなうのは、どのようなケースでしょうか。

子宮の状態が胚移植に適さない場合

体外受精や顕微授精においては、良質の卵子を複数個採取するために、排卵誘発剤を使用することがよくあります。

しかし、排卵誘発剤には、多少の副作用があるのです。

子宮内膜が薄くなってしまったり、卵巣が腫れてしまうなど、卵巣過剰刺激症候群を引き起こす副作用があります。

そのような状態では、移植しても着床、妊娠に至ることが難しいため、女性の子宮や卵巣の状態が回復するまで待つ必要があります。

体の回復を待つ間、胚は、凍結して保存されることになります。

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余剰胚がある場合

排卵誘発剤による治療を行った場合、1回の採卵で複数の卵子を採取できます。

採取できる数は人によって違いますが、3~4個という場合から10個以上という場合もあるようです。

しかし胚移植においては、多胎妊娠防止の観点から、移植するのはひとつの胚だけにします。

ひとつ以上、受精卵を確保できた場合、残りの胚は凍結し、次回以降の移植のために保存します。

凍結胚移植のメリットとデメリット


凍結胚移植のメリットやデメリットを、客観的に比べてみました。

凍結胚移植のメリット

まずはメリットからみていきましょう。

妊娠確率が高い

新鮮胚移植の妊娠確率は、約20%といわれています。

いっぽうの凍結胚移植の妊娠確率は約35%

凍結胚移植の場合、凍結保存している間に、妊娠しやすい状態に子宮を整えることができ、そのために着床率が高くなり、妊娠確率がアップするのです。

ただし妊娠確率は、病院やクリニック、女性の年齢などで変わってくるので、参考程度にしてください。

1回の採卵で複数回の移植が可能

1回の採卵で、複数の受精卵を確保できた場合は、残った余剰胚を、今後の移植用に保存できるのです。

排卵誘発剤による治療は、体に大きな負担をかけますが、1回の採卵で、複数回分の胚を確保できれば、身体的・精神的負担を軽くできます。

なお、1回の採卵で何回の胚移植ができるかどうかは、採卵数にも大きく影響を受けます。

採卵数は人によって、数個から10個以上とかなりの幅があるので、個人差が大きいようです。

妊娠に至った場合、下の子を希望するときまで、冷凍保存しておくこともできます。

凍結胚移植のデメリット

妊娠率が比較的高く、1度の採卵で、何回か分の移植が行える凍結胚ですが、デメリットはどのようなものがあるのでしょうか。

コストがかかる

凍結胚移植は、新鮮胚移植に比べて、凍結・保存・融解など、高い技術と設備が必要です。

また、凍結保存してから、移植するまでの期間が長くなり、通院する回数も増えます。

凍結胚移植を何回するか、どのような処置を受けるかによっても金額は変わりますが、新鮮胚移植に比べると、1回あたり8万円〜15万円くらい高額になる可能性があります。

胚が移植不可能になる

新しい凍結技術の登場で、胚の生存率は95%以上と高いものがありますが、それは5%近い胚は生存できなかったということでもあります。

まれに、凍結〜融解において、退行変性がおこることもあるのです。

また胚のグレードが低いほど、ダメージを受けるリスクは高まります。

そのため、凍結する胚は通常、グレード3以上のものが選ばれる傾向です。

胚のグレードってなに?

採取された卵子と精子は、体外で受精して、その後培養されます。

採卵した日を0とすると、翌日1日目に受精が確認され、2日目に4分割胚、3日目に8分割胚、4日目には桑実胚、そして5日目に胚盤胞となるのです。

胚は、培養師によって顕微鏡で観察され、その成長具合からグレードがつけられます。

グレードは1から5まであり、数が大きい方が高評価です。

通常凍結保存する胚は、グレード3以上を選びます。

凍結胚移植の安全性は?


凍結胚移植は、凍結保存した胚を、溶かして移植するというものですが「胚を凍結しても大丈夫なのか」と、安全性について不安に思われる方は多いようです。

近年、凍結技術は飛躍的に進化しています。

以前は、ゆっくり凍結する方法がとられていましたが、現在では、急速ガラス化法という、超急速で凍結させる新しい技術を採用しているのです。

凍結した胚は-196度の液体窒素の中に保存し、移植するタイミングで、急速融解法という急速に融解する方法がとられます。

この新しい技術により、凍結胚の生存率は95%以上と、高いものになりました。

凍結胚を移植して出産した場合と、新鮮胚移植・自然妊娠によって出産した場合をくらべると、胎児の染色体異常の発生確率は、ほとんど変わらないといわれています。

凍結胚移植のスケジュールや方法は?


凍結胚の移植は、採卵周期以降の周期で、排卵日に合わせて行いますが、いつ行うかは、女性の子宮の状態や健康状態を考慮しながら、医師と相談して決めます。

子宮の内膜が、着床可能な状態になっていることが前提条件です。

そのため、子宮内膜に問題がある場合や、卵巣過剰刺激症候群を発症している場合は、まず治療をおこなって、回復を待つ必要があります。

なお胚移植には、自然周期法とホルモン補充周期法があり、女性の体の状態に合わせて、選ぶようです。

どちらの方法をとるかは、体の状態も考慮しながら、担当の先生と十分に相談した上で決めていくことになります。

自然周期法

生理周期が安定している方は、自分の排卵期に合わせておこなう「自然周期法」をとることも可能です。

その場合は、排卵予定日の2日前、病院やクリニックにて超音波検査による卵胞の大きさのチェックして、尿中検査・血液検査をおこない、排卵日を特定します。

その後、特定した排卵日に合わせて、凍結胚を融解し、子宮に移植するという流れになります。

ホルモン補充周期法

生理周期が不安定で、排卵日が予測しにくかったり、子宮内膜が着床しやすい状態になりにくい方は、「ホルモン補充法」が適用されます。

ホルモン補充周期法は、移植の前周期から、ホルモン剤の服用や注射をして、女性ホルモン(黄体ホルモンや卵胞ホルモン)の補充をおこなう方法です。

それにより、排卵をコントロールし、子宮内を理想的な状態にしてから、胚移植をおこないます。

排卵が不安定な方には、ホルモン補充周期法が確実です。

しかし自然周期法よりも、病院やクリニックへの通院回数は多くなり、ホルモン剤などの費用が追加でかかります。

凍結胚移植の着床時期

胚移植後の着床時期は、移植した胚が何日目の胚であるのかにも影響を受けますが、だいたい3〜5日後くらいといわれています。

着床時に、下腹部がチクチクする着床痛を感じる人もいますが、全ての人が感じるわけではありません。

妊娠したかどうかの判定がでるには、胚移植から2週間程度かかります。

凍結胚移植の費用


凍結胚移植の場合は、新鮮胚移植には必要のない、下記のような料金が追加でかかります。

    胚凍結料

  • 凍結胚保存料(長期間になればなるほど高くなります)
  • 凍結胚融解移植料(移植ごとにかかります)

これらの料金は、病院やクリニックでかなり異なりますので、一概にいくらとはいえませんが、1回の凍結胚移植につき、新鮮胚移植より8~15万円くらい費用が高くなってしまいます。

しかし1回目の胚移植で、妊娠に至らなかった場合、余剰胚を凍結しておけるので、毎回、採卵・受精・培養を新たに行う必要がありません。

そのため、長い目で見ると、凍結胚移植の方が経済的負担は少なくなる可能性もあります。

凍結胚移植はしっかり話し合って決めることが大切


体外受精や顕微授精において、胚移植の方法は、新鮮胚移植と凍結胚移植の2種類があります。

新鮮胚移植とは、採卵周期に受精、培養した胚を、子宮に移植する方法です。

それに対し、凍結胚移植は、採卵周期に移植せず、いったん胚を凍結保存した後に、融解して子宮に移植するという方法。

子宮内の環境を万全に整えてから胚移植をするため、新鮮胚移植に比べて、妊娠率が高いといわれています。

胚を凍結することに不安を感じるご夫婦も多いと思いますが、現在では急速ガラス化法により胚の生存率は95%と高い数字がでています。

また、新鮮胚移植をした場合でも、余剰胚を凍結し、次回の移植に備えることが可能です。

全胚を凍結するのか、余剰分だけを凍結するのかは、女性の子宮の状態にもよります。

パートナーを含め、担当の医師と十分に相談した上で、ふたりともが納得できる治療法を見つけてください。

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