【無痛分娩とは】リスクはある?費用、痛みはどれくらい?

無痛分娩に関心のある妊婦さんや、お産スタイルの選択肢のひとつに無痛分娩を考えている妊活中の女性のみなさんは、無痛分娩の痛みは「ゼロ」だと思ってはいませんか?
文字からまったく「無痛」で出産できそうなイメージですが、多少の痛みはあるようです。

アメリカやフランスでは、積極的に無痛分娩を行っているようですが、日本での無痛分娩率はまだまだ低いようです。
ヨーロッパに比べ普及率は低いものの、関心が高まりつつある無痛分娩についてお伝えします。

無痛分娩の場合はどのような流れで出産を行うのか、痛みや麻酔について、リスクや、気になる費用など、無痛分娩をわかりやすくひも解いていきましょう。

無痛分娩とは


無痛分娩はいたみを「無」にするのではなく、出産による痛みを麻酔でコントロールして和らげる分娩方法です。

医療機関によって無痛分娩の出産スケジュールは異なりますが、あらかじめ出産日を決め入院するケースと、陣痛が起きてから出産するケースがあります。

無痛分娩の流れ


無痛分娩の流れは、バースプランによって異なります。

計画(予定)無痛分娩を行うケース

計画的に予定を立てて出産する場合、あらかじめ出産予定日を決めます。

  1. あらかじめ出産予定日を決め予約、前日に入院
  2. 超音波、ノンストレステストなどの診断を行ったうえ、ミニメトロ(風船のようなもの)を子宮口に入れる。
  3. 翌日子宮口が5cmほど開いているのを確認してから、カテーテルを設置し麻酔液の準備をする。
  4. 点滴で陣痛促進剤(誘発剤)を注入。
  5. お産の進み具合に従って、麻酔薬を調整する。

このような流れが一般的ですが、予定した日よりも早く自然陣痛が起きてしまったり、破水してしまったときは、予定通りに無痛分娩ができないこともあるようです。

あらかじめ出産日を決めることで、夫の立ち合いスケジュールを調整したり、誰かに上の子どもの世話を頼みやすくなります。

自然陣痛を待つケース

自然陣痛が起きるのを待ち、子宮口が少し開いてから麻酔の注入を開始する方法をとる産院は24時間体制の医療機関が多いようです。

  1. 陣痛が開始してから入院
  2. 子宮口が5cmほど開いているのを確認してから、カテーテルを設置し麻酔液の準備をする。
  3. 点滴で陣痛促進剤(誘発剤)を注入。
  4. お産の進み具合に従って、麻酔薬を調整する。

子宮口が開くまでは、通常の出産と同じなので痛みを感じます。
カテーテルの準備をした後は、ベッド上で過ごしますので、食事はせずに点滴で管理されます。

無痛分娩中は、陣痛をお腹の張りとして感じることができるので、自力でいきんで出産します。
もしも、いきむタイミングがうまくつかめなくても、医師や助産師が手伝うので心配はいりません。

自然陣痛を待つケースで対応できないのは、お産の進行が早くて麻酔のチューブ(カテーテル)設置が間に合わない場合のようです。

いずれのお産の場合も、お産の進行状況によっては、急遽帝王切開になることがあるようです。
これは、ママと赤ちゃんの安全を最優先にするために、無痛分娩だけでなく、すべてのお産に共通したことです。

無痛分娩の後

無痛分娩の際、会陰切開をする確率はかなり低くなるようです。
もし会陰部に傷が生じても、麻酔をしているため、痛みをほとんど感じることもありません。
傷の縫合などの処置を終えてから、麻酔用に取り付けたチューブを抜きます。

その後は普通分娩の場合と同じ痛みを感じるので、点滴や飲み薬の痛み止めで対処してもらいます。

産後、赤ちゃんとの過ごし方は、施設によっても異なりますが、すぐに赤ちゃんを抱かせてもらえるなど自然分娩とまったく同じです。
授乳についても、無痛分娩が妨げになることは全くありません。

赤ちゃんに対する母親としての気持ちも、無痛分娩だから感じ方が違うということはないようです。

むしろ自然分娩の痛みから疲れ切ってしまうママもいるので、「自然の産みの苦しみ=愛情の深さ」ともいい切れないようです。

無痛分娩は出産するとき、どの痛みを和らげる?


出産は、段階的に痛みがあります。
まず陣痛(子宮収縮の痛み)と、赤ちゃんの頭によって広げられる膣、外陰唇と会陰、圧迫を受ける肛門などにでる痛みです。
無痛分娩は、これらの痛みを総合的に和らげる効果があります。

経験者の体験談によると「ほとんど痛みを感じなかった」という方から、「痛いけれど我慢できないほどではなかった」という方まで、さまざまな感想があります。

無痛分娩の鎮痛方法は2種類


現在は、一般的に硬膜外麻酔(こうまくがいますい)と静脈点滴の2種類の鎮痛方法です。

硬膜外麻酔(こうまくがいますい)

硬膜外麻酔は、下半身麻酔のなかでとてもポピュラーな麻酔のひとつです。

無痛分娩に使用するときは、背中の腰に近い部分に痛み止めを注射します。
そこから針を入れ、硬膜外腔にカテーテル(細いチューブ)を注入してから、針を抜きます。
柔らかいカテーテルだけが体の中に残り、背中にテープで固定します。

ここから麻酔薬を注入し、脳へ痛みのもとが伝わるのをブロックします。

このとき、副交感神経が優位に働くので、ママはリラックスしてお産ができます。

医療機関によっては硬膜外麻酔と、足などの手術で使われる「下半身麻酔」の脊髄くも膜下麻酔をあわせて使うところもあります。

静脈点滴

硬膜外麻酔が使えない人の場合、医療用麻薬を点滴から静脈の中に投与したり、ガスの麻酔薬を吸うケースもあります。

無痛分娩のメリット


無痛分娩には下記のようなメリットがあります。

  • 分娩中の痛みが軽減される
  • 痛みのストレスから解放される
  • 副交感神経が優位なので、産道が広がりやすく、会陰切開も減る
  • 意識はしっかりしている
  • 陣痛はお腹の張りとしてわかるので、自分でいきんで出産ができる
  • 出産にかかる時間が短くなる

体力の消耗が減るので、産後の回復が早まる痛みが少なくなるため、普通分娩のように陣痛や出産によって体力が削られることがありません。
無痛分娩のメリットはかなり大きく、分娩中の負担がかなり軽くなることがわかります。

痛みが少なくなるため、普通分娩のように陣痛や出産によって体力が削られることがありません。

産後の育児を行うにあたり、素早く体力を回復できます。

無痛分娩のデメリット


無痛分娩に下記のようなリスクがあります。

  • いきむ力が弱り、分娩に時間がかかってしまう
  • 陣痛が弱まり(微弱陣痛)結局、吸引分娩(鉗子分娩)になる可能性がある

麻酔を使用することで赤ちゃんへの影響はないのでしょうか。
使用される麻酔の種類によるリスクをみていきましょう。

硬膜外麻酔
(局所麻酔)
静脈点滴やガスの麻酔
(全身麻酔)
鎮痛効果 高い やや弱い
ママの状態 意識がはっきりしている 眠気が起こる
呼吸が弱くなることもある
ママへの副作用 脚の感覚がなくなる、一時的な血圧低下、排尿困難、頭痛、かゆみ、など 喉の痛み、声のかすれ、頭痛、吐き気、めまい、腰痛、目の違和感、など
赤ちゃんへの影響 ほとんど現れない 眠そう(眠気が起こる)
呼吸が弱くなることもある

長時間同じ体勢を取るため腰痛や、涙が不足するため異物が入ったように感じるようです。
このように、ママへの影響は直接の麻酔の影響でないものも含まれます。

硬膜外麻酔は、胎盤を通過して赤ちゃんへ作用しないので、スリーピングベイビーになる心配はありません。

静脈点滴は、ママの血管を通って薬剤が体に回るので、胎盤を通じて赤ちゃんへも作用が出ます。
静脈点滴が終わり、薬の影響がなくなればママも赤ちゃんも元気になります。

副作用は、個人差があるので、どのように出るかはわかりません。
無痛分娩を選択する際に医師に説明してもらい、リスクを含めて納得できるのであれば、無痛分娩を選択するとよいでしょう。

すべての妊婦が、無痛分娩を受けられるわけではない


残念ながら、無痛分娩を希望しても、だれもが受けられるわけではありません。
無痛分娩を希望する妊婦の状態が適応できるかで、決まります。

例えば、血が止まりにくい、背骨に変形がある、神経の病気がある、または硬膜外腔にカテーテルを入れる箇所にうみ(膿)が溜まっている、などのケースでは 無痛分娩ができません。

無痛分娩を希望していなくても、妊娠高血圧症候群の方や、妊娠経過で疲労が強いような方は、医師から無痛分娩をすすめられることがあるようです。

無痛分娩を扱う医療機関は約300施設


日本全国で約300施設が無痛分娩に対応していますが、そのほとんどは東京などの都心部にあります。

そのため、妊娠がわかったら、なるべく早い段階で産婦人科の医者に相談をしましょう。
担当医から、無痛分娩が可能な医療機関を紹介してもらえる場合があります。

無痛分娩は高度な技術が必要とされているため、専門の麻酔科病院や医師をしっかり選ぶことが大切です。

自分で無痛分娩に対応できる医療機関を探すなら、数ヶ所ほど候補を選び内容を比較するとよいでしょう。
各医療機関に直接問い合わせて、疑問点や不安などしっかり話して説明を受けておくと安心できます。
無痛分娩対応とホームページに書いてあったとしても、なかには、初産婦は自然分娩だけで、経産婦のみが無痛分娩できる医療機関もあるようです。
無痛分娩を行った方のブログや体験談を参照にするのもよいでしょう。

ご自宅の近くに無痛分娩ができる医療機関があるかを確認したい方は、日本産科麻酔学会で「無痛分娩施設リスト」をご参考ください。

無痛分娩、費用はどのくらい?


無痛分娩の費用は、普通分娩の費用に加えて、3万~20万円くらいですが、分娩する医療機関によって異なります。
無痛分娩を行うには、産婦人科医、経験のある麻酔医、助産師、看護師などが必要になりますが、病院や産院によって、スタッフの人数や設備など、さまざまな違いがあるためです。

おわりに


無痛分娩に関するさまざまな情報をお届けしました。
痛みの感じ方は個人差があるので、全く痛みがなくなるわけでもないようです。
しかし、確実に痛みは軽減されるので、体力の回復が早く、その後の育児が楽になるというメリットがあります。

無痛だから赤ちゃんに愛情を感じないということはありません。
体力を温存し、子育てにパワーをかけるのもひとつの方法です。

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