妊娠初期に知っておきたい!切迫流産の原因・症状・対処法など

この記事の監修医師
ポートサイド女性総合クリニックビバリータ・院長
清水なほみ先生
http://www.vivalita.com/index.html

日本産科婦人科学会専門医。日本不妊カウンセリング学会認定カウンセラー。 「ビバリータ」とは輝くような魅力的な女性のこと。心も体も健康であるように、女性の立場を生かしたアドバイスをおこなっている。

切迫流産は流産しかかっている状態といわれていますが、実際は本当に流産しかかっている可能性が高い場合と、少し出血が見られたので「切迫流産にしておく」だけで、あまり流産とは関係ない場合があります。
後者の場合、実際の流産とは異なり妊娠継続の可能性は十分にあります。

初めて切迫流産になってしまったママは不安を覚えるでしょうが、症状や対処法などを知っておくことで不安を少しでも軽減し、冷静に対処することができるでしょう。

切迫流産と診断された方も、切迫流産ではないけれど妊娠初期の方も、切迫流産のことについてご覧ください。

切迫流産とは

切迫流産とは、妊娠の状態は継続しているけれど出血やおなかの張りなど流産を疑う兆候がある状態を指します。

実際の流産は妊娠の継続が不可能なのですが、切迫流産はまだ妊娠が継続する可能性が残っているのです。

切迫流産は、妊娠22週未満までに子宮の痛みや出血など、流産の兆候がある場合に診断されます。
ちなみに、妊娠22週を過ぎて同じような状態になった際には、「切迫早産」と呼ばれます。

切迫流産は時期によってふたつに分けられ、12週未満の場合は「切迫早期流産」、12~22週未満は「切迫後期流産」といいます。

切迫流産の原因


切迫流産は、ほとんどの場合が原因不明とされていますが、原因として下記が考えられます。

  • 染色体異常
  • 子宮筋腫などの子宮の異常
  • 絨毛膜羊膜炎
  • 多児妊娠
  • 性病
  • 薬物や酒類の使用

東洋医学では流産の原因として身体の冷えが挙げられ、古代ギリシャでは堕胎の際に冷水を浴びる方法が用いられていたことから、冷えも流産につながる可能性が十分にあるでしょう。

なお、妊娠12週未満の流産ほとんどは染色体異常が原因だといわれています。
胎児に染色体異常があると、それ以上正常に育つことができないために、自然に流産を起こす仕組みになっているのです。

染色体異常は母体の加齢とともに発生確率が高くなる傾向にあり40歳以上の流産率は25%にも及ぶとされています。

なお、妊娠12~22週未満の流産は、染色体の異常ではなく性病の感染や薬物の使用、子宮筋腫など、母親側の原因で引き起こされることが多いようです。

切迫流産になる確率


切迫流産は決して珍しいものではなく、およそ15%の妊婦さんが切迫流産に陥るそうです。

切迫流産から出産に至る確率は7.5%といわれています。
つまり、全体の妊娠の約7.5%が流産に至る計算になるのです。

なお、高齢出産の場合、切迫流産になってしまう確率は高まります。

20代で切迫流産の確率が10%だとすれば、30代は25~30%、40代以降は40%にまで確率が上がってしまうのです。

切迫流産の症状・兆候

切迫流産の症状・兆候には下記のようなものがあります。

下腹部痛

切迫流産の症状としてよく見られるのが腹痛です。
子宮の収縮が起こると、下腹部に痛みや張りを覚えることがあります。

妊娠しているにも関わらず、生理痛のような下腹部痛やチクチクした痛みがあれば、切迫流産の可能性が考えられるのです。

妊娠初期に起こる腹痛は、ほかにもあります。
子宮の収縮を抑えるプロゲステロン(黄体ホルモン)というホルモンが、胃腸の動きを抑えてしまうことで、お腹の調子が悪くなり腹痛に繋がることもあるのです。

また、便秘による腹痛も妊娠初期に起こりやすく、子宮が大きくなることで、腸が圧迫されて腹痛をともなう便秘が引き起こされます。
便秘とは反対に、下痢で腹痛になる場合には、ホルモンバランスの乱れが考えられるでしょう。

ただ、お腹の調子が悪いことで腹痛が起きているのか、切迫流産の痛みなのかを自分で判断することが難しいようです。

妊娠初期に腹痛がある場合は、主治医に相談することをオススメします。

また、激痛をともなう場合は、危険な状態である可能性が高いため、ただちに病院を受診しましょう。

おなかの張り

おなかの張りは、妊娠中期頃から増えますが、妊娠初期の段階でおなかがパンパンに張っている、便秘が続いたときのような感じを覚えたら要注意。

妊娠初期は、子宮がまだ小さく収縮が少ない時期であるため、張りを感じることは少ないのです。

お腹が張ると、触ったときに硬くなっていることがあるかもしれません。
ベッドに横になった際にお腹を触ってみて、いつもより硬いと思ったら、お腹が張っているサインです。

子宮が発達している最中に、子宮の筋肉や子宮を支える靭帯などが伸びて痛みにつながることもありますが、下腹部痛と併発している場合や、張りが強い場合はすぐに医師に相談しましょう。

不正出血

性器からの出血も、切迫流産の症状としてよく起こります。
出血の量や色はさまざまで、色や量を問わず出血があれば切迫流産と診断されることが多いようです。

血の色は茶色っぽかったり鮮血の場合もあり、出血の期間も個人差があります。

茶色のおりもののような場合は、古い血液が体外に排出されている場合なので、それほど心配はないといわれていますが、鮮血や出血の量が多い場合は危険性が高いと診断されるようです。

出血の原因は、ふたつ考えられます。

  • 絨毛(じゅうもう)膜下血腫からの出血
  • 胎盤が出来ていく過程の出血

どちらが原因かは特定するのが大変難しく大きな病気が隠れていることも予想されます。

妊娠初期に出血があった場合は、遠慮なく医師に相談しましょう。

出血なしで、腹痛のみがあっても、切迫流産と診断されるケースも多くあります。

ただし、妊娠12週までの出血は珍しくなく、妊娠初期に少量の出血が見られても胎児の成長は問題ない場合も多いのです。

切迫流産の治療法・対処法

切迫流産と診断された際、少しでも妊娠継続の可能性を高めるためには、とにかく安静にすることが求められます。

切迫流産になったとしても有効な薬や治療法が存在しないため、基本的には流産を引き起こすかもしれない行動を避けることしかできないのです。

自宅安静

切迫流産と診断された場合、医師から自宅安静を指示されるケースが多いでしょう。

なぜ安静にするのかというと、子宮内に血腫(血液の塊)ができた際の切迫流産では、安静にすることで流産を回避できた事例があるからです。

少しでも妊娠継続の確率が高くなるように、自宅で安静にすることが大切です。

日常生活では、できるだけ家事を他の人にお願いするなどして、ゆっくり休める環境を整えましょう。

お薬の処方

出血や腹痛の症状が強い場合、止血剤や子宮収縮抑制剤などのお薬を投与する必要があります。

飲み薬や点滴などで症状が緩和されることがあるため、受診の際にはご自分の症状を適格に伝えて正しいお薬をもらいましょう。

症状によっては入院になることも

母体の子宮口が開いている、子宮収縮がひどい、胎児の心拍に問題がある場合には、入院を余儀なくされることがあります。

入院期間は1週間から数ヶ月と、人によって違うようです。

入院費用は1日1万円が目安で、ベッド代や食事代などを含めるとさらに高くなることが予想されます。

入院費が高くて経済的に負担がかかる場合は、加入している健康保険や医療保険の制度を利用することで負担を軽減できる場合があります。

切迫流産で利用できる健康保険の制度

健康保険には、もしものために用意された制度が設けられています。

切迫流産を理由に、自宅安静や入院を余儀なくされた際に、利用できる制度を紹介しましょう。

傷病手当

切迫流産で自宅安静を命じられた場合、働いている方は仕事を休む必要があります。
仕事を休んで、会社からお給料がもらえない場合に利用できる制度が「傷病手当」です。

傷病手当は、病気やケガなどで、休業中に本人とその家族の生活を保障する目的で、設けられています。

傷病手当を受けるには、ある一定の条件を満たしている必要があり、保険協会によって異なる場合がありますが、協会けんぽを例に挙げると条件は下記の通りです。

  • 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
  • 仕事に就くことができないこと
  • 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
  • 休業した期間について給与の支払いがないこと

上記の条件をすべて満たしている場合、標準報酬日額の3分の2に相当する金額が支給されます。

申請は会社を通して行ったり、自分で保険組合のウェブサイトから申請書をダウンロードし、直接窓口で申請することも可能です。

高額療養費制度

1ヶ月の医療費が自己負担限度額を超えた場合、健康保険の「高額療養費制度」が利用できます。
自己負担限度額を超えた分の金額が健康保険から払い戻される制度です。

自己負担限度額は所得に応じて決定され、下記の計算式で決まります。

標準報酬月額 計算式 多数回数
83万円以上 252,600円+(総医療費-842,000円)×1% 140,100円
53万~79万円 167,400円+(総医療費-558,000円)×1% 93,000円
28万~50万円 80,100円+(総医療費-267,000円)×1% 44,400円
26万円以下 57,600円 44,400
市区町村民税の非課税対象者 35,400円 24,600

※69歳未満の場合

ただし、ベッド代や食事代など全額自己負担は対象になりません。
入院期間が2ヶ月にまたがった場合は、月ごとで計算した上で適用されます。

切迫流産にならないための予防法

切迫流産は、染色体の異常など自分では防ぐことのできない原因で起こることもあります。

しかし、少しでも切迫流産に陥るリスクを下げるためには、妊娠初期に無理な動きを避けるべきでしょう。

重いものを持たない

妊娠初期に限らず、妊娠中は重さがあるものを持つとお腹に負担がかかってしまいます。
ストレスや過労の原因にもなり、それが切迫流産につながる恐れがあるのです。

家事や買い物など、重い荷物を持たなければいけない場合には、できるだけ周りの人に手伝ってもらうようにしましょう。

お仕事で荷物の持ち運びをする機会が多い女性は、早めに職場に妊娠報告をして配慮を求めることが大切です。

母子健康管理指導カードなどを使って、職場に理解を求めるとよいでしょう。

激しい運動を避ける

息を止めて腹圧をかけるような無酸素運動は、妊婦さんには向いていないとされています。

筋トレや短距離走、重量挙げなどが無酸素運動です。

妊娠中の運動は、ヨガやウォーキング、水泳などの有酸素運動がよいでしょう。

とはいえ、お腹が張り気味な方は、運動も控えるほうが安全です。
妊娠初期は、なるべく安静にするほうがよいですね。

喫煙者は禁煙に努める

喫煙している妊婦さんは、そうでない妊婦さんに比べて、自然流産などの危険が高まるといわれています。

流産を免れて生まれたとしても、低体重など危険な状態で生まれてくる可能性や「乳幼児突然死症候群」(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)のリスクも高まってしまうのです。

無事に健康な赤ちゃんを産むためにも、今まで喫煙習慣のあった方は妊娠を機に直ちに禁煙しましょう。

大切な赤ちゃんのことだから知っておきたい切迫流産


切迫流産は、安静にすれば赤ちゃんが助かるケースが多いといわれていますが、それでも「流産しかかっている状態」の可能性もあります。

もし切迫流産になってしまったときに、冷静に対処できるよう、考えられる原因と対策をしっかり把握しておきましょう。

症状も腹痛や不正出血など、なかなか自分では判断しづらいものばかりです。

思い当たる症状があれば、必ず主治医に診てもらい、切迫流産と診断された際には、周りの人の理解と協力を得ながら安静にしてくださいね。

切迫流産になってしまえば、経済的にも不安が募ります。
健康保険や医療保険で利用できる制度があるか、またその申請方法なども把握しておくと便利です。

妊娠中は赤ちゃんとママの両方が健康であるべきなので、切迫流産のことをしっかり知って、体だけでなく心の余裕も持っておきましょう。

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