「母乳バンク」について考えること

「母乳バンク」について考えること

細菌に汚染されていた母乳がネットで販売されていたニュースがありました(2015年7月3日)

Yahooへ掲載されたニュース現在は削除されています。

その後も、母乳バンクについての議論が続いています。しかし、母乳バンクはすべて怪しい…というのは間違いで、欧米やインドにはきちんと管理された母乳バンクがあり、フィンランドでは50年も前から存在しています。日本でも、2013年7月に都内の病院で母乳バンクが始まりました。日本で母乳バンクが設立された理由は、「未熟児を守るため」。2500グラム未満で生まれた赤ちゃんは、栄養が豊富で免疫力を高める母乳を飲むことにより、感染症のリスクを減らすことができるのです。

特に、粉ミルクを消化できない場合におきることがある深刻な腸炎を防ぐには母乳は有効だと多くの医師が考えています。もちろん本人の母親の母乳が最適ですが、適切な支援を受けても母親の母乳が出ない時(病気などの事情)に母乳バンクのドナ母乳が必要とされるのです。しかしこの「ドナー母乳」とは厳格に管理された安全な母乳のことであり、2015年7月現在、この安全な母乳バンクは昭和大学江東豊洲病院以外にありません。

社会問題になった「インターネットでの母乳販売」の問題点は、安全性が保障できないから。

どこの誰が搾ったかわからない母乳、どのような環境で搾られたかもわからない母乳。不衛生かもしれないし感染しているかもしれない。もしかしたら白い絵の具かもしれない。そんな母乳をネットで買って赤ちゃんに飲ませるのは、危険ドラッグくらい怖いことだと私は思います。もしエイズに感染している母親の母乳だとしたら、赤ちゃんがエイズに感染するリスクもあるのです。正体不明の母乳をネットで購入するのは、正体不明の献血を受けるようなものだといっても過言ではありません。

「母乳はほぼすべての乳児にとって最適な栄養である」ことは、多くの母親たちは知っています。免疫物質など人工的に作れない多くの栄養が含まれています。「かわいいわが子に母乳を飲ませたい」でも、頑張っても母乳が思うように出なくて不安な時は、助産師など専門職による「根拠に基づいた適切な支援」を受けてほしい。そして適切なタイミングで適切な量の粉ミルクを選択してほしいと願います。

私は今まで7000人以上の母乳相談にかかわってきました。中には母乳分泌量が少ないケースも、たくさん出すぎて困るケースの方もいらっしゃいます。しかし、その中に「出過ぎた母乳をお金にしよう」と考える母親に出会ったことはありません。かわいいわが子のための母乳があふれるほど出ることがあったら、まずは自身の健康のために出すぎないようなケアを受けたいと思うでしょう。もしそれでもたくさんジャージャーと母乳が出る方がいらっしゃったら「誰かにお譲りしたい」と思うことはあるかもしれません。しかし今回は「母乳で金もうけしよう」と考える母親の母乳が販売されていました。

母乳は血液から作られます。衛生的かわからない、管理方法もわからない献血を受けるなんて考えられないのと同じように、安全性の保障がされていないインターネットで販売された母乳を飲ませることは危険極まりないのです。

ようやく日本でも始まったばかりの「管理された母乳バンクシステム」が広く整備されてほしいと願うとともに、ママの不安な気持ちにつけこみインターネットで母乳を販売するような「悪徳母乳商法」が根絶してほしいと心から願います。

合わせて【母乳をインターネットで買うと危険】もご覧下さい

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