国連の真意は「ミルクはダメ」なの?

国連の真意は「ミルクはダメ」なの?

2016年5月10日、国連がこのような報告を発表しました。

【AFP=時事】国連(UN)は9日に公表した報告書で、人工ミルクによる育児が世界的に広がっている現状に警戒感を示し、その販売促進に関する法律を大幅に厳格化すべきだと訴えた。

 報告書は世界保健機関(WHO)と国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)、乳児用食品国際行動ネットワーク(IBFAN)がまとめた。母乳による育児に健康上の大きなメリットがあることは広く知られている半面、人工ミルクの販売は各国で規制されていないため、人工ミルクで育てられている子どもがあまりにも多いと警鐘を鳴らしている。

WHOとユニセフは、生後半年は母乳だけを与えることを推奨。その後も少なくとも2歳になるまでは、安全で栄養価の高い他の食べ物と共に母乳を与え続けるべきだとしている。

専門家らはかねて、母乳で育った子どもの方が健康で、知能テストの成績も良く、肥満や糖尿病にもなりにくいとして、母乳が持つ健康上のメリットを称賛してきた。母乳を与える女性も、乳がんや卵巣がんにかかるリスクが減少するという研究結果が報告されている。

それにもかかわらず、母乳だけで半年間育てられる赤ちゃんは3人に1人程度にとどまっており、この割合は過去20年にわたって改善していない。

各国は2025年までにこの割合を少なくとも50%まで引き上げることで合意しているが、成長著しい人工ミルク産業からの圧力によって取り組みは難航している。

これを読んだ人たちの反応の中には、
「母乳が一番いいのはわかったうえで、各々の事情でミルクを選択している人も多いはずなのに。あほなのか、国連よ」
「いろいろな事情くめよ。ただ母親を追い詰める記事じゃねえか」
「これ母親の体質的なものとか育児環境といった要素を完全に無視してねえか」

このように、国連が発表した内容が「ミルク批判」のように受け止められ、批判的な意見も少なくありませんでした。母乳で育てたいと願っていても思うようにできないママたちからしてみたら、国際的に責められているように受け取る気持ちも想像できます。

しかしこの内容は、決して母乳を強要するものではありません。「人工ミルク、販売促進法の厳格化」つまり、「ミルク会社のマーケティング戦略を見直してくださいよ!」という警告なのです。

母乳育児を続けたくても、産後の体調がすぐれないママもいます。また赤ちゃんの中には、ママが感染症で母乳を飲めない子もいます。このようなときに粉ミルクは貴重な栄養源であり、粉ミルクは決して社会悪ではありません。しかし残念なことに、母乳育児で育てることができるママに対してまでも、必要以上に粉ミルク会社の販売促進活動が広がっている現状があるのです。さらに発展途上国では、粉ミルク会社のマーケティング活動により赤ちゃんが感染症で亡くなってしまう可能性もあります。母乳育児の国際事情「ボトルベビー病」

粉ミルク会社の行き過ぎたマーケティングを見直そうという動きは今に始まったことではありません。1981年には「母乳代用品のマーケティングに関する国際基準」が採択されました。しかし、この国際基準が発表されてから30年以上たってもまだなお、改善されていないのです。母乳育児の国際事情「WHOコード」

2016年5月に国連が発表した母乳のニュースの真意は、「哺乳類としてごく自然な母乳育児を軽んじつついる社会を見直してほしい」という警告なのではないでしょうか。そして「粉ミルク会社のマーケティング圧力から、ママと赤ちゃんを守ろう」というメッセージなのではないかと私は思えてならないのです。

注目記事

成功する産後ダイエットはいつから?授乳中に無理なく痩せる方法3選!

妊娠中についてしまった脂肪、出産後はできるだけ早く落としたいけど、母体への負担や、母乳への影響が心配。産後ママでも無理なくできるダイエット方法をご紹介。

賢いママは知っている? 妊活中から産後までにやっておきたいお金の準備まとめ

妊活・妊娠・出産…いったいお金はいくらかかってどう準備したらいいの?そんなお金の話をチェック!

気に入ったらシェア

 

この記事を書いた専門家

スポンサーリンク

スポンサーリンク

赤ちゃんの部屋をフォロー