母乳と粉ミルクの腹持ちの違い

母乳と粉ミルクの腹持ちの違い

母乳と粉ミルクの腹持ちの違い

母乳よりも粉ミルクの方が腹持ちが良いというお話を聞いたことはありますか?「腹持ちがいい=長時間眠ってくれる(長時間ぐずらない)」という事になるので、どう考えてもママさんにとっては腹持ちがいい方が嬉しいですよね。実際はどうなのでしょうか?

例えば、200mlの粉ミルクと母乳で考えてみましょう。200mlの母乳全てが消化された頃、粉ミルクは100mlしか消化されていません。粉ミルクの消化にかかる時間は、母乳の倍の時間だということです。「粉ミルクは腹持ちがいい」という話は本当の話だという事です。

1日の間に頻繁に授乳する大変さを考えると、粉ミルクをあげてミルクの回数を減らしたいというママ達がとても多いように思います。母乳も粉ミルクも同じ水分・同じ量なのに、どうして粉ミルクは腹持ちがいいのでしょうか?

なんで粉ミルクは腹持ちがいいの?

簡単に説明すると・・・「腹持ちがいい=消化しづらい」という事です。粉ミルクは牛乳をもとに作られています。牛乳は胃液と混ざることで餅のように固いカード(凝固物)というものを作ります。まだまだ消化機能が完全でない赤ちゃんにとっては、粉ミルクを飲むことで、胃の中に出来たカード(凝固物)を消化するのに時間がかかっているという事なのです。胃腸に負担がかかってしまい、それが原因で消化不良をおこしてしまう事もあり、十分に栄養を吸収しづらいしくみになっています。

それに比べて、母乳は粉ミルクに比べてとても柔らかい(消化しやすい)カードを作るため、粉ミルクよりも消化が早いのです。母乳は消化が早く胃腸に負担もかけないので、消化不良を起こすこともなく、しっかりと栄養を吸収できます。

消化が早いという事はママにとっては授乳回数が増えるので大変な事ですが、赤ちゃんにとってはいい事づくめという事なのです。

腹持ちよりも栄養を!

母乳は赤ちゃんにあげる事はあっても、自分で味見をするという事は殆どないかと思います。あったとしても、初めての出産直後に好奇心から味見をする程度ではないでしょうか?実は、母乳は味が少しずつ変化するという事は知っていますか?

母乳はママの血液から作られています。いわゆる生きた細胞です。なぜ味に変化が現れるかというと、母体が赤ちゃんの成長に合わせて、その時期の赤ちゃんが必要としている栄養成分が母乳として作られるためだと言われています。一番分かりやすいのは、出産直後の母乳と卒乳前の母乳では全く味が違うといわれています。

また、同じ出産直後であっても、未熟児を出産したママの母乳と成熟児を出産したママの母乳も全く味が違うといわれています。未熟児は、未成熟の段階での出産という事になりますので、成熟児に比べるとより多くの栄養を必要としているわけです。

赤ちゃんに合わせて変化していく母乳に比べて、いつも同じ味・同じ栄養素の粉ミルク。「粉ミルクも沢山様々な栄養素を含んでいるからいいじゃない!」と考える方もいますが、母乳に含まれている人工的に作る事ができない素晴らしい成分は補えないままです。

母乳をあげて赤ちゃんの免疫力を高めよう!

母乳は粉ミルクとは比べ物にならないくらい様々な栄養素が含まれていますが、中でも粉ミルクに含まれていない素晴らしい成分と言えば「免疫力」です。母乳を通して、免疫力や様々な病気の抗体を赤ちゃんへ送ることが出来ます。ママが風邪を引いている時は、赤ちゃんに風邪がうつるのではないかと心配して、いつも母乳で育てているママでも粉ミルクを与える方もいます。ですが、そんな時期だからこそ、母乳をあげる方がよいとされています。ママが風邪に感染している時に、母乳をあげることで、ママの体内で作られた風邪の抗体が赤ちゃんへ送られるという事が分かっています。「風邪薬(感冒薬)を飲んでいるから」という事で母乳をあげない方もいるようですが、母乳を通して送られる風邪薬の成分は、赤ちゃんに影響がない程度のごく僅かであることが分かっています。詳しくは「薬と母乳育児」をごらんください

ママに免疫がつく=赤ちゃんの免疫力となるのです。

母乳・粉ミルクのメリットとデメリットとは?

母乳と粉ミルクにはメリット・デメリットがあります。どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

母乳のメリット

  • 免疫力を分けてあげられる
  • 優れた栄養
  • お金がかからない
  • 赤ちゃんの未熟な胃腸でも消化できる
  • ママの子宮復古の手助けをする
  • 体型を元に戻す為のダイエット効果がある
  • 母乳の成分が赤ちゃんの脳を発達させる事が証明されている
  • 一生懸命吸うことでアゴの発達を促す
  • 一生懸命吸うことで満腹中枢を発達させる
  • 成長に合わせて母乳の成分が変わる

母乳のデメリット

  • 粉ミルクをあげていると出なくなってくる
  • 消化が早いので一日に何度も授乳が必要
  • お出かけの際は、授乳室を探さなければいけない
  • ほかの人が代わりにあげる事ができない
  • 乳首が傷つくことがある
  • 色々な角度で与えないと乳腺がつまる事がある
  • 授乳用の下着、服、ケープなどの準備が必要

粉ミルクのメリット

  • 外出時にどこでもあげられる
  • 誰でも授乳が可能
  • 授乳用の下着や服を購入しなくてもすむ
  • ママは好きなものを食べたり飲んだり出来る
  • 飲んだ量が把握できる
  • 腹持ちがいい(=消化しづらいのでデメリットにもなる)

粉ミルクのデメリット

  • 粉ミルク代や哺乳瓶、哺乳乳首などにお金がかかる
  • ゴクゴクと簡単に飲めてしまうので満腹中枢が育ちにくい
  • 免疫力までは補えない
  • 作る手間や時間がかかる
  • 哺乳瓶の消毒をしっかりと行わなければいけない
  • 子宮復古が遅くなる
  • 体型が戻りづらい
  • 出かけるときにミルクや哺乳瓶、お湯を入れた水筒などの荷物が増える
  • 消化しづらいため、赤ちゃんの胃腸に負担がかかる

母乳のメリットは、赤ちゃんやママにとっていい事が沢山ありますが、粉ミルクのメリットといえば、外出時の便利さと、ママの食や服の自由に関する事ばかりです。一番注目していただきたいのは、粉ミルクのメリットである「誰でも授乳が可能」という事です。オムツ替え・赤ちゃんをあやす・沐浴・爪きり・・・要領さえつかめば、ママでなくても家族の誰でもおこなえます。赤の他人の保育士さんなどでもおこなえます。唯一、ママがしか出来ない、ママだけの特権が「母乳」なのです。粉ミルクに変えると、その特権さえもなくなり、ママでなくても大丈夫という事しかなくなってしまいます。せっかく長い間お腹の中で一生懸命に育てた我が子なのだから、生まれた後も「私だけの特権」「私しか出来ない事」があると、余計に赤ちゃんへの情や愛おしさが増すと思いませんか?母乳まで誰でも授乳可能・・・という事になると、何だか寂しい気持ちになりませんか?直接母体に触れる授乳は、赤ちゃんとの絆を深めると言われています。何らかの理由があって初めから粉ミルクをあげるのは納得できますし、しょうがないとも思えますが、何の理由もなく初めから粉ミルクを選択するという事は赤ちゃんの成長を考えると最善の選択でないのではないでしょうか?

母乳・粉ミルクに関するまとめ

「腹持ちがいいから」「おとなしく寝てくれるから」という理由でミルクばかりをあげていては、赤ちゃんにとってはあまり良くない事だと言うことです。日本では、多くの産院で当たり前のように調乳指導がありますが、世界を見るとそのような指導は禁止されている国(118カ国)も多くあります。

母乳は与え続ける事で出続けます。粉ミルクを与えて、母乳を与えない事が増えてくると、ママの体は「もう母乳は作る必要がない」と認識して母乳の出が悪くなってきてしまいます。そういう事は多くの研究などの結果で分かっているのにも関わらず、退院時に粉ミルクをプレゼントする。そのシステムが世界的におかしいということになり、粉ミルクを配布する事を禁止する条例(母乳代用品の販売流通に関する国際基準(通称WHOコード))を作りました。ですが、日本はその会議を棄権したと言われているため、未だに粉ミルクを配布し、産院やショッピングセンターなどで調乳指導を行い、出産後3~4か月ほどで「母乳が出ない」と悩むママが続出するのです。母乳が出ないと悩むママを生み出しているのは、粉ミルクメーカーと提携をして調乳指導をおこなっている産院自体に問題があるのではないでしょうか。担当医はママに「母乳で育てるように」と言いながら、調乳指導を受けさせ、粉ミルクをプレゼントし、指導通り粉ミルクをあげ、母乳の出が悪くなって悩んでいるママに対して「出来るだけ母乳を与えるように」と告げ、更なるプレッシャーを与えてしまう。。全てが矛盾していると思います。

粉ミルクは確かに栄養面では多くの栄養素をカバーしています。ですが、人工的に作ったミルクである事には変わりありません。猫や犬、牛などは自分の親の母乳(猫の母乳や牛の母乳)で、すくすくと成長します。人間だけが、人間の母乳ではなく、牛のミルク(粉ミルク)が優れていると言って・・・牛のミルクを与えているのです。違う生き物のミルクなので消化がしづらいのは当然のことだといえます。粉ミルクはあたかも万能・母乳よりも優れているかのように調製指導などで教えられますが、母乳が一番いいという事は世界で見ても常識なのです。

ブログや質問掲示板などで、日本は母乳にこだわり過ぎている、洗脳のレベル、宗教的などと言われている方も多くいます。確かに、完ミ(完全ミルク)だけを与えても元気に育つ子ももちろんいます。病気一つせず大人になるまで成長する子もいますが、統計的には母乳で育てられた子の方が健康で優しく賢い子に育つという結果が出ています。粉ミルクだけで育っても元気に育つ子は育つし、免疫力が足りなくて病弱になる子もいます。一部の方の「粉ミルクだけでもうちの子は元気に育っている!」というコメントを鵜呑みにしてはいけません。あなたの子は、その子よりも免疫力が低いかもしれない。それぞれのお子さんで体調や体格、何もかも違います。育児の鉄則の一つ!他人の子と自分の子を同じだと考えてはいけない。自分の子なので、他人の育児のマネばかりしてはいけません。自分のお子さんの事は、ママであるあなたが一番分かっているはずです。自分の育児方や育児に関する信念を大切にしてください。

母乳は赤ちゃんを育てて免疫力を与えるだけでなく、赤ちゃんの脳や心も育てるのです。産後のママの体にとっても大切な役割を果たしているので、粉ミルクをあげる前に母乳育児にチャレンジしてもらいたいと思います。

もっと母乳の大切さが分かるコラム

日本では当たり前のように利用されている粉ミルクですが、海外から見ると違った目線がある事が分かります。詳しい記事は「ボトルベビー病」をご覧ください母乳育児の国際事情「WHOコード」に関する記事はこちらをご覧ください

WHO・ユニセフが「赤ちゃんに優しい(Baby Friendly Hospital)」と指定している産院は日本にもあります。母乳育児の国際事情「BFH」をご覧ください母乳育児に関するコラムはこちらから

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