母子手帳にある「アプガースコア」は赤ちゃんの元気を採点する

アプガースコアって聞いたことがありますか?
既に出産をされたママなら母子手帳の中に、「アプガースコア8点、10点」などと書かれているのを見たことがあるのではないでしょうか。

ただし、病院や産院によっては、アプガースコアを母子手帳に書かないことがあるので、空欄になっていても心配しないでください。

また、「アプガースコア」の記載欄がないタイプの母子手帳もあります。

では、アプガースコアとはなんのことで、その点数は何を意味するのでしょうか?
母子手帳にアプガースコアの記載がないのには理由があるのでしょうか?

この記事では、アプガースコアについて順をおって説明していきます。

アプガースコアとは

アプガースコアとは、出生時の新生児の健康状態を10点満点で評価したものです。
わかりやすくいえば、産まれたときの赤ちゃんの元気度ということになります。

アプガー指数ともよばれ、日本では60年以上も使われている分娩時の新生児の評価指数です。

評価項目は、皮膚色、心拍数、刺激に対する反射、筋緊張、呼吸の5つで、それぞれの項目に対して、0点、1点、2点で採点します。

産まれてきた新生児に異常があるかどうかにかかわらず、アプガースコアの評価がおこなわれます。

アプガースコアの由来

アプガースコア(Apgar Score)は、アメリカ合衆国の医師であるヴァージニア・アプガー氏が開発した分娩直接の新生児の評価方法です。

分娩直後の新生児の健康状態を把握するにおいて、信頼性のある指標だとして日本でも高く評価されています。

医師の名前であるAPGARの頭文字をとっています。

Appearance :皮膚色
Pulse :心拍数
Grimace :刺激に対する反射
Activity :筋緊張
Respiration :呼吸

アプガースコアの採点方法

以下の表にそって採点されます。
評価項目の該当する点数を足していくと、10点満点になります。

0点 1点 2点
皮膚色 全身蒼白もしくは全身チアノーゼ(青紫色) 体幹ピンク色

四肢チアノーゼ(青紫色)

全身ピンク色
心拍数 心拍なし 100/分未満 100/分以上
刺激に対する反射 反応なし 顔をしかめる 泣くまたは咳・くしゃみをする
筋緊張 だらりとしている 腕や足を曲げている 活発に手足を動かす
呼吸 呼吸していない 弱々しく泣く 強く泣く

評価項目のうち、皮膚色、心拍数、呼吸の3つは、血液や酸素が赤ちゃんの全身にいき渡っているかどうかの指標になります。

刺激に対する反射、筋緊張の2つは、神経系の指標になります。

採点は、新生児の出生後1分、5分の時点でおこないます。
出生後1分より、出生後5分の方が点数が高いことがほとんどのようです。

胎児は産道を通過する間に、少なからず酸素不足の状態になっていることが、出生後1分が低い点数になる理由のひとつです。

産まれてすぐに産声をあげても、全身ピンク色とはなりにくく、赤ちゃんがしっかりと自分で呼吸ができるようになった出生後5分の方が、高い点数なるケースが多いからです。

アプガースコアで評価する目的は医療行為の判断材料

アプガースコアの評価方法は、以下の表のとおりです。

7〜10点 正常
4〜6点 軽症仮死(第1度新生児仮死)
0〜3点 重症仮死(第2度新生児仮死)

出生後5分時点での評価が7点未満(新生児仮死)の場合は、7点以上になるまで5分ごとに最大20分まで評価をおこないます。

産まれてくる赤ちゃんみんなが元気いっぱいならよいのですが、なかにはぐったりとして元気がない赤ちゃんもいます。
へその緒が首に絡まって息ができていなかったり、心拍数が下がっていたりと、仮死状態で産まれてくるケースがあります。

新生児仮死で生まれた場合は、赤ちゃんになんらかの処置(蘇生術)が必要になります。

アプガースコア10点満点で評価しているのは、新生児仮死がどの程度かということです。
そして、新生児仮死の程度によって、赤ちゃんに対する蘇生法や治療方法が判断されます。

例えば、「軽度仮死」であれば赤ちゃんの身体を温める、皮膚を刺激して自発呼吸を促すなどの処置をおこないます。
羊水を飲み込んで呼吸ができていなければ、赤ちゃんの口や鼻から羊水を吸引します。

「重症仮死」の場合は、赤ちゃんの気管内に管を入れて酸素を吸わせるなどの蘇生術をおこなうこともあります。

つまり、アプガースコアの評価目的は、医療現場での処置判断のためなのです。
そのような理由から、カルテには記載されますが、母子手帳には必ずしもアプガースコアが記載されるわけではないのです。

また新生児仮死の程度は、今後赤ちゃんに発症しうる脳性麻痺などの後遺症のリスクを予測するための指標にもなるといわれています。

アプガースコアが低いとどうなる?

アプガースコアが低い、つまり新生児仮死と判断されたこと自体が問題ではないのです。

出生後1分のスコアで新生児仮死と判断されても、蘇生術によって、5分後に赤ちゃんの状態が改善して点数が上がっていれば、蘇生の可能性は高くなります。
おこなわれた蘇生術に赤ちゃんが反応して10点満点に近づいてくることが大切です。

出生後5分、10分とスコアが上昇して、赤ちゃんの状態が安定してくれば、保育器に移したり、NICU(新生児集中治療室)で赤ちゃんに応じた処置や治療がおこなわれます。

また、アプガースコアの点数だけで治療法が決まるわけではありません。
血液検査や、その他にも赤ちゃんによって必要な検査結果から総合的に判断して、今後の治療の必要性と治療方法が決められます。

早産児の場合はアプガースコアが低いことがあります

早産児とは、正期産より早く産まれた赤ちゃん(妊娠37週未満で産まれた赤ちゃん)のことです。

未熟児という言葉を思い浮かべるママがいるかもしれませんが、医学的には「早産児」とよびます。

体重が軽く産まれた赤ちゃん(2500g未満の赤ちゃん)のことは、「低出生体重児」とよばれ、必ずしも身体の機能が未熟とは限りません。

早産児は、本来ならまだお母さんのお腹の中にいる時期に産まれてきたため、新生児の肺機能は未熟で、まだ自分でうまく呼吸ができないことが多いです。
また、筋肉の発達も未熟なため、手足の動きが弱くなりがちです。

そのため、アプガースコアの採点表に当てはめるとスコアが低くなりますが、早産児では当然予測できることなので、スコアが低いことだけを心配する必要はありません

産まれたあと赤ちゃんが順調に育っていて、乳児期の定期検診などにおいて問題がなければとくに心配することはありません。

新生児仮死に関連する予後のデータ

アプガースコアは出生後5分の数値が重要とされ、5分後のスコアが低い新生児ほど、新生児期(生後4週未満)における死亡率が高くなるというデータがあります。
しかし、あくまでも確率の話です。

また、新生児仮死の状態で産まれると、のちになんらかの障害や脳性麻痺を発症する確率が高くなるといわれています。

確率が高くなるというだけで、アプガースコアが正常値でなかった新生児全員が脳性麻痺などの障害を発症するわけではありません

数字だけに惑わされて不必要に心配するのではなく、赤ちゃんの身体機能の発達や精神発達の面で何か気になることがあれば、医師に相談してください。

おわりに

アプガースコアは分娩時の新生児の状態を判断するにあたって、信頼性のある指標ではありますが、あくまでも医師や助産師という「人」が客観的に評価しているものですし、この数値だけで赤ちゃんの状態すべてを知ることはできません。

お産の現場で、赤ちゃんに対する蘇生・処置判断のために重要な評価ではありますが、アプガースコアの数値だけが、赤ちゃんの将来の健康状態を決めるわけではありません。

今、目の前にいる赤ちゃんが元気にスクスクと育っている(育てていく)ことが重要です。

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