BCGの予防接種と副反応(副作用)について

子どもの予防接種は、多様で多期にわたり実施されます。
初めての子どもの場合では、解らないことや、疑問に思うことなどが沢山でてくるようです。

ここではBCGについて、予防接種の有効性と副反応、結核の感染について考えてみましょう。

BCGとは


BCGとは結核を予防するためのワクチンです。
ワクチンを開発したのはフランスにあるパスツール研究所です。
その研究者の名前をつけたBacille Calmette-Guerin(カルメットとゲランの菌)の頭文字をとったものです。

結核菌は、主に肺で増えるため、咳や痰、発熱、呼吸困難といった症状があり、さながら風邪のような症状になることが多いようです。

しかしながら、肺以外の臓器が感染することで、リンパや骨、脳など、身体じゅうに影響が出ることがあるので、注意が必要な病気です。

結核菌は、人から人へ感染するため「咳」や「くしゃみ」をすることで空気中に撒き散らされ、それらを吸い込むことにより感染します。

そのため人口密度の多い場所や、密閉率の高い室内などは、感染率が高くなります。
手を握ったりするだけでは、感染しません。

子どもが結核にかかると全身性の結核症になったり、結核性髄膜炎(ずいまくえん)など重い後遺症を残すことがあるので、BCG予防接種が行われています

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BCGの予防接種とは

結核は、母親からの免疫として赤ちゃんがもらうことはできないので、生まれたばかりの乳幼児も結核に感染するリスクがあります

乳幼児は抵抗力が弱いため、感染すると結核菌は全身におよび、重症化する恐れがあります。
結核菌に感染する前に、BCGワクチンで免疫をつけることによって、発病を減らすことができます。

厚生労働省によると、BCGの予防接種をすることで、小児の結核の発症リスクを52~74%程度、重篤な髄膜炎(ずいまくえん)や全身性の結核に関しては64~78%程度減らすとされています。

1回の接種で効果が得られ、その効果は10年~15年ほど維持されるようです。

以前は生後6ヶ月までに接種することになっていましたが、2013年(平成25年)度以降、生後12ヶ月までに接種することに変更されました

生後5ヶ月から8ヶ月までに接種するのが望ましいとされています。

あまり早いと、重い副反応(副作用)を起こす恐れがあるため、生後3ヶ月を過ぎてからのほうがよいでしょう。
結核が発生している地域所では早期に接種することが進められています。

BCGの予防接種の流れ


BCGは9個の針がついたスタンプ方式(官針法)で通称「はんこ注射」と呼ばれ、普通の皮下注射より痛みが少ない注射です。

上腕外側の中央部に、2ヶ所強く押し付けて結核菌を植え付けます
肩に接種するとケロイドになりやすくなります。

上腕外側以外のへの接種は、薬事法により認められていません。
接触部位に針跡が13ヶ所ほどついていれば有効といわれています。

予防接種の直後に、接種跡がすぐに消えるようなら、免疫がついていない可能性があります。
心配であれば、ベテランの小児科医に接種してもらうと安心でしょう。

接種当日は子どもの状態を観察して、本人が元気なら入浴は可能です。
身体を洗うときは、接種した部分をこすらないように気を付けましょう。

気になる副反応

BCGの接種後に、いろいろな反応が赤ちゃんに起こることがあります。
接種痕が赤く腫れる、リンパ節が腫れる、発熱するなどさまざまな症状があげられます。

このような症状と原因をひとつずつひも解いてみましょう。

赤くプツプツ腫れる

BCGを接種した部分が、赤くプツプツと腫れることがあります。
なかには化膿してかさぶたができる赤ちゃんもいるんだそう。

この反応は一般的にみられる症状で、予防接種の後、2~3週間後から腫れてきて、5~6週頃にもっとも強く症状がでるようです。

清潔に保つことで、徐々に赤みや腫れは落ち着いてゆき、自然治癒で治ります

しかし数ヶ月にわたりジクジクしている場合や、大きな潰瘍になっていて心配な場合は、かかりつけの小児科を受診してください。

脇の下のリンパ節が腫れる

BCG予防接種の副反応としてもっとも多くみられるのは、脇のリンパ節の腫れのようです。
2013年(平成25年)度に、厚生労働省に報告された副反応が出た症例数は174件で、そのうち「リンパ節の腫れ」が74件ともっとも多く、全体の約40%を占めています。

接種後 1~2ヶ月経過した頃に脇の下のリンパ節が腫れてくることがあるようですが、6ヶ月後くらいには小さくなるケースが多いようです。

基本的には経過観察のみで、腫れの大きさが30mm以下の場合は、治療の必要はありません。
しかし、30mmを超える大きさのしこりや腫れは、抗結核薬や摘出が考慮されるようです。

発熱する

BCGの予防接種をおこなったことで、発熱することは無いといわれています
にもかかわらず、BCG予防接種の後に発熱をした場合は、他の要因が考えられます。

たとえば、予防接種をおこなうために行った、病院や集団接種などで、他人に接触したことで、他の人が保有していた風邪の菌や、その他の菌が感染したことによる病気の可能性があります。

発熱、鼻水、咳、下痢や嘔吐などは、結核ではありません。
ほかの病気の可能性が大きいので、心配な場合はかかりつけの小児科を受診しましょう。

重大な副反応

極めてまれな副反応(副作用)として全身播種性(ぜんしんはしゅせい)BCG感染症や骨炎・骨髄炎・骨膜炎・皮膚結核様病変、粟粒結核(ぞくりゅうけっかく)、アナフィラキシー様症状を起こすことがあります

重大な副反応として厚生労働省に報告されている件数は、全体の0.1%にも満たない状況です。
2011年(平成23年)予防接種後副反応報告書によると、副反応は94件報告されており、内訳は下記の通りです。

副反応94件(男児60例・女児34例)

件数 割合
1.腋窩リンパ節腫脹(1cm以下) 49件 52.10%
2.接種局部の膿瘍 3例 3.20%
3.骨炎・骨髄炎 7件
4.皮膚結 21件 22.30%
5.全身播種性BCG感染症 1件
6.その他異常反応(※3) 5件
 腋窩以外のリンパ節腫脹 3件
 急性の局所反応 1件
 その他 1件
7.基準外報告 8件
 局所反応(基準以外反応) 3件
 全身反応(発熱等) 3件
 その他 2件

※3 その他反応として接種局所のケロイドが1件

全身播種性BCG感染症

免疫系の基準疾患をもっている乳幼児は、BCG接種によって、BCG菌が血流により全身に広がる、進行性の「全身性結核感染症」で致命的になるケースがあります。

乳幼児は大人と比べると、免疫が未発達なため、反復感染や重症感染になりやすく、先天性免疫不全症との見分けはつきにくくなります。

長期間続く「持続的感染」や、弱い細菌やウイルスなどの病原体が原因で発症する「日和見感染」などの場合は先天性免疫不全症の疑いがあります。

先天性免疫不全症の診断は生後3ヶ月以降に分かることが多いため、生後3~6ヶ月未満の赤ちゃんへのBCG 予防接種は注意が必要です。

骨炎、骨髄炎、骨膜炎

BCGワクチンは、弱毒化した生きた菌を接種します。
そのため、極めてレアケースですが、菌が骨に感染した場合には、骨炎を起こしてしまう可能性があります。

骨炎の症状としては、片足を引きずる様子や足の痛みや不快感、肩の関節痛、膝関節の痛みや腫れなどがあげられます。

予防接種のあと、2~3ヶ月頃から赤ちゃんが足を引きずったり、手足の屈伸を痛がるようなら注意が必要です。

場合によっては外科的な施術が必要になるようですが、多くのケースでは、抗結核薬による治療をおこなうと、6~12ヶ月程度で症状は軽くなり、やがて治っていくようです。
後遺症を残す可能性は、高くありません。

しかしながら、診断が遅れてしまうと、関節機能障害などを残す可能性があるので早めの診断と、早期治療が望まれています。
おかしいな、と感じたら、必ず医師に相談しましょう

皮膚結核様病変

BCGの予防接種を終え、1ヶ月ころから、全身に数十個の1~2mmプツプツとした発疹が出たり、予防接種の痕から、じくじくと浸出液が出たり、紅斑や水泡が現れる場合があります。

これはBCG菌が血流で全身に回り、アレルギー反応を起こしたと考えられています。

通常BCG菌は、接種部位に反応が現れますが、結核疹として全身の皮膚へ免疫反応を起こしたケースがこれにあたります。

通常は経過観察をおこなっているうちに治りますが、場合によっては結核の化学療法を行うことがあります。

コッホ現象

コッホ現象とは、すでに結核に感染している乳幼児にBCGワクチンを接種した場合に起こる反応です。

通常のBCG予防接種の経過は5~6週間にもっとも強く表れるものですが、コッホ現象は接種後3日くらいまでに激しい反応が現れ、赤く腫れ上がります。

しかし、このような反応がでたからとはいえ、赤ちゃんが結核にかかっていないケースもあります。
結核菌に似た菌に感染したケースでも、このような症状がみられることがあります。

コッホ現象がでた場合は、速やかに接種した医療機関を受診しましょう。
とはいえ、現代では赤ちゃんが結核にかかる可能性はとても低く、コッホ現象を疑い検査をした結果、結核ではなかったというケースが多いようです。

赤ちゃんは肌が弱く、注射時の刺激に過敏に反応することも。
また、接種箇所にばい菌が入り、触ったり、搔きむしったりなどの刺激により、通常よりも早い段階でで腫れや膿が出ることもあります。

BCG予防接種後は、刺激を避け清潔に保つよう気を付けましょう
コッホ現象と見分けがつかずに不安な場合はかかりつけの小児科を受診しましょう。

終わりに

厚生労働省によると、日本では、毎年1万8千人ほどの結核患者が発生しているようです。
これは、アメリカの約4倍です。
しかし、子どもだけをみると、アメリカより、日本のほうが発生率を下回っています。
これはBCG予防接種の効果ではないかといわれています。

結核は、症状が出なくても、体内に結核菌が潜んでいる場合があり、免疫力が低下すると発病することも。
感染から20年や30年たってから発病したケースもあります。

赤ちゃんや小さな子どもが結核になると、重篤化する可能性があります。
しっかりと、リスクとメリットを考え、予防接種を受けるか考えましょう

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