主食の絵本、おやつの絵本

主食の絵本、おやつの絵本

絵本に主食やおやつって、どういうこと?と思われるかもしれません。絵本を選ぶ時に、子どもの心にとってしっかりと栄養になるような主食の絵本と、心を育むという観点からは少々はずれてしまうかもしれないけれど、お楽しみとしてのおやつのような絵本、という見方があります。

例えば身体の健康を考えると、元気に育ってほしいと願う時、どんなお母さんもお菓子を食事として与えることはないと思います。栄養を考えおいしい主食を中心に食事ができるよう気をつけるものだと思います。反対に、お菓子はたまに、おやつとして楽しむ程度ではないでしょうか。

絵本も同じです。心をすくすく育むための、主食のような絵本を選んでほしいなと思うのです。主食の絵本については、これまでのコラムでもご紹介してきていますが、ではどんな絵本がおやつの絵本かというと、古典や名作のダイジェスト版の絵本や、アニメを絵本化したもの、電子音で遊ぶタイプの絵本などが挙げられます。

平成25年の統計をみると、1年間に5013冊の児童書(学習参考書を除く)が出版されています。しかし、その中から版を重ね永く親しまれる絵本は限られます。児童文学者の鳥越信さんは、「いい本は全体の1/4ほどだ」とまでおっしゃっています。お勧めできない本の中で数を占めるもののひとつは、古典や名作などのダイジェスト版です。古典や名作、ひとつひとつの作品あたり、最低20種類以上の本が出版されているそうです。

例えばみんなが知っている桃太郎のお話、絵本になったものだけでも200冊以上もあると言われています。しかし本当に良い絵本としておすすめ出来るのは、数冊しかないとも言われています。

低料金で内容も省略された形で出版されている桃太郎を見てみると、桃を切って出てきた桃太郎は、あっという間に大きくなり、すぐさま鬼退治に出掛けます。中には、桃太郎がブーツを履いていたり、鬼が腕時計をしていたりするものもあります。子ども達は絵を本当によく見ていて、変だと思うところは鋭く切り込んできますから、そういった矛盾を感じるような絵が現れると、これはなぜ?とか、おかしいよ、とかいった形で質問の嵐となってしまいます。そのうち間違い探しのようになってしまい、物語そのものに集中できなくなってしまうのです。

すぐれた絵本は、絵だけを見てもたくさんのことが語られ、物語がよく伝わってくるものです。見れば見るほどに味わい深い絵は、飽きることがありません。

ももたろう

松居直さん再話の「ももたろう」は、単純な物語ではありません。赤羽末吉さんの画は、りりしく力強い桃太郎と、表情豊かな登場人物たちが魅力的です。背景で桃太郎の心情を表したり、細かな工夫と表現がすてきです。

  • 著者: 代田昇
  • 編集:箕田源二郎
  • 出版社:講談社

ももたろう

なまけものの桃太郎が出てきますよ!桃が流れてくる音や言葉に味があって、絵を見て声を出して読んでいると、思わず笑ってしまいます。紙芝居もおすすめ。

  • 著者:松居直
  • 編集:赤羽末吉
  • 出版社:福音館書店

私も子どもの頃不思議に思った記憶があるのですが、桃を包丁で切ってもなぜ桃太郎は傷つかずに生まれてこられたのか、というのは良くある子ども達からの質問です。たくさん考えられて作られた絵本を見ると、桃を切ろうとすると、中から桃太郎が自分で割って出てくる、となっていて、子どもの疑問に矛盾しない表現になっています。矛盾点がなければ、物語そのものにすんなり入っていくことができます。

また、鬼だから悪者、と決めつけるのではなく、鬼が悪いことをしたのを見た、または聞きつけたから退治に行く、という流れの方が納得のできる展開です。物の善悪には背景があることや、見方を変えること、その対処法は必ずしも悪を排除すれば良いというものではないということがわかります。

絵本は短い文章で作られているけれど、絵が多くを語り、シンプルな中にも複雑な人間社会がちゃんと描かれているのですね。お話の中に真実があり、心に深く届く言葉があり、言葉以上のものを語る絵がある絵本によって、本当の感情体験ができるのだと思います。そういった感情体験が、心を育むということにつながっていくのでしょう。あらすじだけを追って省略された絵本には、どうしたって深い感動は求められません。

もちろん、たまにはおやつの絵本も楽しんだら良いと思います。本屋さんで子どもに選ばせると、おやつの絵本と思うようなものをたいてい選んでくる傾向があります。でも、そういった絵本も親子で楽しく読み合えば、きっと子どもにとっては嬉しく充実した時間になることでしょう。でも、せっかくの絵本の時間ですから、何度読んでも楽しく、心に残るお話を味わってもらいたいなあと思うのです。

子どもの本の選び方

子どもの本の選び方だけでなく、どうして子どもに本を届けたいかという思いや、どうやって与えるか、なども紹介されています。幅広い視点から語られていて、とても勉強になります。

  • 著者/編集: 鳥越信
  • 出版社: 風間書房

平松祐美子先生

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