避難所での子どもの口腔ケアと紙コップでのミルクの飲ませ方

避難所での子どもの口腔ケアと紙コップでのミルクの飲ませ方

このたびの熊本地震では、今も避難所で多くの方が不自由な生活を強いられていることと思います。

被災された皆さまに心よりお見舞いを申し上げますとともに、 被災地の一日も早い復旧、復興をお祈り申し上げます。


避難所では歯ブラシが手に入らないことも多く、水も貴重なのでたくさんは使えません。配給の食糧も甘いものが多くなったりと、お口の衛生環境が悪くなりがちです。お口のケアまで気が回らないかもしれませんが、お口の汚れがたまると、とくに高齢者では誤嚥性肺炎を引き起こしてしまうなどのリスクがあります。東日本大震災の際は、避難生活の中でむし歯や歯周病がすすんで痛みを訴える方も多かったようです。

子どもも、むし歯が進んで痛くなってしまってもすぐに治療を受けることができないので、できる範囲でお口をきれいにするように工夫してみましょう。

ただし、少しの間歯をみがけないからといって、すぐにむし歯になって歯が痛くなってしまうようなことはありません。とくに、今まったくむし歯のない子は、しばらく歯がみがけなくてもほとんど心配することはありません。「毎日歯みがきしないとむし歯になっちゃう!」と負担に思わなくて大丈夫。お口のケアは「できるときにやる」くらいにゆったり考えましょう。

お口のケアについて

避難所での生活は、普段通りにいかないことも多いかと思います。「夜寝る前に歯をみがかないといけない」と、がんばる必要はありません。避難所の夜は暗くてお口の中がよく見えないことも多いですし、周りの方の睡眠時間に「しあげみがき」で泣かせてしまうことのほうが、ママのストレスになってしまいます。お口のケアは明るい昼間、時間のとれるときに行いましょう。

歯ブラシがない場合

ポイント1

食事のあとは少量のお水やお茶で、ぶくぶくうがいをしましょう。たくさんの水で1回だけうがいをするよりも、少しの水でも2~3回にわけてうがいをするほうが汚れはよく落ちます。ジュースやイオン飲料など、糖分の入ったものでうがいをするのはかえってお口がべたべたになってしまうのでやめましょう。

ポイント2

水やお茶もない場合やうがいができない小さい子は、できるだけ清潔なガーゼやティッシュペーパーなどを指にまいて、歯とはぐきをぬぐってあげましょう。なるべく食べかすがお口に残らないようにすることが大切です。

歯ブラシがある場合

ポイント1

水はとても貴重なので、少しの水で歯みがきをしましょう。歯ブラシの毛の部分をつけられる程度の少量のお水をコップなどに入れ、歯ブラシをぬらしましょう。みがいたあとの歯ブラシはティッシュなどでよごれをぬぐいます。最後にコップのお水で2~3回にわけてうがいをしましょう。水がない場合はうがいができなくても、歯ブラシでお口のよごれをとりのぞくだけで大丈夫です。

ポイント2

水が少ないときは、お口が泡立つタイプの歯みがき粉を使うと、口に残ってしまってかえって乾燥してしまうことがあります。水が十分に確保できない間は、うがいの必要のないジェルタイプのものや液体歯磨き以外の歯みがき粉は使わない方がよいでしょう。

食べ物、飲み物について

ポイント1

配給の食糧は菓子パンや甘いお菓子が多くなることもあります。歯がみがけないとむし歯が心配になるかもしれませんが、甘いものを食べることでストレスが軽くなることもありますので、お子さんにもぜひ食べさせてあげてください。ただし、少しずつチビチビと食べるような食べ方ではなく、リズムを作って決められた時間に食べるようにすることがむし歯予防になります。以下の虫歯予防のコラムも参考に。歯みがきよりも効果的なむし歯予防~おやつのルール~

ポイント2

アメやハイチュウ、キャラメルなどが配られることもあるかもしれませんが、このような「お口の中で時間をかけて溶けるもの」はとてもむし歯になりやすいうえに、小さい子には窒息事故のリスクがあります。なるべくあげないようにしましょう。

ポイント3

のみものはなるべく水か無糖のお茶を飲むようにしましょう。ジュースやイオン飲料はお口がべたべたしてむし歯になりやすく、飲んでもまたすぐにのどがかわいてしまいますので、なるべくあげないようにしましょう。

ポイント4

避難所では野菜や果物が配られることはあまりありませんが、リンゴなどの食物繊維の多いものが出た場合には、パンやごはんなどを先に食べて、最後にリンゴを食べるようにしましょう。食物繊維の多いものをかむことで、食べかすがきれいになります。

ポイント5

唾液(つば)をよく出すと、お口がきれいになります。避難生活など、ストレスや緊張の多い状態は唾液が少なくなってしまいがちですので、なるべくよくかんで唾液をたくさん出すように声をかけてあげてください。たくさんかむことはリラックスにもつながると言われています。

ポイント6

哺乳瓶がない、あっても洗えない、という場合は、小さな赤ちゃんでもコップでミルクを飲ませることができます。紙コップがあれば、下の絵のように口の部分を少し切って、折り曲げた部分を下唇にのせて少しずつお口に流し込むようにしましょう。普段と違う生活で赤ちゃんもミルクののみが悪くなってしまうこともあるかもしれません。普段の半分以下しか飲まないような場合には、医療者に相談してください。

紙コップで赤ちゃんにミルク

その他

ポイント1

お口をたくさん動かしてたくさん唾液を出すことが、お口の健康と清潔にとても効果的です。お口を大きく動かして「あー」「いー」「うー」とお子さんといっしょに毎日お口の体操をしましょう。「べー」とべろを長く出したりぐるぐる回したり、べろをたくさん動かすこともおすすめです。

「あー」「いー」「うー」「べー」と大きくお口を動かして10回ずつ!お口の「あいうべ」体操は子どもから高齢者まで、いつでもどこでも簡単にできておすすめです。みんなでやってみましょう。お口の体操ができない小さなお子さんには、唇やはぐき、ほっぺの裏側などをマッサージしてあげましょう。

お口を動かす体操

ポイント2

子どもが「歯が痛い」と言いだしてしまったら、食べかすなどが歯と歯の間やむし歯の穴にはいりこんでいないかチェックしてみましょう。食べかすをつまようじなどで取り除くだけでも痛みがやわらぐことがあります。無理にいじるとよけい痛くなることがありますので、力をかけずにそっと食べかすだけを取り除いてあげてください。水にぬらしたタオルなどを痛い歯の側の頬にあてて、冷やしてあげることもよいでしょう。体が温まると痛みが増してしまいますので、歯の痛みがあるときは熱いものを飲んだりお風呂に入ったりしないようにしましょう。痛みの出ている歯には安静が第一です。「ちょっと痛いかな」と思ったら、べろで押したりカチカチかんでみたりしないようにさせてください。

今村由紀先生

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この記事を書いた専門家

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