【妊婦の便秘による腹痛を解消】吐き気や腰痛をともなう原因は?

妊娠中は、便秘で悩む人が多いといわれています。
単純にお通じがないだけでなく、人によっては、転げまわるほどの激しい腹痛に苦しむこともあるようです。

そんなやっかいな便秘の痛みは、どのようにしたら解消できるのでしょうか?
便秘の腹痛について、原因から対策法までみていきましょう。

妊婦の便秘、つらい腹痛の原因は?

妊婦さんは、なぜ便秘になると腹痛が出やすいのでしょうか?
原因は「カチカチの便」です。

妊娠中は「黄体ホルモン」という女性ホルモンの影響で、腸のぜん動運動(※)がにぶり、水分を身体にためこもうとする働きが強まって、老廃物として排出される水分量が減ります。
その結果、腸まで水分が行き渡らずに便がかたくなり、なかなか排便されない状態になってしまうのです。

※腸のぜん動運動とは:便を排出するための、腸の収縮運動のこと。

かたくたまった便は、腸をはじめ、周辺の臓器を圧迫するので、痛みにつながります。

また腸内で老廃物の腐敗がすすむとガスもたまっていくため、より腸を刺激して痛みがでやすくなるのです。

便がたまって内臓や筋肉、骨盤などが圧迫され、お腹まわりの血行が悪くなることも、痛みを大きくする原因になります。
血行が悪いと筋肉に疲労物質(乳酸)がたまり、「発痛物質」(※)もたまりやすい状態に…。
これが痛みにつながるのです。

※発痛物質とは:
指を切ったり、血行不良といった刺激によって、体内で作られる化学物質で、痛みのもととなる。
代表的なものに「ヒスタミン」「セロトニン」「ブラジキニン」「プロスタグランジン」がある。

痛みのきっかけとなった要因がなくなったあとも、発痛物質は脳に「痛み」の情報を伝えつづけるため、慢性的な痛みの原因になりやすい。
発痛物質が頻繁に作られると、痛みの情報が記憶されやすくなる。

便秘で痛む場所や症状に特徴はある?

個人差がありますが、便秘による腹痛の場合には、便やガスがたまっている箇所が圧迫され、その部分に痛みや違和感がでることも多いようです。
つまりお腹全体というよりも、ピンポイントで痛む傾向が高くなるといえます。

便秘で腹痛になっている場合には、基本的には横になったり安静にしているだけでは痛みは解消されません

便秘と間違えやすい痛みの症状に注意!

便秘の痛みだと思っていたら、じつは別の原因で腹痛が起こっていた、という人もなかにはいるようです。

痛みの原因については、判断をあやまると危険なことがあります。
これからご紹介する症状の特徴を把握し、原因にあった対処法をとるよう心がけていきましょう。

妊娠初期に特有の痛み

妊娠初期は、子宮が大きくなっていくにともない、腹痛がでることもあります。
この痛みは、子宮の物理的変化によって誰にでも起こりうるもので、とくに危険なものではありません

妊娠初期に特有な痛みの現れかたは人によってまちまちですが、一般的には次のような症状を感じる人が多いようです。

  • お腹が引っぱられるような痛み
  • チクチクする痛み
  • 生理痛に似た痛み
  • お腹と腰にまたがった痛み
  • 下腹部サイド部分の痛み

子宮収縮の可能性

妊娠中は、子宮が収縮して、お腹が張った状態になることがあります。

子宮収縮時には、つぎの症状が出やすいようです。

  • お腹全体がパンパンになり、子宮をつかまれたような痛み
  • お腹がカチカチにかたくなり、しぼられるような痛み

妊娠中の子宮収縮は、生理現象のひとつといわれています。
極端に頻度が多くなければ、必要以上に騒がないでもよいですが、かといって放置するのは危険です。
安静にして、すぐに張りをといてあげましょう。

子宮収縮の頻度が多かったり、痛みが強かったり、少しでも違和感があったら、念のためすぐにかかりつけ医に相談してください

流産の疑いがある腹痛

人によっては、赤ちゃんの健康に対する危険サインとして、お腹に痛みが出ている場合もあります。
そのひとつが「流産の可能性」です。

つぎのような痛みがある場合には、すぐに産婦人科を受診しましょう。

  • 下腹部がしめつけられるような強い痛み
  • お腹がズキズキする痛みの継続
  • いつもと違う鈍痛

痛みの症状以外では、つぎの症状がでることもあります。
あわせて判断材料にしてください。

  • 膣からの出血
  • 体温の低下
  • つわりがなくなる

いますぐできる!便秘による腹痛の解消法

腹痛の原因が便秘である場合には、つぎのことに気をつける必要があります。

  • かたまった便が、腸や内臓、筋肉、骨盤を刺激する
    ⇒便をなるべくやわらかくする
  • 便がたまったことでガスもたまり、さらに腸を刺激する
    ⇒少しでもガスを抜く
  • 血行が悪いと筋肉に疲労物質がたまり、発痛物質もたまるため、痛みにつながる
    ⇒血行をよくする

ここからは、具体的な腹痛の解消方法をみていきましょう。

服をゆるめる

便秘で腹痛がある場合には、真っ先に着衣をゆるめましょう

締めつけのきつい下着やアンダーウェアは、血流をさまたげ、血行を悪くします。
また圧迫によって腸のスペースをせばめるので、痛みを感じやすくもなるのです。

自宅にいる場合にはゆったりしたラインの服に着替えたり、外出中なら、見えない部分だけでもゆるめることをおすすめします。

お腹をあたためる

カイロや湯たんぽ、毛布などを使って、お腹や腰まわりを温めましょう。

お腹を温めることで血行がよくなります。
同時に腸も活動しやすくなるため、ガスが抜けやすくなり、痛みを感じにくくなるのです。

痛みを感じる部分の、お腹と背中の両側から温めると、熱が伝わりやすいのでおすすめします。

カイロや湯たんぽは、肌に直接ふれると低温ヤケドの危険性があるので、服の上から温めるようにしましょう。

カイロも湯たんぽもなく、外に買いに行くのも難しい場合には、自宅ならドライヤーで布団のなかを温めたり、外出先なら自販機のホットドリンクを利用してお腹をあたためることもできます。

電子レンジで作った蒸しタオルを利用してもよいですが、さめると気化熱で逆に冷えやすくなるので注意が必要です。

お腹のマッサージをする

お腹をやさしくマッサージすることでも、お腹を温めて、ガスだまりを解消することができます。
「の」の字を書くように、やさしくなでるようにマッサージしてみましょう。

注意点としては、力加減です。
妊娠中にお腹を強く押す行為は危険なので、「指圧する」のではなく、「なでて温める」ことを意識しましょう。

温かい飲み物をとる

温かい飲み物をとると、身体のなかからあたたまり、血行がよくなります。
また水分をとることによって、カチカチの便がやわらかくなり、お腹の圧迫がやわらぐことで、便通にもつながりやすくなる効果もあるのです。

白湯なら、お湯を沸かすだけでよいので手軽です。
余裕があったり、外出先で白湯がないケースでは、しょうが湯ホットココアもおすすめします。

ホットコーヒーや緑茶は身体を冷やしやすいので、腹痛のあるときは控えておきましょう

痛みをやわらげるツボを押す

手の甲には、「合谷(ごうこく)」というツボがあります。
この合谷は、東洋医学では「万能のツボ」と呼ばれ、血行をよくしたり、肩こり・腹痛・胃腸の不調をやわらげる効果があるとされている便利なツボです。

合谷は、手の親指と人差し指がクロスするあたりの人差し指側にありますので、2~3秒押して1秒離す動作を数回くりかえしてみましょう。

ガス抜き体操をする

ヨガには、ガス抜きのポーズがありますので、これを利用してガスだまりを解消しましょう。

【ガス抜きのポーズ】

  1. あおむけに寝ます。
  2. 大きく息を吸いながら、両ヒザをかかえて胸に引き寄せます。
  3. ゆっくり息をはきながら、太ももをお腹につけていきます。5呼吸ほどキープ。
  4. 足をもどして数秒リラックスしたら、2~3をくり返します。

腹式呼吸を意識しながら、お尻を上にむけてガスを出すイメージでおこないましょう。

上のポーズが難しい場合には、片ヒザずつ交互にやってみましょう。

根本解決のためには便秘を治そう!

腹痛の原因が便秘であるなら、根本解決するには便秘をなおすしかありません
痛みがやわらいだら、食事内容や生活習慣を見直し、便秘対策をおこないましょう。

食事では、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよくとり、乳酸菌・ビフィズス菌やオリゴ糖が豊富な食品をたべて、腸内環境を整えるのがおすすめです。
運動不足を解消したり、姿勢をよくしたり、十分な睡眠をとるといった具合に、規則正しい生活を送ることも大切になります。

※くわしい便秘解消法については、リンク先をご覧ください。

こんなときどうする?便秘のギモンQ&A

妊娠中の腹痛には、不安を感じる方も多いでしょう。
痛みの原因が便秘だと予想はしていても、そのまま放置しておくべきか、悩ましい問題といえます。
ここでは、よくある便秘の疑問をまとめてみました。

Q.便秘の腹痛、病院には行くべき?

A.まずは電話で相談してみて!

便秘で病院に行くのは気が引けるかもしれませんが、苦しい状態を放置しておくのはよくありません。
まずはかかりつけの産婦人科に、電話をして相談しましょう。
出産まで対応している産婦人科であれば、24時間電話はつながるはずです。

Q.病院に行くとしたらどちら?【産婦人科】or【 総合病院】

A.かかりつけの産婦人科へGO!

便秘が原因の場合にも、かかりつけの産婦人科に通院するほうがベターです。
担当のドクターはあなたの状況を把握してくれていますし、万が一「切迫流産」や「切迫早産」といった深刻な事態だった場合にも、専門家ならばスムーズに対処してもらえます。

理由があって担当の産婦人科にはどうしても行けず、仕方なくよその病院を受診する場合には、妊娠中であることを真っ先に伝えてください。

Q.便秘で激痛が!救急車は呼ぶべき?

A.救急車より先に、かかりつけの産婦人科に電話を!

ひどい症状で痛みが激しく、自分ではどうにもできない場合には、救急車を呼んでもかまいません。
しかし、かつぎ込まれた病院で「原因は便秘」だとわかれば、冷たい反応をされる可能性は覚悟しなければなりませんし、なにより恥ずかしい気持ちになる人も多いでしょう。
救急車を呼ぶ前に、先にかかりつけの産婦人科に電話で相談してみましょう。

たかが便秘とあなどれない!こんな症状がでる場合も

便秘でおこるつらい症状は、腹痛だけではありません。

次のような症状が出て、生活に支障をきたす場合もあるため、便秘は放置しないことが肝要です。

腰痛

便やガスが腸内にたまると、まわりの内臓、筋肉、骨盤などを圧迫します。
物理的な圧迫で痛みがでたり、骨盤がずれるだけではなく、血行不良から冷えにつながり、痛みを感じやすくなるのです。
腰は腸のすぐそばにあるため、便秘の影響を受けやすく、痛みを感じるケースが多くなります。

頭痛

便秘による腸への圧迫は、お腹や腰回りだけでなく、全身に影響します。
部分的な血流の低下が全身の血行を悪くし、頭痛などの症状が現れやすくなるのです。

また腸で発生した腐敗ガスが血液中に吸収されることで血行はさらに悪化し、ガスが全身をまわることでも頭や肩が痛みやすくなります。

吐き気、嘔吐

腸に便がたまった状態では、食べたものが腸へ下りていきにくくなり、胃にとどまりやすくなります。
そのため胃もたれや胃炎になりやすく、吐き気を感じたり、じっさいに吐いてしまうこともあるのです。

また、便やガスなどの老廃物は、身体にとっては有害なものなので、なんとかして外に出そうとする身体のしくみが働きます。
ガスは血液にまざって汗と一緒に排出されますが、それでも追い付かないくらいに便やガスが腸にたまると、今度は上、つまり口から出ようとする反応がおこるのです。
これが、便秘で吐き気や嘔吐がおこる原因になります。

下痢

身体には、たまった老廃物をなんとか外に出そうとする機能がそなわっています。
最大限まで便やガスがたまると、下痢になってそれらを出そうとするのです。

下痢で便が出尽くすと、お通じを助けてくれる腸内の「善玉菌」まで一緒にいなくなってしまいます。
その結果、「悪玉菌」がどんどん増えてふたたび便秘しやすい状態になり、便秘と下痢をくり返す悪循環におちいる人が増えるのです。

“出ない”で苦しいときには、早めの対策と病院への相談を!

便秘で腹痛がおこる原因と解消法や、便秘とまちがいやすい腹痛の原因などについてみてきました。

腹痛をやわらげるだけでは、根本対策にはなりません。
痛みがおさまって落ち着いたら、こんどは便秘の予防にも目を向け、生活リズムや食生活を整えましょう。

極限ギリギリまで放置してしまうと便秘の症状は悪化し、解消しにくくなります。
つらいと感じたら、早めに対策をとり、かかりつけの産婦人科にも積極的に相談しましょう。


注目記事

【本当におすすめしたい葉酸サプリベスト3】効果・値段で徹底比較!

葉酸の含有量や一緒にとれる栄養成分など、あらゆる角度から調べ、本当におすすめしたい葉酸サプリメント3つを選びました!

賢いママは知っている?妊活中から産後までにやっておきたいお金の準備まとめ

妊活・妊娠・出産…いったいお金はいくらかかってどう準備したらいいの?そんなお金の話をチェック!

気に入ったらシェア

スポンサーリンク

スポンサーリンク