清浄綿で乳頭を拭いたほうがいい?

清浄綿で乳頭を拭いたほうがいい?

21世紀になってしばらくまで、生まれて間もない赤ちゃんの授乳の際には乳輪や乳頭を清浄綿でその都度拭き取って清潔にしてから飲ませるよう指導されていました。

今でも従来どおり清浄綿を使っているママに出会うことも多々ありますが、「清浄綿は使わなくていいですよ」・・・というか、「使わないでくださいね」が、最新の動向です。

おっぱいを拭く清浄綿って、買うとけっこう高いんですよね。「おっぱいの消毒っていつまでしたらいいのかなぁ?」というご質問もよくお聞きします。授乳前のおっぱいを清浄綿で拭くのってどんな意味があるのでしょうか?

わたしが初めて出産した1998年当時は、授乳の前には必ずおっぱいを拭いていました。汗やらほこりやら各種の細菌などが乳頭にたくさん付着した状態で抵抗力のない赤ちゃんに吸わせることは危険だよ、と産院で指導されるのが常識だったので、何の疑いもなく清浄綿を使っていました。

月日は流れ、21世紀になって数年後、「おっぱいは拭かないでくださいね」指導内容が以前と真逆に変わってしまったんです。

医学の進歩、あらゆる研究、世の中は流動していくのです。とはいえ、正反対の指導をされた日にゃ、何が正しいのか、どうするのが一番正しいのか、混乱してしまいますね。おっぱいには、もちろんのことながら細菌や汗など、いろんなものが付着しています。それを全部拭き取ってしまったら、赤ちゃんは必要以上に守られすぎて免疫力をつけることができず結果として抵抗力のない子になってしまいます。よほどタチの悪い菌にママが感染していない限り、汗も細菌も全部含めて赤ちゃんのお口に入れてあげたいものです。

母乳には殺菌成分が含まれているので、おっぱいの汚れがどうしても気になるママは授乳前に前搾りをして乳輪・乳頭に塗りつけます。それからくわえさせてあげればバッチリです!

殺菌成分や、免疫物質など、赤ちゃんに与えたい成分は、飲ませ終わり頃の母乳中にたくさん含まれています。1回の授乳でも、飲ませ始めと飲ませ終わりでは母乳の成分は変化していくんですよ。

母乳は脂肪分がたっぷり含まれていてそれが乳輪・乳頭の皮膚に脂の膜を張って守っている役割を担っています。せっかく皮膚を守ってくれているのに、授乳前に清浄綿でそれを拭き取ってしまったら乳頭の皮膚はとっても乾燥して無防備な状態に。

防御を失った乳頭を赤ちゃんに吸われると、乳頭損傷の原因になってしまいます。だから、おっぱいを消毒してくれるに値する天然の脂成分がたくさんくっついたそのままの状態で次の授乳をスタートすることにはれっきとした意味があるのですね♪

清浄綿を使って授乳をした赤ちゃんと、清浄綿を使わず授乳をした赤ちゃんのお口の中の細菌を調べた研究があります。結果は、両者、有意差は認められませんでした。

そもそも、清浄綿の成分はアルコールが入っているわけでもなく単に生理食塩水を浸した綿なので、お水でおっぱいを拭いているのと同じですね。それってほんとに消毒になるの?という気もします。研究結果が物語っているのは、清浄綿を使っても使わなくても赤ちゃんには影響しないということですよね。

そんなわけで、おっぱいに清浄綿はいりません。自然のままに、いつでもどこでもおっぱいタイムを楽しんでくださいね。

小林ひさこ 先生

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