母乳育児と鉄欠乏性貧血(鉄分不足)


母乳育児と鉄欠乏性貧血(鉄分不足)

相談者▼

ママはかなり小柄さん。赤ちゃんも出生時から小柄で現在1歳4ヶ月。先日初めて発熱し、たまたま血液検査をしたら、ヘモグロビンの数値が7.1で、鉄欠乏性貧血と言われました。母乳では、鉄分は補えないから貧血になりやすいと小児科医に指摘され鉄剤を2週間飲むことになりました。貧血だと、風邪をひきやすかったり、疲れやすかったりするから食事でしっかり補うことも勧められました。体重は7250gで、もちろん発育曲線のグラフよりかけ離れてます。未だにおっぱいが大好きで離乳食はあまり食べてくれません。 食が細いのなら1歳半くらいで断乳、 食事でしっかり栄養をとるよう言われました。

とりあえずまずは鉄剤をしっかり内服し、貧血を治すことが大事で、その後で離乳食をもっと進めていくようにという感じでした。おっぱいばかりで、1時間おきにちょこちょこ飲んでるから空腹になることがなくご飯を食べる気にならないんですよと指摘されました。貧血って、母乳を止めて食事で摂取できたら治るものなのでしょうか?薬や鉄剤を飲むのも大泣きして拒否し、飲ませたら吐いてしまってダメな母だなと反省・・・。

こんな感じで母乳生活を続けていて本当に大丈夫なのかな。

こばやし先生の解答▼

子どもに鉄欠乏性貧血が見られると 母乳育児のためだと誤解されることが多いようです。

  • 「もっと食べさせなさい」
  • 「早く断乳しなさい」
  • 「フォローアップミルクを与えなさい」

などと指導されます。

でも実は、母乳や離乳食と貧血はあまり関係がありません。そもそもの貧血要素は、赤ちゃんが生まれる前妊娠後期にさかのぼります。

妊娠8ヶ月以降、ママから赤ちゃんにたくさんの鉄が送られます。「貯蔵鉄」と言いますが、母乳ばかりでほとんど離乳食を食べなくても生後9ヶ月頃まではこの貯蔵鉄で赤ちゃんは十分まかなっていける仕組みになっています。

なので、この時期の赤ちゃんに貧血の指摘があった場合は、ほとんどが妊娠中の鉄の移行に問題があったと考えられます。

ちょっと早めに生まれた赤ちゃんや胎盤の機能がいまひとつだった場合にも十分な鉄の移行が行われずに貧血になることがあるのですね。

貯蔵鉄がしっかりある子でも9ヶ月以降は母乳からもらう栄養分だけでは足りなくなってきておっぱい以外からも鉄分を補給しないとだんだん貧血になってしまうことがあるんです。

だけど、母乳っ子は食べない子が多い!

おっぱいばかり要求して、離乳食がなかなか進まないという話は星の数ほど聞いています。

子どもは自覚症状を訴えることができないのでママが気づかないことも多いです。放置すると発達に影響するという怖い話も聞きますが、

じゃあ、どうするの?断乳?

母乳にはミルクに比べ鉄は少ない量しか含まれていません。それは事実です。

だから母乳とミルクと成分の比べてみれば母乳の鉄は少ないので「母乳は悪だ」となりそうですが、実際には母乳は少ない鉄を無駄なく利用するので母乳が原因で貧血になることはないはずなんです。

母乳の鉄分吸収率は粉ミルクとは雲泥の差なんですよ。母乳の鉄は50%ぐらいが吸収され赤ちゃんの身体に働きかけます。それに対してミルクの鉄は、たった10%しか使うことができないんです。

離乳食をどんどん進めるといっても、小食の子はおっぱいをやめたところでやっぱりあまり食べなかったりもします。

3回、ガッツリ食べられるようになってようやく少しは鉄を摂取できるようになりますがそれでもまだまだ不足。

鉄の吸収率のい母乳は、食の細い子にとっては離乳食が進んできても大切な栄養になると思います。

ご相談のお子さまに関しては、出生時から小さかったことから、おそらく貯蔵鉄がもともと足りなかったのではないかと思います。貧血の原因はそこが一番の問題になり、必ずしも母乳が原因とは言えません。

なので、もともと不足気味だった貯蔵鉄を補うという意味で鉄剤を内服したほうがてっとり早いかもしれませんね。薬って言われると「そこまでひどい貧血なのか…」と落ち込んでしまうかもしれないけど、忘れてきたものを取り戻すだけのことなのでそんなに心配しなくてOKです!! 鉄剤を飲みながら、「食べへんな~♪」と言いながらおっぱい生活を楽しんでくださいね。

ちなみに、1歳すぎの鉄欠乏性貧血はある意味当たり前なんですよ。身体が急激に成長しているのに鉄の摂取量が追いつかない。そこで離乳食からの鉄が大切になってくるのですが、遊び食いの時期だし、親が期待するほど食べてくれなかったりしますね。

でもそれは、違う視点から考えれば喜ばしいことでもあります。遊び食いをするほど、外の世界に関心が向き好奇心で満ち溢れているのですから。それは、子どもの素晴らしい成長発達ですよね!!

貧血はあるんだけど、元気に動き回って発達の遅れもない。そうであれば、離乳食が進むのをのんびり待つのもひとつの方法です。明らかに顔色が悪く活動的でなくゴロゴロ寝て過ごしてばかりとか、表情がないとかいうことがなければ、病的な貧血のレベルには達していないってことですよね。

ご相談のお子さまはたまたま血液検査をする機会があったから貧血が見つかってしまったけど多くの母乳っ子は元気にしていれば血液検査を受けることもありません。おそらく、1歳ぐらいでモーレツなおっぱい星人たちは、まず間違いまくもしも血液検査を実施したならば数値として「鉄欠乏性貧血です」のレッテルを貼られると思います。

ママから見て食べないし、おっぱいばかりのわりに病気も少なく元気だなと感じるなら大丈夫です!貧血から病的な症状が出るレベルではないということを意味します。不安な人は血液検査をしてもらって予防的に鉄剤を処方してもらってもいいと思いますよ♪

離乳食が進むのが「いつになることやら?」な場合は気軽に鉄剤に頼ったらいいんです♪貧血を改善させるにはめっちゃ近道!難しく考えず、鉄剤に助けてもらいながら卒乳までおっぱいを続けていけばいいと思います。

たとえ、鉄含有量を強化したフォローアップミルクを与えても結局は吸収率のいいおっぱいのほうが赤ちゃんの身体には適切です。また、フォローアップミルクは母乳やミルクの代替ではなくあくまで牛乳の代替です。母乳育児をしている子には、栄養が足りないという理由でのフォローアップミルクは必要ありません。

予防がなにより大事だから、ほんの少ししか食べてくれない離乳食を鉄を意識して作ります。「よくわからん~!」という人は、鉄なべでママの食事や離乳食を作ったり子どものお茶を湧かしたりするのが手っ取り早くておすすめです。

おっぱいガンガン飲ませているのだから、ママ自身がご自分の食事内容に注意を払いましょう。ママが貧血だと子どもも貧血になりますよ。鉄分たっぷりの母乳を飲ませてあげられるようバランスよくしっかり食べましょう!

子どもの食べる量は、ママが決めることではないですね。それは子どもが決めること。「食べさせないと!」「お願いだから食べてよ!」とママが躍起になればなるほど逆効果で食べたがらなくなることもあります。

放っておいても必ず、その子なりのペースで少しずつ食べるようになっていくんです。無理をせず、ゆっくりと今を受け入れてくださいね♪

小林ひさこ 先生

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