天然葉酸と合成葉酸の違いは何?妊婦はどちらを選ぶべき?

女性は妊娠すると、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを抑えるために「葉酸」を摂ることが大切とされています。

「葉酸サプリ」の購入を考えている妊婦は、


「さまざまな種類があり、選び方がわからない」

と悩む方が多いようです。

今回は、葉酸の種類について解説しますので、選ぶときの参考にしましょう。

そもそも「葉酸」って何?どうして必要なの?


葉酸とは、水溶性ビタミンで、ビタミンB群の一種です。

ほうれん草やブロッコリーなどに多く含まれているビタミンのことです。

妊婦の妊娠初期における葉酸不足によって、神経管閉鎖障害(NTD)の発症が高まるとわかっています。

2000年に厚生労働省は、妊娠の可能性がある女性に対して、葉酸を摂取するよう通知を出しています。

神経管閉鎖障害とは

人間の身体でとても大切な神経系の部分として、脊椎(せきつい)があります。

これは、背骨(せぼね)の中にあり、さらにその中には、脊髄(せきずい)という全身の神経に指令を出す大切な神経があります。

神経管閉鎖障害とは、脊椎の神経管の形成が不完全のままになる先天異常(産まれる前からの異常)です。

日本で多いのは二分脊椎(にぶんせきつい)です。
本来、脊椎管の中におさまるべき脊髄が脊椎の外に出てしまい、くっついたり傷がついたりする状態です。

産まれてくる赤ちゃんの症状としては、足の麻痺、排泄障害などがあるようです。

妊娠初期は、心臓や脳・脊髄など赤ちゃんにとってとても重要な器官を形成する時期です。

葉酸の成分は、細胞の増殖に必要なDNAの合成に関係しているので、不足すると神経管閉鎖障害の発症リスクが高くなるといわれています。

妊婦が1日に必要な葉酸の量は?

厚生労働省は、妊婦が1日に摂取する葉酸の量について、下記のように述べています。

妊娠を計画している女性、または、妊娠の可能性がある女性は、神経管閉鎖障害のリスクの低減のために、付加的に400μg/日のプロテイルモノグルタミン酸の摂取が望まれる。

プロテイルモノグルタミン酸は、サプリメントに含まれる葉酸のことを示しています。

400μgは、単位を変えてみると、0.4mgです。

これを、サプリメントではなく野菜から摂ろうとすると、大量すぎて通常の食生活の中では難しく感じるかもしれません


「葉酸」には大きく分けて2種類ある!それぞれの特徴は?


葉酸は、下記のように大きく2種類に分かれます。

  • サプリなどに含まれている = モノグルタミン酸型葉酸
  • ほうれん草などの食品に含まれている = ポリグルタミン酸型葉酸

正式名称は難しく感じますが、どちらも「葉酸」として体内に取り入れてもよい栄養素です。

ここでは、それぞれの特徴についてみていきましょう。

モノグルタミン酸型の特徴

「モノグルタミン酸型葉酸」の構造は、「グルタミン酸の結合がひとつだけ」です。

健康食品やサプリの葉酸は、ほとんどが「モノグルタミン酸型」です。

モノグルタミン酸は「体内に吸収されやすい」という特徴があります。
そのためサプリに含まれる葉酸は、摂取した量の85%程度が体内に吸収されるといわれています。

ポリグルタミン酸型の特徴

「ポリグルタミン酸型葉酸」の構造は、「グルタミン酸の結合が複数」です。

ほうれん草などの食品に含まれているポリグルタミン酸型葉酸は、「体内に吸収されにくい」という特徴があります。

なぜならポリグルタミン酸型葉酸は、調理の熱に弱く水に溶けやすいという性質があるからです。
身体に吸収される葉酸は50%程度といわれています。

身体の働き:食品由来の葉酸は、サプリ由来の葉酸に変化する

身体に吸収されにくいポリグルタミン酸型葉酸は、体内で分解されて、モノグルタミン酸型葉酸に変換されます

「複数くっついたもの」がバラバラに分解されて「ひとつのもの」になることで吸収されやすくなるとイメージするとわかりやすいでしょう。

つまり、ほうれん草やブロッコリーなどの食品に含まれる葉酸は、体内の消化酵素の働きで、サプリに含まれる葉酸の形にかわるのです。

厚生労働省がすすめているのは、どちらの葉酸?

厚生労働省の健康情報を提供するサイト(e‐ヘルスネット)は、葉酸の生体利用率について、下記のように述べています。

食品中の葉酸は摂取した量の利用率が一定ではなく、神経管閉鎖障害のリスク低減に関する科学的根拠もいまだ充分ではない。

そのため、現状では諸外国・日本ともに、食事からの葉酸に加えて栄養補助食品からの葉酸を摂取するよう勧告されている。

厚生労働省のe‐ヘルスネットでは、「食品中の葉酸の生体利用率は50%以下」「サプリメント中の葉酸の安定性や生体利用率は高い」と示しています。

このことからも、厚生労働省は、サプリメント由来のモノグルタミン酸型葉酸をすすめているといえるでしょう。

「天然葉酸」と「合成葉酸」の違いは?


日本公衆衛生学会が発行している日本公衆衛生雑誌では、以下のように書かれています。

葉酸には、通常の食品に含まれるポリグルタミン酸型である天然型葉酸と、加工食品等に添加されるモノグルタミン酸型である合成型葉酸(folic acid)がある。

一般的には、食品から摂取するものを天然葉酸、健康食品やサプリメントから摂取するものを合成葉酸といわれています。

しかし天然葉酸と合成葉酸の違いは、「非常に曖昧で確認しにくい」のが本当のところでしょう。

たとえば、葉酸について下記のような情報がみられます。

    • 酵母から抽出したものを天然葉酸、微生物から抽出したものを合成葉酸という説
    • 葉酸サプリメントは、全てがモノグルタミン酸型で、天然と合成の2種類があるという説
    • 食品から凝縮したものが天然葉酸サプリメント、ポリグルタミン酸型で吸収率は悪いという説

「〇〇は天然葉酸、△△は合成葉酸」と明記されていないものもあるため、天然か合成かを消費者が確認しにくいようです。

このことをふまえて、納得できる食品やサプリメントを選ぶことがポイントになるでしょう。

合成葉酸は石油からできているって嘘?ホント?

「合成=石油」と勘違いされやすいようですが、合成葉酸が全て石油からつくられているわけではありません

合成葉酸のメリットは、いつでも低価格で安定した品質のサプリメントが提供されていることでしょう。
野菜や果物といった、食物の収穫量に左右されにくいからです。

体内での葉酸の利用効率がよいことに加え、粒を小さくしたり、飲みやすさを追求したりできるようです。

合成葉酸の摂取で子どもにアレルギーが出る?

胎児は消化機能が未熟なため、合成葉酸の化学物質が体内に残ってしまい、産まれてからアレルギーや小児喘息(ぜんそく)の危険性が高くなるという専門家の意見があるようです。

しかしアレルギーの危険性は、摂取基準を守らずに過剰摂取したことが原因であるケースも考えられます。

また、実際は天然自然食材でアレルギーが発症している例もあり、「天然素材であれば絶対にアレルギーにならない」とはいいきれないのです。

合成葉酸を摂取することが、アレルギーの原因として特定できるものではありません
赤ちゃんの生まれ持った体質や環境など、さまざまな因子が関係していると考えられます。

「天然」にこだわるメリットとデメリットは?

赤ちゃんのためを思うと「石油」「化学物質」と聞いて、身体に悪いのではないかと不安になるママも多いようです。

天然にこだわるメリットを挙げるならば、「身体にやさしい」「赤ちゃんへの安心感が高まる」ということでしょう。

妊婦さんが口に入れるものに気をつけることは、赤ちゃんのことを気にかけている証拠でもあります。

しかし、「天然」にこだわり抜くことは難しいというデメリットがあるでしょう。
調味料や食材を選ぶときに化学物質をひとつも使わず、有機野菜のみを使用するのは現実的とはいえません。

また、天然にこだわっていると評判の葉酸サプリメントも、錠剤やカプセルにする製造過程で添加物を使用している可能性があります。
そのため「完全に天然葉酸」と確信しにくい現状もあります。

自分が葉酸を選ぶべきポイントを考えましょう


葉酸を選ぶときのポイントは、下記のようにたくさんあります。


「価格」
「飲みやすさ」
「におい」
「葉酸以外の栄養素の量(鉄分・カルシウムなど)」
「天然へのこだわり」
「吸収率の高さ(モノグルタミン酸型)」

自分がなにを大切にして選ぶかが、満足度につながります。

また、葉酸が最も必要な妊娠初期は、「つわり」の症状が出やすい時期です。

葉酸を摂取することがストレスにならないことも大切でしょう。

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