【専門家が教える】帝王切開による母体への影響と骨盤ケア

帝王切開は、母体や胎児に危険と判断されたときに行われる急速遂娩(きゅうそくすいべん)のひとつです。

帝王切開には、選択的(予定)帝王切開緊急帝王切開があります
不妊治療による多胎妊娠や高齢出産の増加とともに帝王切開を選択されることが多くなっています。

以前は、多胎妊娠や逆子などの場合も経膣分娩で出産される方もいましたが、現在は、ほとんどの施設で帝王切開がおこなわれます。

帝王切開は、分娩時のリスクを減らせます。
しかし、母体への侵襲が大きくさまざまな産後の回復への影響、母子分離による母乳栄養確立の遅延が予想されます。

今回は帝王切開後に、母体へどのような影響があるのかお話しします。

帝王切開による筋肉、内臓への影響

先日、帝王切開を経験した方のお話をうかがうことがありました。
その方は、何年経ってもお腹の違和感は消えないと話していました。

手や足の切り傷でさえ突っ張る感じやかゆみが残り、小さな傷でも皮膚は硬くなり、傷跡はなかなか消えません。

帝王切開は、皮膚だけでなく筋肉や内臓にもダメージを与えます。
筋肉には、それぞれ拮抗しあう筋肉があり身体のバランスをとっています。

主に腹部の筋肉がダメージを受け筋力が低下することにより、拮抗筋である背中の筋肉とのバランスが悪くなります

身体を支えている前後の筋肉のバランスが悪くなることにより、反り腰や猫背などになりやすく腰痛、肩こりなどの症状につながることもあります。
ポッコリお腹が気になるから腹筋を鍛えるということは危険なのです。

また、子宮筋や内臓もストレスを受けています。
出産直後の子宮は、一気に収縮して指1~2本分お臍の下あたりにまで小さくなり、退院のころまでには、さらに指3~4本位まで小さくなります。

しかし、帝王切開の場合は、子宮の回復は遅く退院時でもお臍の下1~2本分位のところで触れられます。

内臓も緊張し硬く冷えやすくなっています。
マタニティ専門の整体師や理学療法士など、専門的な身体のケアをしっかりとおこなうことが必要です。

帝王切開した場合の骨盤のゆがみ

骨盤のゆがみは、赤ちゃんが産道を通ってきたことを原因とイメージされる方が多くいます。

骨盤がゆがむ原因は、もともとクセになっている姿勢の悪さや妊娠初期から分泌されるリラキシンというホルモンによるものであり、分娩方法とは関係ありません

とくに妊娠中は、ホルモンの影響により関節や靭帯が緩みます
10ヶ月もの間、大きな子宮を支えていたことにより、骨盤周辺の筋肉への負担がかかります。

筋肉が疲弊して、身体の前後・左右の筋肉のバランスを崩すことが、骨盤がゆがむ一番の原因です。
多少の骨盤のゆがみは、出産前からあるものなのです。

赤ちゃんが産道を通ることはありませんが、正常分娩、帝王切開、どちらの分娩方法でも産後の骨盤ケアは必要なのです。

帝王切開後の骨盤ケアや運動はいつから始める?

帝王切開のときには、腹壁や筋膜、腹膜、子宮筋などを切開しています。
傷の回復には時間が必要です。

まずは、傷をしっかりと治すことが大切です。
焦って、腹筋運動をしたり、矯正下着をつけることは避けましょう。

腹筋のやり方や始めるタイミングを間違えてしまうことは、腰を痛めてしまったり、腹直筋離開につながる可能性があり危険です。

お腹を開いているので内臓もストレスを受けています。
硬直しやすく、内臓の機能や基礎代謝が低下し、産後の回復に遅れが考えられます。

骨盤ケアを始めるタイミングの目安は、産後2ヶ月です。

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