シングルマザーの決断。認知届について知ろう。

恋愛、結婚、出産。
生きていくうえでのライフプランとして、誰もが当たり前のように行っていくものではないでしょうか。

しかし、ときにはこの順番が違ってくることもあります。
そんなときに出番がくるのが「認知届」です。

「認知」ってドラマとかでよく聞くけれど、具体的な内容ってどうなっているのでしょうか?

認知届について知っておこう!

近年では「できちゃった婚」(または授かり婚)と呼ばれるように、結婚(入籍)よりも先にお子さんを授かるということもありますよね。
せっかくお子さんを授かったとしても、まだ若く籍を入れることができないということや、父親となるはずだった人が結婚を渋るなどさまざまな理由があると思います。
そういった間にも、おなかにいる赤ちゃんはどんどん成長していきます。

事情があって入籍が出来ないという方々の為に、「認知届」というものがあります。
シングルマザーの方、未婚の母でいるという方など、結婚をせずに赤ちゃんを産み育てていくと決断した方は数多くいらっしゃいます。
まずはこの認知届について、しっかりと知っておきましょう。

嫡出子と非嫡出子について知っておこう!

嫡出子と非嫡出子…初めて目にするという方も多いのではないでしょうか?
嫡出子(ちゃくしゅつし)・非嫡出子(ひちゃくしゅつし)と読みます。
まずは、二つの違いをご説明したいと思います。

入籍

嫡出子とは

婚姻関係のある男女の間に生まれてきた子どもの事を「嫡出子」といいます。
別の言い方で「婚内子」と呼ばれることもあります。

非嫡出子とは

婚姻関係のない男女の間に生まれた子どもの事を「非嫡出子」といいます。
別の言い方で「婚外子」と呼ばれることもあります。

※今回はシングルマザーになる決断をされた方のお話なので、「嫡出子」については省略したいと思います。

「認知」ってどういうことなの?

そもそも認知とはどういうことなのでしょうか…?

「認知」=法律上の親子

認知とは、入籍をしている・していないにかかわらず、父親との親子関係が法的に認められることをいいます
赤ちゃんがお父さんの子だと認知されることと、お父さんとお母さんが入籍しているかどうかというのはまた別問題になってくるので注意してくださいね。

親子関係

父親である男性に自分の子どもだと、認知してもらえないまま出産し、お母さんが出生届を提出すると、赤ちゃんの戸籍にはお父さんの名前が載りません。
このままだと、後になって扶養や養育費・相続を受ける権利がないままとなります。
これは後々お父さんがこの人だ!とわかったとしても、法的には父親だと認められていないためどうにもできません。

そこで「認知届」を市区町村に提出して、結婚していなくても「この子のお父さんはこの人だ」と認めてもらうのです。
たとえ、籍を入れないまま親子3人で暮らしていたとしても、認知届を提出して親子だと認めてもらっていないと親子関係があることにはなりません。

認知は必要?

子どもの戸籍にお父さんの名前が載らないだけなら、別に認知してもらわなくてもいいんじゃないの?と考えてしまいますよね。
もっとも大きな問題になるのは、養育費や相続の問題です。

養育費は、子どもを育てるお母さんがもらう権利だと思っている方も多いのですが、実際はそうではありません。
「あなたの子どもである私は、あなたに育ててもらう(お金をもらう)権利がありますよ」という「子どもの権利」なんです。
生まれたばかりのお子さん達は、お金を請求することが出来ないので、代わりに母親が請求しているというだけの話なんです。

子どもが無事に大きくなるためには、どうしてもある程度のお金が必要となってきます。
子どもが小さいうちは、オムツやミルク、大きくなるにつれて保育園代や小学校などの学費、ランドセルをはじめ、食費だってどんどんかかっていきます。
子どもをしっかりと育てていくために、お父さんに費用を請求する権利が、養育費の請求なんです。

また、父親である男性にお子さんを認知してもらっていないと、その男性が亡くなったときに遺産相続の権利がなくなってしまいます
出生届を提出した後に認知をしてもらっていれば、相続人として相続の資格が発生します。

相続の資格

もしも、相続などを考えている場合には、認知届を提出するようにしましょう。

そのほかにも、子どもが初めて自分の戸籍を見たときに、父親の欄に名前がないことでショックを受けたり、どうしても父親に会ってみたいという時に手がかりが全くなくなってしまうので、様々な面から見て認知をしてもらってた方がいいという事になります。

認知してもらう方法とは?

認知届けには以下の種類があります。

胎児認知

おなかの中に赤ちゃんがいる状態で父親と認めてもらう方法です。
記入する内容は通常の認知届とあまり変わりありませんが、ただ一つ大きな違いとしてお母さんの署名・捺印が必要になるということがあります。

任意認知

お子さんを出産した後(出生届を提出した後)に、父親である男性が認知届を市区町村に提出して、父親と認めてもらう(認知してもらう)方法と、民法により遺言によって認知してもらう方法があります。

強制認知(裁判)

認知してもらいたいけど、男性側が拒否をしている場合に訴えを起こすことができます。
ただし、父親である男性がもし死亡しているという場合、死亡日から3年過ぎてしまった場合には訴えを起こすことができません。

任意認知と胎児認知の違いって何?

胎児のうちに認知する事と、出産後に認知することって、何か大きな違いがあるの?と疑問に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
大きく異なる点としては、以下の2点です。

  • 出生届に父親の名前が書けるかどうか
  • 母親の同意が必要かどうか

まずは出生届についてです。

胎児認知であろうと任意認知であろうと、認知された時点で子どもの戸籍の「父」欄には父親の氏名が記載され、あわせて「身分事項」欄には認知日や認知者の氏名や戸籍情報が記載されます。
ただ、出生後に認知を受けた場合には、出生の時点ではその人は法的には「父親」ではありませんので、出生届の「父」欄は空白で提出することになります。
※例外として、出生届と認知届を同時に提出する場合には、出生届の父欄に父親の氏名を記載することができます。

また、出産後の任意認知では父親の意志だけで認知することが可能(子どもが成人している場合を除く)ですが、胎児認知をする場合には、母親の同意が必要になります。

胎児認知でも任意認知でも、子どもはママ側の戸籍に入り、ママの苗字になります。

認知届を提出する際に準備するものとは?

認知届を提出する方法として、まずは以下のものを揃えましょう。

  • 認知届(市区町村の役場でもらうことができます)
  • 印鑑

基本的にはこれで良いのですが、届出地によってさらに父親または子どもの戸籍謄本が必要となります。

また、認知するお子さんが成人している場合にはお子さん本人が認知することをOKしているという、承諾書が必要になります。

大人になってから認知をする…ということは、その間は放置していたということになりますよね。
お子さんに金銭的な援助を求めているということや老後の心配などで認知をするということも考えられますから、お子さん本人がOKを出さない限り、認知することはできません。

胎児認知の場合には、「この人を父親と認める」というお母さんの承諾書が必要です。

遺言認知の場合には遺言書の謄本(遺言書の原本の内容が書いてある写しのこと)が必要です。

認知届はどこへ誰が提出したらいいの?

認知届を提出する場所は、以下の通りになっています。

  • 父親か子どもの本籍地
  • 父親の住所がある市区町村の戸籍課
  • 胎児認知の場合は母親の本籍地

認知届を提出する人

  • 任意認知と胎児認知の場合…父親
  • 裁判認知の場合…裁判の訴えを起こした人
  • 遺言認知の場合…遺言の執行者(遺言の内容を行動にうつす人のこと)

認知届を出す際の費用はいくらくらいかかるの?

市町村役場で認知届をもらうのも、提出するのにもお金はかかりません。
提出書類として戸籍謄本を取得(準備)する際には1通450円がかかります。

また、裁判で認知してもらう場合には、弁護士費用(依頼する弁護士さんによって費用はまちまちです)と、更にDNA鑑定費用(10万円程度)がかかります。
弁護士費用は法テラスで「費用の立て替え」という制度があります。
とても払えない…という場合には利用を検討すると良いでしょう。

子どものことを第一に考え、必要なら行動しよう!

認知のあれこれについてみてきましたが、いかがでしたでしょうか?

父親とは一切かかわらずに自分ひとりで子どもを育てたい、という人もいるでしょう。
けれど認知によって得られる養育費や遺産といった金銭的なものは、ママのものではなく、子どものためのものです。

また、お子さんは将来「自分のルーツを知りたい」という欲求にかられるかもしれません。
父親がよほどのろくでなしでない限りは、お子さんのために認知を受けておいたほうがいい、ということもあるのではないでしょうか。

相手の出方しだいでは裁判になったりと、つらい局面を乗り越える必要があります。
「子どものためにはどうするのが一番いいのか」をよく考えてみてください。
そのうえで、子どもの笑顔のために、必要な行動をおこしてみてはいかがでしょうか。

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