帝王切開=楽な出産ではない

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帝王切開は本当にラク!?

出産というと、現代ではさまざまな方法があるものです。お母さんの膣から出てくる経膣分娩(自然分娩)をはじめ、陣痛促進剤を使って陣痛を起こす誘発分娩、麻酔を使った無痛分娩などなど。そのスタイルはお母さんのそれぞれの希望に合わせていきますから、本当に多様化していると言えますよね。

そして、その中でも昔と比べてとても多くなったのが「帝王切開」です。帝王切開が年々増加傾向にある原因について考えよう

お母さんのおなかを切って赤ちゃんを取り出すという帝王切開。経膣分娩のように、陣痛でおなかを痛めて産むということとは違ってくるため、そのことでとても偏見が多いというのが事実です。今のようにあまり帝王切開がそこまでメジャーでなかった時代の方からすると、帝王切開は麻酔を使って「ラクなお産」だと思われていることも。しかし、帝王切開が楽なお産だなんて本当にそうなんでしょうか?

予定帝王切開の理由とは?

帝王切開というのは、一般的にはお母さんの意識があるままおなかを切り開いて赤ちゃんを取り出す手術のことをいいます。手術は1時間ほど、長くても2時間程度で終わります。帝王切開をするにあたって、逆子が直らないなどの理由で事前に帝王切開にすると決められた「予定帝王切開」と、自然分娩で出産するはずが途中でトラブルが起こったなどの理由で行う「緊急帝王切開」があります。

予定帝王切開の場合、以下ような理由で決められます

胎位の異常

逆子や横位など、赤ちゃんの位置や姿勢に異常がある場合です。単なる逆子と言っても、赤ちゃんが片足を伸ばしていたりさまざまな体勢があります。逆子についてはこちらからご覧ください

実は、筆者も臨月に入ってから逆子となってしまい、次の週までに戻らなかったら帝王切開と言われました。(逆子体操をしたおかげか運よく5日後に戻りましたが…)逆子になってしまう子はとても多く、また週数が早いうちでもなかなか逆子が直らないということも多くあるものです。この場合、へその緒が首に巻き付いているなどの原因がある場合も。

巨大児(児頭骨盤不均衡)

お母さんの体を押し広げて出てくる赤ちゃん。しかし、お母さんの体が耐えられるサイズよりも大きく育ってしまう赤ちゃんも中にはいます。そうなると、赤ちゃんの頭よりお母さんの骨盤が小さい場合には、出産のときに引っかかって出てこれなくなるという恐れがあります。これを児頭骨盤不均衡と言いますが、この場合は多くの場合で予定帝王切開となります。

妊婦健診のときにエコーで赤ちゃんの頭の大きさを調べますが、このときにお母さんの骨盤とのバランスを見ていきます。このままだとうまく出てこれなくなる…と判断されたら、帝王切開の予定を決めていくことになります。児頭骨盤不均衡についてはこちらからご覧ください

前回の出産が帝王切開だった

上の子の出産のときに帝王切開だった場合、次の出産も帝王切開にするというケースが多いものです。中には自然分娩にチャレンジするということもありますが(VBACといいます)、子宮破裂などのリスクに備えて次も帝王切開にすることが多くなります。帝王切開後の自然分娩(VBAC)についてはこちらからご覧ください

多胎児(双子や三つ子)

双子や三つ子といった多胎児の場合、それだけ多くのリスクが伴うことになります。多胎児の妊娠に安定期はない!と言われるほど、何が起こるかわからないもの。赤ちゃんとお母さんの無事を考えて、帝王切開で出産するケースが多いのが多胎児です。お母さん・赤ちゃんともにとても状態が良く、さらに体勢にもまったく問題がないという場合には経膣分娩を行うことも可能です。多胎妊娠(たたいにんしん)のリスクについてはこちら三つ子を妊娠したママの妊娠から出産までの記録

前置胎盤

お母さんと赤ちゃんをつなぐへその緒の根元である「胎盤」というのは、通常は子宮の上のほうにあるもので、出産で赤ちゃんが出ていくとその後を追うように出てくるものです。が、この胎盤が赤ちゃんの出口である子宮口をふさいでいる・一部をふさいでいるというのが、前置胎盤です。前置胎盤についてはこちらからご覧ください

陣痛が起こっても赤ちゃんが出てこれませんし、さらに胎盤が剥がれて大出血ということも考えられます。エコーですぐにわかることなので、もし前置胎盤だということであれば予定帝王切開となります。

ただ、妊娠して少しずつ週数が経っていくことで、胎盤の位置が変わってくることもあるので慎重に経過を見ていきます。33週~35週までには前置胎盤だということが確定して、予定帝王切開の日にちを決めていくのが一般的です。

感染症

赤ちゃんが産まれる時、お母さんの子宮頸部や膣といった産道を通ることでお母さんの血液に触れます。このとき、お母さんが赤ちゃんに重大な影響を与えかねないウイルスや細菌に感染してしまっていたら、どうでしょうか。出産のときに赤ちゃんに感染してしまう恐れがありますし、これが原因で産後に亡くなってしまうということも考えられます。リステリア菌についてカンジダ膣炎についてサイトメガロウィルスについて

さまざまな感染症がありますので、妊婦健診のときに検査をして何らかの問題があれば、予定帝王切開として赤ちゃんが産道に触れないようにしていきます。

高齢出産

これは個人差がかなりあるのですが、体力面や体調に合わせ、高齢出産の方は帝王切開での出産が多くなるという傾向があります。高齢出産のリスクとメリットについてはこちら

持病がある方

もともと心疾患があるという方や、糖尿病など体に負担がかかると危険な状態になるという方は、予定帝王切開の場合があります。妊娠中に持病がある方の注意点についてはこちら

緊急帝王切開の理由とは?

回旋異常
赤ちゃんというのは、産まれてくるときに産道を通りやすくなるようにくるくると回りながら出て来ます。ですが、この回転がうまくいかなくなってしまったときや、産道にひっかかってしまったときなど、なかなか出てこれなくなるということがあります。このとき、あまり長時間この状態になると酸素がうまく届かなくなってしまったり、お母さん側にも大きな負担となってしまいます。赤ちゃんとお母さんの両方を助けるため、緊急で帝王切開になることがあります。
胎児機能不全
出産を進めている途中に、何らかの原因で赤ちゃんに元気がなくなったり危険な状態になってしまうことをいいます。たとえば、へその緒が首に巻き付いて酸素がうまく送られないなどの理由が挙げられます。
遷延(せんえん)分娩
陣痛(お産)が始まったのに、なかなか先に進まない状態をいいます。子宮口がなかなか開かなかったり、大幅に時間がかかってしまっているお産のことを遷延分娩といいます。赤ちゃんもお母さんも体力がなくなり、大きなストレスとなって危険な状態になってしまうこともあるので、状態を見ながら緊急帝王切開を行うことも。分娩時に起こりうるトラブルについてはこちらからご覧ください

帝王切開の恐怖と痛み

このように、たくさんの理由で帝王切開での出産となることがあります。どの理由も、決してお母さんがラクして赤ちゃんを産みたいから…ということではないことがわかります。帝王切開はお母さんに大きな負担がかかってしまう出産方法ですが、一方では赤ちゃんにとってとても優しいお産であると言われています。お産のときに赤ちゃんが最もダメージを受けてしまうのは、陣痛と出産時に狭い産道を通り抜けてくることです。おなかを痛めた自然分娩であっても、何時間・何十時間もの間赤ちゃんの体をぎゅうぎゅうと締め付けるのは赤ちゃんにもお母さんにも大きなストレスとなってしまいます。

しかし、帝王切開であれば産道に締め付けられることも、陣痛で起こる子宮の収縮に耐える必要もありません。赤ちゃんにとってストレスが少なく、かつ安全に産まれてこられる方法だと言われているんです。

ただ、お母さんにとってはとても大きな恐怖や不安、産後の傷口の痛みなどがあります。全身麻酔の場合もありますが、多くは腰から麻酔を注入する方法で、意識がある中でおなかを切り開かれるのです(麻酔をするので手術中の痛みはほとんど感じません。)、怖いはずですよね。どんなに我が子に会える!と思っていても、未知の経験のあまり術前も術中も涙する方が多くいらっしゃるほどです。そんな大きな恐怖に打ち勝って、ようやく我が子と対面できるのです。

帝王切開も経膣分娩も、命をかけた出産方法

帝王切開は経膣分娩と違ってすぐに起き上がることはできません。おなかを切開しているのですから、1日は安静にしなくてはなりません。したがって、起き上がって自分の足で赤ちゃんを見に行ったり、しっかりと抱っこして授乳するということは、すぐにはできないのです。やっとOKが出て起き上がろうとしても、傷口の痛みと子宮が収縮する後陣痛とで想像を絶する痛みが襲い掛かることもあります。鎮痛剤を飲んだり座薬をしてもらったからといっても、すぐに効果が出るわけでもありません。

「自然分娩はおなかを痛めて出産した」とよく言われますが、帝王切開も非常に強い痛みと戦わなくてはならないのです。帝王切開の傷跡、痛み、かゆみ、ミミズ腫れ・・・予防と治療について

あまり長時間横になっていると、切開した痕がほかの部分と癒着してしまうおそれがあるので、スパルタではありますが歩くように指導をされます。おしっこの管(導尿)をしている方は外され、まだよく感覚がわからないままトイレに行くように促されます。そんなふらふらの状態で、痛みに耐えながら我が子に会いに行く…立派なお母さんになっているんです。

このように、帝王切開が楽な出産というのはまったく違うことで、お母さん・赤ちゃんの命をかけた出産方法のひとつであるにすぎないのです。

また、帝王切開も自然分娩も誘発分娩も無痛分娩も、何かトラブルがあればすぐに命に関わるもの。どんな出産方法であっても、命をかけた出産であるということには変わりないのです。

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