日本脳炎の予防接種と副反応(副作用)について

日本脳炎について

日本脳炎という言葉は、あまり聞いたことがないという方も多いのではないでしょうか。日本脳炎は、感染してしまうと脳に大きなダメージを与えることのある怖い病気です。日本脳炎がどのような病気なのか、日本脳炎の予防接種にはどのような副反応があるのかを見ていきましょう。

日本脳炎とは・・・日本脳炎ウイルスが感染して起こる感染症です。発症する確率は低いですが、脳炎が起きてしまった場合は、死亡率も高く、後遺症が残ることが多いこわい病気です。

日本脳炎の感染経路とは?

日本脳炎は日本脳炎ウイルスに感染しているブタを刺した、蚊(コガタアカイエカ)が人を刺すことで感染します。日本、フィリピン、インドから東南アジアにかけて流行している病気です。

ウイルス感染した動物を刺した蚊に刺されることで人に感染します。人から人に感染する事はなく、日本脳炎の人を刺した蚊に刺されても、蚊を媒介して感染する事はありません。

日本脳炎の症状とは?

日本脳炎の症状は以下の通りです。

  • 高熱
  • 頭痛
  • 嘔吐
  • 痙攣
  • 意識障害
  • 食欲不振
  • めまい

日本脳炎が重症化すると「脳炎」(脳の炎症)になる事があります。

日本脳炎が重症化!脳炎の症状とは?

  • 光に反応する光線敏感
  • 筋肉が硬くなる筋強直
  • かってに手足が動いてしまう不随意運動
  • 手足が動かない運動麻痺
  • 目の動きが震える眼振
  • けいれん
  • 呼吸が難しくなる呼吸困難

ウイルスが侵入して発症するまで1~2週間の潜伏期間を経て、高熱、頭痛、嘔吐、痙攣、意識障害などの症状が出る急性脳炎になることが、100~1000人に1人程度あります。

致死率が約20~40%と高く、治っても45~70%の人に精神障害などの重い後遺症が残ることがあります。とくに乳幼児や高齢者の致死率が高くなります。

日本脳炎の検査方法と治療

日本脳炎が疑われた場合、血液検査と脳波検査を行います。血液検査では、白血球が増えていないか、髄液という脳や神経を守っている液を採取する検査では、細胞が増えて髄膜炎と似た状態になっていないかを調べます。脳波検査では前頭部にとくにはっきりとした高振幅の徐波があらわれます。

日本脳炎の診断は髄液からウイルスそのものを検出するウイルス分離と、血液や髄液からウイルスに対する抗体検査で行います。

日本脳炎の治療法

日本脳炎ウイルスに対する特効薬はありません。それぞれの症状に応じた対症治療になります。

日本脳炎の後遺症)

以下のような後遺症が残る可能性があります。

  • 歩行障害
  • 手足の振るえ
  • 痙攣
  • 麻痺
  • 知能
  • 情緒不安定

日本脳炎は命を落とさずに治療できても、45~70%の人に重い後遺症が見られる怖い病気です。

日本脳炎の旧ワクチンと新ワクチン

2004年に13歳の女子中学生が急性散在性脳脊髄炎(ADEM)となり、この事例において日本脳炎ワクチンと健康被害との因果関係が認められました。この事態をうけて、2005年6月、厚生労働省健康局は「積極的勧奨差し控え」の勧告を出し、2010年までの間希望者には接種するとし、積極的に接種することをおすすめしていませんでした。その後厚生労働省健康局は2009年6月、新ワクチンによる接種の積極的勧奨を再開しました。旧ワクチンはマウスの脳組織を使用してつくられていましたが、新ワクチンはアフリカミドリザルの腎臓の細胞から作られたワクチンが使われています。

接種時期・回数

不活化ワクチンを皮下注射で接種します。Ⅰ期は6ヵ月~7才6ヵ月までに2回接種して、1年後に1回追加接種をします。1~4週間あけて接種しますが、3~4週間あけるのがベストです。接種後中6日あければ、他の予防接種を受けられます。初回の2回目を3才、追加を4才に接種するのが理想です。

Ⅱ期は9~12才の間に1回接種します。計4回の接種が必要です。日本脳炎は6ヵ月から接種が可能ですが、厚生労働省の指針では、3才以降の接種が推奨されています。

日本脳炎ワクチンを接種できない人

中には日本脳炎のワクチンを接種できない方がいらっしゃます。以下のような方は、日を改める、担当医に相談する必要があります。

  • 発熱がある(37.5度以上)
  • 重篤な急性疾患にかかっている人
  • 過去に、日本脳炎ワクチンでアナフィラキシー症状を起こしたことがある人

持病やアレルギーがある方は接種を受ける際に医師とよく相談してください。

日本脳炎の予防接種後の注意点

接種後2日以内に接種部位が腫れる、赤くなる、37.5度以上の熱が出るなどの症状が8~9%の人に現れます。また、1~2%くらいの人には、接種後2日以内に発熱が見られます。通常はとくに処置せずに自然に治まるので、全身状態に変化がなければ自宅で経過をみましょう。

日本脳炎の予防接種の副反応とは?

接種後2日以内に接種部位が赤く腫れたり発熱したりすることがあります。また、非常にまれに見られる副反応として、アレルギー症状を起こしたり、急性散在性脳脊髄炎症を発症する事があります。高熱、呼吸困難、痙攣などの症状が見られたら、すぐに病院へ受診しましょう。

日本脳炎の予防接種を受ける機会を逃している方

平成7~18年度に生まれた方は、平成17~21年度に日本脳炎の予防接種を受ける機会を逃していることがありますので、お持ちの母子手帳などを確認し、接種を受けるかどうか判断してください。

平成7年4月2日~平成19年4月1日までに生まれた6ケ月から20歳未満であれば、いつでも日本脳炎の定期予防接種を受けることが可能になりました。

日本脳炎ワクチンを接種する事で、日本脳炎にかかるリスクを75~95%減らすことができるという報告があります。その一方、新ワクチンによる定期接種再開した後、接種される子どもの数が増えるとともに、副反応での後遺症や入院件数が増加しているのも現実です。

予防接種を受ける、受けないは自己判断になります。生活環境や価値観、状況は人によって違います。日本脳炎の予防接種を受けるかどうかは、予防接種の副作用や副反応のリスクを十分理解した上で判断しましょう。不明な点があれば、かかりつけの医師と相談し、納得した上で決めるようにしましょう。

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