言葉の発達(覚える)が遅いと感じるお子さんへの関わり方

言葉の発達(覚える)が遅いと感じるお子さんへの関わり方

言葉の覚えが遅い

泣いて、飲んで、眠って、を繰り返していた赤ちゃんは、笑うようになり、首が座り、寝返りをし、座れるようになり...と、どんどん育っていきます。運動の育ちが進んで行き、歩けるようになる頃と前後してことばを話すようになりますが、歩けるようになる時期には個人差がありますし、ことばが出始める時期にもかなり個人差があります。

しかし、同じ月齢、年齢のお友達の様子を見て、" あれ?うちの子、ちょっとことばが遅いかな~" と心配になることがあるかもしれませんね。そこで今回は、ことばがゆっくりだと感じたときにどのような関わり方をしたらことばが促されるきっかけになるか、についてお話ししたいと思います。

声をたくさん出す機会を作りましょう

ことばを話せるようになる前段階として、体が育ち、そして「あー」「うー」のように声を出し始め、様々な音を出すようになり、もにょもにょお話しをしていきます。口(唇や舌を含む)を色々と動かすことがことばを話せるようになるための練習にもなるのです。" もにょもにょ言ってばかりで、何を言っているのかわからない" と気になることもあるかもしれませんが、しっかりと準備をしているので、見守ってあげましょう。そして、声を出すことが少ないと感じる場合には、くすぐり遊びや追いかけっこ、手遊び歌等で楽しく、はしゃぎながら声を出す機会を作ってくださいね。そのことで口を動かすことにもなりますし、声を発する楽しさがコミュニケーション意欲やことばにもつながります。声のまねっこも楽しい遊びですが、くれぐれも" 真似しなさい!言ってごらん" とはならないようにしましょう。

ことばの理解を育てましょう

話せる前には、ことばを理解していることが前提になってきます。毎日の生活の中で目にするものについて、大人が繰り返し話すことによって、お子さんは少しずつ物の名前を理解していきます。例えば、新生児の頃は「おっぱい(ミルク)飲もうね」「オムツ替えようね」「ママ/パパだよ」ということばを中心に理解していたのが、首が据わり、寝返りを打ち、ハイハイをして、と世界が広がると共に自分と関わりを持つ事柄が増えていきます。目にしたもの、手にしたものについてことばを紹介することで、ことばを理解していきます。

実物を見て触って感じる経験と共にことばを理解することが最も大事ですが、年齢が上がってくると、手にすることができないものについては、絵本を通して理解を広げることもよいでしょう。絵本の読み聞かせについてはこちらをご覧下さい

また、ことばを理解しているということには、大人のことばを聴いて行動することができるということがあります。「お片付けしようね」「靴下持ってきてね」「パパに渡してね」等の声かけで動けるかどうか時々見てみましょう。状況全体から理解している段階なのか、ことばをしっかり理解しているのか、も確認し、成長しているかわかるとよいですね。これも毎日の積み重ねですので、大人の行動にことばを添えながら、生活することを心がけて下さい。

インリアル・アプローチを取り入れましょう

ことばの育ちがゆっくりなお子さんを対象に考えられたインリアル・アプローチ。インリアル・アプローチについては過去の以下コラムをご覧下さい。子どもとのコミュニケーションにおける大人の姿勢子どもとのコミュニケーションに大切な大人の言葉かけ

その中でも、ことばの出始めが遅いと感じるお子さんとの関わりで取り入れていただきたいミラリングとパラレル・トーク、セルフ・トークについて具体例を挙げて紹介しましょう。

ミラリング(大人が子どもの声や行動をそのまま真似すること)

まずは声をそのままそっくり真似しましょう。大人からすると不思議に音を続けて言っていることも多いかと思いますが、真似をして楽しみましょう。声を出しながら机を叩いている、といった場合にも、同じように真似します。すると、声を出すことが増え、お子さん自身が" 声を出すと、相手から返ってくる" ということを感じ、コミュニケーション意欲につながります。

パラレル・トーク(大人が子どもの行動や気持ちを言語化する)

おもちゃの車を走らせていたら「ブーブー」「車が走ってる」、ままごとで食べ物を切っている時は「トントン」や「ざくざく」「りんご、切ってるね」と言う、転んだ時には「痛いね」(「大丈夫」「痛くない」ではなく、まずは「痛いね」と言って下さいね!)、喜んでいる時には「嬉しいね」等、ことばで言いましょう。ことばがゆっくりなお子さんの場合、擬音語や擬態語を使うほうが後々の言い易さにつながります。

セルフ・トーク(大人の行動や気持ちを言語化する)

ことばの理解を育てるという点でセルフ・トークをする場合、家事をしながら行動を言語化することが簡単にできる方法の一つです。食器を洗いながら「コップ(洗ってるよ)、次はお皿(洗ってるよ)」、食材を切りながら「キャベツを切って...きゅうりを切って...」、洗濯物を畳みながら「タオル畳むよ、角をピタ、半分」等、お子さんの理解に合わせてことばを選びましょう。

ことば以外の手段を用いたコミュニケーションを促しましょう

ことばの育ちがゆっくりであっても、心配されない方がいますが、その理由に" 親子のコミュニケーションで困ることがないから" ということがあります。ことばが遅くても大人の言うことを理解している、お子さんも自分の意思をことば以外の手段を使いながら伝えられている、と言う状況になれば、ひとまずは安心ですよね。お子さんにとっては" 自分の思いをわかってもらえた~^0^" という経験が大事です。ことばを補助する手段を用いることで、ことばも出やすくなりますので、ぜひ挑戦してみましょう。

身振りでの表現を促す
赤ちゃんとのコミュニケーションとして広まっているベビーサイン、ことばが遅いお子さんのためのマカトンサイン、手話等、決まった型があるものを使うことはことばの育ちを促す一つの方法です。しかし、それらを覚えて使うとなるとハードルが高いかもしれませんね。そういう場合、お子さんが理解しやすい、使いやすい、伝わる経験を重ねるという点では親子だけで通じる身振りでも構いません。お子さんが偶然行った動き、好きな手遊び歌の一部、日常生活の実際の動きでの表現を大人自身がことばと一緒に使うお手本を示していきましょう。ベビーサインについてはこちらをご覧下さい
選択する機会を設ける
お子さんが自分の意思を表すことができるようになるために、大人が選択する機会を設けることも一つの方法です。頭の中に" これ!" というイメージがあって身振りやことばで表現できる前段階として、目の前にあるものから選択できるようになるだけで意思が伝えられることが増えます。2つのおもちゃ・絵本から選ぶ、飲み物・おやつを選ぶ、洋服を選ぶ、どこに出かけるか選ぶ、誰と遊ぶか選ぶ、等、色々な場面や内容で機会を作れます。迷っている場合、希望の選択肢がなさそうな場合には、別の選択肢に変えることや大人が選択する様子を見せることもよいでしょう。
実物を手渡しての要求に応じる
よくある話として、お子さんがテレビを見たいときにリモコンを大人の所に持ってくるということがあります。これも立派なコミュニケーションです。物を渡すやりとりをしたい、物の名前を教えて欲しいという時にも物を持ってくることもありますので、大人は持ってきたものについて物の名前を紹介し、その後のやりとりを続けてください。例えば、手の届く棚に好きな絵本を数冊置いておき、お子さんが持ってきたら、「絵本だね。読んで、だね。」と声をかけて読む。
写真カードや絵カードで選択/要求する機会を設ける
実物と写真や絵が同じであることが理解できているお子さんや、かなりの数のことばを理解しているもののことばを発すことが難しいお子さんの場合、また要求や選択の場面を設けるときに実物では難しい場合に、写真カードや絵カードを用いて、2つから選択する、自分でカードを渡して要求する機会を設けます。欲しい物を自分で手に入れることができない状況で、" きちんと相手に伝える" ということを学ぶ機会にもなります。外出先では携帯電話やスマートフォンの画像を使うと便利です。

相談機関に行ってみましょう

個人差が大きいのがことばの育ちです。色々試みたけれど、やはり心配という場合には、ぜひ相談することをお勧めします(コラム「子どもの育ちを心配に思ったら」参照)。お子さんに応じたアドバイスを受けることで、ご家庭で取り組めることが増えるかと思います。

斑目雅美先生

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