言葉が出る頃までの遊びとコミュニケーション

言葉が出る頃までの遊びとコミュニケーション

言葉が出る頃までの遊びとコミュニケーション

前回から我が家の子育てで意識していることを具体的にご紹介しています。今回は、言葉が出始めるまでに行っていた遊びや関わり方をお伝えします。

ママをじっと見るようになった、ママを見て笑うようになった等の成長が見られると嬉しくなる時期。もっと人への意識を高めて、“一緒に遊ぶと楽しいな”から“褒めてもらえて嬉しいな”という気持ちが育っていくことを意識していました。そして、言葉が出始めるまでには言葉を理解することや非言語のコミュニケーション手段で自分の気持ちが伝えられるようになることを意識して関わってきました。

この時期のポイントは次の6点でした。

  1. 『ひと-ひと遊び』を楽しんで行う
  2. “もう1回”という要求の仕方を教える
  3. 要求を伝えられるために選択の機会を設定する
  4. ミラリング遊びを楽しんで行う
  5. 活動に対応させて決まった歌を歌う
  6. 指さしをする、子どもの指さしに応じる

では具体的な方法について説明していきます。

1.『ひと-ひと遊び』を楽しんで行う

『ひと-ひと遊び』とは、聞き慣れない言葉ですね。これは私が以前勤めていた職場でよく使われていた言葉です。おもちゃ等の物を使った遊びではなく、人と人とが直接的に関わって遊ぶことで、年齢の低いお子さんの場合は、お子さんと大人で遊ぶことが中心となります。いないいないバー、くすぐり遊び、高い高い、腕・足を軽く揺らすというように一般的に行われている遊びです。触れられると楽しい、もっともっとやって欲しい、となるように子どもの反応を見ながら繰り返し行っていました。活動の終わりを理解して、要求できるように、「一本橋こちょこちょ♪」の歌に合わせる、「3,2,1、どしーん」の声かけに合わせて、抱っこしたまま高い所から下ろす、というようにしていました。親子で楽しむようにしていました。

2.“もう1回”という要求の仕方を教える

『ひと-ひと遊び』が好きになってくると、子どもが“またやってほしい”という気持ちを表すようになります。ちょっと手を動かしてくる、つないだ手を引っ張ってくる、顔を見る等です。最初は子どもの自発的な要求にすぐに応じていましたが、徐々に「もう1回だね」と人さし指で1を見せながら声かけをしてから、その遊びを再度行うようにしました。それを続けていくと、「もう1回」と大人が言った時に人さし指を触ってくるようになりました。するとステップアップして、人さし指に触ったら要求に応じるようにしました。言葉が出る前には、人さし指を出すような動きで要求するようになっていきましたし、言葉が出るようになり、サインをすることで「もう1回」という言葉が促されたと思います。

3.要求を伝えられるために選択の機会を設定する

「もう1回」という言葉と共に、選択できるということは子どもにとって自分の意思を伝えられる大事な機会になります。そのための準備は意外と早い時期から(生後2、3ヶ月頃から)できるものだと思います。まずは、目の前のママの顔を見ることから始まり、出したおもちゃを見るようになる、おもちゃ(音の出る/音の出ない)を追視できるようになる、2つ出したおもちゃの両方を見比べるようになる、とどんどん見る力が育っていきます。“見たら、そのおもちゃで遊ぶ”から、“見比べて、視線が止まったら、そのおもちゃで遊ぶ”というようにしていきます。

また、物に手を伸ばせるようになってきたら、“手で触ったもので遊ぶ”から“2つから選んで手で触ったもので遊ぶ”というようにステップアップです。ずり這いやハイハイをするようになってからも、選択の機会を設けていました。そして、選んだ物の名前も教えていくようにしました。

4.ミラリング遊びを楽しんで行う

言葉を育てるために考案されたインリアルアプローチには『ミラリング』という技法があります。子どもの声や動きをそのまま大人が真似するというものです。インリアルアプローチについては前回のコラム「子どもとのコミュニケーションに大切な大人の言葉かけ」をご覧下さい。子どもとのコミュニケーションに大切な大人の言葉かけ

それを遊びに取り入れて行う事を以前の職場では『ミラリング遊び』と呼んで行っていました。「あー」、「うー」と喃語が出たら、もにょもにょ言い出したら、宇宙語を話し始めたら、そのほとんどを大人が真似をしていました。あとは、太鼓を叩いたら真似をする(地域の子育て広場にはありましたが、我が家では机や床...)、ハンカチを振ったら真似をする、マラカス(ペットボトルにビーズを入れたもの)を振ったら真似をする、というようにひたすら真似をしていました。真似してもらえることを喜ぶようになり、それを期待して次々と動いていきました。

5.活動に対応させて決まった歌を歌う

生後2ヶ月を過ぎた辺りからでしょうか、一緒にお風呂から上がった後、私が着替えている間待てずに大泣きするようになりました。「待っててね、着替えているからね」と声かけをしていましたが、子どもの立場からすると、“いつまで待てばいいのかわからない”ということだと気付きました。そして、発達障がいを持つお子さんの保護者の方にアドバイスしていたことを思い出しました。“どのくらい待てばいいか、わかるようにしましょう!”ということを。

そこで、私が着替えをしている間に歌う歌を決め、その曲が終わるまでに着替えるようにしました。その間はどんなに泣いても待たせるようにして、終わったら抱っこして授乳、という流れにしていきました。この歌は子どもが自分で移動して時間をつぶせるようになるまでは使っていたように思います。着替えの場面以外にも、おしっこ・うんちの時の歌、寝かし付けの時の歌も決めていましたし、シーツブランコやバランスボール遊びの時にも決めた歌がありました。言葉だけよりも、歌ったほうが理解が進んだように思います。今でもその歌が流れると、バランスボールを慌てて取りにいく我が子ですが...(条件付けされてます)。

6.指さしをする、子どもの指さしに応じる

子どもが自分の気持ちを伝える手段として指さしができるようになると、親子共々とても楽になります。お子さんによって異なることもありますが、自分が指さしする前に、大人が指さしした物や指さしをした先を見るようになることが多いです。大人との関係性が育ってくることが必要ですが、時々指さしをして、“見るかな?”と確認していましたね。そして、我が子が指さしをするようになってからは、物が欲しい場合にはその物を渡し、名前を知りたそうにしている場合には名前を言うようにしていきました。言葉の理解を育てるには、興味があって指さしをしているものを教えていくことが効果的だと思います。

長くなりましたが、基本的には親子で楽しく関わりながら遊ぶということ、子どもの気持ちを汲み取りながらコミュニケーション手段を広げていくということ、について、皆さんにとってのヒントになるよう願っています。

斑目雅美先生

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