子どもを窒息事故から守ろう!年齢別の対処法

子どもを窒息事故から守ろう!年齢別の対処法

窒息

子どもの死因の第一位は「不慮の事故」です。中でも窒息によるものが0歳児でトップ、1~4歳児でも交通事故、溺水に次いで3位と、とても多くなっています。毎年50人近くのお子さんが、窒息によって命を落としているという悲しい現状があります。

歯医者さんがどうして窒息事故の話?と思われるかもしれませんが、歯の生え方と窒息事故には、実は大きな関係があります。

子どもの窒息事故は、乳歯の奥歯が生えそろう前の3歳以下と、乳歯の前歯がぐらぐらしていたり、まだ永久歯の前歯がしっかり生えていなかったりする小学校低学年の時期に集中して起こっています。

前歯で上手にかみちぎったり、奥歯でしっかりかんだりすることが難しい時期は、特に注意が必要なのです。

子どもを窒息事故から守るために、ママが気をつけたいことを年齢別にお伝えします。

0歳~1歳

赤ちゃんの窒息事故で最も多いのが、吐いたミルクや母乳をつまらせてしまうもの、2番目がふとんや枕などの寝具によるものです。授乳後はしっかりゲップをさせてから寝かせましょう。また、赤ちゃんが寝ている間に寝具がお顔にかからないように気を付けてあげてください。

赤ちゃんの「食べ物」による窒息事故もたくさんおきています。

日本では、「赤ちゃん用のおかし」がたくさん販売されていて、早いものでは5か月からと書いてあるものもあります。

平成20年に東京都で行われた、「ベビー用おやつ」についての調査では、「0歳の子にあげたことがある」というママが約半数いましたが、そのうち4人に1人が「のどにつまらせた、またはつまらせそうになった」と答えています。

「9か月女児に赤ちゃん用ウェハスを小さく切って与えたら、のどに張り付き呼吸ができなくなった。」「7か月女児がチーズスティックを食べたら、大きく割れてのどに詰まらせ、窒息しそうになった。」など、たくさん報告されています。

商品に書かれている「○ヵ月から」という表示を参考にするのではなく、しっかりかんでごっくんできるか?それぞれの赤ちゃんの成長に合わせたものを選ぶことが大切です。

ちなみに11か月未満の子用のおやつとして売られているものは、日本では60種類以上ありますが、アメリカやヨーロッパなど、外国にはほとんどありません。0歳の赤ちゃんに市販のおかしが本当に必要なのか?もよく考えてみましょう。

子どもに「のどをつまらせない食べ方」を教えることもとても大切です。食生活習慣を身につける最初のステップは離乳食です。離乳食の時期から、「きちんと座って食べる」「しっかりかんでごっくんする」という習慣をつけることが、窒息事故の防止につながります。

なかなか食べてくれないからと、遊び始めた子どもを追いかけて、遊びながら食べさせるのはとても危ないのでやめましょう。おむつを替えるときなど、寝かしている状態のときに何かをたべさせておくというのもとても危険です。赤ちゃんの時期から「食べる時はきちんと座る」という習慣をつけましょう。

子どもが食べているときは、必ずしっかり見ていてあげてください。おんぶしている子どもには目が届きづらいので、おんぶしながらものを食べさせるのはやめましょう。

2歳~3歳

3歳以下の子どもの窒息事故で特に注意したいのがピーナッツです。食品安全委員会によると、乳幼児がのどをつまらせた例約800件のうち、70%以上が豆類で、そのほとんどがピーナッツでした。

ピーナッツをのどにつまらせてしまうと、水分を含んで少しずつ膨らんで、どんどん気道をふさいでしまいます。また、ピーナッツのカケラが気管支に入ると、肺炎をおこすことがあります。このカケラを取り除くことはとても難しく、全身麻酔をかけて除去するか、肺の一部を切除するしかないのだそうです。大変な治療が必要になってしまうこともあるので、3歳以下の子どもにピーナッツはあげないでください。

一口サイズのこんにゃくゼリーが子どもや高齢者の窒息事故の原因となることは、少し前からだいぶ知られていますが、注意しなくてはいけないのは、それだけではありません。ブドウやプチトマト、アメなどのつるんとした丸いもの、パン、ちくわなどの粘着性のあるものなど、様々なもので子どもがのどをつまらせたという事故が報告されています。とくにアメは、「座って食べる」のではなく、歩いたり遊んだりしたりしながら食べることが多く、事故がたくさんおこっています。

どんなものでも窒息の可能性があるということを忘れずに、子どもが何か食べているときは、目を離さないようにしましょう。

食べ物以外でも、小さい子は思いもよらないものをお口に入れてしまうことがあります。3歳の子が大きく口をあけたときの口の大きさは、大体トイレットペーパーの芯くらいと言われていますので、それより小さなものは口にすっぽりはいってしまう可能性があるということです。それに対して、のど(気道)の太さは、大体その子どもの小指の太さくらいしかありません。ほんの小さなものでものどがつまってしまう危険性があるということです。

「トイレットペーパーの芯」を通過するような大きさのものは子どもの手の届くところにおかないように注意しましょう。

4歳~小学生

もう少し大きくなってからも、子どもの窒息事故は頻繁におこっています。幼稚園や学校での悲しい事故のニュースを耳にしたことのあるママも多いかと思います。幼稚園や保育園に入園すると、お家のように大人がつきっきりでお食事を見守ってくれることもなくなります。とくに前歯が生えかわる時期である小学校低学年は窒息事故が頻発する年齢です。入園・入学前にお子さんと5つのお約束をしておきましょう。

  1. ごっくんできる量よりたくさんの食べ物を口につめこまない。口が空っぽになってから次の食べ物を口にいれる。
  2. 口に入れた食べ物を水や牛乳、お味噌汁などで流し込まない。
  3. きちんと座って食べる。寝そべったり歩いたりしながら食べない。
  4. 食べ物をごっくんするまではおしゃべりをしない。食べているときに上を向かない。
  5. お友達が食べているときにイタズラをしない。早く食べる競争やお口にたくさんいれる競争をしない。

のどがつまって脳に酸素が回らなくなると、ほんの数分で命の危険や重い後遺障害に直結します。救急車を要請してから到着までに平均8分かかるということを考えると、いかに窒息事故がおそろしいことかわかると思います。

では、万が一お子さんが目の前でのどをつまらせたときは、どうしたらよいのでしょう。子どもがのどをつまらせた場合の対処法については、また別のコラムでくわしくお伝えします。

今村由紀先生

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