歯や口をケガしたとき

歯や口をケガしたとき

歯や口のケガ

転んだりぶつけたり、子どもが歯や口をケガすることはとても多いのですが、最初にどう対応するか?で、その歯の運命が大きく変わってしまいます。 どんなに気を付けていてもケガを100%防ぐことはできませんので、とっさの時にどうしたらよいか、知っておくと安心です。

口をケガした!まず最初にどこを見る?

口から血がたくさん出ていたり歯がぐらぐらしてしまったりしていると、ついそこにばかり気を取られてしまいますが、まずは口の近くにある目や頭をぶつけていないか?確認してください。目や頭をぶつけていると、命に関わることがあります。

ケガの瞬間というのは、大人が見ていないことも多く、ケガをした子どもが正確に説明することも難しいので、その時の状態で想像するしかありません。目のまわりや耳の後ろにあざができていたり、吐き気がある場合、元気がなくぐったりしている場合は、歯科医院より先に病院に行きましょう。

お口の中のケガは、大量に血が出ているように見えてびっくりしてしまうこともありますが、唾液と混ざって多く見えてしまっているだけのことがほとんどです。落ち着いてきれいなガーゼなどで押さえてあげてください。血をたくさん飲むと気持ち悪くなってしまうので、なるべく吐き出させるようにしましょう。 さて 歯はどうなっているでしょう・・・

歯をぶつけたかも?でもなんともなさそう・・・

ぶつけた直後はなんともなくても、後から痛みが出てくることがあります。歯と歯肉のすきまから血が出ている場合には、歯が揺れていたり、歯の根が折れている場合があります。夜になって痛くなってきて眠れない・・・とならないように、当日中に歯科医院に行きましょう。ひびが入っているときは、あとから感染しないように、コーティングしてもらうと安心です。

歯が折れた!

折れた部分が小さければ、折れたカケラをくっつけたりプラスチックで形を作ったりすればよいのですが、歯の中の神経が見えるほど大きく折れてしまった場合には、歯の根の治療が必要になります。早く治療することで神経の一部を残せる可能性が高くなりますので、なるべく早く歯医者さんに行きましょう。折れた歯のカケラは、乾燥させないように水の中に入れて持っていってください。そのまま使えなくても、元の歯の色や形の参考になります。カケラがなくても形を作ることはできますので、カケラを探すことよりも、早く歯科医院に行くことのほうが優先です。

歯が歯肉の中にうまった!

歯が抜けてなくなってしまったと思っても、歯肉の中にうまっている場合があります。特に乳歯の場合はあごの骨がやわらかいので、歯をぶつけたときに、折れずに埋まってしまうことのほうが多いです。

歯肉にうまった乳歯は何もしなくてもまた生えてくることが多いですが、位置によってはあごの中の永久歯の卵を傷つけてしまうので、急いで取り出した方がよい場合があります。歯が抜けてどこかにいってしまったと思っても、必ず歯科医院で確認してもらってください。永久歯の場合は、自然に生えてくることはあまりないので、歯医者さんに元の位置に戻してもらう必要があります。

歯がぐらぐらになった!位置がずれた!

歯を元の位置に戻して固定してもらいます。ずれたかどうかわからなくても、子どもが歯をぶつけたあとから食欲がない・・というときは、位置がずれてしまったせいで、かむと痛いのかもしれません。時間が経つほど戻すのが難しくなりますので、歯の位置がずれたかも、と思ったときは、なるべく早く歯科医院に行きましょう。ぐらぐらしている場合は、ぽろりと取れて飲み込んでしまわないように、ガーゼなどを噛ませて行くとよいでしょう。元の歯の位置がわかる写真などを持って行くと、戻す時の参考になります。

歯が根っこごと抜けた!

抜けた歯を持って大至急歯科医院に行きましょう。元に戻せる場合があります。特に生えたばかりの歯は、急いで戻すことで神経も回復する場合がありますので、大急ぎで歯医者さんに行ってください。

スポーツ中の事故などで、「歯が抜けたけど、根性で試合続行!」とカッコイイことのように言われることがありますが、1分でも1秒でも処置が早ければ早いほど元に戻る可能性が高くなりますので、後回しにしないことが大切です。

抜けた歯は乾燥させないように、牛乳の中、なければラップにくるんで持って行きます。牛乳なら半日、ラップなら1時間くらい歯を保存することができます。

どちらもない場合は唾液に浸してもよいですが、感染をおこす可能性が少し高くなるといわれています。学校などには、抜けた歯専用の「歯の保存液」が置いてある場合がありますので、先生に聞いてみましょう。歯の保存液に浸した場合は2日間くらい歯を保つことができますので、先に他の病院などに行ったあとでも、元に戻せる可能性があります。

歯の根の周りの細胞がとても重要なので、汚れていても水で洗ったり布でふいたりしないで、できるだけ根に触らないようにしましょう。乳歯の場合は、顎の中に永久歯の卵がありますので、元に戻さないことが多いです。

ケガをした歯の「その後」

ケガをした歯は、何か月もたってから色々な症状が出てくる場合があります。小さい頃の乳歯のケガが、歯の生え変わりや、その後の永久歯に影響を与える場合もあります。「ケガをした歯のその後」については、また次のコラムでお届けします

今村由紀先生

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