分娩時に起こりうるトラブルについて知っておこう

分娩時に起こりうるトラブルについて知っておこう

若年出産

出産は、昔と比べると比較的安全が高まっています。しかし、時としてトラブルが生じる事もあります。無事に出産するためにもどんなトラブルの可能性があるのか、知っておきましょう。

どのような出産時のトラブルがあるの?

分娩時は、以下のようなトラブルが起こる可能性があります。誰にでも起こりうる可能性があるので、しっかりと読んでおきましょう!

微弱陣痛

陣痛は、はじめは弱く、陣痛の間隔も不規則ですが、時間がたつにつれ強く間隔が短くなっていきます。ところが、陣痛の持続時間、周期の長さ、陣痛の強さが不足し、子宮口が開かない状態を「微弱陣痛」といいます。最初から陣痛が弱い場合と、お産の途中から陣痛が弱くなってしまう事があります。子宮の収縮が最初から弱いほか、産道がかたいなどの理由でお産が進まず、ママが疲労したために陣痛が弱くなってしまうこともあります。そうなると子宮口は一向に開かず、お産になりません。痛みが長時間続くので、ママの体力も消耗してしまいます。この場合は、少し眠ったり食事をすることで再び強い陣痛が戻ってくることがあります。それでも有効な陣痛にならず、ママや赤ちゃんの状態が思わしくない場合や破水後などで感染の心配がある場合は陣痛促進剤を使い、有効な陣痛につながるようにします。

微弱陣痛の主な原因

  • 多胎妊娠、羊水過多、赤ちゃんが大きいなどの理由から子宮筋が伸びていたり、骨盤が赤ちゃんの下りてきやすい形でなかったりするケースです。
  • 妊娠中に太りすぎてしまい、子宮まわりに余分な脂肪がついていると、筋肉の動きが悪くなり、陣痛が弱まります。
  • 睡眠不足により陣痛が弱まってしまう事があります。

微弱陣痛についての詳しい記事はこちらから

児頭骨盤不均衡(じとうこつばんふきんこう)

赤ちゃんの頭は出産時には一時的に変形し、さらにママの骨盤が広がるため、経膣分娩が可能の場合がほとんどです。しかし、赤ちゃんが大きく、骨盤を通ることができなかったり、逆に赤ちゃんの大きさは普通でも、もともと小柄のママは、骨盤が小さくて、赤ちゃんが通る事ができないこともあります。通常は妊婦検診で児頭骨盤不均衡が疑われたら、レントゲン撮影で骨盤の広さを確認し、赤ちゃんが通れるかどうかを判断します。

明らかに通る事が出来ない場合には、予定帝王切開となります。しかし分娩中に通過できないことがはっきりわかった場合には、緊急で帝王切開に切り替えます。

過強陣痛

お産の途中で急に子宮の収縮が強くなる事を過強陣痛といいます。過強陣痛が続くと、産道の中で赤ちゃんが圧迫されて、酸素不足となり、仮死状態になることがあります。また、ごくまれに子宮破裂を起こす事もあります。原因は軟産道強靭(なんざんどうきょうじん)などの異常があったり、巨大児、回旋異常などがあげられます。また、陣痛促進薬の量が適切でない場合も過強陣痛が起こります。その場合は投与量を減らしたり、中止します。赤ちゃんが酸素不足で早く取り出さなければいけない場合は緊急帝王切開になります。過強陣痛についての詳しい記事はこちらから

回旋異常(かいせんいじょう)

産まれてくるとき、赤ちゃんは狭い産道を無理なく通り抜けるために、産道の形にあわせて身体を回転しながら降りてきます。しかし、何らかの原因があり、この回転がうまくいかないことを回旋異常といいます。最終的には正常分娩になることもありますが、お産は長引きます。赤ちゃんの状態が心配される場合などは、吸引分娩や鉗子分娩になります。赤ちゃんが危険に陥りそうなときは、緊急帝王切開を行います。原因としては、児頭骨盤不均等のケースが多く、他には子宮筋腫や子宮の形態異常があるとき、胎盤の位置が低いとき、巨大児や低出生体重児などのときに起こることがあります。

遷延分娩(せんえんぶんべん)

お産にかかる時間には大きな個人差がありますが、一般的には、本格的な陣痛が始まってから赤ちゃんが産まれるまで、初産婦で12~16時間、経産婦では6~8時間ぐらいが平均です。それよりも大幅に長引き、初産婦で30時間以上、経産婦で15時間以上かかっても赤ちゃんが産まれない場合を「遷延分娩」といいます。主な原因は、微弱陣痛・回旋異常・児頭骨盤不均衡・巨大児などです。対応は、遷延分娩を起こしている原因や、赤ちゃんやママの状態によって異なります。例えば、微弱陣痛なら、時期を見て陣痛促進薬を使います。前記の時間を過ぎたからとても危険というわけではなく、ママも赤ちゃんも元気ならば、身長に経過を見ながら、そのままお産をすすめることもあります。赤ちゃんやママの体力が低下してきたときや、何らかの危険が考えられるときは、吸引分娩や鉗子分娩を行ったり、緊急帝王切開を行ったりします。

軟産道強靭(なんさんどうきょうじん)

軟産道とは、子宮や膣、外陰部など赤ちゃんが通る部分のことをいいます。お産が進むと普通はこうした部分はお産が進むにつれてやわらかくなり、赤ちゃんが通りやすく広がりますが、いつまでたっても硬いままで広がらず、お産が長引く事があります。これが軟産道強靭の状態です。高年初産に多いと言われていますが個人差が大きいと考えられています。

対処には、子宮口の開きを助けるラミナリア桿などを用いる事があります。軟産道の一部を切開することもありますが、あまり長引くと、赤ちゃんが酸素不足を起こす事があります。その場合は、吸引分娩や鉗子分娩を行い、それでも赤ちゃんがうまく出てこない場合は緊急で帝王切開になることもあります。

胎盤機能不全

何らかの原因で、出産前に胎盤の機能が衰えてしまうことを胎盤機能不全といいます。予定日より2週間を過ぎても出産にならない場合や、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、腎臓病などの病気がある場合は、リスクが高まります。胎盤機能不全になると、赤ちゃんの発育が悪くなったり、分娩監視装置でわかる心拍パターンに異常が認められる心配があります。ママの尿中のホルモン分泌や臍帯の血流異常や羊水過少症を伴いやすいため、羊水の量なども調べる必要があります。

胎盤機能不全が強く疑われた場合、一般的に妊娠36週以降なら、陣痛促進薬を用いたり帝王切開を行ったりして出産になります。それより週数が早い場合、胎盤機能不全の程度が軽く赤ちゃんが元気であれば、入院して安静を保ち、出産できる大きさになるまで成長を待ちます。赤ちゃんが危険と判断されれば、早めの週数でも緊急帝王切開になることもあります。

臍帯が首に巻きつく・先に出る

臍帯とは、へその緒のことです。これが赤ちゃんの首や体に巻きついてしまう事を臍帯巻絡(さいたいけんらく)といいます。全分娩の20~25%にみられます。

最も多いのは、首に巻きついている場合で、手足や胴などに巻きついている事もあります。お産に時間がかかったり、分娩中に赤ちゃんが圧迫されて酸素不足になることもあります。状態によっては吸引分娩になることもあります。また、臍帯が赤ちゃんの体より下に降りてくる場合もあります。破水前に降りている状態を「臍帯垂下」といい、破水後に先に臍帯が出てくることを「臍帯脱出」といいます。

そのままでは、出産時に臍帯が圧迫されて危険なので、臍帯の位置を正すことができなければ、緊急帝王切開となります。

胎児仮死

赤ちゃんは胎盤からの血流によって酸素の供給を受けていますが、なんらかの異常により、酸素不足により赤ちゃんの心拍数に異常が起きることを胎児仮死といいます。強い陣痛が続いて胎盤の血流量が減少したり、胎盤の早期剥離、胎盤の機能低下、へその緒が体や首に巻きつくことによる圧迫、重症の妊娠高血圧症候群などの場合に起こる事があります。胎児仮死が続くと、赤ちゃんの脳や臓器がダメージを受け、後遺症が残ることがあります。まず、ママに高濃度の酸素を吸入するなどの処置を行いますが、それでも改善しない場合は、吸引分娩や鉗子分娩、緊急の帝王切開に切り替えます。

弛緩出血(しかんしゅっけつ)

出産後、子宮壁から胎盤が剥がれると、小血管がむき出しになり出血します。通常は子宮が急激に収縮するため、すぐに止血されますが、子宮の収縮が弱いと大量出血することがあります。これを弛緩出血といいます。陣痛誘発・促進薬を使った場合や遷延分娩で子宮の筋肉が疲れているとき、妊娠高血圧症候群などで胎盤の機能が衰えているときなどに起こしやすくなります。ひどい場合だと、ママの命にも関わってきます。すぐに子宮のあたりをマッサージする、氷枕で冷やす、子宮収縮剤を点滴するなどして止血します。

過期妊娠(過期産)

予定日を2週間過ぎているのに妊娠を続行中のことを過期妊娠(過期産)といいます。予定日を過ぎると徐々に胎盤の機能が低下し始めるため、赤ちゃんへ十分な酸素や栄養を送ることができなくなります。赤ちゃんの体重や羊水量の減り、ときには心拍に異常が出ることもあります。予定日を過ぎたら頻繁に診察を受け、胎盤機能や赤ちゃんの状態を確認します。子宮口が少しでも開いていれば、陣痛促進剤で陣痛をうながし、開いていなければラミセルなど子宮口を開かせる器具の一種を使います。過期産についてはこちら

分娩時には上記のようなトラブルが起こる可能性が誰にでもあります。通常分娩の予定でいたはずが、緊急での帝王切開に切り替わるということも珍しくありません。妊娠は出産を終えるまで何が起こるか誰にも予想ができません。妊娠中にしっかりとウォーキングをして、体力をつけておいたことで初産にもかかわらずスッポンと、すぐに出産できたというママも多くいらっしゃいます。出産を安全に早めに終わらせたいと考えている場合は、体重の増えすぎにはくれぐれも注意し、出産に備えて筋力をつけておきましょう。

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