胎児が巨大児になる可能性があるママってどんな人?

小さく生んで大きく育てる…大きな赤ちゃんは?

巨大児

昔から「小さく生んで大きく育てる」という言葉がありますよね。確かに、小さい赤ちゃんの方が出産のときにはお母さんにかかる負担が少なそうに思えます。昔と比べると分娩所要時間は確かに短くなっていますし、産まれてくる赤ちゃんの体重も少しずつ減ってきています。

以前では男の子・女の子の赤ちゃんの出生時の平均体重が3100グラムほどだったそうですが、今では3000グラムを切っている赤ちゃんがとても多くなっています。小さくてかわいらしい赤ちゃんではありますが、お母さんとしてはやっぱり大きな赤ちゃんの方がしっかりとしていて育てやすいのでは?なんて思ってしまいますよね。小さすぎても保育器に入って退院が伸びてしまうこともありますが、逆に大きすぎる赤ちゃん…というのはどうなのでしょうか。

実際、大きな新生児が生まれた!ということで世界でもニュースになることがありますよね。出生時の体重がどんどん少なくなっていると言われている日本でも、いわゆる「巨大児」が生まれることは少なくありません。では、おなかの中の赤ちゃんが「巨大児」になってしまう可能性があるママって、どんな人なのでしょうか…?

巨大児って、どれくらいの大きさなの?

そもそも巨大児というのは、どれくらいの大きさの赤ちゃんのことを言うのでしょうか?

  • 外表奇形(がいひょうきけい)がない
  • 4000グラム以上で産まれた赤ちゃん

上記のふたつの条件を満たすと巨大児と呼ばれます。外表奇形というのは、産まれてきた赤ちゃんの見た目や体を医師が見たときの奇形です。特に外表奇形がなく、4000グラム以上の赤ちゃんが産まれると巨大児と呼ばれるということなんですね。しかも、予定日を大幅に過ぎたから赤ちゃんが大きくなってしまった…ということではなく、出産予定日近くですでにこの大きさになっていることが特徴だとも言われています。

では巨大児というのは、ただ単に赤ちゃんが大きく育って産まれただけなの?と思いますよね。もちろんそのパターンの赤ちゃんも多いのですが、もうひとつ心配なのがお母さんの「糖尿病」がかかわっているという場合です。

巨大児になってしまうパターン

巨大児として産まれてくる赤ちゃんのうち、およそ2割の赤ちゃんが糖尿病を患っているお母さんから産まれてくると言われています。巨大児が産まれてくる原因として、以下の2つが挙げられます。

  • 対称性巨大児
  • 非対称性巨大児

対称性巨大児とは?

対称性巨大児とは、先ほども述べたように特にどこかに問題がある…というわけではない、ただ単に大きく育って産まれてきた赤ちゃんのことをいいます。

体に異変などはないのですが、大きな赤ちゃんなので産まれてくるときに産道をうまく通り抜けられなかったり、「肩甲難産(けんこうなんざん)」になることも。大きな赤ちゃんだと、産道を通ってくるときにお母さんの恥骨部分に肩が引っかかって出られない…ということがあります。無理に引っ張ったりすると赤ちゃんが骨折してしまったり、なかなか出てこれないということで大きなストレスとなるほか、酸素がうまく行きわたらなくなり死亡してしまうこともあるといいます。肩甲難産をはじめ、出産時にお母さんの体格に注意して出産できるかどうかがポイントです。

非対称性巨大児とは?

非対称性巨大児とは、お母さんの糖尿病がかかわっているパターンです。お母さんが糖尿病である場合、おなかの中にいる赤ちゃんも当然高血糖状態になってしまいます。血糖値というのは、その名前のとおり血液の中にある糖分の値のことをいいます。

赤ちゃんが大きくなるための栄養や酸素というのは、お母さんの血液を介して赤ちゃんに渡されていますから、通常よりも多くの糖分が赤ちゃんにも行きわたってしまうということになります。この血糖値を下げるためにインスリンというホルモンを投与して治療していくのが一般的なのですが、インスリンは胎盤を通ることができません。

しかしグルコース(糖分)は胎盤を通って赤ちゃんへと移動してしまうため、赤ちゃんはどんどん糖分を蓄えていってしまいます。このせいで、おなかの中の赤ちゃんの脾臓(ひぞう)からはインスリンがたくさん分泌されるようになります。(胎児インスリン分泌)そうすると、赤ちゃんが産まれたあともこの細胞がインスリンをどんどん分泌し続けてしまうため、血糖値が上がらなくなり「新生児低血糖」に陥ってしまうことも。

また、インスリンにはたんぱく質をたくさん作り出す働き・グリコーゲン(これも糖分です)を作り出す働き・脂肪を作り出して取り込む働きを持っています。これらが起こるとどうなるでしょうか…そうです、赤ちゃんはたくさんの栄養分を吸収して巨大児となってしまうというわけなんですね。

リスク大!非対称性巨大児の原因って?

非対称性巨大児の場合には、まずお母さんの糖尿病の治療をすることです。それよりも、糖尿病であるという方の場合は巨大児にならないように予防していく…ということが大切となります。もともと糖尿病でないというお母さんでも、妊娠中に糖尿病になってしまうということはありますので注意が必要です。妊娠糖尿病についてはこちら

もともと糖尿病であった…という方は出産後ももちろん治療が必要なのですが、妊娠糖尿病の方はどうなのでしょうか?妊娠糖尿病の方は、妊娠がきっかけで糖尿病となったパターンなので、出産後に耐糖能(血糖値を正常な数値にキープするための力)が元通りになることがあります。が、いったん戻ったとしても再び2型糖尿病を起こしやすいと言われているので注意が必要になります。

先ほどのリンクを参照に見てみますと、やはり両親のどちらかが糖尿病という遺伝的な原因、妊娠をきっかけに急激に太ってしまったという原因、上の子も大きかったという原因などがあります。こういった項目にひとつでも当てはまるという方は、妊娠糖尿病に確実になる!というわけではありませんが、なりやすい傾向にあるので注意が必要だということです。

巨大児を予防!糖尿病の対策・治療法って?

糖尿病の治療や巨大児の対策としては、まず血糖値のコントロールをしっかりと行うことです。1日に数回、耐糖能の力によっては10回近くなりますが自分で血糖値を調べます。

そして大切なのが食事療法。食事療法…というと、食事制限をしなくちゃいけないの?と思うかもしれませんが、やはり妊婦さんはおなかの赤ちゃんのことを考えて栄養を摂らなくてはなりませんよね。ですから、妊婦さんにとってベストな栄養をしっかりと摂取できるような食事療法がとられます。ちなみに、妊婦さんの1日の摂取エネルギー量としては以下になります。

巨大児を予防

そして、最終的に行われるのがインスリン療法。食事療法などで血糖値がうまくコントロールできない…というときにとられる方法です。

ただ、インスリンの経口摂取は催奇形性が否定できない…とあります。奇形と言われると大きな不安があると思いますが、これは妊婦さんへの使用は禁じられていますので安心してくださいね。

また、このほかにも適度な運動などもすすめられることがあるかと思いますので、医師の指示にしたがっていきましょう。

大きな赤ちゃんを出産するのって、とても大変そう…ということで不安が大きいということもありますよね。ですが、巨大児だからと不安になりすぎず、しっかり医師と連携して赤ちゃんを育てて万全の態勢で出産に臨みましょうね。

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