妊娠後期の健診でおこなわれるGBS検査って何?

妊娠後期の健診でおこなわれるGBS検査って何?

GBS検査

妊娠中に行う妊婦健診では、赤ちゃんの状態をチェックしていくだけでなく、さまざまなことが調べられます。

お母さんの体の状態、血液検査、子宮頸がん検査などなど。そして、赤ちゃんが産まれてくるときにお母さんが何らかの病気・病原菌を持っていると、赤ちゃんも感染してしまう恐れがあるため、処置や対策をとらなくてはなりません。そのため、事前に赤ちゃんに危険が及ぶものを調べておかなくてはなりません。

そのひとつが「B群連鎖球菌(B群溶血性連鎖球菌)」というもの。

妊娠後期になるとGBS検査というものが行われますが、これはお母さんがB群溶血性連鎖球菌を持っているかどうかチェックする検査になります。名前だけ聞くととても恐ろしい病気を引き起こしそうなイメージがあるかと思いますが、体の中にいるからといって特に害のあるものではありません。では、なぜこのGBS検査を行わなくてはならないのでしょうか?

感染・後遺症が恐ろしいB群溶血性連鎖球菌

B群溶血性連鎖球菌ですが、出産時に赤ちゃんが感染すると細菌性髄膜炎や敗血症の原因になってしまいます。細菌性髄膜炎は、脳や脊髄などの中枢神経に細菌が感染してしまい、熱や頭痛・嘔吐が起こって昏睡状態になることもある恐ろしい病気です。後遺症が残ることもあり、けいれんを起こしやすくなったり、脳の中に髄液がたまって水頭症となってしまうなど、重篤な後遺症が残ってしまいます。敗血症は、ウイルスや細菌などの病原体が血液に乗って全身に行きわたってしまい、さまざまな症状があらわれて最悪の場合には死亡してしまうこともあるという病気です。細菌性髄膜炎に関する詳しい記事はコチラから敗血症に関する詳しい記事はコチラから

髄膜炎もですが、特に敗血症は死亡率も高い(ショックを起こした4人に1人)と言われているので、赤ちゃんへの感染は絶対に防がなくてはなりません。

ですから、まずはお母さんがGBSを持っているかどうかをチェックしていきます。妊娠後期に行われるGBS検査は、膣の入り口あたり・肛門の周辺を綿棒でこすって菌を付着させて調べます。臨月に入る直前、妊娠9か月に行われることが多いようです。

でも、悪い菌ならもっと早くに検査した方が良いんじゃないの?と思いますよね。

B群溶血性連鎖球菌を持っているからといって、この菌はお母さんにもおなかの赤ちゃんにもちょっかいを出すことはありません。

ただ問題なのは、あくまで赤ちゃんが産まれてくるとき。肛門付近や膣の入り口にすみついているため、赤ちゃんが産まれてくるときに感染してしまう恐れがあります。ですから、出産が近づくとこの検査が行われるわけなんですね。

ちなみに、帝王切開の場合には感染のおそれはありません。前述のとおり、あくまで肛門付近や膣の入り口(産道)に菌がいるため、あらかじめ帝王切開になる場合には産道に触れないので感染しないというわけなんです。ですから、はじめは経膣分娩で出産しようとしていたけれど、何らかのトラブルで急きょ緊急帝王切開になってしまった…という場合には、産道に触れているため感染のおそれがあるので治療を行います。

GBSは対策ができるので不安にならないで

では、万が一お母さんがGBSを持っていたとして、どんな治療が行われるのでしょうか?

陣痛が始まっていよいよ出産!となったとき、抗生物質を点滴していきます。このときに使われるのは多くが「アンピシリン」という抗生物質で、これは中耳炎や尿路感染症などの治療にもよく使われる薬になっています。薬を使いながら出産時に赤ちゃんに感染しないようにしていきますが、残念ながらこの抗生物質を使っても100%感染を防ぐことができる…というわけではありません。

また、スピード出産などのために陣痛中に抗生物質の点滴を受けられなかったというケースもあります。これらの場合には、産まれてきた赤ちゃんにパセトシンなどの抗生物質を飲ませる処置を行っていきます。

そして、万が一赤ちゃんに感染しているとしても、発症するのはほとんど生後3日以内。この時期ならまだ入院中ですから、適切な処置を素早く受けることができます。産まれたばかりの赤ちゃんに何らかの感染症があるかもしれない…という不安はとても大きいものだと思います。しかし、出産前に抗生物質の点滴をするという対策をとれること、万が一点滴できなくても、赤ちゃんに直接薬を飲ませることもできるということ、感染してしまってもすぐに治療を受けられる環境であるということ。

また、感染時してしまう確率、そこからさらに後遺症が残る確率を考えるとゼロではありませんがとても低い確率。そのうえでさまざまな対策・治療を行っていくことができますので、考えすぎずに出産に臨んでくださいね。

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