喘息持ちの妊婦さん。赤ちゃんへの影響や症状・治療について

妊婦さんの喘息…赤ちゃんに影響は?

妊婦さんの喘息

生まれつき何らかの病気を抱えているという方や、ある程度成長してから何らかの病気を発病してしまったという方は、とても多いものです。このように、病気を抱えたままずっと生きていくという方は多くいて、中にはその状態で妊娠するという方もいらっしゃいます。たとえば、喘息(ぜんそく)を持った方が妊娠するとどうなるのでしょうか。それまで治療に使っていた薬は、おなかの赤ちゃんに果たしてどんな影響を及ぼすのでしょうか。また、もしこの治療薬を使わずに過ごすという場合は、お母さんの体はどうなってしまうのでしょうか。そもそも喘息って?知っているようで意外と知られていない喘息と、妊婦さんの関係を見ていきましょう。

喘息ってどんな症状?治療なの?

喘息というと、多くの方が小さなお子さんをイメージするのではないでしょうか。実際、小児喘息という喘息があって、これは2~3歳のころにゼーゼーという喘鳴(のどの鳴る音)がして苦しく、夜間救急に駆け込む…ということがよくありますよね。小児喘息をもっている子が大人になっても治らないまま、成人喘息になってしまうということはあります。ですが、実は小児喘息のほとんどは大人になるにつれて治っていくものなんです。

そもそも喘息というのは、慢性的に気道が炎症を起こしているために起こるもので、喘鳴やひどい咳、空気の通り道が狭くなるため呼吸困難になってしまったり、最悪の場合は死亡することもあります。タバコやアルコール、ストレス、激しい運動、車や工場などの煙やほこりなど、さまざまなものがきっかけになります。喘息は「アトピー型」と「非アトピー型」という2つのタイプに分けることができて、小さいころに喘息になったという場合はアトピー型になり、アトピー性皮膚炎を一緒に患っていることも多いようです。ですが、近年ではPM2.5の影響で大人になってから喘息を発症する方が増えているようです。外出時にはPM2.5に対応したマスクを着用するようにしましょうね!

気になる喘息の治療ですが、基本的にはふだんステロイド薬を使って、強い発作が起きたときには短時間作用型吸入薬という種類の薬を使って発作をおさえます。では、喘息持ちの妊婦さんはどのように治療をしていくと良いのでしょうか?

喘息の治療ってどんな薬を使うの?

喘息の治療というのは「コレを使えば良い!」というものではありません。すぐに軽快するというものではなく、基本的にはふたつの治療薬を状況に応じて使い分けていきます。

  • 長期管理薬(コントローラー)
  • 発作治療薬(リリーバー)

先ほども述べましたが、ふだんは長期管理薬を使って発作が起きないようにし、もし発作が起きてしまったときには発作治療薬を使って発作を止めます。

長期管理薬にはステロイド薬が使われるのが一般的となっています。ですが、妊娠中でなくてもステロイド薬ってあんまり使いたくない・体に悪いんじゃ!?というイメージがありますよね。実は、ステロイド薬とは言ってもたくさんの種類があります。その中でも、妊娠中の方が使うのにもっとも安全性が高いと言われているのが「パルミコート(ブデソニド)」という薬です。症状の重さによっても違ってくるのですが、特に低用量のものであればおなかの赤ちゃんに対して影響はほぼないと言われています。それくらい副作用もなく、長期的に使っていくことができるお薬なので安心することができますね。

また、ステロイド薬をどのように体に取り入れるかという方法も「経口摂取」と「吸入薬」を使う方法があるのですが、吸入薬は気道に効果がとどまるので赤ちゃんに心配なく使えます。

発作治療薬ですが、こちらはメプチン・エアー(プロカテロール)や、サルブタモール(ベネトリンやサルタノール・インヘラーなど)といった薬が使われます。即効性があるため、急な喘息発作をおさえるために使われます。

これらの薬は、妊婦さんに対して危険・禁忌であるということは言われていません。ただ、まったくリスクがない・副作用がないというわけではないため、赤ちゃんのことを思って勝手に薬をストップしてしまう方もいらっしゃいます。

勝手に薬をやめてはダメ!!

このように、処方されている薬を飲むのを勝手に止めてしまう…実はこれが、喘息に関してもっともタブーなのです。喘息持ちの妊婦さんに関して、おなかのあかちゃんのことを考えるのであれば「喘息を止めること>薬の影響を考えること」だからです。

喘息の発作が起こると、激しい咳が出たり呼吸がしづらくなって赤ちゃんが酸素不足になってしまいます。このせいで低酸素血症になると、頭痛・頻脈・血圧の低下などさまざまな症状が起こり、そこから流産や早産の危険、胎児発育不全やそれによる低体重、脳障害などさまざまなリスクを上げることになります。

薬による赤ちゃんへの影響が気になるのはもちろんだとは思いますが、それ以上に喘息の発作を止めることを考えておかないと取り返しのつかないことになることも。妊娠時期によっては、赤ちゃんへ薬の影響が起こる可能性も。妊娠がわかったばかりのごくごく初期であれば大丈夫と言われていますが、2ヶ月から4ヶ月ごろまではさまざまな器官がつくられる時期となっています。ですから、この時期はできるだけ薬の服用を避けた方がいいと言われています。妊娠初期の薬とタバコとお酒についてはこちらからご覧ください

しかし、喘息の治療薬に関してはその程度によって薬が処方されますので、やはり喘息を止める方が優先となります。喘息というのは、妊娠中に悪化する人・軽快する人・何もかわらない人それぞれがいらっしゃいます。しっかりと医師に相談して、適切な薬を適切な量使って喘息をうまくコントロールすれば、発作をおさえて赤ちゃんへの影響を最小限にとどめながら出産に臨むことができます。

また、薬を飲む以外にもできることとして、ほこりがたたないよう寝具を変えるのもオススメ。羽毛やそば殻枕などは避けておいて、アクリルなどを選ぶと良いでしょう。

喘息を持っていると無事に出産できるの?など、不安なことはたくさんあるかと思います。自己判断で薬を飲む事を止めたりせず、医師の指導の下、喘息をうまくコントロールし、生活の中で喘息を予防できる事があれば積極的に行い、おなかの赤ちゃんに悪影響を及ぼさないようにしていきましょう。

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