妊婦さんに必須の葉酸とは?なぜ必要?妊娠中に摂取すべき理由5つ

「赤ちゃんのビタミン」といわれることもある葉酸は、妊婦さんにとってもっとも積極的にとってほしい栄養素のひとつです。

なぜ、葉酸が大切なのでしょうか。
そもそも葉酸はどんな栄養素で、どのような効果があるのでしょうか。

また、葉酸が足りなかったらどうなるのかも、気になるところです。

葉酸について正しく知って、健やかな赤ちゃんの発育をたすけましょう。

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葉酸ってなに?どんな成分なの?

まずは生き物にとっての葉酸について簡単に説明します。

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葉酸とは、ビタミンB群のなかまです。
水に溶けやすい「水溶性ビタミン」で、最初は、ほうれん草から発見されました。

1941年にほうれん草から発見されたことで、「葉っぱ」から「葉っぱの酸=葉酸」と名付けられたのです。
ちなみに「葉」はラテン語で「folium」なので、最初は「folic acid」と命名されたあとに、日本で和訳して「葉酸」と呼ばれています。

過去には、ビタミンM・ビタミンB9・プテロイルグルタミン酸・ビタミンBcと呼ばれていたこともありました。

葉酸の特徴

「葉酸」という由来や名前から、「野菜に含まれていそう」と思われることが多いようです。

実際に多くの野菜や果物にも含まれていますが、レバーなどの動物性食品にも多く含まれています。

葉酸は水に溶けやすく、熱で破壊されるため、食べ物に含まれている葉酸の量をそのまま吸収することはできません。

食べた量に対して、吸収率は約半分の50%程度といわれています。

葉酸はどんな働きをするの?

葉酸は単体ではなくさまざまな栄養素と関わりあって働きます。
代表的なはたらきを、ふたつ紹介します。

新しい細胞を作るサポート

葉酸は、細胞分裂をするときの「核」になるDNAをつくりだすときに必要な栄養素です。

DNAはデオキシリボ核酸という、細胞分裂をするときに遺伝子情報を伝える物質のこと。

ちょっと難しそうに聞こえますが、わたしたちの肌や髪の毛などは、日々細胞分裂をして生まれ変わっています。
受精卵も細胞分裂を繰り返して少しずつ胎児の形になり、赤ちゃんとして発育していきます。

この細胞分裂のときにDNAは欠かせない物質で、葉酸はそのDNAの生成を助けます。
大人にも子どもにも、健康な身体を維持するのにとても大切な存在です。

赤血球を作るサポート


葉酸は「造血のビタミン」ともいわれます。
ビタミンB12と力を合わせ、赤血球を作りだす、つまり血液を増やすサポートをします。

また、赤血球は全身の細胞にくまなく酸素を届けて二酸化酸素を回収しています。
これは身体を動かすエネルギーを作るひとつの過程です。

つまり、葉酸はわたしたちの健康や命を維持するのになくてはならない成分なのです。

なぜ妊婦さんは葉酸をオススメされるの?


ここまでは妊婦さんに限らず葉酸が体の中でどのように働いているかを説明しました。

でも、妊娠中の女性はそうでないときの2倍以上の葉酸をとるようにすすめられています。
なぜ妊婦さんだけ、とくに葉酸を摂ったほうがいいと言われるのでしょうか。

妊娠前から…赤ちゃんの先天性障害のリスクを減らす

赤ちゃんが生まれつき持っている障害のことを「先天性障害」といいます。

妊娠初期のママが葉酸を積極的に摂ることで、赤ちゃんの先天性障害になるリスクを70%も下げることが、アメリカをはじめとする欧米の研究でわかりました。

日本でも2000年には厚生労働省がママたちに「葉酸を摂取するように」と呼びかけ、今では母子手帳にも葉酸の必要性が載っています。

葉酸で予防できる先天性障害が「神経管閉鎖障害」です。

神経管閉塞障害(NTDs)とは?

赤ちゃんの脳や脊椎が作られるときに、「神経管」という器官がふさがることでおこる障害です。

有名なところでは、無脳症、脳瘤、二分脊椎症などがあります。

無脳症は赤ちゃんの脳が正常に作られない病気で、高い確率で流産や死産となります。
そのほかでも、重い障害が残る可能性が高い病気です。

これらの障害のリスクを下げるために、着床した瞬間から妊娠3ヶ月までに葉酸を積極的にとることがすすめられています。

妊娠中に…ママの貧血予防

妊娠中は、赤ちゃんに優先的に酸素を届けるため、妊婦さんの血液は、いわば薄くなったような状態になります。

そのため、妊婦さんは貧血になりやすいのです。

貧血には、鉄分が足りない「鉄欠乏性貧血」と、葉酸やビタミンB12が足りない悪性貧血」があります。

悪性貧血には「巨赤芽球性貧血(きょせきがりゅうひんけつ)」と、よばれるものがあります。
これは、赤血球が不足することで起こる貧血のこと。

赤ちゃんが大きくなる、妊娠中期~後期の妊婦さんは、とくに貧血になりがちです。
葉酸はビタミンB12とともに血液を増やす作用があるので、妊婦の貧血予防に欠かせません。

葉酸がつわりに効くって本当?

「葉酸がつわりにも効果がある」という話は、本当なのでしょうか?

葉酸が、直接吐き気を抑える、というようなことではありません。

葉酸は、質のよい血液をつくるため、体中の血行がよくなります。
血行がよくなると、自律神経の働きがよくなり、ホルモンバランスが整うのです。

つわりは、自律神経のバランスがゆらぐことで、悪化するともいわれています。

葉酸を摂ることで自律神経のバランスが整い、つわりが軽くなる人もいるようです。

産後に…ママの回復をサポート

産後のママは、子宮をはじめ体のあちこちが弱っている状態です。

さらに母乳にも栄養が持って行かれるため、産後の体はかなり負担が大きいといえるでしょう。
葉酸は、細胞の生まれ変わりに欠かせない栄養であるとともに、母乳の元である血液を作ります。

産後の体をつくっている細胞が生まれ変わり、母乳の質を高めるためにも、葉酸は必要をいえるでしょう。

妊活に…受精卵の着床をサポートする

妊娠を望む女性は、妊娠前から子宮内の環境を整えておくことが大切です。

葉酸は赤血球を作る働きがあるので、血液がしっかりと身体をめぐることで子宮の働きがよくなり、子宮内膜を厚くすることにつながるといえます。

また、受精卵が子宮内膜に着床すれば、細胞分裂がはじまります。
葉酸は細胞分裂が正常に行われるのを助けるので、受精卵が成長するサポートをするのです。

まだまだある!葉酸のうれしい作用

葉酸は、妊活から産後まで、赤ちゃんとママに大切な栄養素です。

ほかにも葉酸をしっかり摂ることで期待できる効果をまとめてみました。

血流がよくなることで期待できること

  • 子宮内膜をフカフカにする
  • 基礎代謝がアップ→ダイエットにも◎
  • 生理不順
  • 便秘
  • ストレスやうつ
  • 肩こり
  • 脳梗塞
  • 貧血
細胞分裂の促進で期待できること

  • ダウン症リスクを下げる
  • 先天性障害のリスクを下げる
  • 肌荒れを美肌に
  • 薄毛対策
  • 質のよい精子

このように、葉酸は赤ちゃんや妊婦さんはもちろん、すべての人にとって積極的にとってほしい栄養素なのです。

葉酸が多い食べ物は?

葉酸は、緑黄色野菜(葉野菜)・果物・ナッツ類・豆類・レバーに多く含まれています。

おやつに、いちごやみかんを食べるのは、簡単に摂れる方法ですね。

ただし、葉酸を含む食品を、なんでも大量に食べればよいというわけではありません。

レバーには「レチノール」という成分がふくまれています。
これはビタミンAの一種で大切な栄養素ですが、妊婦さんが大量に摂ると先天性障害のリスクが上がるとされているので、食べ過ぎないほうがよいでしょう。

そのほかの食品で、葉酸が多くふくまれているものを表にまとめました。

食品名 1回の目安量 葉酸含有量
野菜 ホウレンソウ 2株 150㎍
ブロッコリー 3~4房 150㎍
アスパラガス 3~4本 135㎍
チンゲンサイ 1株 50㎍
カボチャ 4㎝角2切れ 30㎍
豆類 納豆 中1パック 50㎍
あずき(乾燥) 1/4カップ 50㎍
果物 イチゴ 5粒 90㎍
マンゴー 1/2個 85㎍
アボカド 1/2個 85㎍
オレンジ 中1個 45㎍

食べやすそうな食品が多いので、安心する方も多いと思いますが、ここで気を付けたのは「吸収率」です。

葉酸は、水溶性のビタミンなので、水に溶けやすい性質があります。
つまり、茹でると葉酸が流れ出てしまうということです。

また、熱によっても葉酸は破壊されるため、食品に含まれている葉酸は、できるだけ生で食べたほうが吸収率を下げずにすみます。

しかし、妊娠中は食中毒の観点からも、生食はあまりオススメできません。

妊婦さんが食べ物から、十分な葉酸を摂ろうと考えると、かなり大変です。

葉酸が足りていないと、どんなリスクがあるの?

妊婦さんが、十分に葉酸を摂れなくて、葉酸不足になってしまったら、どのようなリスクがあるのでしょうか。

葉酸欠乏症

  • 赤ちゃんの奇形(先天性障害)リスク(流産・死産のリスク)
  • 貧血(葉酸欠乏による巨赤芽球性貧血)
  • 神経障害
  • 生活習慣病
  • 免疫機能が下がる
  • 動脈硬化の危険性がアップ

どれも、起こしたくないものばかりです。

葉酸が足りなくなったときに、現れやすい症状は、下痢・口内炎・食欲不振などがあります。

どれくらい葉酸を摂ればいいの?

厚生労働省によると、葉酸の摂取量に「推奨量」があります。
「これくらいは、葉酸を摂ってくださいね」という目安量のことです。

大人で葉酸の推奨量は、男女ともに240μgですが、平均的な摂取量は200μg
つまり、厚生労働省オススメの量より、みんなが摂っている葉酸の量は、普段から若干少ないといえるでしょう。

葉酸の推奨量
通常時(男女とも) 240μg
妊活中 640μg
妊娠中 480μg
授乳期 340μg
参考:「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書
1─6ビタミン(2)水溶性ビタミン

 

もっとも葉酸が必要な時期は、着床直後の「超妊娠初期」から妊娠3ヶ月といわれています。
この時期は、受精卵が細胞分裂を活発におこなう時期です。

赤ちゃんの先天性障害になるリスクを下げるために、葉酸が多く必要になります。

葉酸を摂るよい方法はないの?


厚生労働省によると「葉酸の摂り方」についても、オススメの方法があるようです。

胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減のために、付加的に 400μg/日のプテロイルモノグルタミン酸の摂取が望まれるとした。

ちょっとわかりにくいので、解説していきます。

1:まずは食事から

葉酸が多くふくまれている食品を、普段の食事に積極的に取り入れていきましょう。

アメリカをはじめとする80ヶ国以上の外国では、小麦粉などの主食となる穀物に、葉酸を添加することを義務付けられています。

しかし日本では、お米に葉酸が添加されているような状態ではないので、調理方法に工夫して葉酸を摂っていきましょう。

葉酸の性質

  • 熱に弱い
  • 水にとけやすい
  • 酸化しやすい

つまり、調理方法によっては、食材の葉酸が壊れたり流れ出てしまうのです。

火を通さずに食べられるサラダ・果物や、スープにして流れ出た分も吸収できるようにするなどの工夫をしましょう。

しかし、天然の葉酸は調理段階で半分以上が失われるとされ、野菜を十分に食べているつもりでも葉酸が吸収できていなかったということが多いのです。

2:葉酸サプリメントを活用する

厚生労働省では、天然の葉酸よりも、吸収されやすい合成葉酸のサプリメントから葉酸を補うようにオススメしています。

「合成葉酸ってカラダに悪そう」と思う方がいるのではないでしょうか。

名前こそ「合成」ですが、「モノグルタミン酸型」の葉酸を合成葉酸といいます。
天然の葉酸は「ポリグルタミン酸型」といい、食べたあとに消化吸収するときに「モノグルタミン酸型」に作りかえられてから体内で吸収されます。

つまり、サプリメントに含まれている「モノグルタミン酸型(合成葉酸)」は、最初から吸収されやすい形にできています。
このために厚生労働省は、サプリメントから葉酸をとるようにすすめています。

とくに妊娠初期は、葉酸サプリから毎日640μgの葉酸をとることが、よいとされているので、積極的にとりいれていきましょう。

葉酸サプリについてもっと詳しく知りたい人はこちらがおすすめです。↓

栄養を組み合わせて摂ることで葉酸の吸収アップ

葉酸は、ビタミンB群のひとつです。
ビタミンB群は、単体ではなく、まとめて摂ることで、お互いをサポートする働きがあります。

たとえば、葉酸はビタミンB12と力を合わせて、赤血球をつくります

細胞を作るときは、葉酸だけでなくミネラルやアミノ酸なども必要なのです。

ビタミンCは、葉酸が体内で働けるように活性するうえで、重要な役目があります。

なるべく多くの栄養素を、バランスよく組み合わせて葉酸を摂ることが、効率よく葉酸を摂取する方法といえるでしょう。

妊活や妊婦さん向けの葉酸サプリメントには、葉酸だけでなく多くの栄養を配合してあるので、あれこれ考えずに済むためお手軽といえますね。

葉酸はいつからいつまで必要なの?

赤ちゃんを産む可能性のある女性は、意識的に葉酸を摂取したほうがよいようですが、妊娠中~産後も必要といわれています。

妊活中

妊活中は、葉酸を摂ることで、血液が細胞のすみずみまで酸素を運んでくれます。

つまり、子宮内膜はフカフカになりやすく精子の質もよくなっていくといわれているので、妊活中こそ葉酸は必要といえるでしょう。

女性だけでなく男性にもよいので、夫婦で葉酸を摂るとよいですね。

また着床したら、受精卵の細胞分裂がはじまります。
しかし、着床では自覚症状がありません。

赤ちゃんの成長を促したり、生まれつきの障害リスクを下げるためにも、妊活中から葉酸は必要です。


妊娠中

妊娠中は、お腹の中で赤ちゃんは細胞分裂を繰り返し、すくすくと育ちます。
そのためにも、葉酸は必要です。

それだけではなく、ママの貧血予防にも葉酸は活躍しますし、イライラなどのストレスも減らせる可能性があります。

妊娠中は、初期・中期・後期と葉酸が必要なのです。



産後

赤ちゃんは、ママの母乳やミルクから葉酸を摂り入れます。

質のよい母乳をつくるためにも、葉酸は必要不可欠といえるでしょう。

また、産後は傷ついた細胞を回復させなければなりません。

出産は「交通事故にあったくらいの」体力の低下といわれることがあるくらい、母体に大きな負担がかかります。

葉酸の細胞を作るサポートする働きが、ここで役立つのです。

また、産後トラブルで多い抜け毛や、精神的に不安定になる状態も、少し軽くできるる可能性があるので、葉酸は摂り続けるほうがよいでしょう。

葉酸のとり方で注意したいポイントは?

葉酸はサプリメントで気軽にとれるからといって、多ければいいというわけではありません。
葉酸の摂取について、注意したいことをまとめました。

上限以上の摂取はNG!葉酸過剰症とはどんなもの?

葉酸には「摂取上限量」があります。
これは「葉酸を摂りすぎないでね」という目安のこと。

葉酸の摂取量は、1日1000μg(1mg)が上限です。

葉酸を摂りすぎると、葉酸の過剰摂取といい、症状がでることがあります。
これを「葉酸過剰症」というのです。

葉酸は水溶性のため、基本的に、多く摂っても尿に溶けて排出されます。
そのため、厚労省の推奨量よりも多く摂ったからといっても、すぐに過剰症になるわけではありません。

神経質になることはありませんが、葉酸過剰になったときは、どんなデメリットや症状があるかを知っておきましょう。

葉酸の過剰摂取によるデメリット

  • ビタミンB12欠乏がわかりにくくなって、悪性貧血の診断が難しくなる
  • ガン治療に使われる抗葉酸剤の薬が効きにくくなる
    葉酸過敏症

  • 発熱
  • 紅斑
  • じんましん
  • かゆみ
  • 呼吸障害

葉酸が豊富な食事と、メーカーが指定する葉酸サプリの摂取量で十分に足りています。
葉酸サプリメントを多めに飲んだり、複数の葉酸サプリを合わせて飲むといったことがないようにしましょう。

葉酸サプリと別のサプリを一緒に飲みたいときは、栄養素の内容量を把握することが大切です。

葉酸の摂取を邪魔するものは控える

葉酸には、相性が悪いものが存在します。

せっかく摂った葉酸を、ムダにしないためにも、みていきましょう。

NG:アルコール

アルコールを体内で分解するときに、大量の葉酸を使うので、葉酸が不足しがちになります。

NG:タバコ

妊娠中のたばこはNG、というのは有名な話です。

たばこを吸うことで、ビタミンを破壊するといわれています。

喫煙者はそうでない人に比べて、体内の葉酸は少なくなるといわれているのですが、はっきりとした原因はまだわかっていません。

NG:緑茶やコーヒー

緑茶に含まれている「タンニン」は、葉酸の吸収を邪魔する働きがあるのです。

紅茶・ウーロン茶・コーヒーなどにも、タンニンは含まれているので、葉酸サプリを飲むときはなるべく水がよいでしょう。

赤ワインやビールにも、タンニンは含まれています。
アルコールなので、さらにオススメできません。

葉酸は気付いたときからはじめると◎

葉酸を紹介したときにありがちなのが、妊娠超初期に葉酸を飲まなかったママが不安になってしまう、ということです。

たしかに葉酸は、受精して間もない細胞分裂する時期に必要な栄養ですが、普段の食事からも葉酸は摂っているので、自分を責める必要はありません。

「葉酸を飲まなかったから」といって不安になり、それがママのストレスになることのほうが問題です。
「葉酸が大事なんだ」と気付いた日から、食事やサプリメントで、自分なりの葉酸の摂り方を工夫してみてください。

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