抗ミュラー管ホルモンってなに?

目には見えない卵子の数を調べよう

抗ミュラー管ホルモン

目には見えない、私たちの体の中。いったいなにが起こっているんだろう?ということって、誰もが一度は思ったことがあるのではないでしょうか。たとえば、不妊治療を行っているという方は年々増えていますが、どうして赤ちゃんができないんだろう?体の中に何か異常があるの?と不安になることがあると思います。赤ちゃんを授かるための不妊治療法はたくさんありますが、なぜ不妊になってしまうのかという原因がわからないことはよくあります。なんらかの病気によって不妊になってしまっているということもあります。不妊につながる病気

不妊になってしまう原因はたくさんありますが、たとえば女性の卵子に関して。精子と出会って受精卵になる卵子は、赤ちゃんを授かるためになくてはならないものですよね。ただ、この卵子がうまく出てこなかったり(排卵されない)、卵子の質が低い(うまく受精できない)ということなどが不妊の原因のひとつとされています。もうひとつ、卵子の数についても気になるところ。目には見えない卵子の数について知ることができる「あるホルモン」を調べられるようになっています。そのホルモンとは、いったいなんなのでしょうか?

卵子の数にかかわる抗ミュラー管ホルモン

まず、女性がもっている「卵子」というのは生理が終わる閉経まで、毎月1つずつ排卵されていきます。女性が赤ちゃんのときにたくさん抱えていた卵子のもとは、年齢を重ねるにつれてだんだんと少なくなっていきます。排卵が始まって生理がスタートしますが、たくさんの卵子の中でもより成熟した1つだけが、月に1つ排卵されていきます。精子は男性の睾丸で作られているので新しい精子がどんどん作られていきます。ですが、女性の卵子は生まれたときにはすでにできていて、それが卵巣の中で保存されていたというもの。年齢を重ねるごとにどうしても卵子は少なくなり、質も低下していきます。つまり、質の良い卵子がたくさん残っていれば、それだけ質の良い卵子が排卵されやすいということ。

しかし、卵子の数自体が少ない場合にはいざ子どもが欲しい…と思ったときに卵子がなく、なかなか子どもを授かることができないということにつながりかねません。このように、自分の卵子の数がどれくらい残っているの?ということを知るために、「抗ミュラー管ホルモン」というホルモン値を調べられるようになりました。あまり聞きなれない名前のホルモンだと思いますが、どういった働きをもっているホルモンなのでしょうか?

抗ミュラー管ホルモンって??

そもそも、抗ミュラー管ホルモンとはいったいなんなのでしょうか?「抗ミュラー管」というのは、私たちが胎児のころに作られる器官です。男女ともにあるものですが、男性の場合には成長していく過程で退縮してしまいます。一方女性の場合、卵管や膣・子宮の上半分をつくるための部分となります。妊娠8週ごろからだんだんと男女の性器の見た目がつくられていくようになるのですが、それまではほとんど変わらない見た目となっています。それが「抗ミュラー管ホルモン(AMH)」というホルモンによって、発達が調整されていきます。胎児が男の子の場合、精巣でつくられる抗ミュラー管ホルモンによってミュラー管の発達がおさえられて退縮していきます。女の子の場合、抗ミュラー管ホルモンが作られないので子宮や膣などの女性の生殖器が発達していくと言われています。

この抗ミュラー管ホルモンは、女性の場合には「卵胞」から分泌されるようになります。卵胞というのは、卵巣の中で卵子のもととなる卵母細胞を抱えている細胞の集まりです。卵胞の中で卵子が成熟して排卵されるのですが、卵胞から分泌される抗ミュラー管ホルモンを調べると、卵巣の中にどれくらいの数の卵子が残っているかがわかると言われています。そのため、不妊治療や閉経がいつごろなのかを予測するために、抗ミュラー管ホルモンを調べる検査「AMH検査」が行われているんです。

卵子のストック数や隠れた病気の可能性がわかる

卵巣のなかにある卵子というのは、女性が胎児のとき、妊娠5~6か月のときにもっとも多いとされていてなんと約700万もあると言われています。生まれるときにはすでに200万ほどに減っていて、さらに思春期ごろには30万、その後はたったの400の卵胞のみが排卵できる段階になるということなんです。ただ、人によってこの残っている卵子の数は違っています。数が少なければ自然排卵が起こりにくいということや、不妊治療で行われる排卵の誘発もうまくいかなくなることが。不妊治療の排卵誘発について

そんなときに調べるのが、この残っている卵子の数とリンクするという抗ミュラー管ホルモンです。AMHの数値が低い場合には、卵巣に残っている卵子の数が少なくなっているということ。逆にAMHの数値が高い場合にはたくさん残っていると考えたいのですが、一方で多嚢胞性卵巣症候群(POCS)や、不妊治療を行っている場合には卵巣過剰刺激症候群(OHSS)という症状が隠れている場合もあります。

多嚢胞性卵巣症候群(POCS)

なんらかの理由で卵胞が育たなくなっているため、生理がこない・無排卵月経などの症状が起こります。まだ成熟していない卵胞がたくさんあり、多くの嚢胞(のうほう)ができてしまいます。原因は今のところ不明で、治療方法としては手術や排卵誘発法などで排卵を促すようにしていきます。

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)

不妊治療のように排卵を誘発するような治療を行っていると、排卵誘発剤に反応しすぎてしまい、たくさんの卵胞が育っていくことがあります。これによって卵巣が腫れてパンクしそうな状態になり、おなかの張りやムカつきなどさまざまな症状があらわれます。大きくなった卵巣は根元が支えきれず、ねじれてしまう(捻転)こともあり、この場合には手術でねじれを治したり摘出手術となることも。

ひとつ注意しておきたいのが、この抗ミュラー管ホルモンの数値が高いからといって妊娠しやすいというわけではなく、逆に数値が低いからといって妊娠しづらいというわけではありません。あくまで卵子のストックを知るためのもので、その中に質の良い卵子が含まれているかなどはわかりません。数値が高くてもまったく卵子が育っていないために妊娠することができないとか、逆に卵子の数が少なくても質がとても高く受精しやすいということもあるんです。この抗ミュラー管ホルモンの数値を知ることで、その人に合った不妊治療を行っていくことができるということです。

抗ミュラー管ホルモンの調べ方って?

では、抗ミュラー管ホルモン(AMH)はどうやって調べることができるのでしょうか?意外と簡単なもので、血液検査だけでOK。ただ費用は自己負担となりますので、医療機関によりますが数千円~1万円弱程度となっていることが多いようです。卵子のストックを知るということで、いわゆる「卵巣年齢」をチェックするために検査を行う女性が増えているんだとか。抗ミュラー管ホルモンの数値を知ることで妊娠へのステップを踏み、不妊治療がいつまでできるかという目安を知ることにもつながります。検査の結果次第では、排卵を誘発したり卵子を育てるための治療薬を使うことでその人にあった不妊治療を行うことができます。

簡単に調べることができますし、先ほど述べたような隠れた病気を知るきっかけにもなるかもしれません。不妊治療をしていてなかなか赤ちゃんを授かることができないという方はもちろん、妊娠を考えている方の妊活の手段としても利用することができますよ。今赤ちゃんが欲しいわけでなくても妊活しておくとメリットがある!?


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