不妊の原因となる病気、こんなにあった!

不妊の原因となる病気、こんなにあった!

不妊の原因となる病気

愛するパートナーと出会って、恋をして、結婚して、そうして子どもが産まれて…。女性なら誰もが当たり前のようにこう考えるのではないでしょうか。

ですが、残念なことになかなか赤ちゃんを授かることができない…という夫婦の方も少なくありません。避妊をしているわけでもないのになかなか赤ちゃんを授かることができない、または妊娠しても一定期間以上その状態を維持することができないことを「不妊(不妊症)」といいます。

不妊ですが、WHO(世界保健機関)も日本産科婦人科学会も「1年以上妊娠に至れない状態」という定義があるそうです。不妊となってしまうにはさまざまな原因があると言われています。どこかの臓器の調子が悪い、卵子に問題がある、精子に問題があるほかにも、原因がわからないということも少なくありません。そして、不妊症の大きな原因であるのがさまざまな病気。いったいどんな病気が原因として考えられるのでしょうか…?

不妊の原因、こんなにたくさんあった…

不妊症の原因としてかかわる病気は、大きく分けて卵巣の病気、卵管の病気、子宮や子宮の入り口の異常などがあげられます。それぞれの病気について詳しく見て行きましょう。

卵巣の病気

卵巣機能不全(卵巣機能低下症)や卵巣嚢腫(のうしゅ)、子宮内膜症という病気があります。卵巣機能不全はその名前のとおり卵巣の機能が悪くなってしまうことを言います。

卵巣の働きというのは、卵子を作り出すこととホルモンを分泌することです。卵巣の中には卵胞というものがあって、その中には卵子となる細胞がひとつずつ包まれています。卵胞は卵子のもとをじっくりと成長させていき、できあがった卵子を卵巣から外に送り出していきます(排卵)。

また、卵巣はエストロゲンやプロゲステロンといったホルモンが分泌され、先ほどの排卵をはじめ受精や妊娠などを起こすために働きます。卵巣から放出されるエストロゲン・プロゲステロンについてはこちら

これらの働きが低下してしまう卵巣機能不全になると、そもそも排卵が起こらなくなってしまうために精子と出会う、つまり受精することができません。そして、ホルモンの分泌が少なくなってしまうことで受精卵が子宮に着床しにくくなってしまったり、妊娠状態をキープしにくくなってしまうので不妊症の原因となってしまうんですね。

卵巣機能不全が起こってしまう原因ですが、卵巣がきちんと働くためには脳の下垂体からの指令、さらに視床下部による指令…というふうに複雑なつながりを経て働くようになっています。ですから、どこかひとつでも異常があるとうまく機能しなくなってしまうので、卵巣の働きがおかしくなってしまうというわけなんです。ストレスや過度なダイエットなどで神経の働きが弱まってしまい、脳からの指令がうまく伝わらないということが原因とも言われています。

もうひとつの卵巣嚢腫ですが、なぜ発生してしまうのか正確な理由はまだわかっていません。卵巣嚢腫は、漿液性(しょうえきせい)嚢胞・粘液性嚢胞・皮様嚢腫・チョコレート嚢腫に分けられます。嚢腫(嚢胞)についてはこちらから

嚢腫がどんどん大きくなってこぶしほどのサイズになってしまうこともあり、そうなると卵巣を圧迫して痛みがあらわれたりします。さらに、組織が卵巣をはじめまわりの臓器にくっついてしまい、手術で取ることも難しくなってしまう場合も。卵巣や子宮の働きを邪魔してしまう、やっかいなものとなります。

卵管の病気

子宮内膜症や、過去の手術の傷痕などが原因で卵管が狭くなっている・ふさがっていることがあります。この場合、卵子が卵巣から排卵されても子宮に行くまでの通り道がふさがれてしまっているので、着床・妊娠することができなくなってしまいます。子宮内膜症や嚢胞などの病気のせいで、卵管やその周辺に病気が広がってくっついてしまう(癒着)ことでも起こります。

そのほかにも、膣などにいた細菌による感染症が卵管まで広がって炎症を起こしてしまう卵管炎なども、妊娠しにくくなる原因のひとつだと言われています。どの場合も治療は可能ですが、感染症や卵管での子宮外妊娠などで卵管が傷ついてしまっている場合には、傷を治すための手術を行ったとしてもその後妊娠しづらくなってしまいます。ですから、この場合には体外受精での妊娠をすすめられることが多いようです。

子宮や子宮の入り口の異常

子宮は筋肉でできているのですが、その筋肉の層の中に腫瘍ができることがあります。これを「子宮筋腫」といいます。腫瘍とはいっても良性のものなのですが、大きくなるとなんと数十センチにもなることがあるため、子宮やまわりの臓器を圧迫して妊娠しにくくなってしまうことも。また、子宮の中にポリープができてしまうこともあったり、これは不妊症の方によく見つかるものだとも言われています。

次に、子宮の入り口の部分を子宮頸部(けいぶ)といいます。ここでは細菌から身を守るための粘液が分泌されていますが、ふだんは濃くどろっとしているのですが、排卵直前になるとよく伸びるようになっていきます。どろっとしている粘液よりさらっとしている粘液のほうが、より精子が通過しやすくなると言われていますが…この粘液に何らかの問題があると、妊娠できる可能性が低くなってしまい不妊症につながるということなんです。主に膣の中にいる細菌による感染症が原因だと言われているのですが、細菌が子宮に入り込んで、やってきた精子を壊してしまうということも。対処としては粘液を薄めてくれる働きをもつ薬が処方されることもありますが、より確実なのは子宮の中に直接精液を入れてあげる子宮内受精を行うことです。直接精子を入れることで粘液を避けることができるので、不妊の原因がこの粘液のせいであれば成功率は高いということが言えます。

精子の病気

不妊の原因は女性だけではありません。男性の精子にも原因があるということは知られてきましたが、どんなものがあるのでしょうか?

まず、精子の数が少ない(ホルモン障害・感染症・遺伝性の病気など)、精子がない(無精子症)などがあります。精子をつくりだす機能が低くなっている・まったく作られないというのは、男性不妊のほとんどを占めると言われています。そして、その約半分は原因が不明な「特発性造精機能障害」と呼ばれるものになっています。

また、精子をつくりだすのは精巣だけではなく、女性の卵巣が機能するのと同じように脳の中にある下垂体や視床下部などとタッグを組んで働くことでつくられます。ですから、どこか一か所でも異常があればうまく精子が作られなくなってしまい、男性不妊症となってしまうんですね。

そしてよく言われているのが、精子は熱に弱い…ということ。大人になってからかかったおたふく風邪(流行性耳下腺炎)は、約2割が精巣炎となってしまうと言われていて、左右両方の精巣が精巣炎にかかってしまった場合には無精子症になってしまうことも…。女性はもちろんですが、男性の体もデリケートなものですからお互いに不妊になってしまう病気はたくさんあると考えられます。

不妊につながる病気はしっかり治療しよう!

不妊の原因がすべて病気のせい…というわけではありません。特に大きい原因はストレスだとも言われていますし、実際に夫の両親との同居を解消したとたん妊娠できた、仕事をやめたとたん妊娠できた…というケースは非常に多いものです。

しかし、実際に先ほど述べたような病気たちが原因で不妊となっていることもとても多いものです。中にはまったく自覚症状がなく、不妊かも…?と悩んでいる方も少なくありません。「不妊」ということで病院に通うのが怖い・つらいと抵抗があるかもしれませんが、まずは原因を特定することで漠然とした不安を取り除くことができるのではないでしょうか。そして、病気を治すことで不妊治療に進むことができるほか、重大な病気であれば命にかかわることもありますから早期発見・早期治療していくことが大切ですね。


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