妊婦さんはNGって本当?妊娠中のレバーの食べ過ぎについて

レバーは、妊娠中に必要な栄養分を豊富に含む食べ物として有名です。

かつては妊婦さんがレバーを食べることを、オススメする人が多かったようですが、最近では「妊婦さんがレバーを食べることは危険だ」といわれています。

「結局本当にレバーは食べた方がいいの?避けた方がいいの?」
矛盾する情報を耳にして、このような悩みを抱える妊婦さんは、多いようです。

妊娠中それぞれの段階で、どの程度ならレバーを食べてもよいのでしょうか?

ひとことで「レバー」といっても、肉の種類はたくさんあります。
肉の種類調理のやり方によって、ちょうどよい摂取量は変わるのでしょうか?

この記事では、妊娠中にレバーを食べるときの注意点を紹介していきます。

栄養豊富なレバー、妊娠中に食べると危ないといわれる理由は?


レバーは、葉酸や鉄分を豊富に含むため、一見妊婦さんが食べたほうがよい食材のように思えます。

それでも妊婦さんがレバーを食べると危ないとされるのは、レバーに含まれるビタミンA(レチノール)が原因です。

ビタミンA(レチノール)は、粘膜を健康に保ったり、ウィルスや細菌が体内に侵入するのを防ぐ、免疫機能を維持するのに必要な栄養素です。
人間の体内では合成できませんが、ある程度は必要でしょう。

しかしレチノールを過剰摂取すると、健康な成人であっても吐き気・頭痛、長期化すると肝臓や骨、皮膚にまで異常をもたらします。

妊娠中にレチノールを過剰摂取すると、赤ちゃんが奇形先天異常となる可能性が高まる報告もあります。

妊娠の段階でレバーの危険度は違うの?


時期によって、ママが食べてもよいレバーの量は変わるのでしょうか。
妊娠初期から授乳期まで、順を追ってみていきましょう。

妊娠初期は控えたほうがいい

妊娠初期、つまり妊娠15週までは、胎盤も完成しておらず、食べものによる胎児の影響が大きいです。

内閣府の食品安全委員会も、妊娠3ヶ月以内、または妊娠を希望する女性には、妊婦に推奨されている量(1日あたり650μg)以上ビタミンAをとらないように促しています。

にんじんやほうれん草などに多く含まれるβカロテンなどのプロビタミンAも、体内でビタミンAと同様に機能します。

プロビタミンAであれば、たとえ摂る量が多すぎても、からだに悪影響はでません。

妊娠初期のママは、レチノールの代わりにプロビタミンAをとりましょう

うっかりレバーを妊娠初期に食べてしまい、不安なママは、産婦人科に相談すると安心です。

妊娠中・後期は問題なし

安定期に入ると、赤ちゃんの形態や機能がほぼ完成されています。

そのため、レバーを食べてもとくに問題はありません

ただし厚生労働省は妊婦さんが摂取できるビタミンAの上限量として、1日あたり3,000μgを定めています。
これは焼き鳥に換算すると、1週間で鶏レバーを4~5本食べられる計算です。

また実際に政府の定める上限量ぎりぎりまで食べ続けたとき、必ずリスクがないとも言い切れません。

ビタミンAが足りなくなるのは、母子ともにいけませんが、ほどほどを意識するようにしましょう。

サプリ服用時には要注意!

気を付けたいのは、サプリなどを飲んでいるケースです。
妊娠中に飲むサプリには、ビタミンAが含まれているものもあります。

ビタミンAが含まれているサプリを飲んでいる場合、レバーを数本食べただけで、過剰摂取になるケースも考えられるのです。

サプリメントの成分に含まれているビタミンAの量を確認し、1日3,000μgを超えないように調整しましょう。

授乳中は積極的に食べていい

授乳中は、レバーを食べてもまったく問題はありません。

授乳中はビタミンAを普段の倍近く摂取せねばなりません。
ビタミンAを多く含むレバーは、むしろ積極的に口にしたほうがよいくらいです。

授乳中にとるべきビタミンAの量は、1日あたり1,100μg。
これは、鶏レバーの焼き鳥を週1~2本食べれば、十分まかなえる量です。

ビタミンAを摂りすぎることは、健康なひとでも健康被害につながることは忘れずにいましょう。

無理のない範囲で、食卓にレバーを並べてみてもよいですね。

長いスパンで栄養バランスを考えましょう

栄養バランスについては、1日単位ではなく、もっと長いスパンで考えても大丈夫です。

1週間、1ヶ月の単位で、あまりにも大量のビタミンAをとらないように計算しましょう。

1日だけ推奨量を超える量の、レバーを食べたとしても、心配しないでくださいね。

レバーには妊娠中に必要な栄養分がたくさん!


妊娠中期以降のプレママさんが、レバーを食べることで、ビタミンAの摂取以外にもうれしい効果があります。

レバーには妊婦さんに不足しがちな2つの栄養素、葉酸鉄分を豊富に含みます。

この2つが不足すると妊婦さんは貧血に陥りがちになり、赤ちゃんへ栄養を届けることができにくくなるので、とても重要な栄養です。

とくに葉酸は、赤ちゃんの先天性代謝異常を予防するとして、妊活中・妊娠中・授乳期にわたって大切な栄養といわれています。

1日の必要な栄養量

  • 葉酸:妊活中640μg・妊娠中480μg・授乳期340μg
  • 鉄分:妊娠初期13g・後期25g

    いっぽう豚レバー100gあたりに含まれる栄養量をみてみると

  • 葉酸は810μg
  • 鉄分は13g
  • となります。

    なかなかとりづらい葉酸や鉄分をとるには、レバーはうってつけなのです。

    レバーは母子のからだに悪いものではないことを、心に留めておきましょう。

    牛・鳥・ブタ…オススメしたいレバーの種類は?

    同じレバーでも、材料となる動物によって、含まれる栄養成分もまったく変わります。

    牛レバーは含まれるビタミンAの量が比較的少ないため、少し多めに食べても心配ありません。

    鶏レバーは食べやすいので、栄養は取りたいけれど元々レバーが苦手な女性にもぴったり。

    豚レバーは一番栄養素が豊富なので、効率よく栄養を補給したいときにおすすめです。

    自分の状況や気分に合わせて、色々なレバーを試してみてくださいね。

    生レバーは絶対にNG!


    独特の食感が人気の生レバー。
    「妊娠中だけれど食べたい!」と思うプレママも、なかにはいるかもしれません。

    しかし生レバーを食べるのは、赤ちゃんのからだにとても危険な行為なのです。

    出産までは決して食べないよう、注意してくださいね。

    生レバーが与える赤ちゃんへの危険

    生レバーには、トキソプラズマ菌が含まれます。

    トキソプラズマ菌は、大人でも食中毒の原因となります。

    妊娠中の女性がトキソプラズマ菌に感染した場合、妊娠の進行度合いにもよりますが、お腹の赤ちゃんも感染する確率が高まります。

    感染して先天性トキソプラズマ症になった赤ちゃんには、下記の症状を引き起こす可能性があるのです。

  • 運動発達の遅れ
  • 精神発達の遅れ
  • 脳性まひ
  • 視力障害
  • 流産、死産
  • 後悔するような結果を引き起こす可能性は、ゼロではありません。

    意識して注意しましょう。

    もし生レバーを口にしてしまったら?

    「リスクを知らずに生レバーを食べてしまった!」
    たまたま食べた後に、心配になるママもいるかもしれません。

    トキソプラズマに感染して食中毒になったとしても、免疫力があればママ自身は症状が軽くなりがちです。
    しかし赤ちゃんに伝染すれば、ひどい症状が赤ちゃんにでる可能性があります。

    生レバーを万が一食べてしまったときは、自覚症状がなくとも産婦人科を受診するとよいでしょう。

    赤ちゃんを大事にしつつ、食生活を楽しみましょう

    妊娠初期はつわりから嘔吐に悩み、妊娠後期は出産前で動きにくくなります。
    個人の体質も影響するので、妊娠中の悩みは千差万別です。

    さらに妊娠すると、食事にも制限が増えてきます

    食べてはいけないとされる食材は意外にも多く、ママのストレスもたまりがちです。

    ただレバーに関しては、本当はからだに悪いものではありません。
    レバーが栄養価の高い食べもので、妊婦に必要な葉酸・鉄分・ビタミンAを多く含んでいます。

    レバーは、摂取量加熱調理にだけ気を付ければ、心配することはありません。

    栄養バランスに気をつけた食事で、栄養をとっていきましょう。