【医師監修】「神経管閉鎖障害(NTDs)」症状は?妊娠中の予防法は?

赤ちゃんの先天性の病気のひとつに「神経管閉鎖障害(NTDs)」というものがあります。

せっかく生まれてくる赤ちゃんに、何も異常がないことこそ一番好ましいですが、神経管閉鎖障害はある程度予防もできる異常です。

今回はこの神経管閉鎖障害の症状や原因、予防方法などについて解説します。

神経管閉鎖障害(NTDs)ってどんな病気?

そもそも「神経管閉鎖障害(Nneural Tube Defects略してNTDs )」は妊娠初期に起こる先天異常です。

神経管閉鎖障害は、妊娠4~5週の時期に神経管がうまく形成されず一部分がふさがり脳や脊髄の機能に異常をきたす病気です。

神経管の下部がきちんと作られない場合「二分脊椎症(にぶんせきついしょう)」、上部に異常が現れる場合「無脳症(むのうしょう)」を発症します。

二分脊椎症の症状は?

神経管の下部がうまく作りきれない状態になり発症します。

通常であれば、脊椎の管の中にあるはずの「脊髄」が管の外にさらされることで、神経が損傷してしまいます。

脊髄が傷つくことで神経障害がでてしまい、日常生活をかなり困難なものにしてしまいます。

日本国内での発症率は、1万人に6人前後です。
さらに二分脊椎症には、顕在性二分脊椎症と潜在性二分脊椎症の2種類あり、それぞれで症状の現れ方が違います。

顕在性二分脊椎症(開放性)

どの部分がどの程度損傷したのかによりますが、症状には重度から軽度までかなり個人差があります。

下肢に何らかの異常が起これば歩くことが困難になったり、排せつが思うようにできない、また知的障害が発症する場合もあります。

車椅子での生活や、排泄障害に対しては排泄を促すこともすべて人為的に行います。

また、顕在性(開放性)二分脊椎症は、以下のような合併症があります。

合併症 症状
1.水頭症 髄液が頭蓋腔内に貯まり、脳室が正常より大きくなる病気。
2.けいれん 自分の意志とは関係なく、筋肉の収縮が続く状態になる
3.キアリ奇形 小脳が蓋骨から脊椎に落ち込んだ状態になる
4.股関節脱臼 関節の位置がずれてしまう病気
5.側彎症 脊柱が側方へ曲がり、そのうえ、ねじれも加わる病気
6.脊髄空洞症 脊髄の中心部に脳脊髄液がたまった空洞を作り、ちくわ状になることにより、脊髄を内側から圧迫して、いろいろな神経症状が起こる病気。
7.学習障害 聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定されたものの習得と使用が難しくなる病気。

潜在性二分脊椎症(脂肪腫)

潜在性二分脊椎症は多くの場合、幼児期はあまり症状が見られません。

大人になってから症状が現れたり、小学生や思春期のころになって身体機能の低下がみられます。

脊髄係留症候群といって、腰の部分でくっついた脊髄が、身体の成長についていけずに引き伸ばされる状態になります。

下半身の神経機能の低下が顕著で、転びやすくなったり、尿が漏れるなどの症状が出ることもあります。

無脳症

神経管の上部が形成されないことで発症する無脳症は非常に重大な病気です。
神経管の形成が途中で止まって脳が作られず、頭蓋と大脳がない状態になります。

この場合、超音波(エコー)検査により妊娠14週頃には診断できます。

脳以外の臓器には異常がない場合も多く、胎児は成長を続けますが結果的に流産や死産になることがほとんどです。

日本での無脳症の発症率は約1,000に1人いるかいないか程度です。
そのうち75%が死産となり、1週間以内の生存率はかなり低くなります。