2019年児童扶養手当は変わる?ひとり親に優しくなる?計算方法は?

ひとり親世帯を応援する児童扶養手当が、2019年度にかけて改正に向けて動いています。

そもそも、児童扶養手当とは、どのような内容で、どう変わるのでしょうか。

ここ数年、毎年改正を重ねてきた児童扶養手当ですが、ここでは2019年の改正内容やそのメリット、今後の計算方法についてなどをまとめてみました。

児童扶養手当はどう変わる?


児童扶養手当は、子どもを養育しているひとり親家庭に支給されるものです。

子どもを育てる、すべての子育て世帯に支給される児童手当とは別物で、ひとり親家庭ならではの手当てです。

児童扶養手当は、2016年8月に加算額増額(第二子、第三子がいる場合に追加される金額の増額)、2017年4月には物価の上下に合わせて支給額が変わる物価スライド制導入と改定を重ねてきました。

さらに2018年8月からは、全部支給の所得制限限度額の引き上げ、2019年11月から支給回数の増加が実施される予定になっています。

専門用語が多くわかりにくいのですが、簡単にいえば全体的に支給金額が増え、支給間隔が短くなるという、ひとり親に優しい方向へ改善されているのです。

児童扶養手当とは「ひとり親」むけの手当


児童扶養手当はどのようなものなのか、どんな人が対象なのかなど、基本的なことを説明します。

児童扶養手当の目的ってなに?

父母の離婚や死別などさまざまな理由で、両親のどちらかと生計を別にする子どもがいます。
この場合、子どもを育てる親はひとりになるため「ひとり親」と呼びます。

ひとり親の場合は、配偶者のサポートを受けられないため、子育て・仕事・家事の両立をしなければなりません。

そのため、両親がそろっている家庭とくらべると、収入が安定しないケースが多くあります。

ひとりで子どもを育てている人の生活を安定させて、自立しやすくするように考え、子どもの福祉目的に作られた制度です。

参照:厚生労働省「資料6 公表版_平成30年度ひとり親家庭等自立支援関係予算案の概要」
参照:東京都福祉保健局 「児童扶養手当」

児童扶養手当の対象者って誰?

支給の対象をみていきましょう。

児童扶養手当を受け取れる人

  • 父親 or 母親
  • 父母にかわる養育者(祖父母など)

基本的に、18歳以下(18歳の誕生日後、最初の3月31日まで)の子どもを、育てている人が対象です。

子どもが障害をもっている場合は、20歳未満までが対象になります。

子どもが下記のケース、いずれかに当てはまる場合が対象です。

  • 両親が離婚した
  • 両親のどちらかが死亡した
  • 父、または母が政令で定める障害状態にある
  • 父、または母の生死が不明である
  • 父、または母から一年以上継続して遺棄されている
  • 父、または母が一年以上拘禁されている
  • 未婚のまま生まれた
  • 父母が誰が不明である(遺棄された)

参照:東京都福祉保健局 「児童扶養手当」

一般的に多いのは、両親が離婚したケースのようです。

対象外となるケースもある

児童扶養手当は、対象外になるケースもあります。

以下は、対象外です。

  • 日本国内に住所がない
  • 里親に委託されている
  • 両親と生計を同じにしている
  • 請求者と生計を同じにしていないとき
  • 父または母が再婚しひとり親家庭ではなくなったとき(事実婚含む)
  • 父や母の死亡にともなって年金などを受給できるとき(ただし、年金額が児童扶養手当支給額を下回る場合、その差額が支給されます)

参照:東京都福祉保健局 「児童扶養手当」

たとえば、離婚をしてひとりで子育てをしている人は、児童扶養手当の対象ですが、彼氏や彼女ができて一緒に住むようになる(事実婚)と、児童扶養手当の対象ではなくなります。

いくらもらえるの?

児童扶養手当の支給額は、所得によってかわります。

所得によって、全額支給・一部支給・支給なしなどが決められるのです。

支給額は人それぞれ

基本的に、所得によって支給額が異なりますが、下限・上限額は決まっています。

2017年より「物価スライド制」が導入されたため、支給額は物価によって毎年変動し、増額する年もあれば、減額になる年もでてくるでしょう。

2018年度の支給額は、以下のとおりです。

2018年度 児童扶養手当支給額(月額)
1人目 2人目加算額 3人目以降加算額
(ひとりあたり)
全部支給 42,500円 10,040円 6,200円
一部支給 42,490〜10,030円 10,030〜5,020円 6,010〜3,010円

参照:うるま市「平成30年度児童扶養手当及び特別児童扶養手当額の改定について」

一部支給の金額は、所得の金額に応じて10円単位で変化します。

所得制限がある

所得制限は、扶養する子どもの数によって細かく設定されています。

この所得制限限度額の一部が、2018年8月より引きあげられるのです。

そもそも所得ってなに?

「所得」とは、年収のことではありません。

年収から、必要経費を引いた金額のことです。

収入金額(源泉徴収される前の金額)-給与所得控除額 = 給与所得の金額

参照:国税庁「給与所得」

つまり、年収から支払い済の税金や社会保険料など「控除」されるものを、差し引いたあとの金額をさします。

ちなみに税金も、所得から計算されるのです。

ただし、児童扶養手当の限度額表でみる、所得の計算式は以下のようになります。

所得 = 年収 - 給与所得控除額 - 8万円(-諸控除)+ 養育費の8割

※養育費を元配偶者などから送ってもらっている場合は、その8割が所得に加算されます。
※諸控除には障害者控除、特別障害者控除、医療費控除などが含まれます。

児童扶養手当、支給額の計算方法は?


児童扶養手当の支給額や、所得制限限度額の表は専門用語が多く「複雑でわかりにくい」というママも多いようです。

そこで、表の見方や計算方法についてまとめてみました。

2018年度所得制限限度額表

2018年度の子どもの人数別、所得制限限度額を一覧表にすると下記のようになります。

扶養親族等の数 受給資格本人
全部支給額
受給資格本人
一部支給額
孤児などの養育者/配偶者/扶養義務者
0人 490,000円 1,920,000円 2,360,000円
1人 870,000円 2,300,000円 2,740,000円
2人 1,250,000円 2,680,000円 3,120,000円
3人 1,630,000円 3,060,000円 3,500,000円
4人 2,010,000円 3,440,000円 3,880,000円
5人 2,390,000円 3,820,000円 4,120,000円

参照:厚生労働省「児童扶養手当制度等の見直しについて(案)」
※受給資格本人とは児童の父あるいは母のことです。

所得制限限度表の「扶養親族0人」ってどういうこと?

所得制限の限度表にある「扶養親族などの数」に「0人」とありますが、これはどういうことでしょうか。

扶養親族(つまり子ども)が0人で、児童扶養手当の認定請求をするというのは、どういうケースかをみてみましょう。

たとえば、2018年度の児童扶養手当をもらうために、認定請求をするときの「扶養親族などの数」は、2017年12月31日時点での人数を申請します。

ということは、2018年2月に1人目のお子さんを生んだ場合、2017年12月31日の時点で赤ちゃんはまだ生まれてないことになるので、扶養親族は0人です。

その場合は、所得制限限度額表の扶養親族などの数が0人の欄が、ご自身の限度額となります。

児童扶養手当の「年度」と所得の「年度」の関係

児童扶養手当の年度と審査対象となる所得

児童扶養手当の「年度」は、毎年8月から始まります。

つまり、2018年度という場合は、2018年の8月から2019年の7月までとなるのです。

一般的な、4月はじまりの年度とは異なるので、注意しましょう。

2018年度の支給額は、2017年1月〜12月の所得金額から計算されます。

本人だけでなく、同居人の所得も審査される

母子家庭や父子家庭の場合は、受給資格者である母or父の所得だけが、所得制限の対象となります。

しかし、たとえ世帯は別でも、同居人がいる場合は、同居人も含めて所得のある人全員が審査対象となるのです。

たとえば、「シングルマザーになって、実家に住んでいる」というようなケースは、審査の対象になります。

シングルマザーの両親が「現役で働いている」場合は所得が審査対象になり、引退し「公的年金を受給している」場合も、収入として審査されるのです。

シングルファザーやシングルマザーの兄弟姉妹が同居していて、収入がある場合も審査されます。

そして、所得のある人がひとりでも所得制限の基準を超えていれば児童扶養手当は支給されません。

所得額を計算してみよう

支給額を計算する上で、必要になるのが受給資格本人の所得額です。

所得は、以下の計算式で算出できます。

所得=年収-給与所得控除額-8万円-諸控除+養育費の8割

参照:国税庁「給与所得」

諸控除や養育費がない人もいますので、ここでは簡単に

所得=年収-給与所得控除額-8万円

で計算してみましょう。

給与所得控除額は年収によって変わってくるので、下記の表を参考にします。

年収金額 給与所得控除額
1,800,000円以下 収入金額×40%(650,000円に満たない場合は650,000円)
1,800,000円超〜3,600,000円以下 収入金額×30%+180,000円
3,600,000円超〜6,600,000円以下 収入金額×20%+540,000円
ケースA
年収160万円で、子ども1人、同居人なしのシングルマザーAさんの場合

  • 160万円-65万円-8万円=87万円

となり、所得は87万円です。

ケースB
年収220万円で、子どもが2人、同居人なしのシングルマザーBさんの場合

  • 220万円-(220万円×30%+18万円)-8万円=128万円

となり、所得は128万円となります。

気になる支給額は?

所得額が算出できたら、2018年度所得制限限度表で支給額を確認してみましょう。

ケースA
年収160万円で、子ども1人、同居人なしのシングルマザーAさんの場合

  • 所得額は87万円

表で見ると、全部支給の限度内にあります。

支給額は月額で42,500円となります。

ケースB
年収220万円で、子どもが2人、同居人なしのシングルマザーBさんの場合

  • 所得額は128万円

表で見ると、全部支給の限度額125万円を超えていますが、一部支給の限度額内です。

一部支給の場合の支給額は、所得額によって42,490円〜10,030円と幅があります。

一部支給額の計算式は少し複雑なのですが、下記のようになります。

支給額=42,490円-(所得額1,280,000円-全部支給の所得制限限度額1,250,000円)×所得制限係数+2人目加算額


※2人目加算額=10,030円ー(所得額1,280,000円ー全部支給の所得制限限度額1,250,000円)×所得制限係数


※3人目以降の加算額=6,010円ー(所得額1,280,000円ー全部支給の所得制限限度額1,250,000円)×所得制限係数


※所得制限係数は、固定ではなく物価変動にともない変更されます。
ちなみに2017年度の所得係数は、上から、0.0186705/0.0028786/0.0017225となっています。

Bさんのケースで、上記を計算すると46,870円になりました。

児童扶養手当を受け取るには申請が必要


児童扶養手当は、手続きをしないと受け取れません。

認定請求をし、支給要件を満たした場合にのみ、受けとることができる手当です。
お住まいの市区町村役場で、手続きをしましょう。

受給資格があっても、申請しないと支給されませんが、申請にはたくさんの書類が必要になります。

手続きをスムーズに進めるためにも、あらかじめ必要な書類を確認し、用意しておきましょう。

児童扶養手当の申請に必要な書類は、以下のようなものがあります。

  • 戸籍謄本
  • 住民票
  • 印鑑
  • 預金通帳
  • 健康保険証
  • 年金手帳
  • 住民税課税証明書
  • 個人番号カード(マイナンバーカード)

ほかにも、世帯の状況によっては、上記以外の書類などが必要になることもあるようです。

くわしくは、市区町村の窓口にてご確認ください。

手続きを行って認定された場合、児童扶養手当は申請した次の月からの支給になります。

毎年の更新に「現況届」が必要です!

児童扶養手当は、受給資格を確認するために、「現況届」の提出が必要になってきます。

現況届とは、今の収入や家族状況を、確認するための書類です。

提出期間は、毎年8月1日から31日の間になります。

現況届は、郵送ではなく、受給者本人が直接役所に行って、届出をする必要があるので注意しましょう。

現況届が出されてないと、支給停止になることもあるようです。

継続して受給するためにも、必ず期限内に忘れずに提出しましょう。

児童扶養手当、ふたつの大きな改善点


ここ数年、児童手当が改善されています。

2018年8月からは、全額支給される所得制限の限度額が引き上げられ、2019年11月からは支給回数の増加が実施される予定になっています。

ここでは、それらの改善点の内容を詳しくみてみましょう。

全部支給の限度額が、年収130万円から160万円へ

2018年8月から、児童扶養手当が全部支給される所得制限限度額は、それぞれ30万円引き上げられます。

子どもを1人扶養している場合の、全部支給の所得制限限度額

  • 2017年度まで:所得は57万円
  • 2018年8月から:所得は87万円

これは年収ベースでみた場合、全部支給される限度額が、年収130万円から160万円に引き上げられたということです。

道路などを整備するために土地を売却して得たお金も控除される

所得制限限度額の引き上げと同時に、公共用地取得に関わる土地代金などを所得から控除する点も改定されました。

道路などの整備をするために、土地を国や地方自治体に売却するときに、土地代金や物件移転料を受け取った場合は、その金額を控除するというものです。

所得から、これらを差し引いて計算されます。

限度額引き上げのメリットは?

限度額が引き上げられたことによって、一部支給から全部支給となる人が増え、全部支給額の受給者は約15万人になります。

一部支給額が増額される人も約40万人となり、従来よりも増えることになるのです。 

年3回の支給から年6回の支給へなる!

これまで児童扶養手当は、8月、12月、4月の年3回、4ヶ月分の手当をまとめて支給されていました。

4ヶ月分を一度にもらうため、家計管理が難しいことが問題になっていたのです。

2019年11月からは、年6回奇数月(1・3・5・7・9・11月)に、2ヶ月分の手当を支給する方向で、見直しが進んでいます。

この改正案が通れば、2ヶ月ごとに指定の金融機関の口座に児童扶養手当が振り込まれることになります。

年6回支給のメリットは?

では、年3回の支給から年6回に変更になることで、受給者にとってはどんなメリットがあるのでしょうか。

  • 家計のやりくりがしやすくなる。
  • 家賃など毎月の定期的な支払いに合わせやすくなる。
  • 次の支給日前に使い切って困ることが少なくなる。

まとめてドーンと支給されるよりも、家計管理がしやすくなったのは、実際に受け取る人にとってうれしいことですね。

児童扶養手当はひとり親を助けてくれる制度


ひとり親のなかには、実家に頼ることもせずに、育児・家事・仕事をすべて背負ってがんばっている人が多くいます。

子どもを育てるため、働く時間も限られ、収入減につながることも少なくありません。

2017年に厚生労働省が発表した「2016年国民生活基礎調査」では、「生活が苦しい」と答えた母子家庭は82.7%でした。

ここ数年の改正で、児童扶養手当は改善されてきています。
多少かもしれませんが、がんばっているひとり親の助けになることでしょう。

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