妊娠20週は、妊娠6ヶ月の1週目にあたります。
この時期は、ママや赤ちゃんにどのような変化が起こるのでしょうか。
妊娠20週目のママの変化

妊娠20週目のママはお腹が大きくなってきて、胎動を感じ始めます。
お腹の大きさが目立ち始める
ママの体重の目安は、妊娠前と比べて1.5~3.5kgほど増えているとちょうどよいようです。
子宮の大きさは大人の頭くらいになり、内臓を圧迫することもあります。
これからお腹やバストがどんどん大きくなるので、妊娠線対策のクリームを使ってお肌を保湿して妊娠線を予防しましょう。
妊娠20週目のお腹の画像
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妊娠中お腹が大きくなる様子
みつごママ(三つ子を妊娠したママ)
まりこママ
あみんママ
妊娠20週目は胎動を感じる
妊娠20週では、ほとんどのママが胎動を感じられるようです。
しかし、この頃に感じられる胎児の動きは、ママがじっとしていないと気がつかない程度なので、一般的に、仰向けに寝転がると胎動を感じやすいといわれています。
じっと静かにしてお腹に意識を集中させると、より胎動を感じるられるようです。
妊娠20週目に胎動を感じなくても、問題はありません。
妊娠週数を重ねるにつれ、胎動を強く感じる頻度が増えてきます。
お腹のけいれんは赤ちゃんのしゃっくり?
おへその下あたりで、定期的にけいれんするように動くときは、赤ちゃんがしゃっくりをしていることがあるそうです。
横隔膜を動かすことで呼吸の練習をしているという説や、羊水中に浮いている胎児の皮ふなどを飲まないようにしている説があります。
しかし、赤ちゃんがしゃっくりをする仕組みや原因は、はっきりとはわかっていません。
しゃっくりは赤ちゃんの障害や異変の原因ではないので、心配はいりません。
気分の変化
妊娠20週目はつらかったつわりが終わり、すっきりした気分になるママが増えるようです。
だんだんと吐き気や眠気、倦怠感、においが気になる、といった症状がなくなります。
また、胎動を感じたりお腹がふっくらしてくる身体の変化などにより、妊娠の実感が増す方は多いようです。
妊娠20週目の赤ちゃんの変化

妊娠20週目は胎動を感じるようになり、赤ちゃんの存在がますます強く感じられるママもいるのではないでしょうか。
ママのお腹の中ではどのような変化がおこっているのか、ご紹介していきます。
お腹の中でおこっていること
妊娠20週目の赤ちゃんは、お腹の中で眠ったり起きたりを繰り返しています。
神経回路が発達するため、耳が聞こえだすようです。
また、さまざまな神経伝達が可能になると、赤ちゃんも思考を持つためストレスを感じることがあるといわれています。
ママが大きな声を出して喧嘩したり、嫌な気分を抱え込んだりすると、それを赤ちゃんが負担に感じたり「自分の感情」と勘違いしてしまうことがあるのです。
赤ちゃんのためにも、ストレスをためない生活を心がけましょう。
エコーで性別や顔が判明することも
妊娠20週頃になると、赤ちゃんの外性器の形が完成してきます。
そのため、妊婦検診のときにエコー検査をおこなうと男の子か女の子か判定できることがあります。
性器を確認するため、赤ちゃんが足を開いた様子が見えないと判別できないことも。
何回かエコー検査を重ねると、ほぼ確実な判定ができるようです。
また、妊娠20週目の胎児は、新生児とほとんど変わらない見た目になっており、顔もだんだんとはっきりします。
平均的な赤ちゃんの大きさは20~25cm
赤ちゃんの身長は20~25cm前後になり、体重は210~350gくらいに成長します。
だいたいグレープフルーツくらいの重さです。
個人差があるものの、この1ヶ月間で胎児の大きさは約1.5倍にも成長するといわれています。
胎脂が作られる
妊娠20週頃は、子宮の中で皮脂腺から「胎脂」が作られます。
胎脂とは、赤ちゃんの薄い皮膚を守る保水性のある物質で、体温の低下や感染症を防ぐ役割をします。
産まれてすぐの赤ちゃんには、ラードのような胎脂がついています。
子宮の中を動き、排泄します
赤ちゃんは足を曲げたり伸ばしたり、子宮の中を動きます。
羊水を飲んで排出することを繰り返しておしっこの練習も始まります。
髪の毛や体毛が生える
赤ちゃんの頭部に生えていた産毛は、妊娠20週頃にちゃんとした髪の毛に変わります。
この髪の毛は大人の髪の毛ほどではありませんが、赤ちゃんの頭部を守る役割を持つようです。
およそ2週間ごとに、新しい髪の毛に生え変わります。
また、身体の表面に産毛が生えてくるのもこの頃です。
妊娠20週目のマイナートラブル
妊娠20週目に起こりやすいマイナートラブルの症状をみていきましょう。
妊娠高血圧症候群に注意
以下のふたつが見られる場合に「妊娠高血圧症候群」と診断されます。
- 妊娠20週目から産後12週までに高血圧がみられる
- 妊娠中に高血圧とたんぱく尿がともにあらわれる
日本産科婦人科学会によると、妊婦の20人にひとりが妊娠高血圧症候群になっているようです。
初産や40歳以上の高齢出産の場合に、発症のリスクが上がります。
妊娠高血圧症候群の原因は、まだはっきりと解明されていません。
もっとも有力と考えられているのは、妊娠の初めの頃(妊娠15週まで)に胎盤の血管が正常とは異なった作られ方をしてしまう、という説です。
胎盤の血管がうまく作られないと、ママから赤ちゃんに送る血液や栄養素の量が増えます。
また、胎盤の酸素交換がスムーズにできず、ママの全身の血管が傷つけられることも高血圧の要因になるようです。
これらは生活習慣や適切な食事によって予防できるとされています。
こまめに体を動かし睡眠をよくとり、塩分や糖分を控えることが大切です。
腰や足の付け根が痛くなる
妊娠初期から分泌される「リラキシン」という女性ホルモンの影響で、関節やじん帯が緩みます。
関節やじん帯が緩むことで、出産するときに赤ちゃんが産道を通りやすくなります。
しかし、じん帯や関節が緩むことで、内臓などを支える力が弱まってしまい、筋肉や骨に負担がかかります。
そのため、骨盤の中央にある「恥骨結合部」などに負荷がかかり、痛むことがあります。
また、子宮が大きくなるにつれ、子宮のすぐ下にある「恥骨結合部」は圧迫されます。
このことから、腰や足の付け根に痛みを感じることが多くなるようです。
痛みがつらいときは、骨盤ベルトやガードルを着用すると、筋肉の代わりに骨格を支えてくれるので、痛みが軽減されることもあるようです。
頭皮にトラブルがおきやすくなる
妊娠すると、フケや頭皮のかゆみなど、頭皮のトラブルがおきやすいママもいるようです。
症状がひどい場合、脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)の可能性があります。
脂漏性皮膚炎は、毛穴に存在するマラセチア真菌が引き起こす炎症です。
マラセチア真菌は、普段から人の皮ふに存在する常在菌のひとつなので、妊娠前から肌に付いています。
しかし、妊娠中はホルモンバランスが安定しないため、マラセチア真菌が増えるケースがみられます。
フケやかゆみがひどいときは、産婦人科医に相談しましょう。
また、普段使うシャンプーやコンディショナー、トリートメントは弱酸性や低刺激性のものを選びましょう。
便秘になる
妊娠前は快便だったのに、妊娠してから便秘になったというママもいるのではないでしょうか。
便秘の原因はホルモンバランスの変化と、子宮が急激に成長していくことによって腸が圧迫されることが多いようです。
食事に気を使い、根菜や海藻などの繊維質が多い食べ物や水分を積極的に摂り入れましょう。
また、お腹を温めることによって、腸の血行がよくなり、動きが改善しやすくなります。
便秘が続くようでしたら、病院で妊娠中でも飲める便秘薬を処方してもらうとよいでしょう。
虫歯や歯周病に注意
妊娠20週のママは、虫歯や歯周病など、口腔内のトラブルに悩む方もいることでしょう。
妊娠中に口の中のトラブルが増えるのは、「唾液が酸性になる」「つわりで歯みがきがつらくなる」「食べつわりで食事が増える」「体調や気持ちが安定せず歯医者に行きづらい」ということが原因です。
そのため、妊婦は虫歯や歯周病になることがあるようです。
歯周病になると、プロスタグランジンという生理活性物質の分泌が増加します。
プロスタグランジンは陣痛を起こす作用があり、早産のリスクを高めます。
丁寧な歯磨きを心がけ、虫歯になったり歯ぐきに痛みを感じたときは、早めに歯医者で治療するとよいでしょう。
歯が痛むからといって、自己判断で痛み止めなどの薬を飲むのはやめましょう。
お腹が大きくなると仰向けに寝ることが難しくなってくるため、歯になにも症状がなくても、まだ仰向けに寝ることがあまりつらくないこの時期に、歯科健診を受けておくとよいでしょう。
妊娠20週目で気を付けたいこと
妊娠20週目は体重増加や、タバコの副流煙にも気をつけましょう。
体重の増加に注意
妊娠20週では多くのママが、ツライつわりが終わり、食事をおいしく感じられるようになってきます。
食べすぎを防ぐためには食事はゆっくりと、よくかむことが大切です。
よくかむことによって満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防げます。
塩分のとりすぎはむくみの原因になるので、薄味を意識して食事をしましょう。
出汁の味がある和食は、薄味でも満足感が得られることが多いのでおすすめです。
また、意識して野菜を多くとりましょう。
サラダのドレッシングは、なるべくノンオイルのものを選ぶとよいですね。
温野菜や野菜のたっぷり入ったスープは身体が温まるので、おすすめです。
ゆっくりした動きを心がける
お腹が大きくなるにつれて身体の重心が変わってくるので、ゆっくりした動きを心掛けましょう。
バランスをとりづらくなるので、自転車に乗るときは十分注意が必要です。
入浴後は立ちくらみが起きやすいので、お風呂から出るときは浴槽につかまりながらゆっくり立ち上がるようにしてください。
こまめに水分補給を
妊娠中は血液の量を増やすために、水分を血管にためやすくなります。
そのため、妊娠していないときより多めの水分が必要です。
意識して水分補給をおこなうようにし、「喉が渇いた」と感じる前に少量ずつ水や白湯を飲むとよいでしょう。
味のない水を飲み続けることがしんどいと感じる方は、ノンカフェインのお茶やハーブティなどを飲むとよいでしょう。
タバコは副流煙も避けて
タバコを吸うと血管が収縮することで、赤ちゃんの発育や機能の発達に影響があるといわれています。
副流煙による受動喫煙の量が多くなると、タバコを吸うのと同じように、血管を収縮させてしまい、胎児に栄養がうまくいきわたらなくなる可能性があります。
パパや家族、友だちが喫煙している場合は、煙がこない場所で吸ってもらうようにお願いしましょう。
家族であれば、妊娠を期に禁煙をお願いするのもいいかもしれません。
外食をするときは、禁煙や分煙のお店を選ぶようにするとよいでしょう。
おすすめの過ごし方
妊娠20週目は、どのようなことに気をつけて過せばよいのでしょうか。
運動の習慣をつけよう
妊娠後期になってお腹がもっと大きくなると、動きづらく感じる場面は多くなってきます。
そのため、安定に入る妊娠20週目のうちに運動の習慣をつけておきましょう。
運動をすることで運動不足が解消され、体重の管理もしやすくなり、むくみや腰痛などの症状が、軽減されるなどのメリットもあります。
妊婦向けに開催されている教室は、近い妊娠週数のママも多く、情報交換をしたり悩みを相談するよい機会でもあります。
マタニティヨガやマタニティビクスを開催している病院やスポーツジムがあります。
マタニティヨガは、動きがゆったりしているので運動が苦手な人でも、取り組みやすいようです。
ヨガの呼吸法は、出産時の呼吸法の勉強にもなります。
マタニティビクスはゆっくりとした動きが中心で、代謝を高めることが期待される有酸素運動です。
マタニティスイミングは腰痛予防にもよいとされています。
もっとも手軽にできる運動としては、ウォーキングがおすすめです。
スーパーや薬局に買い物がてら歩いていくだけで、軽い運動ができます。
雨の日は家の中で足踏み運動や、股関節をやわらかくするストレッチをするとよいでしょう。
ただし、いずれの運動も無理は禁物です。
お腹が張ったり気分が悪くなったりしたら、すぐ休憩をとってください。
マタニティウエアを準備しよう
妊娠20週目ではお腹がだんだんと目立ち始めるので、妊娠前の服を着られなくなった方が出てくるようです。
無理にきついスカートやズボンを、履き続けるのはやめましょう。
服で締め付けられると、血流が悪くなり身体が冷えることがあります。
締め付けによって、息苦しくなると呼吸が浅くなります。
衣服の締め付けを減らした結果、妊娠34週目までの切迫流産を予防できたというデータも報告されています。
身体を締め付けないマタニティウエアや、マタニティブラをそろえておくと安心です。
授乳口つきのワンピースやトップスは、産後の授乳期にも便利です。
妊娠20週のまとめ
妊娠20週目はお腹が大きくなり、胎動を感じはじめるママもいるでしょう。
赤ちゃんはお腹の中で動き、ママの声が聴こえているかもしれません。
お腹に話しかけたり、ぽんぽんと軽くたたいて赤ちゃんとコミュニケーションをとるとよいですね。
つわりが終わった方は体重が増えすぎないように食事に気をつけ、マタニティヨガなどの運動をしましょう。
お腹が重いと感じたり、お腹が張っているときは、無理せず休むことが大切です。
身体を締め付けないマタニティウエアでゆったり過ごしましょう。
この時期は妊娠高血圧症候群や腰痛、頭皮のトラブルなどのマイナートラブルになる方もいます。
異常を感じたらすぐに病院を受診しましょう。