一般不妊治療からのステップアップとは【池下レディースクリニック吉祥寺】矢野先生にインタビュー!

不妊治療をしているけれど、なかなか妊娠しなくて悩んでいる…という方もいるのではないでしょうか。

タイミング法や排卵誘発法、人工授精などの不妊治療を行っていても、次の不妊治療のステップへ進む必要が出てくる場合があります。

そんな時、

不妊治療を行う上で年齢制限はあるの?
卵子や精子をクリニックにあずける上で安全性が心配…
体外受精を行う時、男性の培養士の立ち合う場合があるって聞いたけど本当?

などさまざまな疑問を持つ方もいるかもしれません。

そこで今回は婦人科外来・不妊治療・生殖補助医療(ART)で日々患者様を診察している池下レディースクリニック吉祥寺の矢野先生に「一般不妊治療からのステップアップ」についてインタビューをしてきました!

池下レディースクリニック吉祥寺 矢野 直美先生
医学博士
産婦人科専門医、日本生殖医学会認定・生殖医療専門医、
日本女性医学学会認定・女性ヘルスケア専門医、母体保護法指定医

不妊治療を進める上で知っておきたい「年齢」「病気」のこと

池下レディースクリニック吉祥寺の不妊治療では30代~40代の高齢妊娠・出産の年齢にも当てはまる患者様が多いようです。

30代をこえると妊娠率が低下してくるので、年齢制限や病気があったときの治療が気になる方も多いでしょう。
先生にお話を伺いました。

不妊治療に年齢制限はある?

ーーー不妊治療を行うにあたって、年齢制限は設けていらっしゃいますか。

当院では、45歳までを目安にしています。
それ以上になると、妊娠・出産のリスクなどもあるので、卵子の凍結の保存は45歳までというお約束をしています。

不妊治療を行う前に気をつけていること

ーーー高齢妊娠・出産の年齢にも当てはまる患者様の不妊治療で気を付けていることがあればお聞かせください。

病気を見逃すことのないように、不妊治療を始める際には子宮頸がん検診や乳がん検診を受けることをおすすめしています。
また、不妊治療が長引くと、病気の検査をしばらくしていないという方もいるので、そういった方に検診のご案内の声かけもしています。

病気が見つかった場合、不妊治療はどうなる?

ーーー検診を受けて子宮頸がんや乳がんが見つかった場合には、不妊治療が受けられないこともありますか。

乳がんなどが見つかって抗がん剤治療を受けると、卵巣機能が著しく低下する可能性があります。
抗がん剤治療を開始する前に、未婚の方であれば未受精卵凍結、既婚の方であれば体外受精をして胚凍結をしておく選択があります。

生殖補助医療(ART)について

タイミング法や排卵誘発法、人工授精などの不妊治療ではなかなか妊娠に至らない場合、生殖補助医療へとステップアップします。
池下レディースクリニック吉祥寺で行っている生殖補助医療についてお話を伺いました。

生殖補助医療(ART)とは

不妊治療についてはわかるけれど、生殖補助医療(ART)についてわからないという方のために、ここで簡単に説明をします。
生殖補助医療とは、体外受精や顕微授精をはじめとする、近年進歩している新たな不妊治療法を指します。

主に下記3つの方法があります。

(1)体外受精・胚移植(IVF-ET)
採卵によって、まだ受精していない卵子を体外に取り出して、精子と共に培養します。
3~5日間培養後、良好胚に発育したものを子宮に移植します。

子宮や卵巣の状態によっては一旦すべての胚を凍結することもあります。

(2)顕微授精(卵細胞質内精子注入法、ICSI)
精液所見や前回の治療結果をふまえ、体外受精をしても受精が起こらないことが予想される場合、細い針を用いて、精子を卵子に注入する方法です。

(3)凍結胚・融解移植
体外受精により発育した胚(受精卵を数日培養させたもの)を凍らせてとっておきます。
その胚を解凍して移植することにより、身体に負担のかかる採卵を避けて、効率的に妊娠の機会を増やします。

生殖補助医療にステップアップされる方とは

ーーー「生殖補助医療」の不妊治療はどういった方が対象になるのでしょうか。

一般的に、タイミング法や排卵誘発法、人工授精などの「一般不妊治療」で妊娠する患者さまの8割以上は一般不妊治療を開始して1年以内に妊娠されています。

そのため1年以内に妊娠されなかった方には、生殖補助医療へのステップアップを勧めています。

胚培養室はどのような環境?気になる安全性は?

ーーー生殖補助医療の一つである体外受精の過程では、採卵して培養(胚培養)をして、受精卵にして子宮へ戻す「胚移植」がありますが、患者様の卵子や精子を扱う「胚培養室」はどのような環境になっているのでしょうか。

清潔区域にしています。
通常とは違う業務用の空気清浄機を使い、培養士は清潔操作で、卵を管理しています。

また、大事な卵をお預かりしているので施錠をして、厳重に管理をしています。
ご安心ください。

胚培養士について

ーーー貴院には「胚培養」を専門に行っている「胚培養士」の方もいらっしゃるとのことですが、胚培養士の方への教育や、採用面で心がけていることがあればお聞かせください。

胚培養士を養成する大学の学部などは現在ほとんどなく、主に農学部などで動物の生殖について勉強してきた方々です。
当院に入職後トレーニングを積んだ方と、すでにほかの婦人科で経験を積んでうつられてきた方がいます。

ーーー胚培養士の方のなかには、男性もいらっしゃるとのことですが、女性の患者様に対してなにか気にかけていらっしゃることはありますか。

当院の患者様のなかにも、男性の胚培養士を気にされる方もいます。

「男性医師の診察はともかく、胚移植の時に男性の培養士が立ち会うのが嫌」という声もあったので、当院では、原則立ち会う培養士は女性にしています。
卵を運んでくる段階でも女性にしていますし、内診のときにも診察室に入ってこないよう伝えています。

ただし、男性胚培養士は培養室業務を支える大事な戦力として活躍していることをご理解頂きたいと思います。

矢野先生から患者様へメッセージ

ーーー最後になりましたが、矢野先生から患者様へお伝えしたいメッセージをお聞かせください

不妊治療をするにあたって女性には妊娠、出産に適した年齢というものがあります。
気負わずに検査だけでも早い段階で受けてもらった方がそのあと計画を立てやすいです。

検査も34歳までなら国から助成金がでます。
体外受精の助成金も40歳以降の方は42歳までとなっています。

当院では最新のレーザー機器を導入して、アシステッドハッチングという着床率を高める治療をより卵に負担の少ない方法で行っています。
年齢や、ケースによっては卵を先に凍結しておくという方法も取れるので、ぜひ受診してご相談ください。

アシステッドハッチング(AHA)とは

アシステッドハッチング(AHA)は移植した胚の着床率をすこしでも上げるために行われる技術です。
胚が胚盤胞まで進むと次の段階として透明帯より脱出し、子宮の内膜に着床するプロセスが起きます。
この時に透明帯が厚かったり、硬かったりするとこの脱出が阻害されて着床に至らないことがあります。
このハッチングを助ける(アシストする)ことからこのように呼ばれています。

アンケートに答える

【ベビーカーをお持ちの方限定】ベビーカーはどこで購入されましたか?

読み込み中 ... 読み込み中 ...