妊娠6週は妊娠2ヶ月の3週目にあたります。
この時期は、ママや赤ちゃんにどのような変化が起こるのでしょうか。
生理の遅れや体調の変化から、妊娠したかも、と気づく方が多い時期です。
つわりが始まったり、いつもとは違う出血に驚くこともあります。
妊娠に気づいたらどうしたらよいのか、妊娠6週のママの変化や赤ちゃんの様子、気をつけることをまとめました。
目次
妊娠6週目のママの変化

まだ外見の変化はほとんどありません。
生理がいつもより遅れて、妊娠の可能性に気づく方が多いです。
ある日突然つわりが始まる方もいます。
体調・気分の変化
下記のような症状になる女性が多いようです。
- 生理の遅れに気づく
- つわりが始まる
- 体の変化への不安を感じる
- 眠気やだるさからイライラする
つわりなどのマイナートラブルについて、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
妊娠検査薬で陽性が出たら産婦人科を受診しましょう
妊娠検査薬で陽性反応が出たら、産婦人科で診察を受けます。
- 胎芽(たいが):赤ちゃんのもととなる部分
- 胎嚢(たいのう):胎芽を包む袋
- 心拍
以上の3点が確認されて、正常妊娠かどうか判断されます。
子宮外妊娠(異所性妊娠)、切迫流産、感染症など自覚症状だけではわからないこともありますので、受診を先延ばしにせず必ず診察を受けましょう。
子宮外妊娠や流産の可能性など、母子の健康へのリスクがある症状については、こちらを参考にしましょう。
出産予定日が概算できます
月経周期をもとに、おおよその出産予定日がわかります。
生理周期が不規則な人や排卵障害があった人は、いつ受精したのか判断できません。
しかし頭殿長(赤ちゃんの体長)の測定値から妊娠(受精)した日と妊娠週数を計算して、出産予定日を割り出すこともできます。
妊娠6週目の赤ちゃんの変化

妊娠5週では、赤ちゃんはまだ卵型をしていました。
妊娠6週になると少しずつ形が変わり、おたまじゃくしのような尻尾も目立たなくなってきます。
赤ちゃんの大きさは4mm~9mmくらい
妊娠6週の赤ちゃんは1cmに満たない大きさです。
この時期の赤ちゃんのことを、胎芽(たいが)といいます。
胎芽の横に白くて丸いものが、エコー写真に写ることがあります。
これは、卵黄嚢(らんおうのう)といいます。
胎盤が出来上がるまでの期間は、この卵黄嚢から赤ちゃんに栄養が与えられます。
胎嚢が確認できます

胎嚢(たいのう)は、赤ちゃんを包む袋のことです。
妊娠6週目の胎嚢は約1.5cmと小さいですが、正常な妊娠ならば超音波検査で確実に見えるでしょう。
妊娠6週目なのに胎嚢が見えない3つの原因
妊娠6週目に超音波検査で胎嚢が確認されないケースでは、原因が3種類考えられます。
妊娠周期を間違えている
- 最終月経日を勘違いしていた、数え間違えていた
- 排卵日が遅れていた
上記の理由で、まだ妊娠6週目に達していない時期に検査を行った可能性があります。
異所性妊娠(子宮外妊娠)
子宮内膜以外の場所で着床したと考えられます。
妊娠ごく初期の流産
妊娠検査薬が陽性であっても、その後妊娠が継続せずに流産していたケースです。
子宮外妊娠や流産の可能性など、母子の健康へのリスクがある症状については、こちらを参考にしましょう。
心拍が確認できる時期です
妊娠6週目で心拍(胎児心拍動)が確認されるママも多いです。
心拍は赤ちゃんの鼓動のことです。
しかし妊娠週数の数え間違いや排卵日の遅れが原因で、「妊娠6週目なのに心拍が確認できない」と焦る女性も多くいます。
心配しすぎずにゆったりと過ごし、不安であれば旦那さんや周りの方にサポートしてもらいましょう。
心拍が確認できると、その後の妊娠はおおむね見通しがよいでしょう。
しかし心拍確認後の流産率は、エコーの種類によって異なります。
経膣エコーの場合、心拍確認後の流産率は16~36%となっています。
決して低い数値ではないため、油断は禁物です。
体の器官ができてきます
妊娠6週の胎児は、胴体や手足より先に頭が成長します。
首はまだ出来上がってなく、体は丸まり、頭でっかちです。
お尻のしっぽがだんだんと目立たなくなってきます。
この時期は、体のパーツが作られていく器官形成期といいます。
中胚葉
筋組織、骨、循環器、腎臓、生殖器が作られます。
中胚葉は心臓、筋肉、リンパ組織などの総称です。
心臓
将来的に4つの部屋に分かれますが、この時期はまだ1つだけです。
視床下部
脳の一部で自律機能の調節をします。
体温調節や食事、排泄、生殖行為など、体にとって基本的な機能をコントロールする器官です。
手
胴体から出ていた突起のような手は、カエルの手に似た水かきの手になります。
生殖器
女の子なら卵巣ができ始め、男の子は精巣の形成が始まります。
内性器だけがつくられ、外性器はいずれできていきます。
妊娠6週目のマイナートラブル

妊娠6週にはつわりや熱っぽいといった妊娠初期の症状が現れるママもいます。
多くのママが、思うようにならない体の変化にとまどいがちです。
しかし時間がたつにつれ、だんだんと対処方法や乗り切るコツがわかってきます。
赤ちゃんのためにも、ゆったりした気持ちで過ごしましょう。
つわりが始まります
ひどい場合には重度妊娠悪阻(つわり)で入院することもあります。
常に気持ちが悪いと感じる「吐きつわり」や、お腹がすくと気持ちが悪くなる「食べつわり」があります。

ママが苦しいと感じるつわりの症状はまちまちですね。
おりもの、熱っぽいなどの妊娠初期症状があります
- おりものの量が増える
- 熱っぽくなる
- 下痢気味になる
- 眠気が頻繁にくる
- 腹痛・胃痛
上記のようなマイナートラブルがみられる時期です。
好物だったものが食べたくなくなる味覚の変化も起こります。
体の変化には個人差があり、つわりが全くない方や体温が上がらずに下がったり安定しないという方もいます。
妊娠6週目の妊婦さんの過ごし方

妊娠6週目のママが、今のうちにやっておきたいことをまとめました。
妊娠報告は必要最低限にしておきます
勤務先の上司などには、妊娠報告をしておきましょう。
急な体調不良で欠勤したり、通勤中に具合が悪くなることがあるからです。
医師から勤務時間などについて指導があり、「母性健康管理指導注意事項連絡カード」がある場合は、勤務先に提出しましょう。
産院選びやバースプランの検討を始める
分娩方法や立ち合い出産、カンガルーケアなど、医療機関によって実施状況が異なります。
また里帰り出産をするかどうかによって、医療機関の選択肢も変わります。
どの方法で産むか、赤ちゃんをどのように迎えるか、といったバースプランの検討と、病院やクリニックの情報収集を始めましょう。
妊娠6週目で気を付けたいこと
この時期のトラブルには、子宮外妊娠や流産、出血があります。
母子のからだを守るために、起こりうるトラブルと、健康を守るための対策について知りましょう。
子宮外妊娠(異所性妊娠)の可能性
着床した位置が子宮であると断定されるまでは、子宮外妊娠(近年では異所性妊娠といいます)の可能性があります。
妊娠検査薬ではhCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)が尿から検出されるかを調べます。
hCGは着床すると分泌が増えるホルモンです。
そのため着床した位置が子宮ではない場合も、hCGは検出され、妊娠検査薬は陽性となります。
子宮外妊娠は、放置すると卵管の破裂につながりうる症状です。
現在は早期診断ができるので、激しい痛みや出血が続いた場合、早めに医療機関を受診しましょう。
妊娠6週の出血や腹痛は大丈夫?流産について

生理でもないのに出血があるわ…!
流産したのか心配…!

出血や腹痛は妊婦さんのストレスや疲れから起こることもあります。
流産したのかと焦りすぎなくても大丈夫ですよ。
日頃からムリのない生活を心がけてください。
もちろん医療機関へ行くべきか自分で区別するのは難しいものです。
突然の出血で驚いてしまい冷静に判断できない妊婦さんもいます。
電話での相談もできますので、すぐに電話ができるようにかかりつけの産婦人科などの電話番号を控えておきましょう。
- 腹痛などの痛みがない出血
安静にしてその日のうちに、治まれば多くの場合は問題ありません。
量が多い時や何日も続くようでしたら医師へ相談しましょう。
- 痛みが伴う出血、ピンクや鮮血の出血
会話できないほどの痛みが伴う出血、ピンク色や鮮血または血の塊が出たときは、流産や切迫流産を起こしている可能性があります。
すぐに医療機関で診察を受けてください。
- 産婦人科の内診後の出血
妊娠中は骨盤の中や子宮に妊婦さんの血液が集まり、充血しやすくなっているため、内診時の刺激で出血しやすいです。
鮮血の場合がありますが、1~2日で治まれば大丈夫です。
大量に出血したり、痛みがある場合は医療機関で相談するとよいでしょう。
妊娠初期は流産しやすい?
日本産科婦人科学会によると、妊娠の15%前後が流産になるとの統計があります。
22週より前に妊娠が終わることを流産といいます。
そのうち妊娠12週未満で起こる流産が、全体の8割ほどになります。
そのため妊娠がわかっても安定期に入るまでは無事に赤ちゃんが生まれてくるか、不安なママも多いようです。
参照:日本産科婦人科学会『病気を知ろう:産科の病気「流産・切迫流産」』
妊娠初期の流産はなぜ起こる?対策はできないの?
妊娠初期における流産の原因は、受精卵の染色体異常など胎児側の問題がほとんどです。
たとえ流産したからといって、ママに責任があるわけではまったくありません。
ただ流産の原因となる「神経管閉鎖障害」のリスクは、食事で回避しやすくなるのです。
「神経管閉鎖障害」は、赤ちゃんのからだのもととなる「神経管」がうまく作られずに起こる障害です。
そのため神経管の形成を助ける葉酸は、流産のリスクを下げてくれるのです。
厚生労働省では妊娠1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月の間は、食事でとる葉酸に加えてサプリメントなどの栄養補助食品から毎日400㎍の葉酸を摂取するようにすすめています。
市販薬は医師に確認をしてから
妊娠6週目は、ママが飲んだ薬が赤ちゃんに大きく影響する絶対過敏期です。
絶対過敏期は妊娠4週目~7週目までになります。
頭痛や腹痛がある場合は、安易に市販薬を飲まずに産婦人科で相談しましょう。
妊娠6週は腹痛や出血に気をつけて過ごしましょう
妊娠6週目は、赤ちゃんが入っている袋の胎嚢や心拍が確認できる時期です。
正常妊娠だと確定される方もいるでしょう。
妊娠検査薬の陽性反応だけでは、子宮外妊娠の可能性がありますので、産婦人科を受診して必要な検査を受けましょう。
つわりが始まったり、微熱や頭痛など体調不良に悩まされる時期でもあります。
できるだけリラックスして過ごせるように、つわりの対処法や食べやすい食事をためしてみてください。
出血は痛みや色、量に注意してください。
腹痛などの異変があれば流産の危険性がありますので、すぐに医師へ相談しましょう。
赤ちゃんのために不用意な薬の服用は避け、葉酸を摂取してください。
勤務中の方は、妊娠について上司に報告して、体調への配慮などを相談しておきます。
バースプランや医療機関の情報収集など準備を始めておき、不安を抱えこまずに過ごしましょう。