ABO式血液型不適合妊娠とは?赤ちゃんへの影響はあるの?

血液型不適合妊娠は、ママと胎児の血液型が適合しない場合に起こることがあります。
今回は、血液型不適合妊娠のうち、ABO式血液型不適合妊娠について、原因や、赤ちゃんへの影響などをまとめてみました。

ABO式血液型不適合妊娠とは


ママとおなかのなかの赤ちゃんの血液型が適合しない場合、血液型不適合妊娠となることがあります。

血液型不適合妊娠は、ABO式血液型不適合妊娠とRh式血液型不適合妊娠、不規則抗体による血液型不適合妊娠の3種類です。

いずれも、ママとお腹の中の赤ちゃんの血液型が違うために、母体に胎児の赤血球に対する抗体ができることが原因で、胎児の健康に影響をおよぼします。

今回はそのなかのひとつであるABO式血液型不適合妊娠について、詳しくみていきましょう。

ABO式血液型の意味を知っていますか

ABO式血液型不適合妊娠の原因を知るためには、まずはABO式血液型の意味について理解しておく必要があります。

血液型といえば、普段よく使われるのがA型・B型・O型・AB型で表す4種類の血液型です。

これがABO式血液型となります。

普段当たり前に使っていますが、A型の意味をあらためて聞かれると、答えられる人は少ないかもしれませんね。

ABO式血液型とは、赤血球が持つ抗原の種類によって血液型を分類したもののことです。

A型とは赤血球にA抗原が付着しているという意味です。

同様にB型とは赤血球にB抗原が付着しているもの。

AB型には、赤血球にA抗原とB抗原の両方が付着しています。

そしてA抗原とB抗原のいずれも持たない場合がO型です。

下の図をみていただくとわかりやいと思います。

ABO式とRh式

参照:日本赤十字社 兵庫県赤十字血液センター「血液型について」

外部からの異物を排除する抗体

上記のことから、ABO式血液型とは、赤血球に付着している抗原の種類によって分類されたものです。

それぞれの血液型は、持っていない抗原に対する抗体を血清中に持っています。

  • A抗原を持つA型の人は、血清中に抗Bを持っています。
  • B抗原を持つB型の人は、血清中に抗Aを持っています。
  • A抗原もB抗原も持たないO型の人は、血清中に抗Aと抗Bを持ちます。
  • A抗原とB抗原を持つAB型の人は、血清中に抗Aも抗Bもありません。

抗体とは、外部からの異物を排除する役割を果たすものです。

自分にない抗原が侵入した場合、体はそれを排除しようとします。

通常は、ママとおなかのなかの赤ちゃんの血液は、混ざり合わないようになっていますが、 なんらかの原因で混ざり合い、赤ちゃんの血液中で抗原抗体反応を起こしてしまうことがあり、そのようなケースをABO式血液型不適合妊娠と言います。

参照:日本赤十字社 兵庫県赤十字血液センター「血液型について」

妊娠初期の血液型検査

妊娠初期にはさまざまな検査がおこなわれますが、そのひとつに血液型の検査があります。
ABO式と、Rh式の両方の血液型を調べるというもの。

輸血のための準備

妊娠の検査でなぜ血液型を調べるかというと、ひとつは輸血の準備のためです。

妊娠は病気ではないのですが、万が一緊急の手術にならないともいえません。

そのような場合に備えて、正確な血液型をあらかじめ調べる必要があるのです。

血液型不適合妊娠のリスク確認

そして、もうひとつの理由は、血液型不適合妊娠の確認と管理のためです。

ママと赤ちゃんの血液型の組み合わせ次第では、血液型不適合妊娠となるリスクが高くなります。

リスクが高いかどうかあらかじめ知っておけば、早期に異常を発見したり、なにかあった場合に早急に対処することができます。

不規則抗体の有無の確認

血液型不適合妊娠になるケースの多くは、ABO式血液型不適合妊娠とRh式血液型不適合妊娠ですが、なかにはまれに不規則抗体が原因で起こる血液型不適合妊娠もあります。

そのため、妊娠初期の血液型検査では、不規則抗体の検査もおこなれます。

陰性であれば問題ありませんが、陽性の場合は、抗体価の測定などその後の定期的な測定や管理が必要になります。

以前輸血を受けたことがある人や、妊娠、出産経験がある女性は不規則抗体陽性になる可能性が高いといわれています。

ABO式血液型不適合妊娠になるケースとは

ABO式血液型不適合妊娠は、お母さんのAOB式血液型と胎児のAOB式血液型が違う場合におこり得るものですが、どのような血液型の組み合わせでも起こるわけではありません。

ママと胎児の血液型が違っても問題ない場合もあります。

では、一体どのような場合に、ABO式血液型不適合妊娠になるのでしょうか?

パパとママのABO式血液型別赤ちゃんの血液型の可能性

ママと赤ちゃんとのABO式血液型の組み合わせを見る前に、まずは、パパとママとのABO式血液型の組み合わせによる赤ちゃんの血液型の可能性をみてみましょう。

パパとママの血液型別、考えられる赤ちゃんのABO式血液型

父 A 父 B 父 AB 父 O
母 A AO ABABO ABAB AO
母 B ABABO BO ABAB BO
母 AB ABAB ABAB ABAB AB
母 O AO BO AB O

上記の図でわかるようにに、パパとママの血液型の組み合わせによって、赤ちゃんのABO式血液型はさまざまです。

ママと赤ちゃんの血液型が一致しないことも多いのです。

しかし、母親と胎児の血液型が違っているからといって、ABO式に血液型が不適合であるとは一概にいえません。

参照:日本赤十字社 兵庫県赤十字血液センター「血液型について」

ABO式血液型不適合妊娠になる組み合わせは?

母親と胎児のABO式血液型が一致しないことと、ABO式血液型が不適合であるということは別物です。

母親と胎児のABO式血液型が異なり、胎児の持つ血液型抗原によって、母親の血液に免疫が作られる可能性のある組み合わせの場合に限り、不適合であるとされます。

ABO式血液型が不適合といえる母子の血液型の組み合わせは、以下のようになります。

  • ママがO型で、赤ちゃんがA型、B型の場合
  • ママがA型で、赤ちゃんがB型、AB型の場合
  • ママがB型で、赤ちゃんがA型、AB型の場合

なかでも新生児溶血性疾患をおこすのは、ママがO型の場合です。

ママがO型で、赤ちゃんがA型あるいはB型の場合、母体には抗A抗体または抗B抗体が作られます。

この母体で作られた抗体が、赤ちゃんの血球を攻撃することで新生児溶血性疾患が引き起こされます。

参照:助産婦雑誌 25巻6号 (1971年6月)「ABO式血液型不適合妊娠による新生児溶血性黄疸」

新生児への影響と治療

血液型不適合妊娠の影響は、母体ではなく胎児側に現れます。

貧血や黄疸(高ビリルビン血しょう)などの新生児溶血性疾患といわれる症状です。

ただし、胎児が子宮内で死亡するリスクもあるRh式血液型不適合妊娠に比べると、症状が軽いことがほとんどです。

治療としては、交換輸血、光線療法があります。

ABO式血液型不適合妊娠による新生児溶血性黄疸軽症のことがほとんどであり、交換輸血を必要とするケースはほとんどありません。

症状があまり見られない場合も多く、黄疸があっても光線療法でほとんどが回復します。

このように、ABO式血液型不適合妊娠の場合は、貧血、黄疸どちらも軽症ですみますので、必要以上に心配する必要はありません。

注意すべきは重症化し、命に関わるケースも多いRh式血液型不適合妊娠の場合でしょう。

参照:船戸 正久淀川キリスト教病院小児科「新生児溶血性疾患の病態と治療」
参照:Akira SATOHDepartment Obstetrics and Gynecology Fukushima Medical University, School of Medicine, Fukushima「血液型不適合妊娠」

血液型不適合妊娠による新生児溶血性疾患は2回目の妊娠でおこる?

Rh式血液型不適合妊娠の場合は、初回の妊娠では胎児への影響はなく、新生児溶血性疾患が胎児にあらわれるのは妊娠2回目以降です。

そのため、ABO式血液型不適合妊娠も初回妊娠では問題ないと思われている方もいらっしゃるようですが、それは間違いです。

ABO式血液型不適合妊娠の場合、すでに母親の体内に抗A抗体または抗B抗体が存在することもあるからです。

新生児溶血性黄疸が、初回の妊娠から発生することはあり得ます。

ただし、ABO式血液型不適合の場合は、Rh式血液型不適合のようにシリアスな症状が出ることはほとんどありません。

妊婦健診にきちんと通い、注意はしても心配しすぎないように、ゆったりとした気持ちで過ごすことが大切になってきます。

参照:日本医科大学「血液型不適合妊娠」

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