妊婦さんはカルシウム不足!?どうしたら摂れるの?

妊娠中は、赤ちゃんのことを考えると、摂取するべき栄養素がたくさんあります。

しかし毎日さまざまな栄養素を、適切な分だけとるのは、なかなか難しいものです。

今回この記事では、普段から日本の女性が不足しがちなミネラルの1種、カルシウムについて紹介します。

カルシウムは「十分な量を摂取することが難しい」といわれていますが、妊娠中の女性にとって非常に大切な栄養分なのです。

カルシウムの必要量はどのくらいで、不足したらどんなことが起こるのでしょうか。
カルシウムを手軽にとるための具体的な方法も紹介するので、チェックしてくださいね。

簡単にカルシウムを摂取して、健康なからだで妊娠生活を送りましょう。

カルシウムは妊婦さんに欠かせない栄養素


カルシウムは人間の骨や歯をつくりあげる、大切な栄養素です。
でもそれ以外にも、さまざまな働きがあることはご存知ですか?

  • 筋肉の働きを正常にする
  • 筋肉の収縮を助けます。
    陣痛を適切におこすためにも大切です。

  • 精神の働きを正常にする

    精神を落ち着かせ、リラックスさせます。
    ただでさえ不安になりがちな、妊娠中の女性にはとくに重要です。

  • 血圧を低く保つ

    血液中の塩分を一定に保つため、塩分を体内から出そうとします。

  • 身体のさまざまな機能が、カルシウムに助けられているのですね。

    カルシウムが不足すると?


    カルシウムは、お腹の中にいる赤ちゃんにも大切です。

    骨や歯をつくったり、心臓を活性化したりと、赤ちゃんの身体はカルシウムなしには成り立ちません。

    ママのからだが吸収するカルシウムが不足すると、母子のからだには、どのような影響があるのでしょうか。

    赤ちゃんへの影響は心配なし

    お母さんがカルシウムをとらないと、「赤ちゃんの発育に悪い影響があるのでは?」
    といった心配をするかもしれません。

    しかし実際には、胎児側の発育にはあまり影響がありません。
    胎児にカルシウムが不足しているときは、お母さんの身体に溜まった栄養を、赤ちゃんへ優先的に供給される仕組みになっているのです。

    心配なのはママの身体!

    赤ちゃんに危険がないからと、安心は禁物です。
    胎児のカルシウムが不足したときには、妊婦さんの歯や骨からカルシウムが運ばれます。

    そのため母体のカルシウム不足が深刻化するのです。

    カルシウム不足により、以下の症状が報告されています。

  • こむら返り

    カルシウムには神経を安定させる作用があります。
    カルシウムが不足すると、足の神経が興奮して、筋肉がけいれんする「こむら返り」が起きがちです。

  • 骨粗しょう症(骨密度の低下)
  • 骨折
  • 骨を構成するカルシウムが不足するため、骨が弱くなります。

  • 動脈硬化、妊娠高血圧症候群の促進

    カルシウムは血圧にもよい影響があるため、不足すると血圧があがりがちです。

  • これらの多くは、出産後もママの身体に悪影響を及ぼします。
    カルシウム不足はできるだけ避けましょう。

    どれくらいカルシウムをとればいいの?


    カルシウムは、人間に欠かせない重要な栄養素です。

    しかし残念ながらカルシウムは、吸収効率の悪い栄養素としても有名です。

    それでは女性にとって、とくに妊娠中のママにとって、カルシウムの必要摂取量はどれくらいなのでしょうか?

    日本人はカルシウムが普段から足りていない

    厚生労働省が実施した平成28年国民健康・栄養調査で、一般女性におけるカルシウムの必要量を調べてみました。

  • 女性の1日あたりカルシウム平均摂取量:493mg
  • 20代女性の1日あたりカルシウム平均摂取量:396mg
  • 20代女性の1日あたりカルシウム推奨量:550mg
  • 普段から女性にカルシウムが足りていないことが、明らかです。

    妊娠中はとくにカルシウムが必要なの?

    妊娠中や授乳中に、カルシウムの摂取量を特別増やす必要はありません。

    妊婦さんの身体は、カルシウムの吸収効率を普段より高めるためです。

    授乳中はママの骨密度が下がりがちですが、産後しばらくすると回復するので安心しましょう。

    ただ現代日本の多くの女性は、妊娠前からカルシウムが不足しています。

    妊娠中もカルシウム不足の食生活を続けると、ママ自身への影響が深刻化する可能性があるのです。

    この機会に、普段から健康でいるためカルシウムを積極的にとるように心がけましょう。

    つわりで食欲がないときは?

    妊娠初期はつわりで食欲が出なかったり、満足な食事ができなくなる方が多くいます。
    なかなか必要な栄養分をとれずに、心配になるママは多いようです。

    つわりがツライときは、無理して食事だけから栄養をとらなくとも大丈夫です。
    サプリメントを活用して、栄養をおぎなうことも考えてみましょう。

    必要なのはカルシウムだけじゃない!

    健康なからだをつくるために、カルシウムは不可欠です。
    しかしカルシウムが体内に吸収されていく過程には、ほかの栄養素も関わっています

    カルシウムを効率よく吸収するため、これらの栄養分についても知っておきましょう。

  • クエン酸
  • ビタミンD
  • カルシウムの吸収効率をあげる栄養素です。

    ビタミンDはママが十分に強い日光にあたることでも、体内でつくられます。

  • マグネシウム
  • マグネシウムは、カルシウムといっしょに骨を構成します。

    カルシウムとマグネシウム、両方の栄養素をしっかり摂取することが大切なのです。

    カルシウムの吸収を妨げる栄養素もある

    カルシウムの吸収率を高める栄養素があるいっぽうで、逆に吸収率を低くしてしまう栄養素もあるのです。

    食品添加物のなかには、リンと呼ばれる栄養素が多く含まれます。
    リンを摂りすぎると、カルシウムの吸収率が下がるので、スナック菓子やインスタント食品のような加工品をよく食べる方は、なるべく控えるように注意しましょう。

    効率のいいカルシウム摂取法!


    健康に必要な栄養素とはいえ、カルシウムの摂取量をあげるのはなかなか難しいことです。

    ここからは、効率よくカルシウムをとる方法について紹介します。

    オススメの食材は?

    カルシウムの摂取にもっともオススメなのが、牛乳です。

    牛乳に含まれるカルシウムは、体内への吸収率が高いことも重要なポイントです。
    牛乳が苦手なひとは、味や香りのクセが少ないスキムミルクを試してみましょう。

    インターネット上では「牛乳ではカルシウムを吸収できない」という情報もありますが、現時点では科学的な裏付けがありません。

    ただし牛乳は、マグネシウムに比べて、カルシウムの含まれる量が極端に多いことが特徴です。
    ほかの食材でマグネシウムを補給して、栄養バランスをとりましょう。

    カルシウムの吸収に役立つ食材は、ほかにもたくさんあります。
    この機会に覚えておきましょう。

    カルシウムの多い食材

    骨だけでなく、筋肉・血液・精神を正常に保つのに必要な、カルシウムを多く含む食材をみていきましょう。

  • 乳製品
  • 桜エビ
  • 海藻類
  • 野菜(モロヘイヤ、大根の葉、小松菜)
  • 大豆製品
  • ごま、アーモンド
  • マグネシウムの多い食材

    カルシウムと一緒に骨をつくるマグネシウムを、多く含む食材は下記です。

  • 海藻類
  • ナッツ類
  • 納豆
  • 豆腐
  • バナナ
  • ほうれん草
  • ビタミンDの多い食材

    カルシウムの吸収率をアップするビタミンDを、多く含む食材は次のとおりです。

  • 魚介類(鮭、カツオ、サンマ)
  • きのこ類
  • クエン酸の多い食材

    クエン酸も、ビタミンDと同じように、カルシウムの吸収率を高めます
    次の食材に多く含まれます。

  • お酢
  • レモン
  • いちご
  • トマト
  • 実際にはどう料理する?献立例を紹介!

    カルシウムが含まれる食材が分かっても、実際にどうやって食卓にカルシウムを取り入れるべきか、悩ましいものです。

    どのようなレシピが、カルシウム補給にぴったりなのでしょうか。

    料理に桜エビをチョイ足し

    桜エビは、100gあたりに含まれるカルシウムの量がとても多いので優秀な食材です。

    炊き込みご飯やパスタに混ぜて使うだけでも、カルシウムが簡単に補給できます。

    パスタに小松菜やトマトなどの野菜を足せば、さらに効果が見込めますね。

    副菜を木綿豆腐にしてみる

    実は豆腐にもカルシウム・マグネシウムともに多く含まれています。

    とくに木綿豆腐は水分が絞られており、栄養が濃縮されているため、絹ごし豆腐と比べカルシウムが多く含まれます。

    また調理工程がほとんどないため、妊娠中や体力的に動きづらい人にもオススメ。

    冷ややっこは、手間がかからないので、手軽で簡単な一品になります。

    身体に負担をかけずに、カルシウムをとっていきましょう。

    サラダにはレモン系かお酢のドレッシングを

    野菜を食べるときは、レモンやお酢に含まれるクエン酸で、せっかく摂ったカルシウムの吸収率を上げましょう。

    これ以外にも、カルシウム摂取に効果的なレシピ特集が、インターネットや本でよく組まれています。
    時間のあるときに見てみるのもよいでしょう。

    サプリは使っていいの?

    必要なカルシウムを、普段の食事だけですべて摂取するのは大変な手間と労力がかかります。

    料理好きな人でも、栄養バランスをきっちり考えて、毎食の献立を作るのは難しいのではないでしょうか。

    なるべく普段から栄養を意識することは大切ですが、不足分については、サプリメントでとっても、まったく問題ありません。

    サプリを飲むときに注意することは?

    手軽に栄養をとれるサプリメントですが、実際使うときには過剰摂取に気を付けましょう。

    厚生労働省は18~29歳女性の上限摂取量を、1日あたり3,000mgに設定しています。

    一種類のサプリだけなら、問題ないことが多いのですが、注意したいのは複数のサプリを飲み合わせるときです。

    それぞれのサプリに、カルシウムを多く含まれていたら、飲み合わせることで上限の量を超えてしまう可能性があります。

    買う前に成分をよく確認して、上限を超えないように注意しましょう

    最近はさまざまな種類のサプリメントが出てきており、妊婦さんへの影響も商品によって異なります。

    安易に自己判断をせず、産婦人科の医師に相談するのが安心です。

    極端にカルシウムを摂取し、上限を超える場合、次のような危険がでてきます。

  • 尿路結石
  • ミルクアルカリ症候群
  • ほかのミネラルの吸収抑制
  • からだに必要なカルシウムですが、摂りすぎはNGですよ。

    バランスのよい食事で健康を保ちましょう


    身体には必要だけれど、摂取量が不足しがちなカルシウム。
    しかし極端に心配する必要はありません

    カルシウムだけでなくほかの栄養分とのバランスをとりつつ、無理のない範囲でとることが大切です。
    サプリなども上手に使いながら、健康な身体で赤ちゃんを迎えていきましょう。