妊娠中にめまい、どうすればいい?原因や対処法まとめ

妊娠中のマイナートラブルといえば、嘔吐腰痛などがすぐに思い浮かぶと思いますが、そのほかのトラブルで意外と多いのがめまいです。

とくにつわりに悩まされる妊娠初期は、めまいを感じる妊婦さんが多くいます。

ただしめまいの原因は、かならずしもつわりとは限りません。

ときには治療が必要になることもあります。

ここでは、めまいの種類や原因、対処法などをまとめてみました。

めまいも妊娠中のマイナートラブル


妊娠中の女性に、マイナートラブルはつきものです。

とくに妊娠初期の女性は、身体の急激な変化により多くのマイナートラブルを感じがちですね。

妊娠初期の女性が感じるマイナートラブルの上位によく挙げられるものには、吐き気や食欲不振・匂いに異常に敏感になる・強い眠気・全身の倦怠感などがあります。

しかし妊娠中のマイナートラブルは、もっと広範囲にわたります。

めまい立ちくらみを感じるという女性も少なくありません。

佐久大学看護学部の研究レポートによると、妊娠初期のマイナートラブルとして「めまいや立ちくらみ」を感じているという女性は38.4%。

だいたい約5人に2人の女性が妊娠初期にはめまいや立ちくらみを感じているということがわかります。

赤ちゃんの部屋でも、

ママさん

(匿名):めまいがして家で倒れたので病院に行き、妊娠が判明しました。

との声もありました。

参考:佐久大学看護学部「妊娠初期のマイナートラブルによる妊婦の日常生活上の苦労・困難さに関する実態調査」

めまいの症状

お医者さんに相談するときは、どのようなめまいなのか、どのくらいの頻度で、いつからあるのかをなるべく正確に伝えることが必要です。

めまいと言っても、その症状はさまざまで、おもには次の3つに分けることができます。

回転性めまい(ぐるぐる)

小さい時に、両手を広げて同じ方向にぐるぐる回ったあと急に止まり、自分は止まっているのに自分の周りの世界がぐるぐる回っているように感じた経験は誰にでもあるでしょう。

回転性めまいは、この時のぐるぐる感に近いものがあり、突発的で一時的にめまいを起こします。

原因の多くは、平衡感覚の異常によるものです。

浮動性めまい(ふわふわ)

体が宙に浮いたような感覚や、頭がふわふわする、なんだかフラフラするというようなめまいは、不動性めまいです。

回転性めまい同様、突然おこりますが、一時的な問題で終わるものと、何日も何ヶ月も続くものがあります。

浮動性めまいの原因として考えられるのは、首の緊張や、心因性のもの、脳の異常などです。

半身が動きにくい・手足が痺れる・ろれつが回らないときは、脳に異常がある可能性が高いので、すぐに専門医に診せるべきです。

立ちくらみ

急に起き上がったり、立ち上がった時に、目の前がふっと暗くなって、意識が遠のくような感じがしてふらつくことを立ちくらみと言います。

低血圧や、自律神経の乱れ、脱水症状が原因でおこることが多いタイプのめまいです。

参考:慶応義塾大病院「めまい」
参考:一般社団法人日本神経学会「めまいとは」
参考:国立循環器病センター「めまいと循環器病」

妊娠中のめまい、主な原因を紹介!

妊娠中のめまいの原因はさまざまです。
妊娠が間接的な原因となっているものもあれば、別の病気が潜んでいることもあります。

どんなことが原因になっているのか、以下詳しくみてみましょう。

自律神経の乱れ

妊娠すると、体内のホルモンバランスが変化します。
ホルモンバランスが変わり、自律神経が乱れると体にさまざまな症状が出てくるのです。

倦怠感、頭痛、肩こり、動悸などの症状に加えてめまいがおこることもあります。

妊娠初期はとくに、ホルモンバランスが変化する時期であり、自律神経が乱れがちです。

また妊娠すると気持ちが不安定になる人もいて、それが自律神経をさらに乱れさせる原因となっていることもあります。

自律神経の乱れは妊娠中には多かれ少なかれおこりえることですが、睡眠を十分にとってゆったりと過ごすことである程度の改善が期待されるでしょう。

脱水症状

つわりで嘔吐などがひどい場合は、水分不足がちになります。
また妊娠中は汗をかきやすいため、普段以上に水分の補給が大切です。

めまいは、体の水分が不足した時によく見られる症状のひとつ。
脱水状態になると大変危険ですので、嘔吐がひどいどきや、汗をよくかいた時には、水分補給をしっかりしましょう。

また、妊娠悪阻(つわり)の初期症状として、めまいが見られることもあります。
空腹時でも嘔吐する、体重が著しく減少するなどの症状とともに、めまいがある場合は、担当の医師に相談しましょう。

参考:日本医科大学多摩永山病院女性診療科医局:「周産期看護マニュアル よくわかるリスクサインと病態生理」

低血圧

妊娠中の血圧のトラブルというと高血圧を心配する人が多いのですが、血圧は低すぎてもよくありません。

妊娠中の血圧は通常より低くなる人も多く、平均するとだいたい、上の血圧で100〜112mmHg、下の血圧で60〜68mmHgです。

血圧が上記よりも低くなると、急に立ち上がった時に立ちくらむなど、めまいをおこしやすくなります。

妊娠初期はつわりによる水分不足や、血液量の変化から低血圧になりやすいものです。
また中期〜後期にかけては、大きくなったお腹が静脈を圧迫して血流が悪くなり低血圧をひきおこすこともあります。

血圧についてもっと詳しく知りたい方は、下記を参照してください。

参考:高地医療センター参加「妊婦さんのための血圧手帳」

貧血

妊婦さんの中には、妊娠が原因で貧血をおこす人もいます。
それらの総称を妊婦貧血といい、それがめまいの原因となっているケースもあるようです。

妊婦貧血には、妊娠が理由の鉄分不足からくる鉄欠乏性貧血、葉酸不足からくる葉酸欠乏性貧血、あるいはその両方からくる貧血があります。

症状としては、めまいだけでなく、動悸や息切れも伴うことも多いでしょう。

血液検査でHb 値、Ht 値を調べることで診断できます。

妊娠中のめまいは貧血が原因と思い込んで、鉄分のサプリを自己判断で摂取する人もいます。

しかし貧血の原因は鉄分不足だけでなく、葉酸不足である可能性もありますので、自己判断は厳禁です。

貧血がひどくなると胎児の発育にも影響しますので、気になる場合は受診し、適切な治療を受けましょう。

「自分のめまいは貧血が原因かも?」と思い当たる方は、下記の記事を参考にしてください。

参考:日本産婦人科新生児血液学会「妊婦貧血とはどんな病気ですか」

三半規管の問題

回転性のめまいがする場合、まれに耳の三半規管に問題がある場合もあります。

三半規管は体の平衡感覚と関係しており、三半規管になんらかの異常がおこると、くるくると目が回るタイプのめまいをおこすことがよくあります。

めまいが強く、立っているのが難しい場合や、耳鳴り・耳の聞こえにくさを伴う場合は、三半規管に問題がおこっているのかもしれません。

めまいをおこす代表的な耳鼻科の疾患には、メニエール病前庭神経炎突発性難などがあります。

治療には耳鼻科の受診がすすめられます。

参考:八重洲クリニック「めまい外来」

めまいによる転倒を予防しよう


妊婦さんのめまいで、もっとも気をつけたいことは、決して転倒しないこと。

妊婦さんでなくても、めまいでの転倒は危険ですが、妊婦さんの場合、普通の人ならなんでもない腰やお腹への打撃が大きな事故にもつながりかねません。

めまいによる転倒を予防するためには以下のことに注意しましょう。

ゆっくりと立ち上がる

立ちくらみの原因の一つは、急激な血圧の低下です。

寝ている状態から起き上がる時、座っている状態から立ち上がる時などは、血圧が低下しやすいもの。

また意外と忘れがちなのが、お風呂場やトイレです。

ゆっくりと起き上がる、立ち上がるようにすると、急激な血圧の低下は防げます。

こまめに休憩する

妊娠中は、以前はなんでもなかった距離を歩いただけでも立ちくらむことも。
普段よりもゆっくり歩き、必要なら途中で休憩を入れましょう。

家の中で家事をしている時も、長く立ち仕事をすると思った以上に疲れるものです。

ムリをするとめまいを起こしやすくなるので、ちょっと疲れたなと思った時には、横になって休憩しましょう。

頻繁にめまいがあるような時は、車の運転は危険ですので、控えましょう。

手すりを使う

めまいは急にやってきます。

電車やバスでは、無理せずに座るか、立っている場合はつり革や手すりにしっかりとつかまりましょう。

階段の登り下りも、手すりを使うようにしてください。

すぐにしゃがむ

めまいを感じたら、すぐに椅子に座るか、その場にしゃがみこむようにしましょう。
それでも目が回るようなら、室内であれば少し横になって休んでください。

ひどいめまいは病院へ

妊娠中のめまいは、ほとんどはがつわりによる脱水症状や、一時的な血圧の低下によるものです。

ゆっくりと過ごすことで症状が改善されるので、めまい以外にとくに気になる症状がなければ、そこまで心配する必要はありません。

ただし妊婦健診時には、念のため担当医に相談してみてください。

その時には、めまいの症状(ぐるぐるするとか、ふわふわするなど)や頻度、めまいがどんな時におこるかなどを伝えます。

ただしめまいに以下のような症状が加わる場合は、妊婦健診まで待たずに早めに病院でしっかり調べてもらう方がよいでしょう。

  • 嘔吐物に血液が混じる
  • ひどい頭痛を伴う
  • 1日に何度も立っていられないくらい激しいめまいに襲われる
  • めまいが1日中ずっと続く
  • 難聴や耳鳴りがある
  • 手足のしびれがある
  • ものが二重に見える

めまいの予防改善対策

貧血や三半規管の異常や、なんらかの疾患が原因のめまいでない限り、自己管理をしっかりすることで予防、改善は可能です。

十分な睡眠時間に、水分補給、そしてムリをしないことがポイントです。

規則正しい生活

妊娠中は、ホルモンのバランスが大きく変化するため、どうしても自律神経が乱れがち。
だからこそ規則正しい生活を心がけることが大切です。

もっとも重要なのは、十分な睡眠時間を確保することでしょう。
睡眠不足は、慢性的な倦怠感自律神経の乱れをさらに悪化することにも繋がります。

夜中に目が覚めてよく眠れない時などは、お昼間に少し横になるなどして、睡眠不足を補いましょう。

常にゆっくりゆったり動く

急に起き上がったり、立ち上がったりしないようにするのはもちろん、妊娠中は常にゆっくりとゆったりと動くようにしましょう。

歩く速度も、少しスローに感じるくらいでちょうどいいのです。

全然運動しないのも問題ですが、激しい運動や、長時間立ちっぱなしや、長距離歩くなど疲れるほど動くのは避けましょう。

ムリな姿勢を我慢すると、体の血液の循環が悪くなり、めまいを起こすこともあります。

妊娠中は、体に余計な負担をかけないよう楽な姿勢で過ごし、動くときはゆっくりとが基本です。

十分な水分補給

妊娠中は、汗をかきやすくなったり、つわりの嘔吐で水分不足になりがちです。
体の水分が不足すると、脱水症状をおこしてしまい、吐き気やめまいなどの症状がおこりやすくなります。

喉が渇いたらこまめに水分を補給することが大切です。

またつわりの時期は、どうしても食事が十分に取れないという方が多くなります。

いつも食事から摂取していた水分まで補えるように、普段より少し多めに水分を取るようにしましょう。

バランスの取れた食事

つわりがきつい時期は難しいと思いますが、妊娠中は、普段以上に食事による体調管理が大切になってきます。

低血圧や高血圧、貧血を予防する意味でも、栄養のバランスがとれた食事を取るように心がけましょう。

妊娠中に何を食べたらよいか悩んでいる方は、「【管理栄養士監修】「妊婦さんの食事にオススメ」妊娠中にいい食べ物の献立や量まとめ」を参考にしてくださいね。

禁煙

喫煙は血管を収縮させ、脳や皮膚の血流を阻害します。
結果として、めまいがおこりやすくなるのです。

さらにママだけでなく、タバコの煙の一酸化炭素やニコチンはお腹の中の赤ちゃんの低酸素状態も招きます。

妊娠前に喫煙していたママも自分のためにも、赤ちゃんのためにも妊娠したら禁煙しましょう。

参考:東京都福祉保健局「妊婦の喫煙防止」

素人判断せずに産婦人科に相談を

妊娠中は、さまざまな原因からめまいがおこりやすいものです。

ほとんどの場合は、ゆったりとムリせずに過ごすことで対処できる程度のものですが、なかには、たかがめまいと放置すると危険なケースもあります。

妊娠中のめまいの原因は人によって異なり、原因が違えば対処法や、治療法も変わってくるもの。

対処法を間違えると、かえってめまいを悪化させてしまったり、別のマイナートラブルを引き起こすこともあります。

めまいがひどい時は、まずは、産婦人科の担当の先生に相談してみましょう。

アンケートに答える

【3~5歳未満のお子様がいる方限定】お子様のものを購入するとき、一番お金をつかってしまうものは何ですか?

読み込み中 ... 読み込み中 ...