【医師監修】切迫早産とは?原因と予防方法、安静度はどれくらい?

妊娠中は流産や早産など、ママや赤ちゃんの身体に危険を及ぼす恐れのあることが起こり得ます。
正期産である妊娠37~41週6日より早く生まれることを「早産」と呼びますが、その一歩手前の状態を「切迫早産」といいます。

現在妊娠中の方は、切迫早産のことを理解し、実際に早産にならないために予防をすることが大切です。
ママと赤ちゃんが無事に健康で出産を終われるよう、切迫早産の原因や対処法、予防法などを見ていきましょう。

切迫早産とは?

「切迫早産」とは何かを説明する前に、「早産」について少し説明します。

早産は妊娠22~36週の間に生まれること

早産とは、妊娠22~36週までの間に赤ちゃんが生まれてしまうことです。
本来であれば妊娠37~41週6日の正期産と呼ばれる時期に生まれますが、何らかの原因によって赤ちゃんが早く生まれてしまうことがあるのです。
早産は全体の妊娠の3~5%を占めます。

現代の医療では妊娠22週という早すぎる時期に赤ちゃんが生まれたとしても、集中管理で生き延びることが可能といわれています。

しかし、まだ身体が十分に出来上がっていない状態で生まれると、障害や後遺症を発症する可能性が高くなるのです。

切迫早産は早産の一歩手前の状態

切迫早産とは、妊娠22~36週の間に子宮収縮が頻繁に起こったり、子宮口が開いたり、破水して羊水が外に漏れている状態を指します。

なお、妊娠21週までは切迫流産とされます。

これらは本来であれば妊娠37週以降に起こるため、早産の一歩手前の状態なのです。

切迫早産と診断されると、正期産に入るまでに安静にすることを指示されたり、薬を投与して早産になるのを防ぎます。

切迫早産の原因

切迫早産はなぜ起こってしまうのでしょうか。
切迫早産になる原因は、ママの身体的な問題や精神的なストレス、赤ちゃんの状態がいくつか挙げられます。

絨毛膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん)

早産の主要原因として、もっとも注目されるのは前期破水です。
前期破水の原因としては絨毛膜羊膜炎の関与が注目されています。
したがって、生殖器の細菌感染による炎症が切迫早産を引き起こす原因として考えられています。

現在は、切迫早産を防ぐ研究が進められていて、治療薬も開発中です。
その他、ママ側、赤ちゃん側で以下のような原因も考えられます。

ママ側の原因

  • 妊娠高血圧症候群
  • 心臓病、腎臓病、糖尿病などの合併症がある場合
  • 子宮頸管無力症、子宮筋腫や子宮奇形など子宮そのものに異常がある場合
  • 精神的なストレス
  • 疲労

また、細菌性膣症からの絨毛羊膜炎を起こす場合もあり、原因不明とされていた早産の多くは、この「絨毛羊膜炎」が原因とわかってきました。

赤ちゃん側の原因

  • 双子以上の多胎妊娠
  • 羊水過多、羊水過少
  • 胎児機能不全

切迫早産はこれらの原因に加えて、疲労などが重なったときに起こりやすくなります。
仕事をしている場合は何かと無理をしがちです。

切迫早産で安静になった場合、旦那さんやご家族など、周りの人に家事を手伝ってもうなどのサポートをしてもらい、休める時間を多くつくり、無理をしないことが何より大切です
過労やストレス、冷えも子宮を収縮させることがあるので、十分に睡眠をとったり、夏でも体が冷えないように工夫をしましょう

特に初産婦さんでは子宮の張りの程度は自分で判断するのは難しいものです。
正常範囲の子宮収縮かと思っていたら、健診の検査で切迫早産が判明した!ということも少なくありません。
いつもと何か違うと感じたら、すぐにかかりつけの医師に相談しましょう

切迫早産の自覚症状や兆候

切迫早産は早産の可能性が高い状態ですが、これをママ自身で知ることはできるのでしょうか。

お腹の張りや下腹部の痛み

妊娠後期にもなるとお腹が張ることが多くなりますが、横になって休んでも治まらなかったり、下腹部に痛みを感じる際は切迫早産の可能性があります。

お腹の張りは妊婦さんによって異なりますが、いつもより張りが強いと感じたら要注意です。
30分以上も張りが続く場合は、すぐに医師に相談しましょう。

妊娠中のお腹の張りは通常は休むと治まりますが、治まってもしばらくするとまた張ることもありますので、その場合も医師に伝えることをおすすめします。

出血

出産が近づくと、「おしるし」といわれる出血が起こる場合があります。
ただし、おしるしと呼ばれるのは妊娠37週以降の正期産の場合です。

妊娠22~36週までの間に出血があれば、切迫早産の疑いがあります。

出血のしかたはさまざまで、少量の出血もあれば大量に血がでることもあります。
まれにレバー状の血が出ることもあるようです。

妊娠37週に満たない時期に出血があった際には、少量でも必ず医師に伝えましょう。

なお、出血の原因は切迫早産に限らず、ポリープや子宮膣部びらんの場合もあります。
いずれにせよ早期発見が大切ですので、大事を取ることをおすすめします。

破水

破水は胎児や羊水を包んでいる膜が破れ、羊水が外に漏れることを指します。
破水は陣痛の前後に起こり、出産が近づいている証拠です。
妊娠37週未満で破水が起こると、早産の危機が迫っています。

妊娠後期は子宮が膀胱を圧迫するため、尿漏れを起こすことがあります。
よって破水しても尿漏れと勘違いしてしまったり、またはその逆もあるのです。
破水かどうかを見極めるために、下記のチェック項目にあてはまるか確認しましょう。

  • いきまなくても漏れる
  • 水のようにサラサラしている
  • 無色で匂いがない

この3つが当てはまれば、破水している可能性が高いといえます。

正期産では破水があればすぐに病院に来るように指示されますが、妊娠37週以内でも破水と思われる症状があればすぐに病院に連絡して指示を仰いでください。

切迫早産の症状や兆候として、ほかにも茶色のおりものが出たり背中が痛くなったりすることがあります。
病院では子宮頚管の長さを測り、触診で子宮口がどれくらい開いているのかなどを診て判断します。