【医師監修】「子宮外妊娠」兆候や原因、症状とは?手術は必要?検査方法は?

子宮外妊娠の兆候や原因

子宮外妊娠の確率は、100人にひとりと言われています。
誰にでも起こりうることですので、油断は禁物です。

子宮外妊娠の兆候があらわれはじめるのは、6週目あたりくらいからです。
また、正常妊娠であれば、6週目すぎには、エコー検査によって、子宮内の胎嚢が確認できる時期になります。

この時期に、産婦人科の診察を受ける必要があるのは、そのためです。
ここでは、子宮外妊娠の場合、具体的にどのような兆候や症状が見られるのかを、その原因とともに詳しく見ていきましょう。

子宮外妊娠の兆候

子宮外妊娠の場合、6週目をすぎたあたりから、以下のような症状がじょじょにあらわれはじめます。

不正出血

正常な妊娠でも、不正出血することはありますが、それよりも出血の量が多いのが特徴です。
また、最初は、少ない量だったのが、じょじょに出血量が増えていく傾向にあります。

下腹部の痛み

子宮外妊娠でもっとも多いのは、卵管での着床です。

しかし、卵管には収縮性がありませんので、卵管内で受精卵が成長を始めると、下腹部痛を感じるようになります。

痛みの感じ方には個人差があります。
生理痛のような痛みがあったという女性もいれば、突き刺すような痛みがあったという女性もいます。

また、放っておくと、卵管破裂を起こし、気を失うほどの痛みやショック症状をおこすこともあります。

腰痛

卵管内で受精卵が成長することによって、下腹部に痛みを感じる場合もあれば、腰痛を感じる女性もいます。
腰がだるい感じがするという声もあります。

子宮外妊娠の原因

子宮外妊娠となるのは、次の3つのことが原因していると考えられています。

卵管の異常

卵管とは、受精卵を卵巣から子宮へと運ぶ管のことです。

しかし、その卵管が、子宮内膜症や、性感染症、過去の開腹手術によって癒着をおこしている場合があります。
卵管内に癒着があると、受精卵が卵管を移動できずに、卵管で着床してしまうのです。

まれに、卵管結紮などの卵管不妊手術を受けている女性が子宮外妊娠になるケースも見られます。

受精卵の輸送時の問題

卵巣から飛び出した受精卵は、卵管采によって卵管内に取り込まれるのが通常です。

しかしこのときになんらかの原因で、受精卵が卵管内に取り込まれず、腹腔内に飛び出して、腹腔内や卵巣の外側に着床してしまうことがあります。

子宮の問題

過去に、中絶の経験があったり、避妊具を子宮内に装着していたことがある場合、子宮内の環境がなんらかの変化を起こし、子宮外に受精卵が着床することがあります。

子宮外妊娠になりやすい人

子宮外妊娠は、誰にでもおこる可能性がありますが、以下にあてはまる場合、そうでない人よりも子宮外妊娠になりやすいと言われています。

腹部手術を受けた経験がある人

開腹手術を行った場合、術後に腹腔内で癒着がおこる可能性が高くなります。
手術の影響で、卵管が炎症、癒着をおこすこともあり、それが子宮外妊娠をひきおこす原因になる場合もあります。

性感染症にかかったことがある人

クラミジア感染症などの性感染症にかかると、骨盤内で炎症がおこりやすくなります。
その時、卵管炎を併発することも多く、それが卵管の癒着をひきおこします。
また、卵管内に癒着がない場合でも、炎症によるダメージで、卵管の繊毛運動が弱まって、受精卵をスムーズに子宮まで運ぶことができなくなることもあります。

子宮内膜症の人

子宮内膜症は本来は子宮内にできるはずの内膜が子宮の外にできてしまう病気で、悪化すると、子宮とその周りにある卵管や、卵巣、腸が癒着してしまうこともあります。

子宮外妊娠の経験者

過去に子宮外妊娠を経験し、卵管保存手術を受けている場合は、再発する可能性が高くなります。

子宮外妊娠の検査方法

子宮外妊娠でも、受精卵の着床はおこるので、正常な妊娠と同じように妊娠検査薬は陽性を示すということは、先に説明した通りです。

また、早い時期に卵管で自然流産してしまう場合もあり、痛みがほとんどないケースでは、生理とかんちがいされることもあります。
では、どのようにして、子宮外妊娠と判断すればいいのでしょうか。
以下に詳しくみてみましょう。

妊娠検査薬での検査

妊娠検査薬での検査は、正常妊娠、子宮外妊娠ともに陽性を示します。
ですので、妊娠検査薬の結果だけでは、正常な妊娠かどうかという判断はできません。

また、どちらでもなく、ただ生理が遅れているという場合には、陰性となります。

超音波検査

妊娠検査薬が陽性になっただけでは、正常な妊娠か子宮外妊娠かの判断はできませんので、胎嚢が子宮内にあるかどうか確認する必要があります。

この時、被曝の危険のあるX線ではなく、安全な超音波を使った検査が行われます(エコー検査と呼ばれることもあります)。

超音波検査には、膣の中にプローブと呼ばれる探触子を入れて調べる経膣超音波検査と腹部の上からプローブをあてる経腹超音波検査があります。

胎嚢が確認できるのは、はやくて5週目、遅くとも6週目と言われています。
このような初期の段階では、小さな胎嚢を見つけやすい経膣超音波検査が行われます。

この検査で子宮内に胎嚢が確認できれば、子宮外妊娠の可能性はなくなります。

しかし、妊娠周期は人によって、個人差があります(生理の周期が一定でない人ほど確定は困難になります)。
ですので、妊娠はしているが、まだ胎嚢が小さすぎて確認できない可能性もあり、この段階で胎嚢が見えないだけでは、子宮外妊娠とはいいきれません。

hcg検査

超音波検査で子宮内に胎嚢が確認できなかった場合には、採血してhcgというホルモン値を測定するhcg検査も平行して行われることになります。

正常な妊娠の場合は、hcg値は妊娠10週目くらいまで倍々に急増するものです。
しかし、減少傾向にあったり、横ばい傾向にある場合は、子宮外妊娠や、流産が疑われます。

子宮外妊娠の診断は、上記のような検査を組み合わせておこなわれることになります。
正常妊娠の診断は、胎嚢が子宮内に確認されれば簡単にできるのですが、子宮外妊娠の診断は、それ以上に難しいものです。

しかし、子宮外妊娠を放っておくと、卵管破裂や、それにともなう腹腔内大量出血で命を落とす危険もあります。
そのような危険を回避する意味でも、妊娠が疑われる場合は、早めに産婦人科に診察に行くことが重要になってきます。

最後に、子宮外妊娠の治療について詳しくみていきましょう。