【医師監修】「陣痛とは」始まりは?間隔や時間の測り方は?経産婦で痛みは変わる?

陣痛は出産前の兆候のひとつで、妊婦さんであれば誰もが通る道です。
陣痛は痛みが続くわけではなく波があり、その間隔が出産までの時間を測る手がかりになるのです。
陣痛が始まる前に起こる兆候もいくつかあり、それを知っていることで出産に対する準備を行えます。

出産を控えている方は、初産婦、経産婦問わず陣痛の仕組みや兆候時間の測り方などを把握して、できるだけ安心して出産にのぞめるようにしておきましょう。

陣痛とは?

陣痛とは赤ちゃんが「子宮」から「子宮頚部」、そして「産道(腟)」を通って外の世界へ出る際に起こる子宮の収縮やそれにともなう痛みのことです。

ひとことで陣痛といっても細かい段階があります。
大きく分けると第1期第2期第3期に分けることができます。

分娩第1期(開口期)

上記で説明したように陣痛には第1期~第3期までの段階があり、第1期は「潜伏期」と「活動期」という状態があります。

分娩第1期の潜伏期

陣痛が徐々に強くなります。
潜伏期は初産の場合だと平均約8~10時間続きますが、個人差があり、2~3時間かかることもあれば1日かかるケースもあります。

潜伏期は子宮口を広げるために子宮頚部が薄くなっていきます。
子宮の収縮にともなう痛みを感じますが、痛みは動けないほどの痛みではないので、歩き回れます。
そのため、前駆陣痛だと勘違いするママもいるのです。

陣痛の間隔

  • 5~10分(個人差はありますが、我慢できる痛みで、会話や食事も可能な痛みです)

痛みを感じる時間

  • 30~40秒

子宮口開大

  • ~4cm

分娩第1期の活動期

子宮が4cm~10cmに広がります。陣痛の時間も徐々に長くなり、赤ちゃんが産道のほうへ下降し始めます。
痛みは子宮口開大・子宮下部への圧迫・伸展による下腹痛と腰痛が主です。

陣痛の波が3~5分間隔で、1分ほど続きます。多くの方は活動期に破水します。

陣痛の間隔

  • 3~5分
    (個人差はありますが、激しい痛みを感じ、いきみたい感覚になりますが、息を吐くようにして我慢しましょう。陣痛がない時は会話や歩くこともできます)

1回の陣痛の持続時間

  • 1分程度

子宮口開大

  • 4~10cm(全開)

分娩第2期(娩出期)

分娩第2期では、子宮口が全開(通常径10㎝)になり、赤ちゃんが産道を下って娩出されます。

この時、陣痛間隔が1~2分で1回の陣痛が60~90秒になり、子宮内圧も高くなっていきます。
さらに赤ちゃんの頭が下がってくることで圧迫感があり、産痛といわれる下腹部や腰痛などの疼痛も加わり、痛みがより一層増すのです。
ママは痛みだけでなく、顔面の紅潮や発汗、頻脈などを経験するでしょう。

分娩第2期の平均所要時間は1~2時間で、赤ちゃんの心拍数が減少したり、ママの出血が多かったりするため注意を必要とします。

助産師さんの指示でいきみ始めます。
出産の過程でもっとも体力を要し、ママはかなり大変な思いをしますが、赤ちゃんと対面できるまであと1歩のところで、妊娠・出産のクライマックスともいえるでしょう。

陣痛の間隔

  • 1~2分

1回の陣痛の持続時間

  • 60~90秒

子宮口開大

  • 10cm(全開)

分娩第3期(後産期)

分娩第3期(後産期)は赤ちゃんが出てきてから胎盤を取り除くまでを指します。
分娩第3期(後産期)は15~30分ほどの時間を要しますが、経産婦であればこれより時間が短い傾向にあります。

赤ちゃんが出てきたら陣痛は終わりと思う方も多いでしょう。
しかし、陣痛は赤ちゃんが出てきてからおよそ15分後に再び始まります。
これは後期陣痛と呼ばれ、胎盤を摘出する際に必要な痛みなのです。

後期陣痛は出産後2~3日間続き、長いと治まるのに1週間かかる場合もあります。

陣痛の原因は?いつ始まる?


陣痛が起こる原因はいまだ明確にされていませんが、ひとつの有力な説があります。
陣痛が起こり得るタイミングについて、みてみましょう。

陣痛の原因

出産にはなぜ陣痛がともなうのでしょうか?

出産が近づくと、赤ちゃんを押し出すために黄体ホルモンが減少し、その影響で子宮が収縮します。
この子宮収縮が陣痛につながるのですが、子宮口が開いたり赤ちゃんが産道を通る際の痛みもあり、陣痛は激しい痛みをともないます。

陣痛は赤ちゃんが無事に出てくるために必要な痛みなのです。

陣痛が始まるタイミング

妊娠すると出産予定日が算出されますが、実際に出産予定日に生まれてくるのは20人に1人といわれています。

妊娠37週から41週までの間は正期産と呼ばれ、赤ちゃんがいつ生まれてもおかしくない期間です。
陣痛は通常この正期産の間に起こりますが、早産や過産期(妊娠42週以降)の場合はこの時期の前後に陣痛が起きます。

42週を過ぎても陣痛がこない場合は、促進剤で陣痛を誘発することがあります。

陣痛が始まる時間帯やジンクス

新潟県立看護大学が行った研究結果によると、陣痛がいちばん多く始まったのは午前1時~3時の間、その次に多かったのが午前3時~5時の間だったそうです。

理由として、自律神経は「交感神経」と「副交感神経」がありますが、リラックスしている状態で働く副交感神経が陣痛を引き起こすといわれています。
夜はリラックスしていることが多いため、副交感神経が働いて陣痛が起こりやすくなるのでしょう。

また、台風が来ると陣痛が引き起こされるというジンクスもありますが、これは「低気圧」が自律神経に影響を与えるためだそうです。

他にも満月の夜は陣痛が起こりやすい、焼き肉やカレーを食べると陣痛が起こりやすいなど、さまざまなジンクスがありますが、これらは医学的には証明されていません。

前駆陣痛と本陣痛


陣痛は「前駆陣痛」と「本陣痛」の2種類があります。
前駆陣痛は弱かったり強かったりと痛みの度合いが不安定で、間隔も不規則です。

それに対して本陣痛はお産が近づくにつれて痛みが増し、規則的に波がきます。

前駆陣痛と本陣痛を見分けるポイント

  • 前駆陣痛は不規則で時間が経過しても一定の間隔にならないのですが、本陣痛は時間が経つにつれて規則的になっていきます。
  • 前駆陣痛は陣痛の強さが増したり時間が長くなったり、回数が多くなったりしませんが、本陣痛は徐々に強さが増し、時間も長くなり回数も増えます。
  • 前駆陣痛はお腹の前や下腹部に痛みを感じますが、本陣痛は下腹部からの痛みが徐々に腰全体に広がります。
  • 前駆陣痛の痛みは生理痛に似ていると感じる方が多く、陣痛だと気付かないママも沢山いるようです。

前駆陣痛から本陣痛に変わるのはいつ?

前駆陣痛が起こると、しばらくして本陣痛に変わりますが、前駆陣痛から本陣痛にシフトするまでの期間は2週間~1ヶ月といわれています。
しかし中には前駆陣痛と思ってのんびりしていると、あっという間に陣痛の間隔が短くなり動けないほどの痛みにさいなまれたという方もいます。

前駆陣痛のようなものが始まっても、基本的に慌てて病院を受診する必要はありません。
病院に行ったとしても本陣痛ではないと判断され、帰宅されることがほとんどです。
本陣痛かもしれないと思ったら、まずは時間を置いて規則的な痛みがくるのか、痛みが増しているかなどで見極めるようにしましょう。