妊娠中の海外旅行はリスクだらけ!?後悔しないための事前準備

妊娠がわかり、幸せで嬉しい気持ちと同時に「赤ちゃんが産まれたらなかなか旅行に行けないから、いまのうちに遠くへ行きたい」「妊娠中に海外でベビー用品を買い物したい」といった具合に、海外旅行したくなる人もいるでしょう。

ご主人の転勤や、親族・親しい友人の結婚式などで、やむをえず海外にでかけなくてはならないケースもあるかもしれません。

身体が不安定な妊娠中は、ふつうに生活しているだけでも、それなりのリスクがともないます。
かかりつけ医のそばを離れて勝手のわからない海外に行くならなおさら、なにかおこる危険性が増すといえるでしょう。
どのようにしたら、すこしでもそのリスクを減らせるのでしょうか?

今回は妊娠中の海外旅行のリスクや、後悔しないための事前準備について説明していきます。

妊娠中の海外旅行のリスクとは

まずは、妊娠中に海外に行く場合におこりうるリスクについてみていきましょう。

環境の変化によって体調に影響が出やすくなる

妊娠中の身体はデリケートです。
ささいなストレスや衝撃、疲労や寝不足が原因で、身体にさまざまなダメージが出やすくなります。
生活環境がガラリとかわる“非日常”である海外旅行は、刺激に満ちているため、ふだん以上に身体に悪影響をおよぼす可能性があるといえるでしょう。

また、海外旅行につきものの飛行機で長距離を移動することによって、“エコノミークラス症候群”になることがあります。

エコノミークラス症候群とは、長時間おなじ体勢で座り続けることによって、血行不良をひきおこし、血栓(血のかたまり)ができる症状のことです。
血栓が肺にいくと肺塞栓などをおこし、最悪の場合には死にいたるケースもあります。

妊婦さんは通常時より6倍、エコノミークラス症候群になりやすいといわれ、さらにおなかの赤ちゃんに血栓ができてしまうケースもあるため、注意が必要です。

妊娠初期の体調への影響は【流産】

流産の8割以上が、妊娠初期の12週までにおこるといわれています。
加えて妊娠初期は、激しいつわりや眠気、頭痛や腹痛といったマイナートラブルで悩まされることが多いもの。

体調が不安定になりやすいこの時期は、長距離の移動や、刺激の強い環境には向いていません。
なにかあったときにすぐ対応できるよう、なるべくかかりつけ医の近くで過ごすべきでしょう。

胎盤が安定していない妊娠初期は、海外旅行のみならず、遠方への国内旅行も避けたほうが無難です。

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妊娠後期の体調への影響は【早産】

妊娠後期になると、おなかが大きくなるにつれて体重も増えて動きにくくなり、ふとしたことでつまずいたり、転んでしまったりすることもあるでしょう。

この時期に無理をしてしまうと、出産予定日よりかなり前でも、破水や激しい腹痛などが起こり、早産につながりやすくなります

妊娠健診の間隔も短くなる妊娠後期は、海外旅行はあきらめて安静に過ごし、出産にそなえるべき時期です。

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妊娠に関わるトラブルには、海外旅行保険で補償されないことが多い

妊娠中の海外旅行は、ふだんの旅行以上に“予期せぬ事態”にそなえなければなりません。
海外旅行保険への加入を検討する人も多いでしょうが、妊娠や出産にまつわる医療費まで補償してくれる保険は、じつは限られています

AIU保険会社の海外旅行保険なら、妊娠22週未満であれば妊娠・出産に関する補償もされますが、妊娠後期までカバーしている保険は、日本国内にはないようです。

なにかおこるリスクが高いにも関わらず、万全な補償をする保険に入りづらいのが妊娠中のネックといえるでしょう。

飛び込みでの出産受入は困難

万が一旅先で体調が急変し、病院に駆け込んだ場合には、非常にリスクのある出産となるでしょう。
体調が急変するだけでも危険な状況ですが、とびこみ先の病院は、その妊婦さんの状態をまったく把握していないため、適切な処置ができないこともあるのです。

渡航先によってはそれに加えて、医療設備や技術が不十分だったり、言葉の壁があることも考えられます。
責任がとれないために、病院によっては受け入れを拒否されることもあるようです。

海外の出産費用は超高額なことも!

なんとか病院に受け入れてもらえ、無事に飛び込み出産を乗り切ったとしても、話はそれだけでは終わらない可能性があります。
海外での医療費・出産費は、日本人が考える以上に高額になることがあるからです。

たとえば医療費が高額であることで有名なアメリカの場合には、救急車に乗るだけで500~600ドル、ICU(集中治療室)に入院した場合には1日10,000ドルほどがかかるといわれています。
ふつうの病気や怪我の入院でも数百万円~1千万円はかかることが多く、緊急事態で出産した場合には、母子ふたりぶんのケアで、ヘタをすると億単位から請求されることもあるのです。

海外旅行保険では補償対象外となることが多い出産費用ですから、とてもリスキーといえるでしょう。

妊娠中に海外旅行に行くときの注意事項

妊娠中に海外へ行くことのリスクがわかっていても、海外旅行があきらめきれなかったり、パパの転勤などでどうしても渡航しなければならないこともあるでしょう。
そんな場合には、どのようなことに注意すべきでしょうか。

必ず安定期に行く

どうしても海外に行くなら、妊娠16週から27週あたりの安定期をねらっていきましょう。

妊娠5ヶ月から7ヶ月の安定期と呼ばれる時期は、流産の確率もぐっと下がり、つわりなども落ち着いてきます。
アクティブに動きやすくなるこの時期は、遠出しやすいといえるでしょう。

ただし安定期だからといって、ぜったいに安心というわけではありません
安定期というのは、あくまで胎盤が完成し、ひと段落ついた時期をさします。
妊娠中のデリケートな身体であることに変わりはありません。

持病があったり、妊娠高血圧症・妊娠糖尿病・流産・早産の経験者や高齢初産の方などは、たとえ安定期であってもふつうの人よりリスクが高くなります。

いずれにせよ、渡航前にはかならず主治医に相談し、必要に応じて日本語の紹介状や英文の診断書をもらっておきましょう

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飛行機は通路側を利用し、まめな水分補給をする

妊娠中は、エコノミークラス症候群になりやすく、体調を崩しやすい時期でもあります。
飛行機での移動時には、いつでもトイレにいきやすく、リフレッシュもしやすい「通路側の座席」がおすすめです。

血栓をふせぐためにも、機内では足のストレッチやマッサージ、通路の散歩などを定期的に行っておきましょう

体内が渇くことによっても血栓ができやすくなるため、こまめに水分補給をすることも大切です。
利尿作用のあるカフェイン飲料を飲むと逆効果のこともあるため、ミネラルウォーターやスポーツドリンクといったノンカフェインの飲みものを選びましょう

航空会社によっては、事前に座席指定できたり、空港内や機内などで優先的にサポートを受けられる「マタニティサービス」を実施していることがあります。

また出産予定日から15〜28日以内の妊婦さんは、搭乗時に医師の診断書が必要になり、出産予定日14日以内になると、診断書の提出に加え医師の同伴が求められることが多いようです。

サービス内容や必要な書類などを、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。

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締め付けない・暖かい服装で過ごす

旅行中はゆったりとした服装を基本として、パーカーやショールなどの防寒着も用意し、いつでも体温調節できるようにしておきましょう。

タイトな洋服だと、身体が圧迫されてむくんだり、体調が崩れやすくなります。
また季節にもよりますが、飛行機や建物内は意外に空調がきき、寒いくらいのこともあるようです。
妊婦に冷えは厳禁なので注意しましょう。

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すごしやすい環境の国にする

旅行先を選べるようなら、なるべく負担のかからない、すごしやすい国を選びましょう。

妊娠中は、なるべく過酷な環境は避けたいものです。
気候が厳しい国や、標高が高く酸素のうすい場所、不衛生で感染症にかかりやすかったりワクチンが必要なところ、政情や治安が悪い都市はおすすめできません。

旅行先には、気候がよく、清潔で安全な、なるべく時差の少ない場所を選びましょう
快適に移動ができたり、言葉が通じやすいかどうかもポイントです。

ゆとりのある旅行プランをたてる

疲れやすい妊娠中は、アクティビティ満載のプランや過密スケジュールはおすすめできません。
なるべくゆとりのある計画をたてましょう

時間が限られている旅行の場合には、ついついスケジュールを詰め込み過ぎてしまうものです。
とくに周遊型のツアーに参加すると、初日から移動続きになることも珍しくありません。

妊娠中は、1か所のホテルにじっくり滞在したうえで、体調をみながら出かけたり適宜オプションプランを追加するような過ごしかたをおすすめします。

飛行機による長距離移動も、身体に負担がかかるため、極力控えたいところです。
なるべくなら5~6時間ほど、長くても10時間以内の搭乗時間ですむ国を選びましょう。

妊婦さんにおすすめできる渡航先はヨーロッパ?アメリカ?

妊娠中に海外旅行に行く場合には、心身ともになるべく負担がかからない国にいくべきです。

一般的には、開発途上国よりも先進国、田舎よりも都市部のほうがリスクは低くなります。
ある程度日本人観光客がいる国も、過ごしやすいでしょう。
移動距離も、極端にかかるところは控えたほうが無難です。

これらの点をふまえると、つぎのような都市なら不安が少なく、比較的すごしやすいといえます。

【妊娠中でも比較的安心できる渡航先】

  • ハワイ
  • グアム
  • オーストラリア
  • カナダ(バンクーバーやカルガリーなど西側の都市部)
  • アメリカ本土(西海岸の都市部)

ヨーロッパ方面やアメリカ東海岸などは、住環境はよいですが、飛行機の搭乗時間が12時間ほどと長くかかるため、あまりおすすめできません。
またアフリカや、アメリカ中部の気候が激しい都市もさけるべきでしょう。

旅行の下調べのさいには、観光情報はもちろん、医療機関や休憩場所などもあわせてチェックしておくことをおすすめします。

海外の医療費は高額になりがちなため、渡航のさいには、妊娠・出産に対応しているタイプの海外旅行保険へ加入しておくのがベターです。
海外旅行保険は、出発後には入れません。
空港でも加入可能ですが、できれば早めに契約しておきましょう。

妊娠中の海外旅行の持ち物リスト

妊娠中の海外旅行には、以下のものを持参しましょう。

  • 母子手帳(緊急連絡先をかならず記載のこと)
  • 主治医による日本語の紹介状・英文の診断書(現地での万一にそなえ)
  • 海外旅行保険の証書や連絡先などのデータ
  • 医師の診断書・同意書(妊娠週数によっては、飛行機の搭乗時に必要)
  • 健康保険証
  • かかりつけの病院の診察券・連絡先情報
  • 生理用ナプキン
  • 防寒着
  • 着圧ソックス
  • マスク
  • 飲みもの
  • お菓子、あめやガムなど
  • 消毒ハンドジェル
  • ウェットティッシュ
  • タオル
  • 虫よけ用品
  • 腹帯
  • 常備薬・葉酸などのサプリメント
  • エチケット袋

“マタ旅”するなら、後悔しないためにも万全の準備を!

人生に何度も経験できない妊娠中の海外旅行ですが、リスクもたくさんあります。
万が一なにかあれば、自分を責めて一生後悔することになるかもしれません。

そうならないためにも、事前の準備は大切です。

まずはかかりつけの産婦人科医としっかり相談する必要があります。
そのうえで無理をせず、自分自身の身体と赤ちゃんの状態をみながら、ベストなタイミングをはかってマタ旅に出かけましょう。

すこしでも不安があるのなら、無理に海外にこだわるのではなく、国内のリゾート地や、住まい近郊の高級ホテルに滞在するといった代替案も検討の余地ありです。
海外へ行くにしろ国内でリフレッシュするにしろ、非日常を存分に味わい、素敵な思い出をつくってくださいね。

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