眠りが浅い妊婦さんが楽になる寝方とは?うつ伏せや右下で寝るリスクって?

妊娠中期から臨月にかけてお腹の赤ちゃんが成長するのと共にママのお腹も大きくなり、重苦しさを感じます。

特に就寝時は、仰向けの姿勢で寝るとお腹に圧迫を感じて苦しくなるので、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなる等の睡眠トラブルに悩む妊婦さんが多くいらっしゃいます。

この記事では、眠りが浅くなる原因や妊娠期の寝る姿勢とリスク、妊娠中にオススメの寝方、快眠のコツやアイテムをご紹介致します。

妊娠期の睡眠トラブル解消の参考にしてみて下さいね。

妊娠中期から臨月に眠りが浅くなるのはなぜ?

妊娠初期の頃は、よく睡魔に襲われ寝てばかりいたという声を耳にしますが、妊娠中期になると、睡眠トラブルに悩む妊婦さんが多くいらっしゃいます。

睡眠トラブルに悩む原因の多くは、妊娠による身体の変化によるものです。

では、具体的な原因を探っていきましょう。

お腹が大きくなる

妊娠7ヶ月頃になると、子宮のてっぺんがおへそより上部に達するためお腹がふっくらとしてきます。

お腹が大きくなると、寝返りが容易に出来なくなり寝つきが悪くなったり眠りが浅くなります。

また、大きくなったお腹によって膀胱が圧迫されるので、瀕尿になり夜中に何度もトイレで目が覚めてしまうのです。

胎動が激しくなる

妊娠中期の5ヶ月頃から感じ始める胎動は、最初は弱くてもお腹の赤ちゃんの成長と共に強く感じられるようになります。

特に妊娠後期から臨月の間は、お腹の赤ちゃんも大きくなって力も強くなります。

そのため、胎動の痛みで目が覚めてしまったり、寝不足になってしまうママも多くいらっしゃいます。

胎動は、ママが日中に動いている時よりも、就寝時や入浴中のリラックスをしている時に感じることが多いです。

ホルモンバランスの影響

妊娠後期から臨月にかけて、女性ホルモンである「エストロゲン」の分泌量が増加します。

エストロゲンは、眠りを抑制する作用があるため不眠を引き起こしてしまうのです。

出産後は、2時間から3時間ごとの授乳やおむつ替えで妊娠前のように寝られなくなります。

産後の育児に備えて、睡眠をコントロールされているのです。

妊娠期の寝る姿勢とリスクについて

妊娠初期の場合は、妊娠前と変わらない寝方でも問題ありません。

しかし、妊娠中期にお腹が出てくるようになるとママが寝る姿勢によっては、リスクを伴う場合があります。

仰向けや右側を下にした横向きで寝て苦しくなった場合は、仰臥位低血圧症候群の可能性があるので注意が必要です。

うつ伏せで寝ると、お腹が圧迫されて母体が苦しくなるだけでなく、お腹の赤ちゃんも苦しくなってしまいます。

妊娠初期から臨月までの全期間を通してお勧めの寝方は、左側を下にした横向きです。

仰臥位低血圧症候群とは

妊娠後期になるとお腹の赤ちゃんが成長し羊水量も多くなるので、子宮はかなり大きくなります。

妊娠中期から後期にかけて「仰向け」や「右側を下にした横向き」で寝ていると、苦しくなったりめまいや吐き気、血圧が低下する等の症状が現れる場合があります。

これがまさに仰臥位(ぎょうがい)低血圧症候群の症状なのです。

仰臥位低血圧症候群の原因

血液は心臓から出発して身体全体を巡り、静脈を通ってまた心臓に戻ります。

心臓に戻ってくる直前の血管を下大静脈と言い、背骨の前右側にあります。

仰向けや右側を下にした横向きで寝ると、大きくなったお腹が下大静脈を圧迫して血流がストップしてしまいます。

分かりやすく言うと、水の流れているホースを足で踏んで水の流れをストップさせてしまうことです。

血液が通わなくなると、心臓に戻る血液もこれから出発する血液も減り、ママの血圧が低下して気分が悪くなってしまいます。

酷い場合は、意識が低下して気絶を起こしてしまうことさえあるのです。

仰臥位低血圧症候群の予防策

妊娠中期から臨月にかけては、仰向けや右側を下にした横向きで寝ることは避け、「左側を下にした横向き」で寝るようにしましょう。

もし、仰向けや右側を下にした横向きで寝てしまい気分が悪くなったら、すぐに「左側を下にした横向き」に切り替えて寝るようにすると改善されますよ。

お腹の赤ちゃんへの影響はあるの?

ママが寝る姿勢によって苦しさを感じている時は、お腹の赤ちゃんも同じように苦しいのです。

ママが長時間に渡り気絶をしてしまった場合は、お腹の赤ちゃんへ酸素が送られなくなり心拍数が低下し低酸素状態となってしまいます。

最悪の場合、「胎児仮死(胎児ジストレス)」を引き起こす場合があるので注意が必要です。

「胎児仮死(胎児ジストレス)」とは?

お腹の赤ちゃんに十分な酸素がいかなくなり低酸素状態になってしまうことです。

酷い場合は赤ちゃんの臓器に障害が生じたり、最悪の場合死に至ることもあります。

胎児ジストレスは仰臥位低血圧症候群だけでなく、妊娠高血圧症候群や常位胎盤早期剥離、染色体異常等の様々な原因で起こります。

胎児ジストレスの治療法

分娩前:厳重に赤ちゃんの状態をモニタリングし、原因が分かればそれに対する治療が施されます。

状態が改善しない場合は、早急に帝王切開分娩を行います。

分娩時:ママに酸素吸入を行います。臍の緒が要因であれば、ママの体位を変えて改善させます。

羊水が少なくなっている場合は、羊水を注入することもあります。

それでも状態が改善できない場合は、吸引器や鉗子を使って分娩を行います が、母子ともにリスクがある場合は、緊急帝王切開となります。

お腹が張った時の気をつけたいトラブルや病気

妊娠後期になるとお産の準備を始める為、お腹が張る事が度々あります。

しかし、仰向けで寝ると起きた時にお腹が張っていて苦しかったり、いつもと違う張りの場合は、下記のようなトラブルや病気が発生しているかもしれないので注意が必要です。

常位胎盤早期剥離

お腹がカチカチに固くなって下腹部に痛みや出血が生じます。

赤ちゃんが生まれる前に胎盤が先に剥がれてしまうので、栄養や酸素が赤ちゃんに送られなくなります。

また、大量出血を伴い母子共にリスクが高まるため、妊娠週数に関係なく分娩を進めていきます。

切迫早産

いつもと違う継続的な張りと痛みや出血、悪臭や水っぽいおりものが生じます。

切迫早産の場合、まずその要因を調べてそれぞれの症状にあった薬や治療を施します。

  • 母体側要因:感染症や妊娠高血圧症候群、胎児機能不全など
  • 胎児側要因:胎児機能不全や羊水過多・過少など

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妊娠中のオススメの寝方とは?

妊娠中のオススメの寝方は、左側を下にした横向きでの寝方「シムス体位」です。
妊娠初期から臨月までの全ての期間で楽に寝られる姿勢とされています。

19世紀のアメリカで産婦人科医のJ・マリオン・シムズが考案したことから「シムス体位」、「シムスの姿勢」とも言われています。

もともとシムス体位は、昏睡状態の患者の気道確保や直腸検査する時の姿勢でした。
その後シムス体位がリラックスでき、妊婦さんにも有効であることが分かり、広く使われるようになったのです。

「シムス体位」の方法

シムスの姿勢は次のような手順で行ってみましょう。

  • 左側を下にして横向きになります。左側を下にするので、内臓が圧迫されずリラックスできます。
  • 左足は伸ばし、右足を前に出して膝を曲げます。
  • 左足と右足の間にクッションを挟みます。
    途中で姿勢が辛くなった場合は、挟んだクッションで調整するとリラックスできます。
  • お腹に負担が掛からない程度に上半身をややうつ伏せにします。

上手に姿勢が保てない方は、掛かりつけの産科医の先生か助産師さんに相談してみましょう。

逆子がなおる寝方がある?

妊娠30週くらいになると、お腹の赤ちゃんは頭を下にしているのが一般的ですが、足やお尻を下にしている「逆子」になっている場合もあります。

逆子の場合は、出産時に胎児機能不全などのリスクを伴うこともあるので「帝王切開術」での出産になる場合がほとんどです。

なるべくなら帝王切開術は避けたいですよね。

そこで逆子を治すことを目的とした寝方をご紹介します。

側臥位(そくがいい)といった寝方で、腕を下にして横向きに寝る姿勢のことです。

赤ちゃんの背中がママの右側にあればママは左腕を下にして、逆に赤ちゃんの背中が左側にあれば、右腕を下にして寝ます。

こちらの寝方は、なるべく産婦人科医の先生か助産師の指導の下で試みるようにして下さい。

快眠のコツやおすすめアイテム

分娩時は、短時間で安産になる人もいれば、長時間を要し難産になる人もいます。

いずれにしても出産には痛みに耐える体力が必要です。

少しでも体力を温存させるためにも、日頃の睡眠は身体を休める重要な時間です。

妊娠中はただでさえ眠りが浅いですから身体を休めるのも一苦労です。

そこで、こちらでは快眠のコツやオススメのアイテムをご紹介致します。

アロマを焚く

出産が近づくと不安でドキドキと緊張をしてしまい、なかなか眠れなくなってしまいます。

そんな時は、アロマを焚いてみるのも良いでしょう。

アロマには緊張や不安を取り除き、身体や心をリラックスさせる効果があります。

しかし、妊娠中には使用してはいけないアロマオイルもあります。

使用する前に、効果や使うタイミングをきちんと確認してから使うようにしましょう。

自分が楽な姿勢で寝る

妊娠が進んでいくとお腹が大きくなり、普段の寝方では寝苦しくなることがほとんどです。

しかし、中には仰向けで寝た方がリラックスできたという人もいます。

仰向けで寝る方が明らかに楽というのであればそのままで寝ても問題ありません。

寝方を気にしすぎてストレスがたまったり不眠になってしまっては本末転倒です。

寝方はひとそれぞれですので、自分が楽な姿勢が一番です。

抱き枕やクッションを使用する

「シムスの体位」でもご紹介しましたが、左足と右足の間に抱き枕やクッションを挟むとリラックスできます。

クッションは、赤ちゃんを授乳する際に使う授乳枕を使うと、出産時にも活用できるのでオススメです。

ほかにも、いつも使っている枕や座布団、掛け布団を丸めて使用するなど一番自分がリラックスできる物を使ってみて下さいね。

リラックスできる楽な姿勢と快眠の環境作りをしましょう!

いくら「シムス体位」が良いとはいえ、同じ姿勢が長く続くとストレスを感じたり、不眠になってしまう場合があります。

それでは逆効果ですし、必ずしも「シムス体位」で寝る必要もありません。

仰向けで寝る方が苦しくないしリラックスできるという方も中にはいらっしゃいます。

お腹の赤ちゃんの胎教や自身の身体のためにも、リラックスできる楽な姿勢を取る事が一番効果的です。

もし、苦しいと感じたら「シムス体位」を取るようにしましょう。

そして、快眠できるような環境づくりを行い、出産までにしっかりと身体を休めましょう!