妊娠時の正常値とは?高血圧・低血圧の症状と予防法について

妊婦健診では毎回血圧の検査があります。

血圧の数値を見ることで「妊娠高血圧症候群」などの病気の予防、早期発見を行うことができるのです。

高血圧や低血圧が引き起こす症状はさほど心配のいらない軽いものから、母体や赤ちゃんの命に関わるものまで様々です。

ここでは妊娠時の血圧の数値や症状、高血圧・低血圧の予防法などについてお伝えします。

妊婦の血圧の正常値とは?

血圧は小走りや階段の上り下りなど、軽い運動をすると上がることもあります。

血圧検査の前は急ぎ足にならないよう余裕を持ち、待合室で落ち着く時間をとってから測るようにしましょう。

妊婦の場合、最高血圧130mmHg未満、最低血圧85mmHg未満が正常血圧とされています。

至適血圧だとなお良い

正常血圧よりもさらに理想的な値を「至適血圧」といい、妊婦の場合、最高血圧90~血圧120mmHg、最低血圧が50~80mmHgです。

ママや赤ちゃんが病気にかかる可能性が低く、最も望ましい状態です。

正常高値は少し注意が必要

最高血圧140mmHg未満、最低血圧90mmHgの場合、「正常高値」といって少し気を付けなくてはいけない状態です。

妊娠高血圧症候群になる可能性もあるので、医師の指導を仰ぐようにします。

高血圧と低血圧の基準

最低血圧100~血圧110mmHg、最高血圧が140mmHgを超えると高血圧であり、最低血圧60~70mmHg、最高血圧が約90~110mmHgですと低血圧とされています。

妊娠時の高血圧の症状や原因

妊娠中は血液の量が増えるために血圧が上がることが多く、過度に血圧が上昇すると「妊娠高血圧症候群」を引き起こす可能性があります。

妊娠高血圧症候群とは

次のいずれかに当てはまる場合、「妊娠高血圧症候群」と診断されます。

1.血圧が高い(最高血圧140mmHg以上、最低血圧90mmHg以上)
2.血圧が高く、尿蛋白が2回以上連続して出る
3.妊娠前や妊娠20週前までに慢性高血圧と診断され、血圧が上がり蛋白尿が出る

妊娠高血圧症候群の原因

妊娠高血圧症候群は妊娠中に起こる疾患であり、はっきりとした原因はまだ分かっていません。

妊娠すると血液量が通常より増え、それにともない子宮やその他の内臓の血管、四肢の末梢血管も拡張します。

ところが何かの原因で血管が広がらず、増えた血が血管を圧迫することがあります。

すると血圧が上がり、血液が必要な場所に行き届かなくなって妊娠高血圧症候群を引き起こすのです。

妊娠高血圧症候群の症状

高血圧から来る症状には主に頭痛や、むくみ、めまいなどがあります。

むくみは普通の妊婦ママにもよく見受けられることなので、一般の高血圧か、妊娠高血圧症候群かどうかは医師に診断してもらいます。

次に、妊娠高血圧症候群の症状にはどのようなものがあるかお伝えします。

血流障害

妊婦高血圧症候群の妊婦さんの場合、内蔵への血流が上手くいかず深刻な症状を引き起こす場合があります。

たとえば肝臓は、血液循環、解毒など大切な役割を担っており、肝臓への血流が悪くなると「HELLP症候群」という深刻な合併症を引き起こすこともあります。

脳への血流が上手くいかないと、けいれんや意識障害などが起こり生命に関わる時もあります。

妊娠高血圧腎症

高血圧に加え蛋白尿が出ると「妊娠高血圧腎症」と診断され、進行すると合併症を引き起こす場合もあります。

妊娠高血圧腎症を発症すると、「常位胎盤剥離」といって胎盤が分娩前に子宮からはがれ大量出血を起こす可能性もあります。

また、胎盤機能が正常に働かなくなり栄養や酸素が赤ちゃんに行き渡らず、「胎児発育不全」を引き起こしたり、胎児の死亡につながることがあります。

妊娠高血圧症候群を発症しやすいタイプ

妊娠高血圧症候群は、妊婦の7~10%に発症し、軽くすむこともあれば重症化して母体や赤ちゃんの生命に関わる場合もあります。

妊娠後期(約30週)以降に発症することが多く、それまで異常が見られなかった妊婦さんが出産当日に血圧150mmHgを超え、「妊娠高血圧症候群」と診断され、陣痛促進剤で出産の時間を短くして出産したケースもあります。

妊娠高血圧症候群の原因がまだ解明されていないのでリスク因子もまだ特定されていません。

ただ、次のようなタイプは注意が必要です。

  • 40歳以上の高齢の妊婦:加齢により血管が固く、末梢血管が開きにくいケースが多いです。
  • 急激に体重増加した妊婦:体重が増えると血圧も上がる場合が多いので、産婦人科医の指導のもと体重管理に努めることが必要です。
  • 多胎:ふたごや三つ子の場合、子宮の容積が大きくなり母体の血流がとどこおる可能性があります。

その他、初産や妊娠前から血圧が高めだったり、家族に高血圧の人がいる妊婦ママも注意が必要です。

妊娠高血圧症候群の予防法

妊娠高血圧症候群は、はっきりとした原因がつかめておらず根本的な予防法もありません。

ただ、生活習慣などを見直すことで発症しにくくすることは出来ます。

発症すると、妊娠中は完治しないため、今よりも悪化させないよう努めることが大切です。

ストレスをためない

イライラやストレスは、血圧を上げる原因となります。

家事や仕事で疲れを感じたら、無理をせず休みをとり、リラックスすることをおすすめします。

リラックスの方法は人によって様々ですが、ヨガや体操などの軽い運動や仮眠も効果があります。

趣味や楽しいことをするのもストレス発散に効果大です。

病院の定期検査は必ず受ける

妊娠高血圧症候群は、ほとんど自覚症状がなく知らず知らずのうちに進行しているケースが多いです。

産婦人科の妊婦健診では、尿検査や血圧検査など早期発見のために大切な検査が毎回行われています。

無料か低額で受診できる検査が多いので、ぜひ毎回の受診をおすすめします。

「仕事などで忙しく時々しか健診に行けない」等、事情がある妊婦さんは、体重や尿の量などを普段から自分でチェックしておき、おかしいと感じたらすぐに担当の医師に相談することをおすすめします。

食事療法

妊娠高血圧症候群は、塩分の過剰摂取や食べ過ぎから発症しやすい病気です。

しかし、極端な塩分制限やカロリー制限も危険性があります。
特に妊娠後期は赤ちゃんがどんどん発育する時期で栄養が必要なため、妊婦さんはお腹がすきます。

病院からは野菜や魚などの食材を使った和食などをバランスよく適度に食べるよう指導されることが多いです。

外食や冷凍食品、市販のスナック菓子などは塩分が高く、高カロリーなのでなるべく控えます。

食事を取る際、ごはんなどの炭水化物から食べると血糖値が一気に上がり肥満につながりやすいです。

小鉢一杯分の野菜を先に食べてからご飯を食べる「べジファースト」を実践すると、ヘルシーな野菜でお腹が満たされ過度な体重増加を予防出来ます。

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妊娠時の低血圧の症状、原因

もともと女性は筋肉の量が少なく、心臓に血液を戻すふくらはぎの筋肉も弱いため、足の下部に血液がたまりやすい傾向にあります。

さらに妊娠してお腹が大きくなると骨盤の周囲の血流が悪くなり、血液が心臓にもどりにくくなります。

そのため、妊娠中は血圧が低くなりがちなのです。

リスクの高い妊娠中の高血圧に比べ、低血圧はさほど心配いらないことが多いです。

しかし中には、ショック状態低酸素状態を引き起こす低血圧もあるので、注意が必要です。

一般的な低血圧の症状

低血圧に多くみられるのが、めまい、立ちくらみ、頭痛、息苦しさなどの症状です。

命には関わりませんが、足元がふらついて転ばないよう、座ったり横になったりして様子をみます。

起立性低血圧

妊娠初期のつわりで水分や食事を取れない時期に多く、冷や汗やだるさの後に起きやすい症状です。

立ち上がった時や、眠りから覚めて起き上がる時などにめまいやふらつきを起こします。

無理をして立ち上がらず、安静にして様子をみます。

水分を十分取ることが大切で、つわりがひどい時は口を濡らすのも効果的です。

仰臥位(ぎょうがい)低血圧症候群

「仰臥位」とは仰向けに寝る姿勢のことです。

妊娠中期から後期の妊婦が仰向けで寝ると大きくなった子宮が背中の右側にある大静脈を圧迫することがあります。

さらに心臓での血液の流れが悪くなり、血圧が低下し、母体や胎児に十分な血液が行き届かなくなります。

この「仰臥位(ぎょうがい)低血圧症候群」になると、妊婦の意識が遠のいたりショック状態を引き起こしたり非常に危険な状態となります。

妊婦さんはお腹が大きくなったら仰向けではなく、体の左側を下にして眠ることをおすすめします。

また、足と足の間にクッションやタオルを挟むことでより楽になることもあります。

妊娠時の低血圧の予防法

血液の循環は、自律神経が大きくかかわっています。

自律神経の働きを良くするには、高血圧の予防法と同じく、適度な運動やストレス解消が大切です。

その他、特に低血圧の予防に効果的な方法をお伝えします。

身体を温める食材が効果的

低血圧になると体温が低くなることが多いので、体温を上げる作用のある根菜や、豚汁、魚のお汁などのメニューがおすすめです。

特に朝食は一日のエネルギーを蓄え、体温を保持するのに大切な食事ですので、しっかり食べるようにしましょう。

水分の摂取

水分をとると血圧が上昇するため、低血圧の予防や改善には効果的です。
数時間おきに水を飲むように心がけ、特に就寝中はたくさん汗をかくので朝は多めに飲むようにします。

十分な睡眠をとる・質の良い睡眠をとる

低血圧の人は寝つきが悪いことが多いのですが、10時頃に就寝すると身体が休まり健康にも良いです。

就寝30分以内にテレビやスマホ、パソコンなどを見て目から光が入ると、脳が休まらず寝つきが悪くなります。

就寝直前にこれらの機器を使うのは控えましょう。

また、カーテンを遮光性のあるものにすると外部の光が遮断されるため、寝つきが良くなります。

高血圧や低血圧は薬で解消出来る?

一般に血圧の高い女性は、妊娠高血圧症候群、胎児発育不全などを起こす確率が高いです。
このため、降圧剤という血圧を下げる薬を服用する場合もあります。

ただし薬はあくまでも症状を一時的に抑えるために使われるのであって、病気の原因そのものを取り除く訳ではありません。

血圧の高い妊婦さん全てに異常が見られるかというとそうではありません。

妊娠前から降圧剤を服用している女性でも、妊娠初期から中期にかけては薬をのまなくても、順調に分娩出来ることは少なくありません。

低血圧は高血圧に比べて危険性が低く、医師が血圧を上げる薬を処方することはそう多くありません。

妊婦健診で血圧を測定し病気の早期発見、予防を

今回は、妊婦さんの高血圧や低血圧が引き起こす症状、予防法などについてお伝えしました。

血圧は血液の循環が上手くいっているか、大きな病気などが潜んでいないか判断する大切なバロメーターです。

血圧を安定させ病気を予防するには普段の食生活や適度な運動はもちろん、毎回の妊婦健診を受診することが大きなポイントです。

病院の妊婦健診はぜひ毎回受診し、元気な赤ちゃんを産めるように健康管理に気を配りましょう。

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