夫・上の子・仕事…妊娠中はなぜイライラする?放置するリスクと解消法とは

これからママになる“プレママ”や、ふたりめ以降を妊娠中の方は、なにかしらかの悩みやストレスを感じながら日々を過ごしていることが多いのではないでしょうか。

妊婦さんを取り巻く環境は人それぞれで、トラブルや悩みは妊婦さんの数だけ存在するといっても過言ではありません。
解決したくても、相談できる人がそばにいない…なんて不安ですよね。

ストレスフルな妊娠中は、なにかと感情的になってしまうもの。
だからこそ、妊娠中のイライラとはうまく付き合っていきたいものです。

ここでは、そんな妊娠中のストレス、イライラの乗り切りかたについてご紹介していきます。

妊娠中はなぜイライラしやすいの?

じつは妊娠中は、だれしもイライラを感じやすくできているようです。
それはなぜなのでしょうか。

ホルモンバランスの変化

女性の身体は、生理周期にあわせてエストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンが増減し、バランスを保っています。

しかし妊娠すると、このホルモンバランスが大きく崩れることになるのです。
そのため、理由もないのにイライラしてしまったり、突然泣き出してしまったりといった「感情の起伏」が誰でもふだんより生まれやすくなります。

プロゲステロンの働きとは?

女性が妊娠すると、まずはプロゲステロンの分泌量が増加します。
プロゲステロンには、基礎体温を上昇させ、受精卵を着床しやすくさせたり、赤ちゃんが過ごしやすい環境に子宮内を整えるはたらきがあります。

また乳腺を発達させ授乳の準備を助けてくれたり、子宮が収縮しないようにして流産しにくい身体に整える効果もあります。

妊娠期のマイナートラブルによる体調の変化

妊娠中のマイナートラブルは、大きなストレスになります。
マイナートラブルの内容はさまざまです。
妊娠の時期ごとに、一般的によくみられる症状をみていきましょう。

妊娠初期

妊娠初期の代表的な症状としてあげられるのは、つわりによる胸焼け、吐き気、嘔吐でしょう。
ひと口につわりといっても、吐きつわり・食べつわり・よだれつわり・においつわりなど、いろいろな種類があります。

慢性的な頭痛や、乳房の痛み、ふとしたときのめまいや貧血、継続的な鼻水などに悩まされる人もいるでしょう。
流産のリスクがもっとも高く、体調的にも精神的にも追いつめられやすいのが妊娠初期です。

妊娠中期

妊娠中期は、安定期に入ることでつわりが落ち着いてきます。
身体がいくぶんラクになってくる時期ですが、急な食欲増加と、それにともなう体重管理に悩まされる人も多いようです。
むくみや静脈瘤、妊娠線、急に来る胎動がストレスになるケースもあります。

妊娠後期

妊娠後期は、お腹が大きくはりだすため、ちょっとした動作をするのもひと苦労といった時期です。
これまでできたことができなくなってしまうことによって、戸惑いやいら立ちも生まれます。

またおなかが圧迫されることによって、頻尿や食欲不振、慢性的な便秘やそれにともなった痔、動悸や息切れに悩まされることもあるようです。
マイナートラブルによって生活が不規則になり、よけいにストレスが助長されることもあります。

身体の変化に対するショック

マイナートラブルまでいかずとも、妊娠がすすむにつれて起こる見た目の変化にショックをおぼえ、イライラを感じる人もいるでしょう。

具体的には、妊娠線、シミやソバカス・ホクロの増加、日焼け、抜け毛、体毛が濃くなる、妊娠顔貌、体重の増加、虫歯、肌荒れ、にきび、白髪、髪のパサつきなどがあげられます。

ただでさえ妊娠中は、ついつい身体のお手入れがおろそかになることもあるので、なおさらストレスにつながることもあるかもしれません。

出産に対する不安

流産してしまわないか、陣痛には耐えられるか、健康な赤ちゃんが産めるか、りっぱな母親になれるか…。
初産の人はとくに、こういった出産に対する不安やプレッシャーがあるものです。
出産をむかえるその日までもんもんとし、イライラがつのるかもしれません。

旦那の態度・言動

もっとも身近にいる旦那さまの態度に、ついカチンとくることもあるでしょう。
妊娠を経験できない男性は、ママの体調変化を正確には理解しきれず、ついそっけない態度をとってしまうこともあるようです。

仕事や趣味を理由に家事・上の子の育児に非協力的だったり、ゴミだし程度で大きな顔をされたり、目の前でアルコール・タバコ・スナック菓子などを口にされてしゃくに障ることがあるかもしれません。

こういった妊娠出産に対する夫婦間の温度差を感じることによって、パパのちょっとした言動にもイラつぼを刺激されることになります。

義母や実母からのアドバイス、小言

妊娠出産の大先輩である義理の母親や実母から、アドバイスや小言をもらい、ストレスになるケースもあるでしょう。
時代とともに、妊娠出産にまつわる常識・非常識も変遷しています。

にも関わらず、自分の経験や体験談をもとに一方的に意見を押しつけられると、思わずイラッとしてしまうものです。

上の子の赤ちゃん返り・イヤイヤ期

上の子がママの妊娠を敏感に感じとり、赤ちゃん返りしてしまうこともあります。
またちょうどイヤイヤ期に差し掛かって、手がつけられないこともあるでしょう。
これだけでも相当なストレスがかかります。

加えて、つい子どもを強く叱ってしまうことで義父母など周囲の人間に責められたり、思ったように子どもの相手をしてあげられない自分自身を歯がゆく思うことで、余計にイライラがつのる人もいるかもしれません。

仕事との両立が難しい

近年は共働きは当たり前で、妊娠しても仕事を続ける女性が多いのではないでしょうか。
けれどマイナートラブルや身体的な制限などにより、妊娠前のようには働けないこともあります。

自分でももどかしいのに、上司や同僚など周りの理解を得られず、余計にイライラしてしまうこともあるかもしれません。

イライラしたときの対処法

イライラしてしまう原因についてお話してきましたが、そんな嫌なストレスは、すこしでも解消したいところです。
ここからは、上手にストレスを乗り切るコツをお伝えしていきましょう。

生活習慣の見直し

つわりなどのマイナートラブルが発端になって、不規則な生活を送っている人もいるでしょうが、なるべく生活リズムを整えていきましょう。
睡眠時間をたっぷり確保し、栄養もたっぷりとることで、身体にパワーがみなぎり、ストレスを乗り切るチカラがついていきます。

朝は日の光を浴びて、眠いときには仮眠をとる

朝は、なるべく日光を浴びるのがおすすめです。
朝日をあびると、睡眠ホルモン“メラトニン”や、幸せホルモン“セロトニン”を整えることができます。
これによって精神が安定しやすくなり、ストレスに強い心をたもちやすくなるでしょう。

日光浴の時間は、10~30分ほどで十分です。
日中は、眠気が強かったり体調が悪いときには、ムリをしないで仮眠をとり、身体をいたわってあげましょう。

体に負担をかけすぎない

なるべく身体に負担をかけすぎないようにしましょう。
家事や育児、仕事との両立ではりきり過ぎてしてしまう人もいるかもしれませんが、肉体的な疲労やストレスが蓄積すると、おなかの赤ちゃんへ悪影響がでてしまうかもしれません。

妊娠中は、医師の指導のもと、体調をみながら仕事量を減らせることが法律で決まっています。
身体がつらいようであれば、遠慮せずに担当医や職場へ相談してみましょう。
仕事はほかの人が対応することもできますが、お産はだれも代われません。

日常生活では、重いものを買うようなときには家族にヘルプを頼んだり、配送をうまく利用するのも手です。


たまには食べたいものを思い切り食べる

ときには食事制限や体重管理を忘れて、好きなものを思い切り食べましょう。
外でのランチを楽しんだり、ぜいたくめな食材をとり入れてみるのもスッキリポイントです。
評判のお取り寄せグルメをチェックしてみるのもよいかもしれません。

ウォーキングやヨガ、スイミングなどの運動にチャレンジする

妊娠初期には難しいですが、身体を動かせる時期になったら、病院での指示に従いながら運動や体力づくりをはじめましょう。
適度な運動には、脳の疲れやストレスを解消する効果があります。

なかでもウォーキングなどの「単純なリズム運動」には、先に説明したセロトニン(幸せホルモン)の分泌を活性化する効果が強いようです。

人によってはおなかの張りが出てしまう場合もあるので、休憩しながら自分のペースで行いましょう。
マタニティ専用のヨガやスイミングを実施している病院・スクールを探してみるのもおすすめです。

思い切り泣いたり笑ったりする

イライラ解消には、思い切り泣いたり笑ったりすることも有効です。
泣くと、涙とともに“コルチゾール”などのストレス物質が排出されるといわれています。

また泣いたあとには、ストレスをやわらげる効果のある“エンドルフィン”という、脳内麻薬の一種も分泌されるようです。

このエンドルフィンは、笑ったときにも分泌されます。
心のデトックスのつもりで、泣いたり笑ったりできる映画や小説をさがして楽しみましょう。
物語に没頭することによっても、気がまぎれ、気持ちが晴れます。

胎教によい音楽を聴く

胎教によい音楽には、赤ちゃんへの効果はもちろん、ママ自身へのリラックス効果もあります。
気分転換にうまく利用してみましょう。
赤ちゃんの聴覚が発達してきている時期には、音量には注意が必要です。

友達や親しい人に会って、ひたすら話す

学生の頃には毎日顔を合わせていた友人も、家庭を持ったり子どもができたのをきっかけに、時間的・物理的な拘束ができ、どうしても疎遠になりがちです。

気心のしれた人や先輩ママたちと会う時間を作り、思い切りおしゃべりする機会をもうければ、スッキリします。
お互いストレス発散できるでしょう。

子育て支援センターを活用する手もアリ!

話相手は、なにも親しい友人に限る必要はありません。
助産師といった育児のプロに話を聞いてもらうのも有効です。

地域の子育て支援センターは、出産前でも利用できる場合がほとんど。
妊娠前の人に向けたプログラムがある場合もありますので、うまく活用することをおすすめします。

妊娠中のイライラ、放置したらどうなるの?

妊娠中のイライラは、ある程度は仕方のないものですが、ご紹介した方法を参考にしながら、なるべくこまめに解消していきましょう。
もしもストレスを放置しつづけた場合には、どんな影響があるのでしょうか?

切迫早産・早産を引き起こす原因になる

妊娠中期~後期におこりうる切迫早産は、動きすぎや子宮頚管の短さ以外にも、外から受けるストレスが引き金になることがあるようです。
一般的に、36週未満の早産だと、赤ちゃんがなんらかの障害をもって生まれてくる可能性が高いといわれています。

胎児が栄養不足になる可能性

人はストレスと感じると、身体の防衛機能がはたらきます。
重要な臓器である心臓や脳を優先して守ろうとして血液が集まり、他の臓器は後回しにされるのです。

結果として子宮の血流が悪化し、赤ちゃんに十分な栄養がいきわたらなくなったり、低体重の子が産まれてしまう可能性があります。

ストレスホルモンによる赤ちゃんへのダメージ

胎盤が未完成である妊娠初期や、なんらかの疾患で胎盤がうまく機能していない場合には、胎児に悪影響をあたえるストレスホルモンがうまくブロックされず、胎児に伝わってしまうことがあります。
胎児におこりうるリスクは、つぎのようなものです。

喘息・アレルギー

ストレスによって分泌される“コルチゾール”というホルモンがブロックされないと、赤ちゃんの喘息やアレルギーリスクがあがることが指摘されています。

情緒不安定

コルチゾールは、赤ちゃんの心拍や神経系統にも悪影響をおよぼすと考えられています。
神経系の発達不良があると、赤ちゃんが情緒不安定になったり、夜泣きしやすいようです。

ADHD

コルチゾールはまた、産まれてきた子がADHD(注意欠陥・多動性障害)になるリスクをアップさせるともいわれています。

自分にあったストレス解消法でママと赤ちゃんの健康を守ろう!

ストレスをため込んでも、よいことはひとつもありません。

完全にイライラをなくすのは難しいでしょうが、自分に適したストレス解消法を見つけ、少しでも心の平穏をはかりましょう
自分自身を大切にすることが、おなかの赤ちゃんを大切にすることにもつながるのです。

皆さんのマタニティライフが笑顔にあふれ、幸せを感じられるものでありますよう、編集部一同、応援しています!